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2014年02月11日
始生代
始生代(しせいだい、Archean eon)とは、地質時代の分類のひとつ。40億年前(または38億年前)から25億年前までの間を指す。最初の生命が誕生したと考えられる冥王代の次の時代であり、原核生物から真核単細胞生物が現れるまで[1]で原生代の前の時代である。太古代とも呼ばれる。
目次 [非表示]
1 概要
2 分類 2.1 原始生代 (Eoarchean)
2.2 古始生代 (Paleoarchean)
2.3 中始生代 (Mesoarchean)
2.4 新始生代 (Neoarchean)
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
6 外部リンク
概要[編集]
地層が現存する最初の地質時代で、最古の地層はグリーンランド西部、イスア地域のイスア緑色岩帯(英語版)で、約38億年前のものである[2]。
系統樹による推計では、この時代の初期に全生物最後の共通祖先が現れ、細菌の祖先と古細菌類の祖先が誕生したと推定されている。これら生物のものとみられる微化石も発見されている。この時代のストロマトライトが最も古く、これを形成した藍藻類は地球上に酸素を供給し始めたと考えられる。グリーンランド、カナダ楯状地、バルト楯状地、スコットランド、インド、ブラジル、オーストラリア、南部アフリカなどに残っている岩石のほとんどは変成作用を受けている。
分類[編集]
始生代はさらに4つに分類される[3]。
冥王代との境界の年代値は公式には決まっておらず、暫定的な値として40億年前が使われている。この時代は放射年代測定による年代値ではなく、国際標準層序年代(Global Standard Stratigraphic Age)による数値年代で定義されているため、年代数値に誤差は生じない[4]。
原始生代 (Eoarchean)[編集]
始生代初期。
40億年前(または38億年前)から36億年前
古始生代 (Paleoarchean)[編集]
始生代前期。
36億年前から32億年前
中始生代 (Mesoarchean)[編集]
始生代中期。
32億年前から28億年前
新始生代 (Neoarchean)[編集]
始生代後期。
28億年前から25億年前
目次 [非表示]
1 概要
2 分類 2.1 原始生代 (Eoarchean)
2.2 古始生代 (Paleoarchean)
2.3 中始生代 (Mesoarchean)
2.4 新始生代 (Neoarchean)
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
6 外部リンク
概要[編集]
地層が現存する最初の地質時代で、最古の地層はグリーンランド西部、イスア地域のイスア緑色岩帯(英語版)で、約38億年前のものである[2]。
系統樹による推計では、この時代の初期に全生物最後の共通祖先が現れ、細菌の祖先と古細菌類の祖先が誕生したと推定されている。これら生物のものとみられる微化石も発見されている。この時代のストロマトライトが最も古く、これを形成した藍藻類は地球上に酸素を供給し始めたと考えられる。グリーンランド、カナダ楯状地、バルト楯状地、スコットランド、インド、ブラジル、オーストラリア、南部アフリカなどに残っている岩石のほとんどは変成作用を受けている。
分類[編集]
始生代はさらに4つに分類される[3]。
冥王代との境界の年代値は公式には決まっておらず、暫定的な値として40億年前が使われている。この時代は放射年代測定による年代値ではなく、国際標準層序年代(Global Standard Stratigraphic Age)による数値年代で定義されているため、年代数値に誤差は生じない[4]。
原始生代 (Eoarchean)[編集]
始生代初期。
40億年前(または38億年前)から36億年前
古始生代 (Paleoarchean)[編集]
始生代前期。
36億年前から32億年前
中始生代 (Mesoarchean)[編集]
始生代中期。
32億年前から28億年前
新始生代 (Neoarchean)[編集]
始生代後期。
28億年前から25億年前
始生代
始生代(しせいだい、Archean eon)とは、地質時代の分類のひとつ。40億年前(または38億年前)から25億年前までの間を指す。最初の生命が誕生したと考えられる冥王代の次の時代であり、原核生物から真核単細胞生物が現れるまで[1]で原生代の前の時代である。太古代とも呼ばれる。
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1 概要
2 分類 2.1 原始生代 (Eoarchean)
2.2 古始生代 (Paleoarchean)
2.3 中始生代 (Mesoarchean)
2.4 新始生代 (Neoarchean)
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
6 外部リンク
概要[編集]
地層が現存する最初の地質時代で、最古の地層はグリーンランド西部、イスア地域のイスア緑色岩帯(英語版)で、約38億年前のものである[2]。
系統樹による推計では、この時代の初期に全生物最後の共通祖先が現れ、細菌の祖先と古細菌類の祖先が誕生したと推定されている。これら生物のものとみられる微化石も発見されている。この時代のストロマトライトが最も古く、これを形成した藍藻類は地球上に酸素を供給し始めたと考えられる。グリーンランド、カナダ楯状地、バルト楯状地、スコットランド、インド、ブラジル、オーストラリア、南部アフリカなどに残っている岩石のほとんどは変成作用を受けている。
分類[編集]
始生代はさらに4つに分類される[3]。
冥王代との境界の年代値は公式には決まっておらず、暫定的な値として40億年前が使われている。この時代は放射年代測定による年代値ではなく、国際標準層序年代(Global Standard Stratigraphic Age)による数値年代で定義されているため、年代数値に誤差は生じない[4]。
