新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2019年01月20日
前週備忘、及び、1月21日〜25日経済指標
【前週備忘】
WSJは17日、米政権当局者らが金融市場の沈静化のため、対中関税を引き下げる措置を検討していると報じました。ブルームバーグは18日、中国側が今後6年間に1兆ドルの米製品を輸入し、貿易不均衡を無くす方針が報道されました。米側は、今後2年間に貿易不均衡解消を求めていましたが、このところの流れは休戦に向けてのリークが増えてきているように思えます。
予想外に米中貿易摩擦が早期一旦解決の可能性が生まれたことで、困るのはこれから貿易交渉に入る日本です。昨年と同じくUSD買・JPY買の継続です。但し、21日日本時間・欧州時間は歓迎(USD買)のムードが少し広がるのではないでしょうか。
ECB総裁は15日「最近の経済指標が以前の想定より弱く、かなりの刺激が今なお必要」と発言しました。独経済には陰りが見えており、英国離脱時期も延期の可能性も高まったことで、ECBの利上げはかなり先延ばしされる、と見なせます。
今週のECB金融政策発表では、EUR買材料よりEUR売材料の方が出そうな気がします。
英国は、EU離脱案が大差で否決されたものの、野党の首相不信任案は否決されました。これら結論に対し、ともにGBPは売が瞬間に留まり買で反応しました。離脱期限延期を先読みしたため、との解説が目立ちます。
日本では、幕末・維新〜日露戦争の時代小説の影響もあって、英国に悪いイメージが少ないようです。そんなことは関係ない米国や、かつてアヘンの被害にあった国々はそれほど英国に同情的でもありません。北アイルランド問題に至っては、香港返還で中国には1国2制度を求めたクセに、とシンガポールの個人(?)のHPで指摘されていました。
なるほど。
豪州では、AUDの年始クラッシュから先々週まで買い戻しが起きていました。がしかし、日足チャートでAUDUSDが雲下端に達したことで先週は売優勢でした。AUDJPYの上昇はUSDJPYの上昇に依るものです。
ロイターは15日、中国経済の失速懸念からAUDの上昇が抑えられているが、中国の資源輸入量は減っていないことを挙げていました(輸入額は減少していても、最近の資源価格が下がっていることから数量ベースで中国経済を見るべきだ、との見方を紹介)。
AUDの下落懸念が的外れで、USDの買材料が多ければ、AUDJPYはもう少し勢いよく上昇しても良いハズです。
ーーー$€¥£A$ーーー
前週成績集計は、次週に纏めて行います。
【今週指標】
太字は詳細分析記事にリンクしています。
週明けは20日4時の米大統領が事前予告していた重大発表が肩すかしだったことと、中国GDPを睨んだ展開で始まります。
週全体では、24日の豪州雇用統計ぐらいしか、大きく動く発表がありません。独国PMI速報値は大きく動くものの、同じ日にECB金融政策の発表があるため、今回は反応がいつもよりやや小さくなる可能性があります。
1月21日(月)米国休場
11:00 10-12月期集計分中国GDP
1月22日(火)
18:30 11月・12月集計分英国雇用統計
19:00 1月集計分独国ZEW景況感調査
24:00 12月集計分米国中古住宅販売件数
1月23日(水)
08:50 12月集計分日本通関ベース貿易統計
15:30 日銀総裁、金融政策決定会合後定例会見
1月24日(木)
09:30 12月集計分豪州雇用統計
17:30 1月集計分独国PMI速報値
21:45 ECB金融政策発表
22:30 ECB総裁会見
1月25日(金)
08:30 1月集計分日本東京都区部CPI
18:00 1月集計分独国Ifo企業景況感指数
以上
2-3. イグアナを見分ける前に
※ 本稿は1月3日投稿記事「2018年成績に基づく過去傾向分析の有効性検証」を追記・改訂したものです。
『アイロボット』という映画で、主人公がロボットに「お前には素晴らしい交響曲を創ったり芸術的絵画を描くことなんてできないだろう」と詰る場面があります。すると、ロボットは主人公に「あなたは?」と訊き返します。好きなシーンです。
この映画は、AIがどうとか、それを搭載したロボッとがどうとか、そういう話ではありません。厳密に構築した論理であっても対象範囲が拡大されれば成り立たないことと、それに比べれば安っぽくても人には「しっくりくる理屈」があることを描いています。
そして、ロボットは丘の上に立つ人影が大勢を見下ろす絵を描きます。その人影が自分だったと気づくのは、彼が自らの意思で選択を行った後のことです。自動売買を止めてFXに勝ちまくったロボットの映画です(ウソです)。
さて、自動売買のアルゴリズムはまだ玉石混合です。
ひどいプログラムだと「損大利小」で見掛け上の勝率を稼ぐだけで、強いトレンドが続いたときしか損益がプラスにならないものさえあるそうです。また、優れたアルゴリズムを持つものでさえ、適用場面が限られています。連続稼働を前提にしているのにクラッシュへの備えが弱いものは最低です。取引中にずっとチャートに張り付いていられない人を顧客にしているのに、例えば2019年1月3日のフラッシュクラッシュでは、多くの犠牲者が出たようです。
利便性を口実に提供側の責任回避のため、設定を部分的にマニュアル化しているものは、メーカー勤務経験が長い私からすれば、法的責任を回避するための悪意すら感じます。
とてもまだAIなんてレベルではなく、単なるプログラムです。
電気製品と同じで、最初に飛びつくのはコストを度外視しても構わないマニアで、それ以外の人は廉価汎用品が普及するまで待つのが上策なのでしょう。
もちろん、そんなものばかりでもないでしょう。がしかし、ユーザーにとって玉石混合なことを問題視しているので、良心的なものを提供している方々を詰ったつもりはありません。
今はまだ、
について、
という方法論の選択をしているに過ぎません。
Aの判断を正しく行うことは難しいでしょう。製品の特徴を読んでもアテにできません。昔から、エンジニアと料理人は、素人に対して自分(と自分の製作物)の価値を過大に見積もる人が多い職業だからです。
そして、@の方法論はAの方法論においても有効です。逆は有効だと思えない。努力が報われて上達に繋がる、という話がしっくりくるのは@の方法論です。ならば問題は、@の方法論をどう学ぶか、です。
以前、TVで「イグアナは人の顔を見分けられるから賢い」という話がありました。けれども「だったらお前はイグアナの顔が見分けられるのか(ワシやお前はアホなのか)」と、TV局に抗議したりしません。常識が大切です。
自動売買プログラムは、初心者やアマチュアにとってまだイグアナの顔をしています。
よく初心者向けテキストで見かける記述に「短期取引はテクニカル分析、長期取引はファンダメンタル分析」というのがあります。
もしファンダメンタルの変化に基づきレートの変化(=トレンド)を予想するなら、
という検討を行います。こんな式で検討している訳じゃないけれど、式で表すとこんな感じです。
その結論が、
となるのは、テクニカル分析であれファンダメンタル分析であれ同じです。
少し脱線すると、もし自分でも無駄なポジションを持つことが多いと思う人が居たら、D→E→F→Gという順に考えを纏めてからポジションを持てば良いでしょう。そして、その過程を記録しましょう。
話を元に戻すと、DE式の各「影響力」というものを数値化できない限り、ファンダメンタルの変化に基づく次のトレンド予想(継続/反転/停滞)は曖昧にならざるを得ません。
人がロボットと違うのは、曖昧な基準で判断を繰り返しても、結果の反省さえ繰り返せば進歩・上達できる点です。そして、その過程の反省と修正を行えば、もっと早く進歩・上達できるものです。
そこで着目するのが、E式において、
の関係が成り立つ「期間」です。できることからやる、というのも進歩・上達の方法論として有力です。
そういう期間の代表が経済指標発表前後の数分間です。全ての場合に役立つDE式は得られなくても、経済指標発表前後の数分間だけ「影響力」を定量化できれば良いのです。
直前10-1分足は、それまでのトレンドの影響力と発表時刻が迫る経済指標の影響力が拮抗しがちです。直後1分足は、経済指標の影響力が圧倒的です。直後11分足は、それまでのトレンドの影響力と経済指標の影響力の強弱が経済指標によって異なります。
この間はDE式で用いた「トレンド」という言葉より、単に「チャートが動く方向」と言った方が正確でしょう。
早く上達するための秘訣は「いつどんな場面でも勝てるようになること」を目指すことではありません。多くの入門書は、初心者にその点を勘違いさせます。早く上達する秘訣は、狙いを絞ることとその絞り方を学ぶことです。
経済指標発表前後の取引を扱う本ブログでは、
ということを繰り返し行っています。
このブログで扱う経済指標に限った発表前後取引は、過去の傾向に沿った方針で臨むことで
が実績です。
この収益ベースが期待できるからこそ、暇なときにトレンドフォローを楽しみ、たまには宵越しのポジションを持ってワクワクしながら床につける訳です。長期一定回数の取引で安定した勝率が期待できる得意場面は必要です。
以下に、
を纏めておきます。
このブログでは、雇用統計翌週から次の雇用統計までの指標分析結果と取引結果を前月の月次成績としています。先日1月4日に米雇用統計発表があったので、2018年の成績集計ができました。
本ブロスの各経済指標分析記事では、事後差異判別式というのを求めています。事後差異というのは、発表結果ー市場予想、のことです。ひとつの経済指標で複数の項目が発表されるときは、過去の傾向から各項に重み付けをした事後差異判別式を求めておきます。その判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線に対応)が過去の直後1分足値幅方向と最も一致率が高くなるように、判別式は求めています。
事後差異判別式の解の符号と直後1分足の方向一致率の高さは、経済指標発表結果への反応の素直さを示す指標だと言えます。この「素直さの指標」は、現在の経済情勢や直近のトレンドを無視して、指標結果の良し悪しだけがチャートに及ぼす影響が顕在化する確率、と見なしても誤差は少ないはずです。
厳密に記そうとするほど、面倒な記述になります。が、言わんとすることは伝わったと思います。
こうした集計をきちんと始めた9月半場以降、2018年の経済指標への反応の素直さは下表の通りです。
4行目の2018年12月の行・円クロス(xxxJPY)の3列をご覧ください。
12月は、13指標で指標発表前に過去傾向に基づく取引方針を挙げていました。円クロスでの事後差異判別式の解の符号と直後1分足値幅方向は83%が一致していました。かなり高い一致率です。
12月は、英国のEU離脱案採決が当初予定されていたり、大きな株価の下落が何度も起きました。そのため、事前に取引中止(過去方針の適用外)を宣言した指標が多い月でした。その結果、対象指標を選別したことが、過去傾向の的中率を高くしたようです。
次に、ドルストレート(xxxUSD)の3列をご覧ください。
このブログの事前取引方針は円クロスでの過去反応傾向を分析し、ドルストレートでは分析を行っていません。がしかし、直後1分足は指標結果の良し悪しに最も素直に反応しがちです。よって、円クロスでの分析結果がドルストレート取引でも当てはまるはずです。
9月は極端に素直と言えない反応をした指標が多かったものの、11月は円クロスよりも素直に反応していました。9月以降の通しで見てみると、円クロスでの過去傾向的中率(73%)とドルストレートのそれ(67%)の差は僅かしかありません。ただ、僅かとは言え、円クロス>ドルストレート、の関係はやっぱり成立しています。
結論は、
です。
指標発表直後の素直さの強弱関係が、円クロス>ドルストレート、となることは、以前から経験談として紹介していました。その原因はわかりません。
さて。
例えば数日後に国運を賭けた議会採決が行われたり、前日に数か月や数年に一度の株価暴落が起きたときに、景気アンケートの結果や前月の小売売上高や住宅販売件数がどーなろうが、それどころじゃありません。こうした時期はチャートが荒れて、経済指標の発表があるからと、過去の傾向を意識して取引する訳にもいきません。
こうした「荒れた場面」をここでの集計には含めていません。この「荒れた」「荒れていない」の程度判断は主観的です。だから、主観的理由で上表に取り込んでいない指標がある点は、この集計の誤差になっています。
でも仕方ありません。明らかにチャートが荒れているとき、いつもと同じように取引する方が変なのです。そういう常識は、統計データを信じずに結果的に勝ちを逃すことになっても優先すべき、と考えています。
こうした方針について、いずれロボットに「あなたは(どう思う)?」と訊かれるなら嬉しい話です。
指標結果の良し悪しに直後1分足が素直に反応しても、そのこと自体はあまり取引の役に立ちません。
指標発表直後は一瞬で大きくチャートが跳ねることが多く、それが起きてからポジションをオーダーしても間に合いません。跳ねる前にオーダーするには、確率的にかなり高い論拠が必要です。最初の跳ねは、爆発的に大きくなることもあります。
その跳ねを形成中に、ヘッジファンドや金融機関の自動売買プログラムと、アルゴリズムの優劣や通信環境の優劣やレート決定所用時間を競うのが得策とは思えません。そんなの、こちらも自動売買プログラムを用意したって勝てる気がしません。
但し、前述の「素直さの指標」で十分に素直と判断できるなら、それは現在の経済情勢や直近のトレンドを無視して、指標結果の良し悪しだけがチャートに反映されている時間帯が存在している、ということです。
ちなみに、既に欧米では全取引の90%前後が自動売買プログラムで行われているそうです。だから実は、このブログでの取引方法は、自動売買プログラムのクセに乗じて裁量トレードで稼ぐことを狙っている、と言えるのかも知れません。
よく「一方向に一気に動きがち」という自動売買プログラムのクセが話題に挙がります。トレンドフォロー系のアルゴリズムでの売買が多数派なのでしょう。これは常識に適っています。
けれども、それなら指標発表直後の反応は、年を追うに従ってもっと大きくなっても良いはずです。ところが、多くの経済指標発表時には、2015年を基準にすると、その後は年を追う毎に指標発表直後の跳ねが小さくなっています。
むしろ、サポートやレジスタンスでのひとまず反転や、1/3戻し・半値戻しといった動きが昔よりも際立って多くなった気がします。
単なるトレンドフォローでなく、レジスタンスやサポートを意識したアルゴリズムが多いのでしょう。そして、指標発表から3分・10分・15分経過後に動きが変わることが多い気がします。この時間は、指標発表前後の取引を中止していたトレンドフォロー系の自動売買プログラムが再起動しがちな時間なのかも知れません。
