今、書店に行くと百田尚樹氏の著書が並んでいます。

出張時の移動中にでも読もうと思い、

氏の作品である「モンスター」を買いました。



百田氏は出光佐三をモデルにした

「海賊と呼ばれた男」で脚光を浴びました。



「モンスター」は容姿に恵まれない女性(和子)が主人公で

やがて彼女は整形手術によって稀に見る ”美貌”を

手に入れ名前も(未帆)と変えます。


親兄弟も名前も故郷もすべて捨て去り

モンスターの時には味わったことのない人生が始まります。

美しい女性とそうでない女性のギャップは大きく

異性からだけではなく、同性からも一目も二目も

置かれます。 



学生時代から異性からも同性からも声を掛けられるどころか

蔑んだような目で見られ続けた彼女。



彼女が子供の頃、街で道に迷い彷徨っていた時に

「自分がいるから大丈夫だよ」と励まし続けてくれた

男の子のことをずっと一途に想い続けてきた和子。



美貌を手に入れたのは この男の子を自分に

振り向かせるためと、かって自分を蔑んできた街の人間に

復讐するためでありました。

どんな男もその美貌を武器に骨抜きにしてきた未帆(和子)。



やがて、未帆が経営するレストランに待ち望んでいた

その男がやってきます。

二人が親密な仲になるのに時間は掛かりませんでした。



男は既婚者でしたが、未帆と一緒になることを考え始めます。

未帆は男が求めているのは自分の体と美貌であることに

気がつきます。



私の容姿ではなくて心、気持ちを・・和子として・・愛して欲しい・・・



やがて、くも膜下出血で倒れる未帆。息も絶え絶えの下で

私は整形してるのよ。私はあなたと同じ学校だった

あの「モンスター」の和子よ・・・と男に打ち明けます。

男に抱きしめられながら息を引き取ります。



南アフリカ共和国の元大統領ネルソン・マンデラ氏が亡くなりました。

彼が戦い続けてきた人種差別という偏見。


人は外見で、とかく物事を判断したり断定してしまいます。

斯く言う私もそうです。

そのことをリアルに百田氏はこの著書で書いています。

表層のことではない真実がどこかに隠れていたり

見た目だけではない大事なことがあるのではないか・・・

読者にそうも聞いているように感じました。



美しい薔薇には刺がある・・・

これも美貌の女性に対する妬みややっかみ、

一種の偏見ですね。

我が家族は幸い偏見を持たれなくてよかったです笑い





 化粧  中島みゆきさん

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