原始生代 (Eoarchean)[編集]
始生代初期。
40億年前(または38億年前)から36億年前
古始生代 (Paleoarchean)[編集]
始生代前期。
36億年前から32億年前
中始生代 (Mesoarchean)[編集]
始生代中期。
32億年前から28億年前
新始生代 (Neoarchean)[編集]
始生代後期。
28億年前から25億年前
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1 概要
2 分類 2.1 原始生代 (Eoarchean)
2.2 古始生代 (Paleoarchean)
2.3 中始生代 (Mesoarchean)
2.4 新始生代 (Neoarchean)
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
6 外部リンク
概要[編集]
地層が現存する最初の地質時代で、最古の地層はグリーンランド西部、イスア地域のイスア緑色岩帯(英語版)で、約38億年前のものである[2]。
系統樹による推計では、この時代の初期に全生物最後の共通祖先が現れ、細菌の祖先と古細菌類の祖先が誕生したと推定されている。これら生物のものとみられる微化石も発見されている。この時代のストロマトライトが最も古く、これを形成した藍藻類は地球上に酸素を供給し始めたと考えられる。グリーンランド、カナダ楯状地、バルト楯状地、スコットランド、インド、ブラジル、オーストラリア、南部アフリカなどに残っている岩石のほとんどは変成作用を受けている。
分類[編集]
始生代はさらに4つに分類される[3]。
冥王代との境界の年代値は公式には決まっておらず、暫定的な値として40億年前が使われている。この時代は放射年代測定による年代値ではなく、国際標準層序年代(Global Standard Stratigraphic Age)による数値年代で定義されているため、年代数値に誤差は生じない[4]。
原始生代 (Eoarchean)[編集]
始生代初期。
40億年前(または38億年前)から36億年前
古始生代 (Paleoarchean)[編集]
始生代前期。
36億年前から32億年前
中始生代 (Mesoarchean)[編集]
始生代中期。
32億年前から28億年前
新始生代 (Neoarchean)[編集]
始生代後期。
28億年前から25億年前
先カンブリア時代
先カンブリア時代(せんカンブリアじだい、Precambrian (age))とは、地球が誕生した約46億年前以降、肉眼で見える大きさで硬い殻を持った生物の化石が初めて産出する5億4,200万年前以前の期間(約40億年)を指す地質時代であり、冥王代(Hadean)、始生代(Archeozoic)、原生代(Proterozonic)の三つに分け、これらの時代区分は生物の進化史を元にしている。
先カンブリア時代に関しては詳しいことがあまり分かっておらず、現在知られていることもほとんどはここ数十年で分かってきたことである。
先カンブリア代 (Precambrian eon(s)) とも呼ばれる。また、古生代、中生代、新生代を表す顕生代に対して、隠生代 [1](Cryptozoic eon(s)) と呼ぶ。まれに先カンブリア紀 (Precambrian period)と呼ばれることがあるが、紀は累代および代より小さい時代区分なので、これは正しくない。
目次 [非表示]
1 名称
2 区分
3 先カンブリア時代の地球
4 生命
5 プレートテクトニクス
6 氷期
7 大気
8 地質時代区分
9 脚注
10 参考文献
11 関連項目
12 外部リンク
名称[編集]
年代測定の手段が化石の比較による相対年代しかなかった時代には、明瞭な化石が出る最古の時代であるカンブリア紀以前は、年代測定の手段がなく、地質時代を区分することが出来なかった。そのため、先カンブリア時代として一括して扱われた。
隠生代という名称は、大型生物などの化石がほとんど見つからないことから、先カンブリア時代終了から現在までの、化石が大量に見つかる時代である顕生代と対照して名付けられた。
区分[編集]
地球史を24時間にたとえた図。地球史の大部分(0時から21時頃まで)は先カンブリア時代である。
先カンブリア時代は、累代・代・紀・世といった通常の階層的な地質時代区分とは少々性質が異なる。
国際層序委員会 (ICS) などによる標準的な時代区分では、先カンブリア時代は冥王代・始生代・原生代の3つの累代からなる。地球史を構成する4つの累代のうち3つが先カンブリア時代に属することになる。なお4つ目の累代は、古生代・中生代・新生代の全てが含まれる顕生代である。
先カンブリア時代は、他の地質時代のような、地球史をいくつかに分けた1つというよりは、地球史の大部分であるといえる。
先カンブリア時代の地球[編集]
地球は約46億年前に、太陽の周囲を廻る軌道にあった天体、すなわちミニ惑星が合体して形成されたとされる。小さな塵などが合体して火星ほどの大きさになり、それがさらに10個ほど衝突して現在の地球となった。このうち最後の衝突はジャイアント・インパクトと呼ばれ、月ができる原因になったとされる。原始地球の表面は岩石が溶けたマグマの海で覆われ、水は水蒸気、雲として大気中に存在していた。やがて微惑星の衝突がおさまり表面温度が下がると地殻が形成され、水蒸気は雨として降り海洋を形成したと考えられている。こうした活動が続いたこともあり、約40億年前には地球のほぼ全体が海で覆われるようになった。現在地球上で見つかっている最古の岩石が約44億400万年前のものであることから、少なくともこの頃までには地殻は形成されていたようである。
40億年前から38億年前の期間に、それまで減少傾向だった隕石の衝突が再び急激に増加したことが月のクレーターの調査から明らかになり、隕石重爆撃期と呼ばれるようになってきたが、なぜ太陽系ができてから6億年も経った時期に隕石の衝突が増えたのか、原因はまだ分かっていない。
生命[編集]