本当のことはわかりません。そんな感じがする、という話です。経済指標発表前に、サポートやレジスタンスの位置確認をしておくことは、昔も今も大事です。
さて、本題です。
下表は直後1分足に限らず、指標発表前後の過去傾向に基づく事前取引方針全ての的中率を示しています。
約3か月半の実測結果に基づく結論は、
です。
個々の経済指標詳細分析記事で取引方針の採用基準は、概ね過去に70%以上の再現率があった場合です。実際の方針採用率や期待的中率がそれに近かったことは満足できます。
ここからは分析の話でなく、本番の取引の話です。
仮に過去パターンの再現性が70%あっても、実際の取引での勝率が70%に達するかは別問題です。
例えば、直前1分足の過去陰線率が90%あったとしても、指標発表直前まで陽線側へのヒゲを伸ばして指標発表直前に陰線側に転じる事例など、よく見かけます。だから、そうした事例も含めて「直前1分足形成中はショートで取引する」という方針で十分な勝率を実際の取引で稼げない限り、そんな取引方針は役に立たないどころか害があります。
個々の取引でそんなことが起きても構いません。がしかし、何度も取引してそんなことが起きるなら問題です。だから、実際の取引成績を記録してそうしたことが起きる確率が許容範囲内に収まっているかを確認し続けないといけません。これは、事前方針に沿った取引の難易度を測っていることになります。
下表は、個々の指標の個々の取引方針に沿った実際の取引成績です。個別方針は個々の指標の詳細分析記事で検証しているので、ここでは月次の全体集計結果を纏めています。
結論は、
です。
このことは、事前方針に基づく取引が難しくない、ということです。
そりゃそうでしょう。面倒な過去の傾向分析で、矛盾する内容をどう軽重判断して一貫した傾向を導くかが難しいのです。その結果を踏まえて改善を続ければ、勝率はやがて期待的中率に向けて収束していきます。
が、それをこうして実測確認することが大事です。
また、方針外取引は、過去の経験から読みに自信があるときに行うため、勝率が高まるのも当然です。
がしかし、時間延長を事前方針に盛り込むことは避けています。分析対象期間は、原則として限定しておかないとキリがありません。キリのない取引は、(必ずと言っても良いほど)初心者やアマチュアの勝率と収益率を下げてしまいます。
期間延長でなくても、方針外取引には次のようなケースもあります。
事前方針に挙げていなくても、例えば直前10-1分足が過去平均10pipsしかないのに、20pipsも上昇していたとします。そこでレジスタンスに当たれば、指標発表前ということもあって、まず間違いなく一旦戻しが数pips起こります。
でも、この一旦戻しを狙う方針は、事前に示せません。遅くとも事前方針は、指標発表当日の午前中に投稿し、場合によっては詳細分析記事で数か月前に示しています。指標発表時点のサポートやレジスタンスは示せないので、こうした取引は方針外となってしまいます。
また、このブログではときどき、リスク回避時の復路を狙った取引を紹介しています。が、それはここので採点に含めていません。トレンドフォロー的な取引方法論は、サインを厳密に定義することが非常に難しく、結局、複数のテクニカル指標の組み合わせを眺めるしかなくなるのです。
でも、テクニカル指標中心の取引は、初心者やアマチュアが大負けするリスクを軽減するのに不十分な方法論です。
経済指標発表前後のテクニカル指標がまるでアテにできないことからわかるように、日頃のあれは初心者やアマチュアを油断させるためのプロフェッショナル用ツールとさえ思えることがあります。
ともあれ、ここに挙げた勝率は、指標発表前後の過去傾向に基づく短期取引の有効性を示しています。そして、勝率が前項に挙げた期待的中率とほぼ一致していることは、こうした指標発表前後の過去傾向に基づく取引の方法論の実施難易度が低いことを示してる、と考えられます。
最も大事なことは、収益がいくらだったかです。
がしかし、マーケティングで最も大事なことは、いくら稼げそうかが正確に算出できることです。マーケティングの出来・不出来だけが、不確かな仕事の成功率を知る術だと言えます。
職場におけるマーケティングなら、社長でもない限り、そこに「少し盛った理想像=あるべき姿」と、理想と現実の「乖離原因想定毎の対策」と、実際に乖離したときにも対策が準備万端だという「信用を得る手配」が必要です。
がしかし、FXは自分だけでやっているので、いきなりマーケティングの本質(精度の高い予測)を知りたいものです(社長と同じです)。
勝率はチャートの動く方向を当てれば良く、収益はチャートの動く程度を当てなければ算出できません。忙しいときや予習不足のときは取引回数が減るので、パラメータは(取引できる)「1分足1本当たり何pipsの損益」「1指標当たり何pipsの損益」を見ておく方が応用ができます。
2018年9月半場までは「1分足1本当たり何pipsの損益」かしか求めていませんでしたが、それ以降「1指標当たり何pipsの損益」も把握できるようになりました。
過去の収益性を下表に纏めておきます。
結論は、
です。
2017年に比べると、2018年は取引効率が下がってしまいました。これは、経済指標発表前後に限った話でなく、2018年のボラティリティ全体が小さかったためです。けれども、初心者やアマチュアが単純にトレンドフォローを行うよりは、勝率の点で効率の良い取引が行えました(トレンドフォローを繰り返して、1分足1本当たりの平均収益が0.3pipsを超えるのは難しい、という感触があります)。
原因と結果が再回帰する話ですが、収益効率の良い取引ができてこそ、ポジション保有時間は減らせます。
何より、高い勝率を維持する一方、指標発表前後だからこそ損切をきちんと行うことを強く意識することで、ポジション保有時間率は0.3%しかありません。これなら、取引中はチャートから目を離さず、浮いた時間に次の取引の予習ができます。
ポジション保有時間を抑え込めたことは、予想外の相場急変で壊滅的損失を被るリスクを軽減できます。効率よく収益を拡大するには、@ 勝てるときに取引することと、A大負けしない仕組みを習慣にする、しかありません。我々アマチュアが長期的に勝つ秘訣は、@Aに徹するしかありません。
2016年にブログを始めてから、それまで自分用に纏めていた経済指標発表前後の取引条件・取引結果のデータを、他人に見てもらうために「感じ」を「言葉」にしていきました。するとどうでしょう。私自身の取引成績も少し高くなりました。だから、2017年の成績集計のときなんて「ちょっと出来過ぎだった」と話を纏めたぐらいです。
Aは初心者でも基本を守れば実施可能ですが、@の「勝てるとき」を見出す方法を教えてくれるテキストは世の中に不足しています。トレンドフォロー手法とテクニカル指標の見方を教えて、後は場数をこなしてセンスを磨けという話がほとんどです。
間違ってはいません。「センスを磨く」ことは、大口取引を行っているプロフェッショナル達と徒手空拳で競うことではないはずです。彼らが理に適った取引をしている場面で、その理が我々にも理解できる場面を選べば、彼らに便乗してチャートの動きが素直なときに取引することができます。
そういう場面で収益の基盤をもっておきましょう。
『アイロボット』という映画で、主人公がロボットに「お前には素晴らしい交響曲を創ったり芸術的絵画を描くことなんてできないだろう」と詰る場面があります。すると、ロボットは主人公に「あなたは?」と訊き返します。好きなシーンです。
この映画は、AIがどうとか、それを搭載したロボッとがどうとか、そういう話ではありません。厳密に構築した論理であっても対象範囲が拡大されれば成り立たないことと、それに比べれば安っぽくても人には「しっくりくる理屈」があることを描いています。
そして、ロボットは丘の上に立つ人影が大勢を見下ろす絵を描きます。その人影が自分だったと気づくのは、彼が自らの意思で選択を行った後のことです。自動売買を止めてFXに勝ちまくったロボットの映画です(ウソです)。
さて、自動売買のアルゴリズムはまだ玉石混合です。
ひどいプログラムだと「損大利小」で見掛け上の勝率を稼ぐだけで、強いトレンドが続いたときしか損益がプラスにならないものさえあるそうです。また、優れたアルゴリズムを持つものでさえ、適用場面が限られています。連続稼働を前提にしているのにクラッシュへの備えが弱いものは最低です。取引中にずっとチャートに張り付いていられない人を顧客にしているのに、例えば2019年1月3日のフラッシュクラッシュでは、多くの犠牲者が出たようです。
利便性を口実に提供側の責任回避のため、設定を部分的にマニュアル化しているものは、メーカー勤務経験が長い私からすれば、法的責任を回避するための悪意すら感じます。
とてもまだAIなんてレベルではなく、単なるプログラムです。
電気製品と同じで、最初に飛びつくのはコストを度外視しても構わないマニアで、それ以外の人は廉価汎用品が普及するまで待つのが上策なのでしょう。
もちろん、そんなものばかりでもないでしょう。がしかし、ユーザーにとって玉石混合なことを問題視しているので、良心的なものを提供している方々を詰ったつもりはありません。
今はまだ、
- @ 人間がチャートの次の動きを予想すること、
- A 玉石混合のプログラムの中から玉を選び、更にその適用場面を選ぶこと、
について、
- B どちらの上達が早いか、
- C どちらが上達後の単位時間毎の収益率やロスカット発生率が高いか、
という方法論の選択をしているに過ぎません。
Aの判断を正しく行うことは難しいでしょう。製品の特徴を読んでもアテにできません。昔から、エンジニアと料理人は、素人に対して自分(と自分の製作物)の価値を過大に見積もる人が多い職業だからです。
そして、@の方法論はAの方法論においても有効です。逆は有効だと思えない。努力が報われて上達に繋がる、という話がしっくりくるのは@の方法論です。ならば問題は、@の方法論をどう学ぶか、です。
以前、TVで「イグアナは人の顔を見分けられるから賢い」という話がありました。けれども「だったらお前はイグアナの顔が見分けられるのか(ワシやお前はアホなのか)」と、TV局に抗議したりしません。常識が大切です。
自動売買プログラムは、初心者やアマチュアにとってまだイグアナの顔をしています。
【2-3-1. 勝ちの基盤をつくる】
よく初心者向けテキストで見かける記述に「短期取引はテクニカル分析、長期取引はファンダメンタル分析」というのがあります。
もしファンダメンタルの変化に基づきレートの変化(=トレンド)を予想するなら、
- D 現在のトレンドの強さ=過去のトレンド(その原因)の影響力+近くのチャートポイントの影響力
- E 次のトレンドの強さ=Dの現在のトレンドの強さ+最新もしくは次の情報の影響力
という検討を行います。こんな式で検討している訳じゃないけれど、式で表すとこんな感じです。
その結論が、
- F いつどこでポジションをオーダーする/しない
- G いつまで/どこまでそのポジションを保有する
となるのは、テクニカル分析であれファンダメンタル分析であれ同じです。
少し脱線すると、もし自分でも無駄なポジションを持つことが多いと思う人が居たら、D→E→F→Gという順に考えを纏めてからポジションを持てば良いでしょう。そして、その過程を記録しましょう。
話を元に戻すと、DE式の各「影響力」というものを数値化できない限り、ファンダメンタルの変化に基づく次のトレンド予想(継続/反転/停滞)は曖昧にならざるを得ません。
人がロボットと違うのは、曖昧な基準で判断を繰り返しても、結果の反省さえ繰り返せば進歩・上達できる点です。そして、その過程の反省と修正を行えば、もっと早く進歩・上達できるものです。
そこで着目するのが、E式において、
- H 現在のトレンドの強さ<最新もしくは次の情報の影響力、
の関係が成り立つ「期間」です。できることからやる、というのも進歩・上達の方法論として有力です。
そういう期間の代表が経済指標発表前後の数分間です。全ての場合に役立つDE式は得られなくても、経済指標発表前後の数分間だけ「影響力」を定量化できれば良いのです。
直前10-1分足は、それまでのトレンドの影響力と発表時刻が迫る経済指標の影響力が拮抗しがちです。直後1分足は、経済指標の影響力が圧倒的です。直後11分足は、それまでのトレンドの影響力と経済指標の影響力の強弱が経済指標によって異なります。
この間はDE式で用いた「トレンド」という言葉より、単に「チャートが動く方向」と言った方が正確でしょう。
早く上達するための秘訣は「いつどんな場面でも勝てるようになること」を目指すことではありません。多くの入門書は、初心者にその点を勘違いさせます。早く上達する秘訣は、狙いを絞ることとその絞り方を学ぶことです。
経済指標発表前後の取引を扱う本ブログでは、
- 過去の実績から素直な反応をする傾向(影響力)の強い経済指標を選び、
- それに乗じた取引を行う手順を予め決めておき、
- その通りに取引した成績が期待通りの結果になることを検証し、
- 成績不振なら分析か手順を見直す、
ということを繰り返し行っています。
このブログで扱う経済指標に限った発表前後取引は、過去の傾向に沿った方針で臨むことで
- 1指標当たり平均+15pipsの収益
(もし年始GBPJPYレートの1枚の投資額を基準に、レバレッジ25倍・投資額の10倍の資金で始めるとすると、本ブログでの注目指標全てで取引すると、それだけで年始資金が30%強の年間運用益に達します) - 年間ポジション保有時間率0.31%
(このブログでは、私のようなアマチュアや初心者が、相場急変時のロスカット等で壊滅的打撃を受ける確率とポジション保有時間率がほぼ等しいという前提に立っています)
が実績です。
この収益ベースが期待できるからこそ、暇なときにトレンドフォローを楽しみ、たまには宵越しのポジションを持ってワクワクしながら床につける訳です。長期一定回数の取引で安定した勝率が期待できる得意場面は必要です。
以下に、
- 経済指標発表直後の素直な反応確率
(指標結果のチャートへの影響力の代表的一面を見ています) - 指標発表前後の過去傾向の再現性
(上記影響力が指標発表前後10分間にアテになるチャートの動きのクセを持つか、そのクセの再現率を見ていることになります) - 指標発表前後の取引の難易度
(上記のクセをアテにして実際の取引で勝てるかを検証しています) - 経済指標発表前後の取引での収益性
(その結果、収益がどのぐらいになるかを示しています)
を纏めておきます。
【2-3-2. 経済指標発表直後の素直な反応確率】
このブログでは、雇用統計翌週から次の雇用統計までの指標分析結果と取引結果を前月の月次成績としています。先日1月4日に米雇用統計発表があったので、2018年の成績集計ができました。
本ブロスの各経済指標分析記事では、事後差異判別式というのを求めています。事後差異というのは、発表結果ー市場予想、のことです。ひとつの経済指標で複数の項目が発表されるときは、過去の傾向から各項に重み付けをした事後差異判別式を求めておきます。その判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線に対応)が過去の直後1分足値幅方向と最も一致率が高くなるように、判別式は求めています。
事後差異判別式の解の符号と直後1分足の方向一致率の高さは、経済指標発表結果への反応の素直さを示す指標だと言えます。この「素直さの指標」は、現在の経済情勢や直近のトレンドを無視して、指標結果の良し悪しだけがチャートに及ぼす影響が顕在化する確率、と見なしても誤差は少ないはずです。
厳密に記そうとするほど、面倒な記述になります。が、言わんとすることは伝わったと思います。
こうした集計をきちんと始めた9月半場以降、2018年の経済指標への反応の素直さは下表の通りです。
4行目の2018年12月の行・円クロス(xxxJPY)の3列をご覧ください。
12月は、13指標で指標発表前に過去傾向に基づく取引方針を挙げていました。円クロスでの事後差異判別式の解の符号と直後1分足値幅方向は83%が一致していました。かなり高い一致率です。
12月は、英国のEU離脱案採決が当初予定されていたり、大きな株価の下落が何度も起きました。そのため、事前に取引中止(過去方針の適用外)を宣言した指標が多い月でした。その結果、対象指標を選別したことが、過去傾向の的中率を高くしたようです。
次に、ドルストレート(xxxUSD)の3列をご覧ください。
このブログの事前取引方針は円クロスでの過去反応傾向を分析し、ドルストレートでは分析を行っていません。がしかし、直後1分足は指標結果の良し悪しに最も素直に反応しがちです。よって、円クロスでの分析結果がドルストレート取引でも当てはまるはずです。
9月は極端に素直と言えない反応をした指標が多かったものの、11月は円クロスよりも素直に反応していました。9月以降の通しで見てみると、円クロスでの過去傾向的中率(73%)とドルストレートのそれ(67%)の差は僅かしかありません。ただ、僅かとは言え、円クロス>ドルストレート、の関係はやっぱり成立しています。
結論は、
- 指標発表結果の良し悪しに対し、指標発表直後にざっくり70%が素直な方向に反応した
- なぜか、円クロスでの取引する方が、ドルストレートで取引するよりも、少しだけ素直さの強さを期待できる
です。
指標発表直後の素直さの強弱関係が、円クロス>ドルストレート、となることは、以前から経験談として紹介していました。その原因はわかりません。
さて。
例えば数日後に国運を賭けた議会採決が行われたり、前日に数か月や数年に一度の株価暴落が起きたときに、景気アンケートの結果や前月の小売売上高や住宅販売件数がどーなろうが、それどころじゃありません。こうした時期はチャートが荒れて、経済指標の発表があるからと、過去の傾向を意識して取引する訳にもいきません。
こうした「荒れた場面」をここでの集計には含めていません。この「荒れた」「荒れていない」の程度判断は主観的です。だから、主観的理由で上表に取り込んでいない指標がある点は、この集計の誤差になっています。
でも仕方ありません。明らかにチャートが荒れているとき、いつもと同じように取引する方が変なのです。そういう常識は、統計データを信じずに結果的に勝ちを逃すことになっても優先すべき、と考えています。
こうした方針について、いずれロボットに「あなたは(どう思う)?」と訊かれるなら嬉しい話です。
【2-3-3. 指標発表前後の過去傾向の再現性】
指標結果の良し悪しに直後1分足が素直に反応しても、そのこと自体はあまり取引の役に立ちません。
指標発表直後は一瞬で大きくチャートが跳ねることが多く、それが起きてからポジションをオーダーしても間に合いません。跳ねる前にオーダーするには、確率的にかなり高い論拠が必要です。最初の跳ねは、爆発的に大きくなることもあります。
その跳ねを形成中に、ヘッジファンドや金融機関の自動売買プログラムと、アルゴリズムの優劣や通信環境の優劣やレート決定所用時間を競うのが得策とは思えません。そんなの、こちらも自動売買プログラムを用意したって勝てる気がしません。
但し、前述の「素直さの指標」で十分に素直と判断できるなら、それは現在の経済情勢や直近のトレンドを無視して、指標結果の良し悪しだけがチャートに反映されている時間帯が存在している、ということです。
ちなみに、既に欧米では全取引の90%前後が自動売買プログラムで行われているそうです。だから実は、このブログでの取引方法は、自動売買プログラムのクセに乗じて裁量トレードで稼ぐことを狙っている、と言えるのかも知れません。
よく「一方向に一気に動きがち」という自動売買プログラムのクセが話題に挙がります。トレンドフォロー系のアルゴリズムでの売買が多数派なのでしょう。これは常識に適っています。
けれども、それなら指標発表直後の反応は、年を追うに従ってもっと大きくなっても良いはずです。ところが、多くの経済指標発表時には、2015年を基準にすると、その後は年を追う毎に指標発表直後の跳ねが小さくなっています。
むしろ、サポートやレジスタンスでのひとまず反転や、1/3戻し・半値戻しといった動きが昔よりも際立って多くなった気がします。
単なるトレンドフォローでなく、レジスタンスやサポートを意識したアルゴリズムが多いのでしょう。そして、指標発表から3分・10分・15分経過後に動きが変わることが多い気がします。この時間は、指標発表前後の取引を中止していたトレンドフォロー系の自動売買プログラムが再起動しがちな時間なのかも知れません。
本当のことはわかりません。そんな感じがする、という話です。経済指標発表前に、サポートやレジスタンスの位置確認をしておくことは、昔も今も大事です。
さて、本題です。
下表は直後1分足に限らず、指標発表前後の過去傾向に基づく事前取引方針全ての的中率を示しています。
約3か月半の実測結果に基づく結論は、
- 準備していた過去傾向に基づく取引方針のうち67%(方針採用率)しか前提条件を満たしていない、
- その67%の前提条件を満たしたときは、69%(期待的中率)の事例で過去の傾向通りにチャートが動いている、
です。
個々の経済指標詳細分析記事で取引方針の採用基準は、概ね過去に70%以上の再現率があった場合です。実際の方針採用率や期待的中率がそれに近かったことは満足できます。
【2-3-4. 指標発表前後の取引の難易度】
ここからは分析の話でなく、本番の取引の話です。
仮に過去パターンの再現性が70%あっても、実際の取引での勝率が70%に達するかは別問題です。
例えば、直前1分足の過去陰線率が90%あったとしても、指標発表直前まで陽線側へのヒゲを伸ばして指標発表直前に陰線側に転じる事例など、よく見かけます。だから、そうした事例も含めて「直前1分足形成中はショートで取引する」という方針で十分な勝率を実際の取引で稼げない限り、そんな取引方針は役に立たないどころか害があります。
個々の取引でそんなことが起きても構いません。がしかし、何度も取引してそんなことが起きるなら問題です。だから、実際の取引成績を記録してそうしたことが起きる確率が許容範囲内に収まっているかを確認し続けないといけません。これは、事前方針に沿った取引の難易度を測っていることになります。
下表は、個々の指標の個々の取引方針に沿った実際の取引成績です。個別方針は個々の指標の詳細分析記事で検証しているので、ここでは月次の全体集計結果を纏めています。
結論は、
- 事前方針に沿った取引での勝率は73%、
- 本ブログの分析対象期間は対象指標発表前後10分なのに、その後もポジションを持ち続けて利幅を伸ばした場合も含めたり、その他事前方針に沿っていない場合も含めると、勝率は76%へと高まる、
- 事前方針に基づく実際の取引での勝率73%は、前項に挙げた事前方針の期待的中率69%とほぼ一致している、
です。
このことは、事前方針に基づく取引が難しくない、ということです。
そりゃそうでしょう。面倒な過去の傾向分析で、矛盾する内容をどう軽重判断して一貫した傾向を導くかが難しいのです。その結果を踏まえて改善を続ければ、勝率はやがて期待的中率に向けて収束していきます。
が、それをこうして実測確認することが大事です。
また、方針外取引は、過去の経験から読みに自信があるときに行うため、勝率が高まるのも当然です。
がしかし、時間延長を事前方針に盛り込むことは避けています。分析対象期間は、原則として限定しておかないとキリがありません。キリのない取引は、(必ずと言っても良いほど)初心者やアマチュアの勝率と収益率を下げてしまいます。
期間延長でなくても、方針外取引には次のようなケースもあります。
事前方針に挙げていなくても、例えば直前10-1分足が過去平均10pipsしかないのに、20pipsも上昇していたとします。そこでレジスタンスに当たれば、指標発表前ということもあって、まず間違いなく一旦戻しが数pips起こります。
でも、この一旦戻しを狙う方針は、事前に示せません。遅くとも事前方針は、指標発表当日の午前中に投稿し、場合によっては詳細分析記事で数か月前に示しています。指標発表時点のサポートやレジスタンスは示せないので、こうした取引は方針外となってしまいます。
また、このブログではときどき、リスク回避時の復路を狙った取引を紹介しています。が、それはここので採点に含めていません。トレンドフォロー的な取引方法論は、サインを厳密に定義することが非常に難しく、結局、複数のテクニカル指標の組み合わせを眺めるしかなくなるのです。
でも、テクニカル指標中心の取引は、初心者やアマチュアが大負けするリスクを軽減するのに不十分な方法論です。
経済指標発表前後のテクニカル指標がまるでアテにできないことからわかるように、日頃のあれは初心者やアマチュアを油断させるためのプロフェッショナル用ツールとさえ思えることがあります。
ともあれ、ここに挙げた勝率は、指標発表前後の過去傾向に基づく短期取引の有効性を示しています。そして、勝率が前項に挙げた期待的中率とほぼ一致していることは、こうした指標発表前後の過去傾向に基づく取引の方法論の実施難易度が低いことを示してる、と考えられます。
【2-3-5. 経済指標発表前後の収益性】
最も大事なことは、収益がいくらだったかです。
がしかし、マーケティングで最も大事なことは、いくら稼げそうかが正確に算出できることです。マーケティングの出来・不出来だけが、不確かな仕事の成功率を知る術だと言えます。
職場におけるマーケティングなら、社長でもない限り、そこに「少し盛った理想像=あるべき姿」と、理想と現実の「乖離原因想定毎の対策」と、実際に乖離したときにも対策が準備万端だという「信用を得る手配」が必要です。
がしかし、FXは自分だけでやっているので、いきなりマーケティングの本質(精度の高い予測)を知りたいものです(社長と同じです)。
勝率はチャートの動く方向を当てれば良く、収益はチャートの動く程度を当てなければ算出できません。忙しいときや予習不足のときは取引回数が減るので、パラメータは(取引できる)「1分足1本当たり何pipsの損益」「1指標当たり何pipsの損益」を見ておく方が応用ができます。
2018年9月半場までは「1分足1本当たり何pipsの損益」かしか求めていませんでしたが、それ以降「1指標当たり何pipsの損益」も把握できるようになりました。
過去の収益性を下表に纏めておきます。
結論は、
- 2018年の取引時間は合計1151分(19時間11分)、1年365日の5/7が取引可能時間とすると、ポジション保有時間率は0.31%、同期間の損益は+1171pips
- 1分足1本当たり平均1.0pipsの収益、1指標での取引当たり平均15pipsの収益
です。
2017年に比べると、2018年は取引効率が下がってしまいました。これは、経済指標発表前後に限った話でなく、2018年のボラティリティ全体が小さかったためです。けれども、初心者やアマチュアが単純にトレンドフォローを行うよりは、勝率の点で効率の良い取引が行えました(トレンドフォローを繰り返して、1分足1本当たりの平均収益が0.3pipsを超えるのは難しい、という感触があります)。
原因と結果が再回帰する話ですが、収益効率の良い取引ができてこそ、ポジション保有時間は減らせます。
何より、高い勝率を維持する一方、指標発表前後だからこそ損切をきちんと行うことを強く意識することで、ポジション保有時間率は0.3%しかありません。これなら、取引中はチャートから目を離さず、浮いた時間に次の取引の予習ができます。
ポジション保有時間を抑え込めたことは、予想外の相場急変で壊滅的損失を被るリスクを軽減できます。効率よく収益を拡大するには、@ 勝てるときに取引することと、A大負けしない仕組みを習慣にする、しかありません。我々アマチュアが長期的に勝つ秘訣は、@Aに徹するしかありません。
2016年にブログを始めてから、それまで自分用に纏めていた経済指標発表前後の取引条件・取引結果のデータを、他人に見てもらうために「感じ」を「言葉」にしていきました。するとどうでしょう。私自身の取引成績も少し高くなりました。だから、2017年の成績集計のときなんて「ちょっと出来過ぎだった」と話を纏めたぐらいです。
Aは初心者でも基本を守れば実施可能ですが、@の「勝てるとき」を見出す方法を教えてくれるテキストは世の中に不足しています。トレンドフォロー手法とテクニカル指標の見方を教えて、後は場数をこなしてセンスを磨けという話がほとんどです。
間違ってはいません。「センスを磨く」ことは、大口取引を行っているプロフェッショナル達と徒手空拳で競うことではないはずです。彼らが理に適った取引をしている場面で、その理が我々にも理解できる場面を選べば、彼らに便乗してチャートの動きが素直なときに取引することができます。
そういう場面で収益の基盤をもっておきましょう。
以上
2019年01月18日
1月18日経済指標
本日は、
08:50 12月集計分日本CPI
18:30 12月集計分英国小売売上高指数
23:15 12月集計分米国設備稼働率・鉱工業生産・製造業生産
24:00 1月集計分米国UM消費者信頼感指数速報値
の発表があります。
日本CPIは取引に向いていません。
英国指標も今は過去の傾向なんて関係ありません。英国は今、個別経済指標がどうなろうが、そんなこと関係ありません。関係ないのに過去の傾向通りに反応したら、そんなの偶然です。
米国は次週月曜が祝日のため3連休前となります。連休前の戻しも気になりますが、予習不足のため今夜の取引は止めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