生命がいつ誕生したかについては諸説あるが、グリーンランドのイスア地方で、38億年前の岩石に生命由来のものと思われる炭素の層が見つかっている。35億年前の細菌類の化石が、南アフリカのオルフェルワクト層のチャートから出土している[2]。西オーストラリアビルバラ地域では保存状態が良好な34億6,000万年前以前のバクテリアの化石(ワラウーナチャートとエイベックスチャートという岩石から出たもの)が発見されている。同じ地域では、恐らくさらに1億年以上古いと思われる化石も見つかっている。 27億年前頃には酸素を必要としない嫌気呼吸する嫌気性細菌と好気性細菌が入れ替わったと推定され、地球生命史における「生物の最初の大絶滅と棲み分け」であったと考えられる[3]。 19億年前のカナダ・スペリオル湖北岸のガンフリント層(主にチャートの地層)から多くの微化石が発見されている。それらは球状・繊維状の形態をした細菌類である[2]。 生命が発生したのは早ければ43億年前であるとする研究者もいる。このように先カンブリア時代を通して、原始的生命体が生きていた確実な証拠が見つかっている。
およそ25億年前頃までには、太陽からの光を受け取り光合成を通じて自らエネルギーを得る生物が現れた(原核生物の藍藻類が35億年前から30億年前頃に現れた)。この光合成を行う際に不必要なものとして廃棄された物質が酸素であり、これらの生物が光合成を行い続けるにつれて、わずかにではあるが酸素の濃度は少しずつあがっていった。酸素は後に、他の生命が生息していくための一つのエネルギー源にもなる物質として利用されることになる。
米国テキサス州とインドでの古い不確かな報告以外では、複雑な多細胞生物と考えられる最古の証拠は約6億年前のものである。世界各地の約6億年前から約5億4200万年前にかけての地層から、現在のものとは全く違う軟体動物の痕跡が見つかっている。これらはエディアカラ生物群と呼ばれる。先カンブリア時代末期の5億4,400万年前には、異なった形態の生物が出現する。これは「有殻微小動物群」(Small shelly fauna) と呼ばれるが、詳しい事はほとんど分かっていない。この生物群は顕生代の始め、カンブリア紀のごく初期に消滅し、入れ替わるようにして多様な生物群が出現した。これはバージェス動物群と呼ばれるが、この生物群の爆発的な多様化をカンブリア爆発と呼ぶ。
1950年から1980年にかけてソ連や北米の古生物学者たちがトモティアン動物相をカンブリア系基底の堆積物の下から発見した。これらの生物は小さな骨格を持っており、小さな管や円錐の殻からできている。6億年前の動物相であり、エディアカラ動物相と系統的関係がない。しかし、カンブリア系の化石の生物の多くのものの直接の先祖であるらしい。[4]
プレートテクトニクス[編集]
先カンブリア時代のプレートテクトニクスの様子は曖昧にしか分かっていない。当初は海ばかりでほとんど陸は無かったと考えられている。プレートが他のプレートの下に沈み込む場所で造山運動が始まり、小さな島や日本列島のような弧状列島などができ、やがてそれらが拡大、合体して次第に大きな陸塊へと成長していった。約27億年前には、マントルの対流が二層対流から一層対流へと変わったことでプレートが大きくなり、次第に大陸が形成されていった。
またこの頃、激しい火山活動により大陸が急成長した。約19億年前には、初めての超大陸であるヌーナ大陸が形成された。これは現在の北アメリカ大陸ほどの大きさだったとされる。この頃、2度目の大陸急成長が起きた。その後の大陸移動の様子は研究者によって大きく意見の食い違いがあり、存在した大陸の名前も確定していない。
超大陸ヌーナが分裂した後、10億年前に超大陸ロディニアが形成され、6億年前に分裂したという説や、10億年前に超大陸パノティアが形成され、それが一旦分裂した後、6億年前に超大陸ロディニアが形成されたという説、さらには15億年前頃にも超大陸が形成されたという説もある。7億年前から5億年前頃には、3度目の大陸急成長期があった。
氷期[編集]
この時代には、何度かの氷期があった痕跡が認められる。現在分かっている最古の氷期は、約24億年前から約22億年前の頃のヒューロニアン氷期である。また、8億年前から6億年前にかけては2度の氷期が訪れ、スターティアン (Sturtian) 氷期、ヴァランガー (Varangian) 氷期と言われている。最近では、これらの氷期において、地球が赤道まで氷河に覆われるスノーボールアース(全球凍結)と呼ばれる状態になった可能性が指摘されている。
大気[編集]
初期の大気は地球が形成された約46億年ごろからすでにあったとされているが、その他の初期の大気についてはほとんど分かっていない。現在、2つのモデルが考えられている。1つは、最初に、太陽の周りにあった星間ガスから、水素やヘリウムを主体とする大気ができたが、太陽が初期に明るく輝く時期があり、その時に吹き飛ばされ、その後に隕石に由来する二酸化炭素や水蒸気を主成分とする大気ができたとする説[要出典]。もう1つは、最初から二酸化炭素や水蒸気を主成分とする大気ができたとする説[要出典]である。地球上での酸素の存在が確認されたのは約35億年前であるが、いずれにしろ当時における酸素成分は非常に少なかった。
初期の大気は、水蒸気がおよそ300気圧、二酸化炭素や一酸化炭素が50気圧から100気圧、窒素が1気圧ほどだったと考えられている。しばらくすると水蒸気が凝縮して海が形成され、二酸化炭素が主成分となった。初期の太陽は光度が現在の70%ほどしか無かったが、大量の二酸化炭素の温室効果のため、現在よりもかなり気温は高かった。地表の気温が60℃を超えていたと考えられる痕跡も残っている。二酸化炭素は海に吸収されたり、炭酸カルシウムとなって沈殿したりして徐々に減少していった。
27億年前にはシアノバクテリアによる光合成が始まり、酸素が大量に作り出されるようになる。生じた酸素は主に海水中の鉄イオンなどと化学反応を起こし、大量の酸化鉄を沈殿させた。現在使われている鉄鉱石やマンガンなどの大部分は、この時沈殿した酸化物が隆起して地上に現れたものを掘り出して生産されている。古い岩石には、この時に鉄と酸素が結合して沈殿した証拠である縞状鉄鉱層が大量に含まれている。海水中のイオンをほとんど沈殿させると、酸素は大気中へと放出され、蓄積していった。こうして、現在のように、酸素が大気の主成分の1つとなっていった。