08:50 12月集計分日本CPI
18:30 12月集計分英国小売売上高指数
23:15 12月集計分米国設備稼働率・鉱工業生産・製造業生産
24:00 1月集計分米国UM消費者信頼感指数速報値
の発表があります。
日本CPIは取引に向いていません。
英国指標も今は過去の傾向なんて関係ありません。英国は今、個別経済指標がどうなろうが、そんなこと関係ありません。関係ないのに過去の傾向通りに反応したら、そんなの偶然です。
米国は次週月曜が祝日のため3連休前となります。連休前の戻しも気になりますが、予習不足のため今夜の取引は止めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
広告以上
2019年01月16日
1月17日経済指標(結果検証済)
17日は、
09:30 11月集計分豪州住宅ローン件数
の発表があります。
市場予想(前回結果)
・前月比△1.4%(+2.2%)
事前差異判別式の解は△3.6です(1月16日20:10時点)。
過去平均順跳幅/同値幅pips(2018年発表分)
・直前10-1分足5/3(5/3)
・直前1分足1/1(1/0)
・直後1分足4/3(3/2)
・直後11分足9/6(9/6)
過去傾向に基づく取引方針
・事前差異と直前10-1分足が逆方向ならば、指標発表直前に事前差異と同じ方向にオーダーし、直後1分足の跳ねを狙います。
・初期反応方向を確認したら早期追撃開始し、利確/損切の目安を5pipsとします。
・直後1分足跳幅が4pips以上になったら、直後1分足終値がつくのを待って再追撃し、利確/損切の目安を5pipsとします。
豪州住宅ローン件数
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
Webサーバー処理速度が国内最速(2018年9月調査)で、ストレスのない高速サーバー環境が手に入ります。初めて自分のサイトを持つならベーシックコース¥1200/月。容量が不足したら上位プランに変更できます。最低利用期間なし・転送量課金なし・サイト数無制限・ドメイン無制限・データベース数60個・バックアップ1日1回14日分復旧可。事前にチャージ(入金)した金額分のみサービスのご利用が可能なプリペイド形式の支払い方法です。サービスのご利用金額は、利用日翌日にチャージ残高から引き落とされます。
09:30 11月集計分豪州住宅ローン件数
の発表があります。
市場予想(前回結果)
・前月比△1.4%(+2.2%)
事前差異判別式の解は△3.6です(1月16日20:10時点)。
過去平均順跳幅/同値幅pips(2018年発表分)
・直前10-1分足5/3(5/3)
・直前1分足1/1(1/0)
・直後1分足4/3(3/2)
・直後11分足9/6(9/6)
過去傾向に基づく取引方針
・事前差異と直前10-1分足が逆方向ならば、指標発表直前に事前差異と同じ方向にオーダーし、直後1分足の跳ねを狙います。
・初期反応方向を確認したら早期追撃開始し、利確/損切の目安を5pipsとします。
・直後1分足跳幅が4pips以上になったら、直後1分足終値がつくのを待って再追撃し、利確/損切の目安を5pipsとします。
以上
豪州住宅ローン件数
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
Webサーバー処理速度が国内最速(2018年9月調査)で、ストレスのない高速サーバー環境が手に入ります。初めて自分のサイトを持つならベーシックコース¥1200/月。容量が不足したら上位プランに変更できます。最低利用期間なし・転送量課金なし・サイト数無制限・ドメイン無制限・データベース数60個・バックアップ1日1回14日分復旧可。事前にチャージ(入金)した金額分のみサービスのご利用が可能なプリペイド形式の支払い方法です。サービスのご利用金額は、利用日翌日にチャージ残高から引き落とされます。
広告以上
タグ:豪州住宅ローン件数
1月16日経済指標
英国のEU離脱案採決結果は200票以上の大差で否決されました。内閣は21日までに代替案を提出しなければならず、仮に提出できてもそれまでに新提案のEUとの合意は不可能です。EUとの離脱期限延長が行われない限り、3月末に合意無き離脱となります。
それなのに、野党は内閣不信任案を提出し、その採決は16日に行われる見通しと、AFPは伝えています。
今後の展開として、@ 3月29日に迫る合意無き離脱期限の延期をEUに申請、A 再採決を目指すか内閣総辞職/総選挙、B 離脱是非を問う国民投票の再実施、が考えられます。
てっきり今回採決否決後はGBP売と思っていましたが、市場はGBP買となっています。なぜGBP買になったのか、報道解説が出始めたら勉強したいと思います。
EU離脱派もEU残留派も歓迎したという今回の結果は、そもそもの2016年の国民投票結果が僅差だったことが原因です。
世の中、多数派が圧倒的に強くないと、多数決で物事を決められないという現実は多いものです。多数決で決めてもなお、細部に揉めることも珍しくありません。
多数決の精神論には、少数意見の尊重というのも教養として皆にあるからです。多数決のルールと精神論の間には、多数派に寛容の気持ちが生まれる状況が必要です。
これほど揉めて後、最終的に離脱派が勝っても残留派が逆転しても、皆がこの問題に厭きて疲れるのを待つしかないのでしょう。
EU側にしてみれば、分担金だけ払わせて将来政策の決定権を制限した英国が、あと300年ぐらい中途半端にEUに残っていても何も損はないでしょう。中途半端な晒し者にする方が、むしろ第2の英国を生まない抑止力となるでしょう。
英国側にすれば、この問題が白黒つかないうちは企業がEU側に資産を移し続け、ジリ貧が貧になるまで続くこともわかっているはずです。既存の権威や利権を一度真っさらにしてから作り直さないと成就しないのが革命です。
最初からその認識があれば良かった。
では何でGBPはもっと売られないのか?
わかりません。
本日は、
18:30 12月集計分英国物価統計
22:30 12月集計分米国小売売上高、12月集計分米国輸入物価指数
の発表があります。
英議会採決の影響が読めないため、英国指標での取引は中止します。
米国指標の影響力は、小売売上高>輸入物価指数、です。
米国小売売上高
市場予想(前回結果)
・前月比+0.2%(+0.2%)
・コア前月比+0.1%(+0.2%)
事前差異判別式の解は+0.1です(1月15日21:40時点)。
過去平均順跳幅/同値幅pips(2018年発表分)
・直前10-1分足5/3(5/3)
・直前1分足4/3(2/1)
・直後1分足19/14(7/5)
・直後11分足24/18(11/7)
過去傾向に基づく取引方針
・直前1分足は、直前10-1分足が陽線ならばショートをオーダーし、利確・損切りの目安は2pips程度です。
・直前10-1分足か直前1分足の跳幅が10pips以上に達したら、指標発表直前にそれら値幅方向にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。直前10-1分足と直前1分足の示唆する方向が矛盾する場合、直前10-1分足の跳ねを優先します。
・指標発表後の初期反応を確認後は早期追撃開始です。発表から数分以内の利確を狙います。3pipsも取れたら、すぐに利確でも構いません。
・再追撃も、発表から数分以内なら3pipsを狙って繰り返しますが、事後差異が0〜△1.1の範囲内だったときは行いません。
平均的には直後11分足終値は直後1分足終値より反応を伸ばしているものの、たまに反転したときに大きく反転するので、再追撃は利確/損切の目安を小さくして繰り返す方が無難です。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
それなのに、野党は内閣不信任案を提出し、その採決は16日に行われる見通しと、AFPは伝えています。
今後の展開として、@ 3月29日に迫る合意無き離脱期限の延期をEUに申請、A 再採決を目指すか内閣総辞職/総選挙、B 離脱是非を問う国民投票の再実施、が考えられます。
てっきり今回採決否決後はGBP売と思っていましたが、市場はGBP買となっています。なぜGBP買になったのか、報道解説が出始めたら勉強したいと思います。
EU離脱派もEU残留派も歓迎したという今回の結果は、そもそもの2016年の国民投票結果が僅差だったことが原因です。
世の中、多数派が圧倒的に強くないと、多数決で物事を決められないという現実は多いものです。多数決で決めてもなお、細部に揉めることも珍しくありません。
多数決の精神論には、少数意見の尊重というのも教養として皆にあるからです。多数決のルールと精神論の間には、多数派に寛容の気持ちが生まれる状況が必要です。
これほど揉めて後、最終的に離脱派が勝っても残留派が逆転しても、皆がこの問題に厭きて疲れるのを待つしかないのでしょう。
EU側にしてみれば、分担金だけ払わせて将来政策の決定権を制限した英国が、あと300年ぐらい中途半端にEUに残っていても何も損はないでしょう。中途半端な晒し者にする方が、むしろ第2の英国を生まない抑止力となるでしょう。
英国側にすれば、この問題が白黒つかないうちは企業がEU側に資産を移し続け、ジリ貧が貧になるまで続くこともわかっているはずです。既存の権威や利権を一度真っさらにしてから作り直さないと成就しないのが革命です。
最初からその認識があれば良かった。
では何でGBPはもっと売られないのか?
わかりません。
ーーー$€¥£A$ーーー
本日は、
18:30 12月集計分英国物価統計
22:30 12月集計分米国小売売上高、12月集計分米国輸入物価指数
の発表があります。
英議会採決の影響が読めないため、英国指標での取引は中止します。
米国指標の影響力は、小売売上高>輸入物価指数、です。
ーーー$€¥£A$ーーー
米国小売売上高
市場予想(前回結果)
・前月比+0.2%(+0.2%)
・コア前月比+0.1%(+0.2%)
事前差異判別式の解は+0.1です(1月15日21:40時点)。
過去平均順跳幅/同値幅pips(2018年発表分)
・直前10-1分足5/3(5/3)
・直前1分足4/3(2/1)
・直後1分足19/14(7/5)
・直後11分足24/18(11/7)
過去傾向に基づく取引方針
・直前1分足は、直前10-1分足が陽線ならばショートをオーダーし、利確・損切りの目安は2pips程度です。
・直前10-1分足か直前1分足の跳幅が10pips以上に達したら、指標発表直前にそれら値幅方向にポジションをオーダーし、発表直後の跳ねで利確/損切です。直前10-1分足と直前1分足の示唆する方向が矛盾する場合、直前10-1分足の跳ねを優先します。
・指標発表後の初期反応を確認後は早期追撃開始です。発表から数分以内の利確を狙います。3pipsも取れたら、すぐに利確でも構いません。
・再追撃も、発表から数分以内なら3pipsを狙って繰り返しますが、事後差異が0〜△1.1の範囲内だったときは行いません。
平均的には直後11分足終値は直後1分足終値より反応を伸ばしているものの、たまに反転したときに大きく反転するので、再追撃は利確/損切の目安を小さくして繰り返す方が無難です。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
広告以上
2019年01月15日
1月15日経済指標
本日は、
・22:30 12月集計分米国PPI・1月集計分NY連銀製造業景気指数
・28:00? 英国のEU離脱案採結果
の発表があります。
英議会採決の影響が読めないため、本日の指標取引は中止します。
また、参考までに、PPIとNY連銀指数が同時発表されたことは、2015年以降7回あります。そのうち4回は、CPIや小売売上高やPhil連銀指数とも同時発表されたので、PPIとNY連銀指数との影響力強弱が比較できるのは、以下の3回だけです。
・2015年1月15日発表 +0.5:+5.0:+28pips
・2015年7月15日発表 0.0:+0.6:+11pips
・2016年6月15日発表 △0.1:+10.9:0pips
※ 発表日に続く数字は、PPI事後差異判別式の解:NY連銀指数事後差異判別式の解:直後1分足値幅pips、です。
このように、PPIとNY連銀指数だけが同時発表された上記3回では、強弱関係が判定できません。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
国内最大級の個人向けレンタルサーバー『ロリポップ!レンタルサーバー』は、月額100円(税抜)〜で容量最大400GB!しかも安いだけじゃなく、大人気WordPressの簡単インストール/ウェブメーラーなど機能も満載!共有/独自SSLもバッチリ対応でセキュリティ対策も万全!
もちろん、オンラインマニュアルやライブチャットなど、充実したサポートで初心者の方でも安心です。無料のお試し期間が10日間ありますので、まずはお気軽にご利用してみてくださいね!
→ロリポップ!レンタルサーバーはこちら
・22:30 12月集計分米国PPI・1月集計分NY連銀製造業景気指数
・28:00? 英国のEU離脱案採結果
の発表があります。
英議会採決の影響が読めないため、本日の指標取引は中止します。
また、参考までに、PPIとNY連銀指数が同時発表されたことは、2015年以降7回あります。そのうち4回は、CPIや小売売上高やPhil連銀指数とも同時発表されたので、PPIとNY連銀指数との影響力強弱が比較できるのは、以下の3回だけです。
・2015年1月15日発表 +0.5:+5.0:+28pips
・2015年7月15日発表 0.0:+0.6:+11pips
・2016年6月15日発表 △0.1:+10.9:0pips
※ 発表日に続く数字は、PPI事後差異判別式の解:NY連銀指数事後差異判別式の解:直後1分足値幅pips、です。
このように、PPIとNY連銀指数だけが同時発表された上記3回では、強弱関係が判定できません。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
国内最大級の個人向けレンタルサーバー『ロリポップ!レンタルサーバー』は、月額100円(税抜)〜で容量最大400GB!しかも安いだけじゃなく、大人気WordPressの簡単インストール/ウェブメーラーなど機能も満載!共有/独自SSLもバッチリ対応でセキュリティ対策も万全!
もちろん、オンラインマニュアルやライブチャットなど、充実したサポートで初心者の方でも安心です。無料のお試し期間が10日間ありますので、まずはお気軽にご利用してみてくださいね!