ただし、この当時の酸素の割合は、1%程度にすぎなかったとする説[要出典]もある。最近では、8億年前から6億年前にかけて、全球凍結が起こり、その終了とともに爆発的に光合成を行う微生物が増殖したため、酸素濃度が1%から20%ほどに一気に増えたとする仮説が提出されている[誰によって?]。(カンブリア爆発)
先カンブリア時代に関しては詳しいことがあまり分かっておらず、現在知られていることもほとんどはここ数十年で分かってきたことである。
先カンブリア代 (Precambrian eon(s)) とも呼ばれる。また、古生代、中生代、新生代を表す顕生代に対して、隠生代 [1](Cryptozoic eon(s)) と呼ぶ。まれに先カンブリア紀 (Precambrian period)と呼ばれることがあるが、紀は累代および代より小さい時代区分なので、これは正しくない。
目次 [非表示]
1 名称
2 区分
3 先カンブリア時代の地球
4 生命
5 プレートテクトニクス
6 氷期
7 大気
8 地質時代区分
9 脚注
10 参考文献
11 関連項目
12 外部リンク
名称[編集]
年代測定の手段が化石の比較による相対年代しかなかった時代には、明瞭な化石が出る最古の時代であるカンブリア紀以前は、年代測定の手段がなく、地質時代を区分することが出来なかった。そのため、先カンブリア時代として一括して扱われた。
隠生代という名称は、大型生物などの化石がほとんど見つからないことから、先カンブリア時代終了から現在までの、化石が大量に見つかる時代である顕生代と対照して名付けられた。
区分[編集]
地球史を24時間にたとえた図。地球史の大部分(0時から21時頃まで)は先カンブリア時代である。
先カンブリア時代は、累代・代・紀・世といった通常の階層的な地質時代区分とは少々性質が異なる。
国際層序委員会 (ICS) などによる標準的な時代区分では、先カンブリア時代は冥王代・始生代・原生代の3つの累代からなる。地球史を構成する4つの累代のうち3つが先カンブリア時代に属することになる。なお4つ目の累代は、古生代・中生代・新生代の全てが含まれる顕生代である。
先カンブリア時代は、他の地質時代のような、地球史をいくつかに分けた1つというよりは、地球史の大部分であるといえる。
先カンブリア時代の地球[編集]
地球は約46億年前に、太陽の周囲を廻る軌道にあった天体、すなわちミニ惑星が合体して形成されたとされる。小さな塵などが合体して火星ほどの大きさになり、それがさらに10個ほど衝突して現在の地球となった。このうち最後の衝突はジャイアント・インパクトと呼ばれ、月ができる原因になったとされる。原始地球の表面は岩石が溶けたマグマの海で覆われ、水は水蒸気、雲として大気中に存在していた。やがて微惑星の衝突がおさまり表面温度が下がると地殻が形成され、水蒸気は雨として降り海洋を形成したと考えられている。こうした活動が続いたこともあり、約40億年前には地球のほぼ全体が海で覆われるようになった。現在地球上で見つかっている最古の岩石が約44億400万年前のものであることから、少なくともこの頃までには地殻は形成されていたようである。
40億年前から38億年前の期間に、それまで減少傾向だった隕石の衝突が再び急激に増加したことが月のクレーターの調査から明らかになり、隕石重爆撃期と呼ばれるようになってきたが、なぜ太陽系ができてから6億年も経った時期に隕石の衝突が増えたのか、原因はまだ分かっていない。
生命[編集]
生命がいつ誕生したかについては諸説あるが、グリーンランドのイスア地方で、38億年前の岩石に生命由来のものと思われる炭素の層が見つかっている。35億年前の細菌類の化石が、南アフリカのオルフェルワクト層のチャートから出土している[2]。西オーストラリアビルバラ地域では保存状態が良好な34億6,000万年前以前のバクテリアの化石(ワラウーナチャートとエイベックスチャートという岩石から出たもの)が発見されている。同じ地域では、恐らくさらに1億年以上古いと思われる化石も見つかっている。 27億年前頃には酸素を必要としない嫌気呼吸する嫌気性細菌と好気性細菌が入れ替わったと推定され、地球生命史における「生物の最初の大絶滅と棲み分け」であったと考えられる[3]。 19億年前のカナダ・スペリオル湖北岸のガンフリント層(主にチャートの地層)から多くの微化石が発見されている。それらは球状・繊維状の形態をした細菌類である[2]。 生命が発生したのは早ければ43億年前であるとする研究者もいる。このように先カンブリア時代を通して、原始的生命体が生きていた確実な証拠が見つかっている。
およそ25億年前頃までには、太陽からの光を受け取り光合成を通じて自らエネルギーを得る生物が現れた(原核生物の藍藻類が35億年前から30億年前頃に現れた)。この光合成を行う際に不必要なものとして廃棄された物質が酸素であり、これらの生物が光合成を行い続けるにつれて、わずかにではあるが酸素の濃度は少しずつあがっていった。酸素は後に、他の生命が生息していくための一つのエネルギー源にもなる物質として利用されることになる。
米国テキサス州とインドでの古い不確かな報告以外では、複雑な多細胞生物と考えられる最古の証拠は約6億年前のものである。世界各地の約6億年前から約5億4200万年前にかけての地層から、現在のものとは全く違う軟体動物の痕跡が見つかっている。これらはエディアカラ生物群と呼ばれる。先カンブリア時代末期の5億4,400万年前には、異なった形態の生物が出現する。これは「有殻微小動物群」(Small shelly fauna) と呼ばれるが、詳しい事はほとんど分かっていない。この生物群は顕生代の始め、カンブリア紀のごく初期に消滅し、入れ替わるようにして多様な生物群が出現した。これはバージェス動物群と呼ばれるが、この生物群の爆発的な多様化をカンブリア爆発と呼ぶ。
1950年から1980年にかけてソ連や北米の古生物学者たちがトモティアン動物相をカンブリア系基底の堆積物の下から発見した。これらの生物は小さな骨格を持っており、小さな管や円錐の殻からできている。6億年前の動物相であり、エディアカラ動物相と系統的関係がない。しかし、カンブリア系の化石の生物の多くのものの直接の先祖であるらしい。[4]
プレートテクトニクス[編集]
先カンブリア時代のプレートテクトニクスの様子は曖昧にしか分かっていない。当初は海ばかりでほとんど陸は無かったと考えられている。プレートが他のプレートの下に沈み込む場所で造山運動が始まり、小さな島や日本列島のような弧状列島などができ、やがてそれらが拡大、合体して次第に大きな陸塊へと成長していった。約27億年前には、マントルの対流が二層対流から一層対流へと変わったことでプレートが大きくなり、次第に大陸が形成されていった。
またこの頃、激しい火山活動により大陸が急成長した。約19億年前には、初めての超大陸であるヌーナ大陸が形成された。これは現在の北アメリカ大陸ほどの大きさだったとされる。この頃、2度目の大陸急成長が起きた。その後の大陸移動の様子は研究者によって大きく意見の食い違いがあり、存在した大陸の名前も確定していない。
超大陸ヌーナが分裂した後、10億年前に超大陸ロディニアが形成され、6億年前に分裂したという説や、10億年前に超大陸パノティアが形成され、それが一旦分裂した後、6億年前に超大陸ロディニアが形成されたという説、さらには15億年前頃にも超大陸が形成されたという説もある。7億年前から5億年前頃には、3度目の大陸急成長期があった。
氷期[編集]
この時代には、何度かの氷期があった痕跡が認められる。現在分かっている最古の氷期は、約24億年前から約22億年前の頃のヒューロニアン氷期である。また、8億年前から6億年前にかけては2度の氷期が訪れ、スターティアン (Sturtian) 氷期、ヴァランガー (Varangian) 氷期と言われている。最近では、これらの氷期において、地球が赤道まで氷河に覆われるスノーボールアース(全球凍結)と呼ばれる状態になった可能性が指摘されている。
大気[編集]
初期の大気は地球が形成された約46億年ごろからすでにあったとされているが、その他の初期の大気についてはほとんど分かっていない。現在、2つのモデルが考えられている。1つは、最初に、太陽の周りにあった星間ガスから、水素やヘリウムを主体とする大気ができたが、太陽が初期に明るく輝く時期があり、その時に吹き飛ばされ、その後に隕石に由来する二酸化炭素や水蒸気を主成分とする大気ができたとする説[要出典]。もう1つは、最初から二酸化炭素や水蒸気を主成分とする大気ができたとする説[要出典]である。地球上での酸素の存在が確認されたのは約35億年前であるが、いずれにしろ当時における酸素成分は非常に少なかった。
初期の大気は、水蒸気がおよそ300気圧、二酸化炭素や一酸化炭素が50気圧から100気圧、窒素が1気圧ほどだったと考えられている。しばらくすると水蒸気が凝縮して海が形成され、二酸化炭素が主成分となった。初期の太陽は光度が現在の70%ほどしか無かったが、大量の二酸化炭素の温室効果のため、現在よりもかなり気温は高かった。地表の気温が60℃を超えていたと考えられる痕跡も残っている。二酸化炭素は海に吸収されたり、炭酸カルシウムとなって沈殿したりして徐々に減少していった。
27億年前にはシアノバクテリアによる光合成が始まり、酸素が大量に作り出されるようになる。生じた酸素は主に海水中の鉄イオンなどと化学反応を起こし、大量の酸化鉄を沈殿させた。現在使われている鉄鉱石やマンガンなどの大部分は、この時沈殿した酸化物が隆起して地上に現れたものを掘り出して生産されている。古い岩石には、この時に鉄と酸素が結合して沈殿した証拠である縞状鉄鉱層が大量に含まれている。海水中のイオンをほとんど沈殿させると、酸素は大気中へと放出され、蓄積していった。こうして、現在のように、酸素が大気の主成分の1つとなっていった。
ただし、この当時の酸素の割合は、1%程度にすぎなかったとする説[要出典]もある。最近では、8億年前から6億年前にかけて、全球凍結が起こり、その終了とともに爆発的に光合成を行う微生物が増殖したため、酸素濃度が1%から20%ほどに一気に増えたとする仮説が提出されている[誰によって?]。(カンブリア爆発)
冥王代
冥王代(めいおうだい、英: Hadean eon)とは、地質時代の分類のひとつ。地球誕生〜約38億年前(または40億年前)の約7億年間を指す。始生代の前の時代である。この時代に地球が形成され、地殻と海ができ、有機化合物の化学進化の結果最初の生命が誕生したと考えられている。
化石以前に、岩石自体が非常に希であり、地質学的証拠がほとんどない時代である[1]。この時代の地層はないため、国際層序委員会ではこの名称を非公式として扱っている[2]。実態が闇に包まれていることからギリシャ神話の冥界の王ハデス(Hades)に因んで名付けられた[3]。
冥王代、始生代、原生代をまとめて先カンブリア時代と呼ぶこともある。
非常に稀ながら、45億年前までの岩石は発見されている。
細かい区分は、便宜上月の地質時代の「前期インブリウム代」、「ネクタリス代」、先ネクタリス代の「Basin Groups」と「Criptic era」を使う。
化石以前に、岩石自体が非常に希であり、地質学的証拠がほとんどない時代である[1]。この時代の地層はないため、国際層序委員会ではこの名称を非公式として扱っている[2]。実態が闇に包まれていることからギリシャ神話の冥界の王ハデス(Hades)に因んで名付けられた[3]。
冥王代、始生代、原生代をまとめて先カンブリア時代と呼ぶこともある。
非常に稀ながら、45億年前までの岩石は発見されている。
細かい区分は、便宜上月の地質時代の「前期インブリウム代」、「ネクタリス代」、先ネクタリス代の「Basin Groups」と「Criptic era」を使う。
完新世
完新世(かんしんせい、Holocene)は地質時代区分(世)のうちで最も新しいもの。第四紀の第二の世であると同時に、現代を含む。かつての沖積世(Alluvium)[注 1]とはほぼ同義である。
最終氷期が終わる約1万年前から現在まで(近未来も含む)のこと。その境界は、大陸ヨーロッパにおける氷床の消滅をもって定義された。
目次 [非表示]
1 出来事
2 脚注 2.1 注釈