→ロリポップ!レンタルサーバーはこちら
広告以上
2019年01月13日
前週備忘、及び、1月14日〜18日経済指標
【前週備忘】
米政府機関の閉鎖は過去最長になったそうです。がしかし、米大統領は折れる気配がまだ見えません。
最終的な狙いは、壁の予算が一部でも形式的に認められれば良いはずです。大統領側が妥協する代わりに、民主党の大統領弾劾の動きが一定期間抑え込めるようにディールしても良いでしょう。
「壁の予算」という大義名分は、無茶苦茶な気がしても、大統領にとっては王手飛車取りみたいに合理的な一手だというこの話は、報道機関の記事でなく、誰だかわからない・米国人かすらわからない英語のHPに書かれていた内容です。
なるほど、と思ってしまいました。そして、大統領にせよ民主党にせよ、政府機関閉鎖が長引いた方が妥協しやすくなるという構図です。
9日、USTR(米国通商代表部)代表とEU貿易担当欧州委員と日本経済産業相は会合し、「WTO(世界貿易機関)主要加盟国による輸出補助金への関与を可能とする行動指針の明文化」する方針で一致したそうです。
現行のWTOルールでも、廉価産品流入への対抗措置がそれなりに明確化(緊急避難措置など)されていました。けれども、これからは米国主導で日米欧が足並みを揃えて協調対抗することに決まった訳です。追加ターゲットが、補助金(と国営企業)への対抗措置、です。
従来は中国に対し日米欧が連衡(故事では、弱者が強者と個別に同盟して各個に平穏を得る意)していたのを、合従(故事では弱者同士が同盟して強者に一致対抗して均衡の平穏を得る意)に向けて動き出した訳です。
この故事となった合従国は、縁起が悪いことに最終的に滅びたことが知られています。また、日本でも信長包囲網が個別に破られつつあったことが知られています。東洋では、主権が異なり船頭が多くなると、ロクな結果にならなかったことが多いようです。がしかし、欧米では2つの大戦で連合国(合従)が勝利した事例があるので、必ずしも悪いイメージの戦略でもありません。
11日、ブルームバーグがBBCの分析を引用した話では「15日の採決でEU離脱案は、政府提出法案として異例の大差で否決の見通し」とのことです。
11日は欧州時間以降、EU離脱法案採決を控えGBPが売られ始めたところ、真偽不明な「採決延期」報道があってGBP買に転じました。真偽不明でも、政府報道官が「採決延期を否定」するまでにGBPは100pipsも買われました。
今週は、引き続き採決が迫るに連れてじりじりGBPが売られ、採決延期の報道で一気にGBP買に転じる場面に備えることになります。前日14日欧州市場までに採決延期にならなければ、GBPはかなり売られるでしょう。
以前のBOE試算では確か、合意なき離脱はGDP8%、GBPレート25%の低下だったと記憶しています。
ーーー$€¥£A$ーーー
前週成績を集計しておきます。
・事前分析成績は5勝2敗(分析採用回数7回、的中率71%)
・事前分析の取引方針を採用できなかったことは、前提を満たさずに取引できなかったことが5回、判定不可及び取引不可だったことが1回で、計6回です(11回の取引を事前準備し、うち5回で取引可能=方針採用率45%)。
・過去分析に基づく事前方針に沿った取引は6勝2敗でした(勝率75%、事前準備した取引方針11回に対する方針実施率73%)。
・それとは別に、過去分析に基づかない、もしくはポジション保有時間延長による取引は2勝0敗でした(全取引に対する方針順守率62%)。
・この週の取引時間は15分31秒、損益は+38.54pipsでした。1分足1本当たりの損益は+2.5pipsということになります。
【今週指標】
太字は詳細分析記事にリンクしています。
1月14日(月)
英国、EU離脱案の採決前日
時間不明 12月集計分中国貿易収支
1月15日(火)
英国、EU離脱案採決予定
22:30 12月集計分米国PPI
・1月集計分NY連銀製造業景気指数
1月16日(水)
18:30 12月集計分英国物価統計
22:30 12月集計分米国小売売上高、12月集計分米国輸入物価指数
1月17日(木)
09:30 11月集計分豪州住宅ローン件数
1月18日(金)
08:50 12月集計分日本CPI
18:30 12月集計分英国小売売上高指数
23:15 12月集計分米国設備稼働率・鉱工業生産・製造業生産
24:00 1月集計分米国UM消費者信頼感指数速報値
以上
1月3日07:00からのリスク回避
※ 本稿は1月3日投稿記事に、1月5日、1月11日に追記したものです。
問題は程度です。USDJPYで約400pips、GBPJPYで約600pips、約AUDJPYで500pipsの下落でした。
これほど大きく急落が起きると、
・昨年末から米株急落に伴うリスク回避が散発的に起きていたのに買ポジションを重ねて放置していた人、
・新年大発会日の下窓を狙って108円や107円に買指値オーダーを年末に置いていた人、
・昨年高値の115円ぐらいでオーダーしたロングを放置していた人、
にロスカットが発生し、痛い目に遭った人がかなりいたのでしょう。
下図は、先頭7:00からの10分足始値を昨日終値とし、最初のローソク足を窓無しで表示した10分足チャートです。USDJPYは暫く下げが続き、7:30過ぎに一気に下降し、7:40過ぎに安値に達しました。分速数10pipsの「フラッシュクラッシュ」発生です。
次に7時〜8時の始値基準1時間足と8時〜9時の主要通貨ペアの円クロス・ドルストレートで示します。
強弱は、JPY>USD>EUR>AUD>GBPの順でした。
以下、1月11日に追記しています。
フラッシュクラッシュのリスクは、日本が週末に連なる祝日朝に、日本の個人投資家のポジションが高利回り通貨のロング側に積み上がっているとき、に高まる、と言われています。
もともと、流動性(取引額)が少ない時間帯が危ないという話は常識ですが、加えて、その時間帯に更に流動性が少ない高利回り通貨はもともとロングが貯まりやすいため、そうした通貨の大きな売が引き金になってフラッシュリスクが生じやすいそうです。
また、日本が週末に連なる祝日朝は、香港市場が開くまで、日中取引規模がたったの300億ドル強のオーストラリア市場で取引レートが決まります。レバレッジ数100倍が珍しくない海外FX業者では、30億円も売れば、それだけで豪州市場の日中取引規模に達してしまいます。
だから、フラッシュクラッシュ発生に悪意があるとは限りません。
どの国のどのFX業者であれ含損が一定水準に達すれば、ロスカットルールでポジション清算が強制執行されるのが普通です。その業者もまた、一定の含損を抱えると、損失清算が義務付けられている国が普通です(例外的な国があるという話は知りません)。
そして、日中取引規模に匹敵する売が数分間で行われれば、当然、レート急落が起きます。するとまた急落に応じた損切と、トレンド追従アルゴリズムの自動売買プログラムが活性化し、急落幅が増幅してしまいます。
今回のクラッシュは、発生時刻と、トルコリラかAUDの大口ショートが端緒(と言われています)と、日本でそれら通貨のロングが積みあがっていたらしい、という点で、ヘッジファンドによる悪意のある仕掛けが噂されています。が、それが事実と「断定した」大手報道会社の記事はないようです(識者コメントとして、そう断じた記事はありますが、その識者がそう断じた証拠を提示した記事は見つけていません)。
以下、1月5日に追記しています。
その後、インターネットで自動売買プログラムの成績や、国内FX会社のスプレッド拡大を検索しています。
FX会社の自動売買プログラムや個人開発EAを走らせていた参加者からは「負けた」という声が圧倒的に多いようです。それより深刻なのは、少ない資金で裁量トレードをしているのに、損切設定をしていない放置ポジションを持っていた人です。こちらは、ほぼ壊滅状態だったようです。
いくつか自動売買プログラムを薦めていたFX会社のHPも見てみましたが、今回の相場急変で実力が裏付けられたというプログラムの話は見受けられません。
そんなものがあれば、その会社は大威張りでしょう。
FX会社のスプレッドの拡大は、何社かAUDJPYやGBPJPYのスプレッド(通常表記だと0.7とか1.0とかの表記が多い)は、事態発生から数分後に100〜150(pips)という表記となっていたことを記録した画面をYou tubeで確認しました。
もしも、クラッシュ発生の瞬間に取引中だったとしても、スプレッド100pipsでオーダーする勇気は、なかなか持てません(オーダー時点で、1枚当たり1万円の含損で始まり、激しい上下動で更に含損がそこから急速に増加する場面も目にしてしまいます)。
いくつかのFX会社HPで、この間もスプレッドを通常時と同じに保った、もしくは、これだけの程度/時間しかスプレッド拡大をしなかった、という記事もまだ見つけていません。
そんな対応をした会社があれば、これも大威張りでしょう。
今回のことで、またFXへの危険なイメージだけが強くなって、FXのファンが減りそうなことが残念です。何度も同じようなロスカットの経験者は、どうせまたいつかFXを始めるからいいのです(気の毒ですが)。初心者がこれに懲りて、数年後にこの時期にFXを始めた人が残らなくなるのでしょう。
残念です。
このブログでいつも繰り返している通り、初心者やアマチュアはポジション保有時間をとにかく短くすべきです。決してチャートを見ていないときにポジションを持つようなやり方をすべきじゃありません(見ていてもクラッシュ発生時は対処できないものの、酷い目に遭う・遭いそうなときを目にして正常な恐怖感を学べます)。
初心者やアマチュアがそんなやり方をしていたら、『いつか負けないはずがない!』のです。
【事実関係】
問題は程度です。USDJPYで約400pips、GBPJPYで約600pips、約AUDJPYで500pipsの下落でした。
これほど大きく急落が起きると、
・昨年末から米株急落に伴うリスク回避が散発的に起きていたのに買ポジションを重ねて放置していた人、
・新年大発会日の下窓を狙って108円や107円に買指値オーダーを年末に置いていた人、
・昨年高値の115円ぐらいでオーダーしたロングを放置していた人、
にロスカットが発生し、痛い目に遭った人がかなりいたのでしょう。
下図は、先頭7:00からの10分足始値を昨日終値とし、最初のローソク足を窓無しで表示した10分足チャートです。USDJPYは暫く下げが続き、7:30過ぎに一気に下降し、7:40過ぎに安値に達しました。分速数10pipsの「フラッシュクラッシュ」発生です。
次に7時〜8時の始値基準1時間足と8時〜9時の主要通貨ペアの円クロス・ドルストレートで示します。
強弱は、JPY>USD>EUR>AUD>GBPの順でした。
【フラッシュクラッシュリスク】
以下、1月11日に追記しています。
フラッシュクラッシュのリスクは、日本が週末に連なる祝日朝に、日本の個人投資家のポジションが高利回り通貨のロング側に積み上がっているとき、に高まる、と言われています。
もともと、流動性(取引額)が少ない時間帯が危ないという話は常識ですが、加えて、その時間帯に更に流動性が少ない高利回り通貨はもともとロングが貯まりやすいため、そうした通貨の大きな売が引き金になってフラッシュリスクが生じやすいそうです。
また、日本が週末に連なる祝日朝は、香港市場が開くまで、日中取引規模がたったの300億ドル強のオーストラリア市場で取引レートが決まります。レバレッジ数100倍が珍しくない海外FX業者では、30億円も売れば、それだけで豪州市場の日中取引規模に達してしまいます。
だから、フラッシュクラッシュ発生に悪意があるとは限りません。
どの国のどのFX業者であれ含損が一定水準に達すれば、ロスカットルールでポジション清算が強制執行されるのが普通です。その業者もまた、一定の含損を抱えると、損失清算が義務付けられている国が普通です(例外的な国があるという話は知りません)。
そして、日中取引規模に匹敵する売が数分間で行われれば、当然、レート急落が起きます。するとまた急落に応じた損切と、トレンド追従アルゴリズムの自動売買プログラムが活性化し、急落幅が増幅してしまいます。
今回のクラッシュは、発生時刻と、トルコリラかAUDの大口ショートが端緒(と言われています)と、日本でそれら通貨のロングが積みあがっていたらしい、という点で、ヘッジファンドによる悪意のある仕掛けが噂されています。が、それが事実と「断定した」大手報道会社の記事はないようです(識者コメントとして、そう断じた記事はありますが、その識者がそう断じた証拠を提示した記事は見つけていません)。
【クラッシュ時の付随リスク】
以下、1月5日に追記しています。
その後、インターネットで自動売買プログラムの成績や、国内FX会社のスプレッド拡大を検索しています。
FX会社の自動売買プログラムや個人開発EAを走らせていた参加者からは「負けた」という声が圧倒的に多いようです。それより深刻なのは、少ない資金で裁量トレードをしているのに、損切設定をしていない放置ポジションを持っていた人です。こちらは、ほぼ壊滅状態だったようです。
いくつか自動売買プログラムを薦めていたFX会社のHPも見てみましたが、今回の相場急変で実力が裏付けられたというプログラムの話は見受けられません。
そんなものがあれば、その会社は大威張りでしょう。
FX会社のスプレッドの拡大は、何社かAUDJPYやGBPJPYのスプレッド(通常表記だと0.7とか1.0とかの表記が多い)は、事態発生から数分後に100〜150(pips)という表記となっていたことを記録した画面をYou tubeで確認しました。
もしも、クラッシュ発生の瞬間に取引中だったとしても、スプレッド100pipsでオーダーする勇気は、なかなか持てません(オーダー時点で、1枚当たり1万円の含損で始まり、激しい上下動で更に含損がそこから急速に増加する場面も目にしてしまいます)。
いくつかのFX会社HPで、この間もスプレッドを通常時と同じに保った、もしくは、これだけの程度/時間しかスプレッド拡大をしなかった、という記事もまだ見つけていません。
そんな対応をした会社があれば、これも大威張りでしょう。
ーーー$€¥£A$ーーー
今回のことで、またFXへの危険なイメージだけが強くなって、FXのファンが減りそうなことが残念です。何度も同じようなロスカットの経験者は、どうせまたいつかFXを始めるからいいのです(気の毒ですが)。初心者がこれに懲りて、数年後にこの時期にFXを始めた人が残らなくなるのでしょう。
残念です。
このブログでいつも繰り返している通り、初心者やアマチュアはポジション保有時間をとにかく短くすべきです。決してチャートを見ていないときにポジションを持つようなやり方をすべきじゃありません(見ていてもクラッシュ発生時は対処できないものの、酷い目に遭う・遭いそうなときを目にして正常な恐怖感を学べます)。
初心者やアマチュアがそんなやり方をしていたら、『いつか負けないはずがない!』のです。
以上
タグ:リスク回避
2019年01月10日
1月11日経済指標(結果検証済)
昨日まで米株は5連騰で、本日は明日からの3連休を控えて戻しのタイミングを窺うことになるでしょう。
来週は英国でEU離脱案の採決が予定されています。1月3日のようなことはもう暫く起きないにせよ、危ないときはポジションを持たずに資金を手元に持っておくようにしましょう。そうすれば、ピンチもチャンスに変えるチャンスだって生まれます。
次週15日に予定されているEU離脱案採決は、事前の議会票読みで否決の可能性が高い、と伝えられています。よって前回同様、今後は直前まで採決延期の飛び込みニュースにも備えることになります。
さて11日は、
・04::00 FRB議長発言
・08:50 11月集計分日本国際収支
・09:30 11月集計分豪州小売売上高
・18:30 11月集計分英国月次GDP・11月集計分英国鉱工業生産指数・製造業生産指数
・22:30 12月集計分米国CPI
があります。
04:00のFRB議長発言は「利上げ路線・速度の見直しと金融引き締め路線への躊躇」が示されて、これはここ最近のUSD高側に振れる材料です。利上げ回数が減るのだからUSD売のはずですが、年末からは株価の下落の方が材料視されていたためです。
08:50の日本国際収支は取引に向きません。