2.2 出典
3 参考文献
4 関連項目
5 外部リンク
出来事[編集]
気候環境が一転して地球全体が温暖化し、氷河がモレーン(堆石)を残して後退した。
地球各地が湿潤化して森林が増加、逆に草原が減少してマンモスやトナカイなどの大型哺乳類の生息環境が縮小し、彼らを絶滅させた。
期間が短いため大規模な大陸の移動などはないが、完新世の初期には、大陸氷床の融解によって海面が130m以上急激に上昇した。特に完新世の気候最温暖期と呼ばれる時代には、現在より3メートルから5メートルほど海水準(陸地に対する海面の相対的な高さ)が高かったとされる(縄文海進)。その後、海面は緩やかに下降し、海水準は直近の2,000年ほどは比較的安定している。 スンダランドが海中に没し、現在のインドネシアやフィリピンなどに相当する地域がユーラシア大陸から分離して島となった。
ベーリング海に存在した陸橋ベーリンジアが温暖化の海進により水没し、北米大陸はユーラシア大陸から分離した。
9600年前ころ、ドーバー海峡ができ、グレートブリテンが大陸から切り離される[1]。
ヤンガードリアス (Younger Dryas:YD) と呼ばれる「寒の戻り」期(約1万4000〜1万1500年前)があった。8200年前にも寒冷期が認められる[2]。
約7300年前に南九州の鬼界アカホヤが噴火する。同時に巨大地震や巨大津波が発生した[3]。
更新世末から完新世初めにかけて、人類の直接の祖先であるヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)が世界規模で拡散する。人類の生活はそれまで、遊動しながらの狩猟(漁労)採集活動生活であったが、大きな川の流域などで定住農耕牧畜生活に大きく転換した。徐々に人類が文明を築き始めたことは人類史にとって重要な変化であった[4]
「世界の歴史」および「紀元前10千年紀以前」も参照
最終氷期が終わる約1万年前から現在まで(近未来も含む)のこと。その境界は、大陸ヨーロッパにおける氷床の消滅をもって定義された。
目次 [非表示]
1 出来事
2 脚注 2.1 注釈
2.2 出典
3 参考文献
4 関連項目
5 外部リンク
出来事[編集]
気候環境が一転して地球全体が温暖化し、氷河がモレーン(堆石)を残して後退した。
地球各地が湿潤化して森林が増加、逆に草原が減少してマンモスやトナカイなどの大型哺乳類の生息環境が縮小し、彼らを絶滅させた。
期間が短いため大規模な大陸の移動などはないが、完新世の初期には、大陸氷床の融解によって海面が130m以上急激に上昇した。特に完新世の気候最温暖期と呼ばれる時代には、現在より3メートルから5メートルほど海水準(陸地に対する海面の相対的な高さ)が高かったとされる(縄文海進)。その後、海面は緩やかに下降し、海水準は直近の2,000年ほどは比較的安定している。 スンダランドが海中に没し、現在のインドネシアやフィリピンなどに相当する地域がユーラシア大陸から分離して島となった。
ベーリング海に存在した陸橋ベーリンジアが温暖化の海進により水没し、北米大陸はユーラシア大陸から分離した。
9600年前ころ、ドーバー海峡ができ、グレートブリテンが大陸から切り離される[1]。
ヤンガードリアス (Younger Dryas:YD) と呼ばれる「寒の戻り」期(約1万4000〜1万1500年前)があった。8200年前にも寒冷期が認められる[2]。
約7300年前に南九州の鬼界アカホヤが噴火する。同時に巨大地震や巨大津波が発生した[3]。
更新世末から完新世初めにかけて、人類の直接の祖先であるヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)が世界規模で拡散する。人類の生活はそれまで、遊動しながらの狩猟(漁労)採集活動生活であったが、大きな川の流域などで定住農耕牧畜生活に大きく転換した。徐々に人類が文明を築き始めたことは人類史にとって重要な変化であった[4]
「世界の歴史」および「紀元前10千年紀以前」も参照
ジェラシアン
ジェラシアン[1](Gelasian、ジェーラ期)は、更新世の時代区分の一つ。2.588±0.005百万年前〜1.86±0.005百万年前までの期間を指す。前はピアセンジアン。
かつては、鮮新世後期に位置づけられていたが、2009年6月の国際地質科学連合(IUGS)による勧告により、第四紀更新世前期として定義された[1]。
かつては、鮮新世後期に位置づけられていたが、2009年6月の国際地質科学連合(IUGS)による勧告により、第四紀更新世前期として定義された[1]。
第四紀
第四紀(だいよんき[1]、Quaternary period)は地質時代の一つで、258万8000年前から現在までの期間。 他の地質時代が生物相の大幅な変化(特に大量絶滅)を境界として定められたのに対し、第四紀は人類の時代という意味で決められた。したがって、古人類学の進展に伴い次々に古い原人が発見されるとともに第四紀の始まる年代も変化していった。現在ではヒト属の出現を基準とし、地質層序や気候変動を併用して決定している。
第四紀より古い前の地層を、昔は三紀層と呼んでいた時代もあったが、今では古第三紀・新第三紀に分かれている。(語源)
目次 [非表示]
1 周辺の時代
2 語源
3 範囲
4 特徴 4.1 生物
4.2 気候
5 新第三紀との併合問題
6 脚注
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
周辺の時代[編集]
周辺の時代
新生代 第四紀 Quaternary 完新世 Holocene
更新世 Pleistocene
新第三紀 Neogene 鮮新世
語源[編集]
かつて、地質時代を大きく第一紀 (Primary)、第二紀 (Secondary)、第三紀、第四紀に分けたことに由来している。これらのうち第四紀のみが、現在も公式の名称となっている(第三紀は古第三紀と新第三紀に分割された)。
Quaternary を「第四紀」と和訳した意図に基づけば、「第4紀」と数字で書くのは誤りである。
範囲[編集]
第四紀の始まりは、2009年6月に国際地質科学連合 (IUGS) が再定義した公式な地質区分では、258万年前である。従来は181万年前とされていた。258万年前〜181万年前のジェラシアンは、これまでの公式な地質区分では新第三紀鮮新世に区分されていたが、新定義では第四紀に含まれることになった[2]。
地球史46億年のうちでは短期間であるが、地球史の現代にあたり、近未来に続いてゆく時期である[3]。
特徴[編集]
生物[編集]
人類の進化と繁栄の時代。
更新世末に、大規模な絶滅が起こった。 マンモスなど。
その他北米ではウマ、ラクダ、チーターなども絶滅している。
気候[編集]
北半球高緯度の地域に、大陸並の規模の氷河が分布している。
氷期と間氷期を繰り返している。
新第三紀との併合問題[編集]
詳細は「新生代#第四紀の範囲の問題」を参照
2004年の国際地質科学連合 (IUGS) において、第四紀を新第三紀に併合し新生代をPaleogeneとNeogene(新第三紀+第四紀)の2つに区分する提案がなされたが、同年の万国地質学会 (IGC) では批准されず、国際第四紀学連合 (INQUA) もこの提案に反対した。これを受けてIUGS内の国際層序委員会 (ICS) とINQUAのタスクフォースが設置され、結論として、
第四紀の存続
第四紀の始まりを260万年前とする
ことが提案された。これは2008年のIUGS大会で投票され、2009年6月に新しい定義が批准された。 これにより、ジェラシアン階の基底の年代である2.588 Maが第四紀と新第三紀の境界と定められた。
第四紀より古い前の地層を、昔は三紀層と呼んでいた時代もあったが、今では古第三紀・新第三紀に分かれている。(語源)
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1 周辺の時代
2 語源
3 範囲
4 特徴 4.1 生物
4.2 気候
5 新第三紀との併合問題
6 脚注
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
周辺の時代[編集]
周辺の時代
新生代 第四紀 Quaternary 完新世 Holocene
更新世 Pleistocene
新第三紀 Neogene 鮮新世
語源[編集]
かつて、地質時代を大きく第一紀 (Primary)、第二紀 (Secondary)、第三紀、第四紀に分けたことに由来している。これらのうち第四紀のみが、現在も公式の名称となっている(第三紀は古第三紀と新第三紀に分割された)。
Quaternary を「第四紀」と和訳した意図に基づけば、「第4紀」と数字で書くのは誤りである。
範囲[編集]
第四紀の始まりは、2009年6月に国際地質科学連合 (IUGS) が再定義した公式な地質区分では、258万年前である。従来は181万年前とされていた。258万年前〜181万年前のジェラシアンは、これまでの公式な地質区分では新第三紀鮮新世に区分されていたが、新定義では第四紀に含まれることになった[2]。
地球史46億年のうちでは短期間であるが、地球史の現代にあたり、近未来に続いてゆく時期である[3]。
特徴[編集]
生物[編集]
人類の進化と繁栄の時代。
更新世末に、大規模な絶滅が起こった。 マンモスなど。
その他北米ではウマ、ラクダ、チーターなども絶滅している。
気候[編集]
北半球高緯度の地域に、大陸並の規模の氷河が分布している。
氷期と間氷期を繰り返している。
新第三紀との併合問題[編集]
詳細は「新生代#第四紀の範囲の問題」を参照
2004年の国際地質科学連合 (IUGS) において、第四紀を新第三紀に併合し新生代をPaleogeneとNeogene(新第三紀+第四紀)の2つに区分する提案がなされたが、同年の万国地質学会 (IGC) では批准されず、国際第四紀学連合 (INQUA) もこの提案に反対した。これを受けてIUGS内の国際層序委員会 (ICS) とINQUAのタスクフォースが設置され、結論として、
第四紀の存続
第四紀の始まりを260万年前とする
ことが提案された。これは2008年のIUGS大会で投票され、2009年6月に新しい定義が批准された。 これにより、ジェラシアン階の基底の年代である2.588 Maが第四紀と新第三紀の境界と定められた。
更新世
更新世(こうしんせい、Pleistocene)は地質時代の区分の一つで、約258万年前から約1万年前までの期間。第四紀の第一の世。この前の鮮新世と合わせてPlio-Pleistoceneとして扱われることもある。更新世のほとんどは氷河時代であった。
かつては洪積世(こうせきせい、Diluvium)[注 1]ともいった。
目次 [非表示]
1 分類
2 大陸
3 気候
4 生物
5 脚注 5.1 注釈
5.2 出典
6 参考文献
7 関連項目
8 外部リンク
分類[編集]
更新世は、前期、中期、後期に分けられ、前期はさらにジェラシアン及びカラブリアンに分けられている。
後期更新世(0.126 - 0.0117 Mya[1]、12万6000〜 (西暦2000年から数えて) 1万1700年前) 現在、タランティアン (Tarantian) の名称がIUGS-ICSで検討されている[2]。
中期更新世(0.78 - 0.126 Mya、78万〜12万6000年前) 現在、イオニアン (Ionian) の名称がIUGS-ICSで検討されている[2]。
カラブリアン (1.806 - 0.78 Mya、180万6000〜78万年前)
ジェラシアン (2.588 - 1.806 Mya、258万8000〜180万6000年前)
大陸[編集]
大陸の形は現在とほとんど変わらないが、氷期・間氷期の氷床の拡大・縮小による海水準変動に伴って、海岸線の位置が移動した。更新世の後期では海水準にして百数十メートルの変動があった。海水準が低下した時期は、現在浅い海である海域の多くが陸地となっていた。
気候[編集]
氷期と間氷期を繰り返した[注 2]。総計で15回の氷期があった。その主たる要因は地球の回転軌道の性質からもたらされる変化のために生じる太陽放射量の周期的な変動である(ミランコヴィッチ周期)[3]。
更新世