18:30の英国月次GDPと生産指数は、陰線側に伸びるときの追撃か、ひとまず陽線側に伸びても陰線側への反転機会を窺う、と決めておいた方が迷わずに済みます。
よって、取引対象は09:30の豪州小売と22:30の米国CPIに限られます。
豪州小売売上高
市場予想(前回結果)
・前月比+0.3%(+0.3%)
10日昼時点における事前差異判別式の解は0です。
過去平均順跳幅pips/同値幅pips(同2018年発表時)
・直前10-1分足6/3(5/2)
・直前1分足5/3(4/2)
・直後1分足16/12(15/12)
・直後11分足21/15(19/14)
事前取引方針
・直前1分足は、事前差異がプラスのときショートをオーダーです。10日昼時点における事前差異は0なので、このままなら直前1分足での取引は中止します。
・同月集計分と3か月前集計分のWestpack消費者信頼感指数は、各+2.8[ips]と△2.3[ips]でした。ともに大きさが3以上ではないので、Westpacksが本指標前月比実態差異を方向示唆するとは言えません。指標発表時刻を跨ぐオーダーは中止です。
・指標発表後は、初期反応方向を確認したら早期追撃開始します。高値掴みを避けるためには、12pipsを超えて反応を伸ばしていたら、もう拙速な追撃ポジション取得は避けた方が良いでしょう。その場合、直後1分足終値で追撃開始し、数分以内に利確/損切です。
・直後1分足終値が20pips以上なら、その時点で追撃を開始します。そして、含益が11pipsに達するか、直後11分足終値で利確します。損切の目安も11pipsで良いでしょう。
米国CPI
市場予想(前回結果)
・前月比△0.1%(0.0%)
・前年比+1.9%(+2.2%)
・コア前月比+0.2%(+0.2%)
・コア前年比+2.2%(+2.2%)
10日昼時点における事前差異判別式の解は△0.5です。
過去平均順跳幅pips/同値幅pips(同2018年発表時)
・直前10-1分足6/4(4/2)
・直前1分足5/4(2/1)
・直後1分足18/13(10/4)
・直後11分足24/17(12/8)
事前取引方針
・直前1分足はショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsです。
・直前10-1分足が陰線だったときに指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切です。
但し、直前1分足が10pips以上跳ねたときは、それとは逆のポジションをオーダーすることを優先します。
・指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始し短期決済します。
以下は1月12日0時過ぎに追記しています。
豪州小売売上高
直後は鈍く、数秒後に陽線側に跳ねる。1分過ぎから反転、半値で再反転せず、始値付近まで戻す。初期追撃に良く、再追撃に悪。
米国CPI
欧州時間以降、来週のEU離脱法案採決を控えGBPが売られ始めたところ、真偽不明な「採決延期」報道があったらしくGBP買に転じました。政府報道官が「採決延期」を否定したそうですが、GBPは高値水準を維持したままになっています(22:10頃記述)。
便乗GBP取引は見逃してしまいました。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
来週は英国でEU離脱案の採決が予定されています。1月3日のようなことはもう暫く起きないにせよ、危ないときはポジションを持たずに資金を手元に持っておくようにしましょう。そうすれば、ピンチもチャンスに変えるチャンスだって生まれます。
次週15日に予定されているEU離脱案採決は、事前の議会票読みで否決の可能性が高い、と伝えられています。よって前回同様、今後は直前まで採決延期の飛び込みニュースにも備えることになります。
さて11日は、
・04::00 FRB議長発言
・08:50 11月集計分日本国際収支
・09:30 11月集計分豪州小売売上高
・18:30 11月集計分英国月次GDP・11月集計分英国鉱工業生産指数・製造業生産指数
・22:30 12月集計分米国CPI
があります。
04:00のFRB議長発言は「利上げ路線・速度の見直しと金融引き締め路線への躊躇」が示されて、これはここ最近のUSD高側に振れる材料です。利上げ回数が減るのだからUSD売のはずですが、年末からは株価の下落の方が材料視されていたためです。
08:50の日本国際収支は取引に向きません。
18:30の英国月次GDPと生産指数は、陰線側に伸びるときの追撃か、ひとまず陽線側に伸びても陰線側への反転機会を窺う、と決めておいた方が迷わずに済みます。
よって、取引対象は09:30の豪州小売と22:30の米国CPIに限られます。
ーーー$€¥£A$ーーー
豪州小売売上高
市場予想(前回結果)
・前月比+0.3%(+0.3%)
10日昼時点における事前差異判別式の解は0です。
過去平均順跳幅pips/同値幅pips(同2018年発表時)
・直前10-1分足6/3(5/2)
・直前1分足5/3(4/2)
・直後1分足16/12(15/12)
・直後11分足21/15(19/14)
事前取引方針
・直前1分足は、事前差異がプラスのときショートをオーダーです。10日昼時点における事前差異は0なので、このままなら直前1分足での取引は中止します。
・同月集計分と3か月前集計分のWestpack消費者信頼感指数は、各+2.8[ips]と△2.3[ips]でした。ともに大きさが3以上ではないので、Westpacksが本指標前月比実態差異を方向示唆するとは言えません。指標発表時刻を跨ぐオーダーは中止です。
・指標発表後は、初期反応方向を確認したら早期追撃開始します。高値掴みを避けるためには、12pipsを超えて反応を伸ばしていたら、もう拙速な追撃ポジション取得は避けた方が良いでしょう。その場合、直後1分足終値で追撃開始し、数分以内に利確/損切です。
・直後1分足終値が20pips以上なら、その時点で追撃を開始します。そして、含益が11pipsに達するか、直後11分足終値で利確します。損切の目安も11pipsで良いでしょう。
ーーー$€¥£A$ーーー
米国CPI
市場予想(前回結果)
・前月比△0.1%(0.0%)
・前年比+1.9%(+2.2%)
・コア前月比+0.2%(+0.2%)
・コア前年比+2.2%(+2.2%)
10日昼時点における事前差異判別式の解は△0.5です。
過去平均順跳幅pips/同値幅pips(同2018年発表時)
・直前10-1分足6/4(4/2)
・直前1分足5/4(2/1)
・直後1分足18/13(10/4)
・直後11分足24/17(12/8)
事前取引方針
・直前1分足はショートをオーダーし、利確・損切の目安を2・3pipsです。
・直前10-1分足が陰線だったときに指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切です。
但し、直前1分足が10pips以上跳ねたときは、それとは逆のポジションをオーダーすることを優先します。
・指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始し短期決済します。
以上
以下は1月12日0時過ぎに追記しています。
【事後検証】
豪州小売売上高
直後は鈍く、数秒後に陽線側に跳ねる。1分過ぎから反転、半値で再反転せず、始値付近まで戻す。初期追撃に良く、再追撃に悪。
米国CPI
欧州時間以降、来週のEU離脱法案採決を控えGBPが売られ始めたところ、真偽不明な「採決延期」報道があったらしくGBP買に転じました。政府報道官が「採決延期」を否定したそうですが、GBPは高値水準を維持したままになっています(22:10頃記述)。
便乗GBP取引は見逃してしまいました。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
広告以上
2019年01月08日
豪州雇用統計発表前後のAUDJPY反応分析(改訂版)
本稿は、過去の本指標結果と反応方向の関係を分析することによって、本指標発表前後のAUDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。
豪州雇用統計(統計名:Labour Force)は、 オーストラリア統計局 (ABS:Australian Bureau of Statistics)が、雇用者数、失業者数、失業率、労働参加率、月間労働時間、を発表する指標です。それぞれ前々月と前月の集計値が発表され、前月差と前年同月差の実数と季節調整数が示されます。
発表項目が多いものの(発表事例)、目的を発表都度の短期FX取引に絞る限り、季節調整済の雇用者数増減と失業率だけに関心を持てば十分です。
以下、特に断らない限り季節調整済の前期比や前年比を単に「雇用者数増減」「失業率」と表記します。
2018年11月集計データで関連数値を挙げておくと、
・人口は24.70百万人
・就業者数は12.69百万人
・失業者数は0.68百万人
です。この月の失業率(=失業者数/(就業者数+失業者数))は5.1%でした。
さて、本指標雇用者数増減の翌月反動には、おもしろいクセがあります。
2015年以降発表の雇用者数増減の平均値は2.14万人ですが、上下のブレがかなり大きいという特徴があります。一方、市場予想はほぼ一定です。その結果、発表結果と市場予想の差が小さかった翌月に、発表結果と市場予想の大小関係が逆転しがちです。発表結果と市場予想の差が大きかった翌月は、大きすぎて反動を起こしても市場予想まで戻りきれません。
前月結果の反動で翌月に市場予想を超えるほど戻すことを、本ブログでは「過大反動」と呼んでいます。本指標の特徴は、雇用者数増減の過大反動が、前月に大きすぎたり小さすぎたりしないときに起きがちなことです。
失業率は長期的な改善トレンド途中です。2015年以降、失業率が前月より改善したことは19回、前月より悪化したことは12回、です(失業率に変化があったときの改善頻度は61%)。そして、失業率が前月より改善(陽線に対応)/悪化(陰線に対応)したとき、直後11分足との方向一致率は過去70%です。
なお、今後の見通しは、RBA公表議事要旨によれば、11月20日に「雇用は予測より強く、失業率が2020年半ばまでには4.75%へ低下」、12月18日に「数四半期は雇用状況が改善し続ける」との見解が示されています。よって、失業率は当面、改善傾向継続と見なせます。
本分析結果に基づく過去傾向を踏まえた取引方針は、以下の通りです。
反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。発表後の反応は伸びがちですが、1分後とその10分後で伸びたpipsは僅かしかありません。指標発表後は順張りで跳ねを狙わないと、反応程度の平均pipsが大きい割に稼げない指標だと言えます。
反応方向を事前示唆する材料は、方向率の偏りが長期的に50%収束に向かうと見込まれるのに、直前1分足の過去陰線率が84%、直後1分足の過去陽線率が74%、直後11分足の過去陽線率が70%、と偏りが目立つ点です。
そして、直前1分足は、事後差異及び直後1分足との方向一致率が30%(不一致率70%)となっています。方向率よりも、方向一致率の方が信じられます。
また、ANZ広告求人は時差1か月の本指標雇用者数増減実態差異の先行指標です。雇用者数増減実態差異との方向一致率は、ANZ広告求人件数の前月比の大きさが0.5%超だったとき、69%の方向一致率となります。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%で、その83%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全体で57%、直後1分足と直後11分足が方向一致時には68%でした。方向一致の回数分析では追撃徹底すべきですが、個別分析では直後1分足終値と直後11分足の値幅の差は僅か3pipsしかありません。
跳ねで稼ぐ指標では、原則、ポジション長持ちを避けるべきです。
具体的には次の方法を提案します。
上記本指標要点や過去傾向を踏まえた取引方針の論拠を以下に示します。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。
指標分析範囲は、2015年1月集計分〜2018年11月集計分(同年12月発表分)の47回分です。もし市場予想にクセのようなものがあるならば、その一貫した傾向を見出せる標本数に達しています。
以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
但し、失業率は逆です。差異がマイナスのとき陽線・プラスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。当然ですね。
発表結果は定時発表値を用い、後日修正されても以下に反映していません。豪州雇用情勢そのものに関心がある訳でなく、指標発表時点の反応に関心があるだけなので、これは当然です。
2015年以降の雇用者数増減の市場予想と発表結果の推移と、常勤雇用者数の推移を下図に示します。
なお、この期間の雇用者数増減の平均値は2.14万人、常勤雇用者数増減の平均値は1.20万人です。
雇用者数増減の市場予想は「やる気あるのか」というぐらいほぼ一定です。市場予想がほぼ一定の指標は、過大反動を起こすことが多いので確認しておきます。
下表をご覧ください。
下表は、前月の事後差異の大きさを階層化し、その階層毎に発表当月の事後差異が前月の事後差異と符号反転したかを数えています(前月発表時に発表結果が市場予想を上回れば/下回れば、当月発表時に発表結果が市場予想を下回った/上回った回数を数えています)。
上表から、前月発表時の事後差異の大きさが1以下ならば(△1〜1の範囲ならば)、当月発表の事後差異が前月発表時の事後差異と符号反転しがちなことがわかります。一方、前月発表時の事後差異の大きさが4を超えていれば(△4未満か4超えならば)、当月発表の事後差異が前月発表時の事後差異と符号が同じになっていたことがわかります。
つまり、毎月ほぼ一定な市場予想に対し、雇用者数増減の上下動の頻度が多いため事後差異の大きさが小さかった翌月は過大反動を起こすものの、上下動の振幅が大きすぎて前月の反動を起こしても市場予想まで単月では戻りきれない、ということがわかります。
次に失業率の推移です。
上図期間では、ほぼ失業率が改善し続けています。この期間に失業率が前月より改善したことは19回、前月より悪化したことは12回、です(失業率に変化があったときの改善頻度は61%)。
そして今後の見通しは、RBA公表議事要旨によれば、11月20日に「雇用は予測より強く、失業率が2020年半ばまでには4.75%へ低下」、12月18日に「数四半期は雇用状況が改善し続ける」との見解が示され、楽観視されています。
ちなみに、リーマンショック前の2008年頃には失業率が4.1%まで低下したことがあります。中国の発展が凄まじく、鉱山投資が盛んだったころがこの数字です。その2008年の成長率は2.69%(その前年2007年は4.31%)でした。
下表は、新規雇用者数増減・常勤雇用者数増減・失業率・労働参加率の各差異と各ローソク足の方向一致率を調べた結果です。
このブログの計数ルールに従い、各差異か各ローソク足値幅の少なくとも一方が0ならばカウントしていません。その結果、上表の母数はかなりばらつきがあります。論拠を示す趣旨から、各母数を下表に纏めておきます。
例えば、失業率と事前差異・直前10-1分足の関係を求めた回数は16回しかありません。
そのことを踏まえた上で、新規雇用者数増減は指標発表直後の方向一致率が高く、失業率は指標発表後の方向一致率が低くなっています。労働参加率と事後差異・直後1分足の方向一致率も64%あり無視できません。
なお、失業率は数値が小さくなるほど改善なので符号が逆転しています。
事前判別式は、
とします。このとき、この式の解の符号(プラスで陽線、マイナスで陰線に対応)と直前10-1分足の方向一致率は56%です。
この式の係数をどう選んでも方向一致率は高くなりません。指標発表前の直前10-1分足の方向に市場予想は関係ありません。
事後差異判別式は、
とします。このとき、この式の解の符号と直後1分足の方向一致率は79%です。
発表結果の市場予想に対する良し悪しに素直に反応します。
実態差異判別式は、
とします。このとき、この式の解の符号と直後11分足の方向一致率は70%です。
実態差異判別式が失業率の項しかないと、実態差異は0となることが頻発します。けれども、事後差異と直後11分足の方向一致率は、それより高く78%なので、実態差異判別式を用いる機会はあまりありません。
参考までに、各差異判別式の解の期間毎の平均値と全平均値を下図に示します。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。
事前差異の大きさに比べて実態差異の大きさは、以前から一貫して小さくなっています。これは平均的に、前回結果に対して発表結果が市場予想ほどブレないことを表しています。
気にする必要なんてありません。本指標は影響力が強いのです。
詳細は『豪州雇用指標「ANZ広告求人件数」発表結果の豪州雇用統計への影響』を参照願います。
いま、
・ANZ求人広告件数前月比の大きさが△0.5%以下だったとき、本指標雇用者数増減数が前月より減った場合
・ANZ求人広告件数前月比の大きさが+0.5%以上だったとき、本指標雇用者数増減数が前月より増えた場合
を両指標が方向一致した、と解釈します。ANZ求人広告件数前月比の大きさが0.5%以下しか変化しなかった月は、比較に用いません。
下図横軸は「求人広告件数前月比が雇用者数増減の変化よりも〇か月先行/遅行」と読みます。縦軸はそれらの方向一致率です。
この図から、ANZ広告求人件数前月比は、雇用者数増減(雇用者数ではない)の実態差異に対し、時差1か月で先行する、と言えます。
この図は、ANZ広告求人件数前月比の大きさが0.5%以上の場合でした。
では次に、ANZ広告求人件数前月比の大きさを変化すると、どうなるか下表に整理します。
下表は、上図で相関が見込まれた両指標の時差1か月について方向一致率を纏めたものです。
ANZ広告求人件数の大きさが0.5%超だった翌月の雇用者数増減実態差異の方向は、期待的中率69%以上ということになります。あまりアテにできない期待的中率にしか達しません。
よって、前月のANZ広告求人件数が示唆する当月の雇用者数増減実態差異の方向が、事前差異と逆になるときがチャンスと捉えましょう。
例えば、ANZ広告求人件数が示唆する当月の雇用者数増減は、前月結果を上回っていたとします。それなのに、当月の雇用者数増減の市場予想は前月結果を下回っていたとします。このとき、前月のANZ広告求人件数が示唆する当月の雇用者数増減は市場予想を上回る(事後差異がプラスとなる)、ということです。
ならばこのとき、指標発表直前にロングをオーダーしておけば、1.2項に記した通り、直後1分足が陽線となる期待的中率は74%、ということになります。
難しい話じゃなくても、読むのが面倒な話ですよね。でも、この前提を満たすときに指標発表直後の大きく動くときに勝てる期待的中率は74%です。上手く説明できなくても、為替や経済や豪州の真面目な勉強をするより楽なはずだからご容赦願います。
分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。
本指標の指標分析範囲は、2015年1月集計分〜2018年11月集計分(同年12月発表分)の47回分です。もし一貫した傾向があるなら、完璧ではないにせよ、傾向を見出すには十分な調査数に達しています。
過去の4本足チャートの各ローソク足の平均値と分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に対して素直に反応しがちな直後1分足順跳幅は過去平均で31pipsです。非常に大きく跳ねる指標であり、指標発表時刻を跨いで不用意にポジションを持つべきではありません。
いま、各ローソク足始値で完璧な事前分析に基づきポジションをオーダーし、各ローソク足順跳幅の先端で完璧に利確できる完璧な取引ができたとします。それほど完璧な取引が行えたなら、1回の発表での4本のローソク足順跳幅で平均82pipsが稼げます。
当然、そんな完璧な分析も完璧な取引も不可能なので、1回の発表で狙うのはその2〜4割ぐらいにしておけば良いでしょう(16〜33pips)。その期間の動き全体の2〜4割しか狙わなければ、無理のない取引で勝率を稼ぎやすく、長期に亘る本指標取引での収益を最大化しやすい、との個人的感触があります。
ご参考まで。
次に、期間毎に区切った直前10-1分足と直後1分足と直後11分足の値幅推移を下図に示します。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。
指標発表後は、反応の大きさの割に直後1分足値幅と直後11分足値幅の差が小さいことがわかります。平均3pipsしかありません。
また、2015年だけ突出して反応が大きいことがわかります。そこで、2016年以降の4本足チャートの各ローソク足の平均値を下表に纏めておきます。
反応程度の目安は、こちらを参考にした方が良さそうですね。
前掲の表よりは反応程度が小さくなっていますが、それでも大きく反応する指標であることに変わりありません。
個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。
多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。けれども、方向こそ一致しがちでも、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的になる指標は少ないことがわかっています。
事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係と、直後1分足終値(横軸)と直後11分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。前者が初期反応、後者がその後の伸びを示します。
事後差異の大きさと直後1分足の大きさとは、平均的にほぼ比例関係があります。そして、直後1分足の方向さえ確認すれば、直後11分足値幅は直後1分足値幅よりも平均的に7%伸びます。
逆に言えば、値幅同士を見比べる限り、本指標でだらだらポジションを持って反応を伸ばすのを待つのは合理的と言えません。本指標は跳幅で稼ぐことを狙うべきです。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は指標一致性分析を参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は反応一致性分析を参照願います。
いずれも反応程度を問題にせず、反応方向の一致回数だけを問題にしています。
方向率では、直前1分足の過去陰線率が84%、直後1分足の過去陽線率が74%、直後11分足の過去陽線率が70%、と偏りが目立ちます。
方向一致率では、直前1分足が事後差異や直後1分足との方向一致率30%(不一致率70%)で、結果とその反応を事前示唆しています。事後差異と直後1分足・直後11分足は方向一致率がともに80%弱と、指標結果の良し悪しに素直に応じています。
次に、反応性分析では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%でした。指標発表直後は、過去の実績からせめて数分間ぐらい同じ方向に反応が伸び続けると信じるしかありません。そこで、その83%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%でした。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全体で57%、直後1分足と直後11分足が方向一致時には68%でした。
以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。ここまでの分析結果に基づき、最後に各ローソク足毎の取引方針を導き出します。
下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。
2015年と2016年以降とでは、指標発表後の反応程度がまるで違います。がしかし、直前10-1分足を見る限り、この期間の動きが2016年以降に目に見えて小さくなったとは言えません。
直前10-1分足の2016年以降の平均順跳幅は7pips、同値幅は5pipsです。過去陽線率は60%、事前差異との方向一致率は56%で、事前に方向を示唆していると言えるほどアテになるサインはありません。
よって、この期間は取引しません。
次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。
直前1分足の2016年以降の平均順跳幅は6pips、同値幅は5pipsです。過去の陰線率は84%と異常な偏りがあり、事前差異との方向一致率は39%です。
また、陽線側へのヒゲが大小ほぼ毎回発生しています。勝率を下げないためには、ふたつ方法があると考えられます。
ひとつは、時刻になったらとにかくショートをもち、過去陰線率の高さをアテにすることです。もうひとつは、この期間に陽線側に跳ねたら逆張りショートすることです。
この期間は、直前10-1分足が陽線ならショートをオーダーし、直前10-1分足が陰線を形成中なら指標発表2分前から陽線側に5pips跳ねるのを待って逆張りショートします。ともに、利確/損切の目安は3・4pipsとしておきましょう。
直前1分足での取引が多少前倒しされたって構やしません。
そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。
直後1分足は2016年以降の平均順跳幅が23pips、同値幅が17pipsです。2015年の反応を見ると、潜在的に極めて大きな反応をしかねないため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことには慎重であるべきです。そして、値幅方向との逆向きのヒゲ(逆ヒゲ)も散見されます。
過去、逆ヒゲが5pips以上だったことは16回(頻度34%)もあります。もし指標発表直後に5pipsもポジションと逆側に跳ねてしまったら、損切せざるを得ません。3回に1回も騙しに遭うようではやってられません。対策は、騙しの逆ヒゲをスルーして順跳幅での利確を狙うしかありません。
その可否を検証しておきます。
逆ヒゲが直後1分足順跳幅の半分(12pips)に達したことは過去12回(頻度19%)です。一方、順跳幅が+1pipsの12pips以上だったことは過去87%に達します。いちいち個別事例をひとつずつ確認していられないので、以下は単純化した計算で求めます。
もし利確/損切設定を一律12pipsで行うことにすると、騙しで損切することは19%以下となり、騙されずに利確できることが87%−19%=68%です。ざっくり毎年12回の取引で、騙しをスルーできることが8.2回、騙しで決済されることが2.3回、直後1分足では決済できないことが1.5回です。
こうした関係を下表に纏めておきます。
この表は、過去の個別事例のチャートを調べた訳でなく、必ず先に騙し(逆ヒゲ)を形成してから順跳幅方向に伸びるという前提でカウントしたものです。よって、実際に利確/損切設定をこの表の通りにしたら、騙しで決済される頻度は減り、騙しをスルーして決済される頻度は増えます。
そういう誤差を踏まえた上で、指標発表直前にポジションをオーダーして予め利確/損切設定をしていたときにどうなるかを表しています。
何pipsを利確/損切設定にするかは、取引スタイル次第です。但し、逆ヒゲ頻度・程度が大きい指標では、利確/損切設定が必要です。
次に、指標発表時刻を跨いだ取引方針です。
本指標に先立って発表されるANZ広告求人件数は、前月比の大きさが0.5%以上のとき、本指標雇用者数増減実態差異の方向を1か月先行して期待的中率69%で先行示唆しています。また、直後1分足の過去陽線率は74%で、直前1分足との方向一致率が30%(不一致率70%)となっています。
よって、前月集計分のANZ広告求人件数前月比の符号と、雇用者数増減の事前差異の符号が異なるとき、ANZ広告求人件数前月比の符号と同じ方向に指標発表直前にオーダーします。また、直前1分足が陰線のとき(陰線で終わりそうなとき)、指標発表直前にロングです。ともに、利確/損切は18pipsとし、ふたつのポジション方向が矛盾して両建てになるなら取引は中止です。
そして、追撃方針です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%で、その83%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全体で57%、直後1分足と直後11分足が方向一致時には68%でした。方向一致の回数分析では追撃徹底すべきですが、個別分析では直後1分足終値と直後11分足の値幅の差は僅か3pipsしかありません。
跳ねで稼ぐ指標でポジションを長持ちすべきではありません。遅くとも、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺います。
最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
2016年以降、直後11分足は過去平均順跳幅が29pips、同値幅が20pipsです。
直後1分足順跳幅が30pips以上に達したことは過去24回あります。そのうち14回は直後順跳幅が直後1分足順跳幅を超えて反応を伸ばしています。同様に、直後1分足順跳幅が大きくなるほど、こうした関係がどうなっていたか調べておきました。
この表もまた、直後1分足跳幅が何pipsに達すると同時に追撃開始するかを選ばなければいけません。
ここでは、直後1分足形成中に40pipsに達したら追撃開始とし、仮に直後1分足終値がそれより戻しても気にしません。直後1分足順跳幅から直後1分足終値が10pips以上戻したときは、直後1分足終値でナンピンで追撃ポジションを加えます。最初の追撃ポジションだけでの利確/損切の目安は20pips、ナンピンも加えたときは、ふたつの追撃ポジションで40pipsを利確/損切の目安とします。
抜けたら追う閾値が発表1分以内の40pipsです。
本指標の特徴は以下の通りです。
これら特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。
取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は含めません。
実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解かわかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。
取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
FX口座数『国内第1位』(※2017年1月末時点。ファイナンス・マグネイト社調べ2017年1月口座数調査報告書)で、TVCMでも有名です。特徴は、『時事通信社』ニュース配信、取引通信簿(年初来の取引結果の一目瞭然図示)、24時間電話サポート、です。キャッシュバックは口座申込日から3か月以内の500枚売買(1日平均8〜9枚の売買)です。口座開設日からではない点は要注意です。
ーーー$€¥£A$ーーー
豪州雇用統計(統計名:Labour Force)は、 オーストラリア統計局 (ABS:Australian Bureau of Statistics)が、雇用者数、失業者数、失業率、労働参加率、月間労働時間、を発表する指標です。それぞれ前々月と前月の集計値が発表され、前月差と前年同月差の実数と季節調整数が示されます。
発表項目が多いものの(発表事例)、目的を発表都度の短期FX取引に絞る限り、季節調整済の雇用者数増減と失業率だけに関心を持てば十分です。
以下、特に断らない限り季節調整済の前期比や前年比を単に「雇用者数増減」「失業率」と表記します。
2018年11月集計データで関連数値を挙げておくと、