200万年前 - ヒーバー氷期、ヒーバー−ドナウ間氷期
100万年前 - ドナウ氷期、ドナウ−ギュンツ間氷期
80万年前 - ギュンツ氷期(ネブラスカ)
50万年前 - ギュンツ-ミンデル間氷期(アフトニア)、ミンデル氷期(カンザス)
40万年前 - ミンデル-リス間氷期(イリノイ)、リス間氷期
25万年前 - 12万年前 リス氷期、
7万年前 - ヴュルム氷期(ウィスコンシン)(最終氷期)、リス-ヴュルム間氷期(サンガモン) - 北半球に巨大な氷床が発達しはじめた。カナダおよび米国北部、北西ヨーロッパの大部分を覆い、別の氷床がアルプス山脈とシベリアの一部を覆った。南半球ではそれほどでもなかったと考えられている。南極大陸は第四紀を通じて棚氷に覆われていた。[4]。
2〜1.8万年前 - 最寒冷期
1.4〜1.2万年前 - 古ドリアス期(小寒冷期)
完新世
1.2万年前 - アレレード期(温暖期)
1.1万年前 - 新ドリアス期
生物[編集]
ヒト属が進化(原人ほか)。 北京原人
ジャワ原人
ネアンデルタール人
更新世の終わり頃から、大型の哺乳類の絶滅が始まる(特に北米大陸で顕著だったという)。これは完新世まで続く。 マンモス
かつては洪積世(こうせきせい、Diluvium)[注 1]ともいった。
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1 分類
2 大陸
3 気候
4 生物
5 脚注 5.1 注釈
5.2 出典
6 参考文献
7 関連項目
8 外部リンク
分類[編集]
更新世は、前期、中期、後期に分けられ、前期はさらにジェラシアン及びカラブリアンに分けられている。
後期更新世(0.126 - 0.0117 Mya[1]、12万6000〜 (西暦2000年から数えて) 1万1700年前) 現在、タランティアン (Tarantian) の名称がIUGS-ICSで検討されている[2]。
中期更新世(0.78 - 0.126 Mya、78万〜12万6000年前) 現在、イオニアン (Ionian) の名称がIUGS-ICSで検討されている[2]。
カラブリアン (1.806 - 0.78 Mya、180万6000〜78万年前)
ジェラシアン (2.588 - 1.806 Mya、258万8000〜180万6000年前)
大陸[編集]
大陸の形は現在とほとんど変わらないが、氷期・間氷期の氷床の拡大・縮小による海水準変動に伴って、海岸線の位置が移動した。更新世の後期では海水準にして百数十メートルの変動があった。海水準が低下した時期は、現在浅い海である海域の多くが陸地となっていた。
気候[編集]
氷期と間氷期を繰り返した[注 2]。総計で15回の氷期があった。その主たる要因は地球の回転軌道の性質からもたらされる変化のために生じる太陽放射量の周期的な変動である(ミランコヴィッチ周期)[3]。
更新世
200万年前 - ヒーバー氷期、ヒーバー−ドナウ間氷期
100万年前 - ドナウ氷期、ドナウ−ギュンツ間氷期
80万年前 - ギュンツ氷期(ネブラスカ)
50万年前 - ギュンツ-ミンデル間氷期(アフトニア)、ミンデル氷期(カンザス)
40万年前 - ミンデル-リス間氷期(イリノイ)、リス間氷期
25万年前 - 12万年前 リス氷期、
7万年前 - ヴュルム氷期(ウィスコンシン)(最終氷期)、リス-ヴュルム間氷期(サンガモン) - 北半球に巨大な氷床が発達しはじめた。カナダおよび米国北部、北西ヨーロッパの大部分を覆い、別の氷床がアルプス山脈とシベリアの一部を覆った。南半球ではそれほどでもなかったと考えられている。南極大陸は第四紀を通じて棚氷に覆われていた。[4]。
2〜1.8万年前 - 最寒冷期
1.4〜1.2万年前 - 古ドリアス期(小寒冷期)
完新世
1.2万年前 - アレレード期(温暖期)
1.1万年前 - 新ドリアス期
生物[編集]
ヒト属が進化(原人ほか)。 北京原人
ジャワ原人
ネアンデルタール人
更新世の終わり頃から、大型の哺乳類の絶滅が始まる(特に北米大陸で顕著だったという)。これは完新世まで続く。 マンモス
ピアセンジアン
カラブリアン
ジェラシアン
新
第
三
紀 鮮新世 ピアセンジアン
ザンクリアン
中新世 メッシニアン
トートニアン
サーラバリアン
ランギアン
バーディガニアン
アキタニアン
古
第
三
紀 漸新世 チャッティアン
ルペリアン
始新世 プリアボニアン
バートニアン
ルテシアン
ヤプレシアン
暁新世 サネティアン
セランディアン
ダニアン
中
生
代 白
亜
紀 後期 マーストリヒチアン
ピアセンジアン(Piacenzian、ピアチェンツァ期)は、鮮新世の地質時代区分の一つで、3.6±0.005百万年前〜2.588±0.005百万年前までの期間を指す。前はザンクリアン。次はジェラシアン。
かつては、鮮新世中期に位置づけられていたが、2009年6月の国際地質科学連合(IUGS)による勧告により、ジェラシアンが第四紀更新世前期に移動したため、鮮新世後期に定義された[1]。
ジェラシアン
新
第
三
紀 鮮新世 ピアセンジアン
ザンクリアン
中新世 メッシニアン
トートニアン
サーラバリアン
ランギアン
バーディガニアン
アキタニアン
古
第
三
紀 漸新世 チャッティアン
ルペリアン
始新世 プリアボニアン
バートニアン
ルテシアン
ヤプレシアン
暁新世 サネティアン
セランディアン
ダニアン
中
生
代 白
亜
紀 後期 マーストリヒチアン
ピアセンジアン(Piacenzian、ピアチェンツァ期)は、鮮新世の地質時代区分の一つで、3.6±0.005百万年前〜2.588±0.005百万年前までの期間を指す。前はザンクリアン。次はジェラシアン。
かつては、鮮新世中期に位置づけられていたが、2009年6月の国際地質科学連合(IUGS)による勧告により、ジェラシアンが第四紀更新世前期に移動したため、鮮新世後期に定義された[1]。
ザンクリアン
ザンクリアン(Zanclean、ザンクラ期)は鮮新世の時代区分の一つ。5.332±0.005百万年前〜3.6±0.005百万年前までの期間を指し、鮮新世前期に位置づけられている。一つ前にメッシニアン(中新世)次にピアセンジアン。