・人口は24.70百万人
・就業者数は12.69百万人
・失業者数は0.68百万人
です。この月の失業率(=失業者数/(就業者数+失業者数))は5.1%でした。
さて、本指標雇用者数増減の翌月反動には、おもしろいクセがあります。
2015年以降発表の雇用者数増減の平均値は2.14万人ですが、上下のブレがかなり大きいという特徴があります。一方、市場予想はほぼ一定です。その結果、発表結果と市場予想の差が小さかった翌月に、発表結果と市場予想の大小関係が逆転しがちです。発表結果と市場予想の差が大きかった翌月は、大きすぎて反動を起こしても市場予想まで戻りきれません。
前月結果の反動で翌月に市場予想を超えるほど戻すことを、本ブログでは「過大反動」と呼んでいます。本指標の特徴は、雇用者数増減の過大反動が、前月に大きすぎたり小さすぎたりしないときに起きがちなことです。
失業率は長期的な改善トレンド途中です。2015年以降、失業率が前月より改善したことは19回、前月より悪化したことは12回、です(失業率に変化があったときの改善頻度は61%)。そして、失業率が前月より改善(陽線に対応)/悪化(陰線に対応)したとき、直後11分足との方向一致率は過去70%です。
なお、今後の見通しは、RBA公表議事要旨によれば、11月20日に「雇用は予測より強く、失業率が2020年半ばまでには4.75%へ低下」、12月18日に「数四半期は雇用状況が改善し続ける」との見解が示されています。よって、失業率は当面、改善傾向継続と見なせます。
ーーー$€¥£A$ーーー
本分析結果に基づく過去傾向を踏まえた取引方針は、以下の通りです。
反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。発表後の反応は伸びがちですが、1分後とその10分後で伸びたpipsは僅かしかありません。指標発表後は順張りで跳ねを狙わないと、反応程度の平均pipsが大きい割に稼げない指標だと言えます。
反応方向を事前示唆する材料は、方向率の偏りが長期的に50%収束に向かうと見込まれるのに、直前1分足の過去陰線率が84%、直後1分足の過去陽線率が74%、直後11分足の過去陽線率が70%、と偏りが目立つ点です。
そして、直前1分足は、事後差異及び直後1分足との方向一致率が30%(不一致率70%)となっています。方向率よりも、方向一致率の方が信じられます。
また、ANZ広告求人は時差1か月の本指標雇用者数増減実態差異の先行指標です。雇用者数増減実態差異との方向一致率は、ANZ広告求人件数の前月比の大きさが0.5%超だったとき、69%の方向一致率となります。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%で、その83%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全体で57%、直後1分足と直後11分足が方向一致時には68%でした。方向一致の回数分析では追撃徹底すべきですが、個別分析では直後1分足終値と直後11分足の値幅の差は僅か3pipsしかありません。
跳ねで稼ぐ指標では、原則、ポジション長持ちを避けるべきです。
具体的には次の方法を提案します。
- 直前1分足は、直前10-1分足が陽線ならショートをオーダーし、直前10-1分足が陰線を形成中なら指標発表2分前から陽線側に5pips跳ねるのを待って逆張りショートします。ともに、利確/損切の目安は3・4pipsとしておきましょう。
- 前月集計分のANZ広告求人件数前月比の符号と、雇用者数増減の事前差異の符号が異なるとき、ANZ広告求人件数前月比の符号と同じ方向に指標発表直前にオーダーします。また、直前1分足が陰線のとき(陰線で終わりそうなとき)、指標発表直前にロングです。ともに、利確/損切は18pipsとし、ふたつのポジション方向が矛盾して両建てになるなら取引は中止です。
- 指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。そして、遅くとも指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺います。
- 直後1分足形成中に40pipsに達したら追撃開始とし、仮に直後1分足終値がそれより戻しても気にしません。直後1分足順跳幅から直後1分足終値が10pips以上戻したときは、直後1分足終値でナンピンで追撃ポジションを加えます。最初の追撃ポジションだけでの利確/損切の目安は20pips、ナンピンも加えたときは、ふたつの追撃ポジションで40pipsを利確/損切の目安とします。
抜けたら追う閾値が発表1分以内の40pipsです。
上記本指標要点や過去傾向を踏まえた取引方針の論拠を以下に示します。
以下の特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。
T.指標分析
指標分析範囲は、2015年1月集計分〜2018年11月集計分(同年12月発表分)の47回分です。もし市場予想にクセのようなものがあるならば、その一貫した傾向を見出せる標本数に達しています。
以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
但し、失業率は逆です。差異がマイナスのとき陽線・プラスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。当然ですね。
【1.1 指標推移】
発表結果は定時発表値を用い、後日修正されても以下に反映していません。豪州雇用情勢そのものに関心がある訳でなく、指標発表時点の反応に関心があるだけなので、これは当然です。
ーーー$€¥£A$ーーー
2015年以降の雇用者数増減の市場予想と発表結果の推移と、常勤雇用者数の推移を下図に示します。
なお、この期間の雇用者数増減の平均値は2.14万人、常勤雇用者数増減の平均値は1.20万人です。
雇用者数増減の市場予想は「やる気あるのか」というぐらいほぼ一定です。市場予想がほぼ一定の指標は、過大反動を起こすことが多いので確認しておきます。
下表をご覧ください。
下表は、前月の事後差異の大きさを階層化し、その階層毎に発表当月の事後差異が前月の事後差異と符号反転したかを数えています(前月発表時に発表結果が市場予想を上回れば/下回れば、当月発表時に発表結果が市場予想を下回った/上回った回数を数えています)。
上表から、前月発表時の事後差異の大きさが1以下ならば(△1〜1の範囲ならば)、当月発表の事後差異が前月発表時の事後差異と符号反転しがちなことがわかります。一方、前月発表時の事後差異の大きさが4を超えていれば(△4未満か4超えならば)、当月発表の事後差異が前月発表時の事後差異と符号が同じになっていたことがわかります。
つまり、毎月ほぼ一定な市場予想に対し、雇用者数増減の上下動の頻度が多いため事後差異の大きさが小さかった翌月は過大反動を起こすものの、上下動の振幅が大きすぎて前月の反動を起こしても市場予想まで単月では戻りきれない、ということがわかります。
ーーー$€¥£A$ーーー
次に失業率の推移です。
上図期間では、ほぼ失業率が改善し続けています。この期間に失業率が前月より改善したことは19回、前月より悪化したことは12回、です(失業率に変化があったときの改善頻度は61%)。
そして今後の見通しは、RBA公表議事要旨によれば、11月20日に「雇用は予測より強く、失業率が2020年半ばまでには4.75%へ低下」、12月18日に「数四半期は雇用状況が改善し続ける」との見解が示され、楽観視されています。
ちなみに、リーマンショック前の2008年頃には失業率が4.1%まで低下したことがあります。中国の発展が凄まじく、鉱山投資が盛んだったころがこの数字です。その2008年の成長率は2.69%(その前年2007年は4.31%)でした。
【1.2 指標結果良否判定】
下表は、新規雇用者数増減・常勤雇用者数増減・失業率・労働参加率の各差異と各ローソク足の方向一致率を調べた結果です。
このブログの計数ルールに従い、各差異か各ローソク足値幅の少なくとも一方が0ならばカウントしていません。その結果、上表の母数はかなりばらつきがあります。論拠を示す趣旨から、各母数を下表に纏めておきます。
例えば、失業率と事前差異・直前10-1分足の関係を求めた回数は16回しかありません。
そのことを踏まえた上で、新規雇用者数増減は指標発表直後の方向一致率が高く、失業率は指標発表後の方向一致率が低くなっています。労働参加率と事後差異・直後1分足の方向一致率も64%あり無視できません。
なお、失業率は数値が小さくなるほど改善なので符号が逆転しています。
ーーー$€¥£A$ーーー
事前判別式は、
- ー6✕失業率の事前差異[%]+2✕新規雇用者数増減の事前差異[万人]
とします。このとき、この式の解の符号(プラスで陽線、マイナスで陰線に対応)と直前10-1分足の方向一致率は56%です。
この式の係数をどう選んでも方向一致率は高くなりません。指標発表前の直前10-1分足の方向に市場予想は関係ありません。
事後差異判別式は、
- ー5✕失業率の事後差異[%]+1✕新規雇用者数増減の事後差異[万人]+2✕労働参加率の事後差異[%]
とします。このとき、この式の解の符号と直後1分足の方向一致率は79%です。
発表結果の市場予想に対する良し悪しに素直に反応します。
実態差異判別式は、
- ー8✕失業率の実態差異[%]
とします。このとき、この式の解の符号と直後11分足の方向一致率は70%です。
実態差異判別式が失業率の項しかないと、実態差異は0となることが頻発します。けれども、事後差異と直後11分足の方向一致率は、それより高く78%なので、実態差異判別式を用いる機会はあまりありません。
ーーー$€¥£A$ーーー
参考までに、各差異判別式の解の期間毎の平均値と全平均値を下図に示します。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。
事前差異の大きさに比べて実態差異の大きさは、以前から一貫して小さくなっています。これは平均的に、前回結果に対して発表結果が市場予想ほどブレないことを表しています。
【1.3 指標間一致性分析】
(1.3.1 過去同時発表指標との反応方向への影響力強弱)
気にする必要なんてありません。本指標は影響力が強いのです。
(1.3.2 ANZ広告求人件数との対比)
詳細は『豪州雇用指標「ANZ広告求人件数」発表結果の豪州雇用統計への影響』を参照願います。
いま、
・ANZ求人広告件数前月比の大きさが△0.5%以下だったとき、本指標雇用者数増減数が前月より減った場合
・ANZ求人広告件数前月比の大きさが+0.5%以上だったとき、本指標雇用者数増減数が前月より増えた場合
を両指標が方向一致した、と解釈します。ANZ求人広告件数前月比の大きさが0.5%以下しか変化しなかった月は、比較に用いません。
下図横軸は「求人広告件数前月比が雇用者数増減の変化よりも〇か月先行/遅行」と読みます。縦軸はそれらの方向一致率です。
この図から、ANZ広告求人件数前月比は、雇用者数増減(雇用者数ではない)の実態差異に対し、時差1か月で先行する、と言えます。
この図は、ANZ広告求人件数前月比の大きさが0.5%以上の場合でした。
では次に、ANZ広告求人件数前月比の大きさを変化すると、どうなるか下表に整理します。
下表は、上図で相関が見込まれた両指標の時差1か月について方向一致率を纏めたものです。
ANZ広告求人件数の大きさが0.5%超だった翌月の雇用者数増減実態差異の方向は、期待的中率69%以上ということになります。あまりアテにできない期待的中率にしか達しません。
よって、前月のANZ広告求人件数が示唆する当月の雇用者数増減実態差異の方向が、事前差異と逆になるときがチャンスと捉えましょう。
例えば、ANZ広告求人件数が示唆する当月の雇用者数増減は、前月結果を上回っていたとします。それなのに、当月の雇用者数増減の市場予想は前月結果を下回っていたとします。このとき、前月のANZ広告求人件数が示唆する当月の雇用者数増減は市場予想を上回る(事後差異がプラスとなる)、ということです。
ならばこのとき、指標発表直前にロングをオーダーしておけば、1.2項に記した通り、直後1分足が陽線となる期待的中率は74%、ということになります。
難しい話じゃなくても、読むのが面倒な話ですよね。でも、この前提を満たすときに指標発表直後の大きく動くときに勝てる期待的中率は74%です。上手く説明できなくても、為替や経済や豪州の真面目な勉強をするより楽なはずだからご容赦願います。
【1.4 指標分析結論】
- 雇用者数増減の過去平均値は2.14万人ですが、上下のブレが大きいという特徴があります。そして、その市場予想はほぼ一定です。その結果、事後差異の大きさが小さかった翌月は過大反動を起こすものの、事後差異の大きさが大きかった翌月は、上下動の振幅が大きすぎて前月の反動を起こしても市場予想まで戻りきれない傾向があります。
前月発表時の事後差異が1以下だった当月は、市場予想を超えて過大反動を起こしたことが過去78%にも達しています。一方、前月発表時の事後差異が4を超えていた当月は反動を起こしても市場予想まで戻したことがありません。 - 失業率は長期的な改善トレンド途中です。2015年以降、失業率が前月より改善したことは19回、前月より悪化したことは12回、です(失業率に変化があったときの改善頻度は61%)。そして、失業率が前月より改善(陽線に対応)/悪化(陰線に対応)したとき、直後11分足との方向一致率は過去70%です。
なお、今後の見通しは、RBA公表議事要旨によれば、11月20日に「雇用は予測より強く、失業率が2020年半ばまでには4.75%へ低下」、12月18日に「数四半期は雇用状況が改善し続ける」との見解が示されており、当面は過去の傾向通りに取引しても大丈夫と見込まれます。 - ANZ広告求人は時差1か月の本指標雇用者数増減実態差異の先行指標です。雇用者数増減実態差異との方向一致率は、ANZ広告求人件数の前月比の大きさが0.5%超だったとき、69%の方向一致率となります。
U.反応分析
分析は、反応程度の大きさだけを取り上げる方法と、反応方向だけを取り上げる方法と、それらを事前に示唆する予兆がないか、について行います。
本指標の指標分析範囲は、2015年1月集計分〜2018年11月集計分(同年12月発表分)の47回分です。もし一貫した傾向があるなら、完璧ではないにせよ、傾向を見出すには十分な調査数に達しています。
【2.1 反応程度】
過去の4本足チャートの各ローソク足の平均値と分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に対して素直に反応しがちな直後1分足順跳幅は過去平均で31pipsです。非常に大きく跳ねる指標であり、指標発表時刻を跨いで不用意にポジションを持つべきではありません。
いま、各ローソク足始値で完璧な事前分析に基づきポジションをオーダーし、各ローソク足順跳幅の先端で完璧に利確できる完璧な取引ができたとします。それほど完璧な取引が行えたなら、1回の発表での4本のローソク足順跳幅で平均82pipsが稼げます。
当然、そんな完璧な分析も完璧な取引も不可能なので、1回の発表で狙うのはその2〜4割ぐらいにしておけば良いでしょう(16〜33pips)。その期間の動き全体の2〜4割しか狙わなければ、無理のない取引で勝率を稼ぎやすく、長期に亘る本指標取引での収益を最大化しやすい、との個人的感触があります。
ご参考まで。
ーーー$€¥£A$ーーー
次に、期間毎に区切った直前10-1分足と直後1分足と直後11分足の値幅推移を下図に示します。この図では、反応の方向を無視して大きさだけを比べるため、データは絶対値の平均値を用いています。絶対値というのは、例えば−1も1も大きさを1と見なすことです。
指標発表後は、反応の大きさの割に直後1分足値幅と直後11分足値幅の差が小さいことがわかります。平均3pipsしかありません。
また、2015年だけ突出して反応が大きいことがわかります。そこで、2016年以降の4本足チャートの各ローソク足の平均値を下表に纏めておきます。
反応程度の目安は、こちらを参考にした方が良さそうですね。
前掲の表よりは反応程度が小さくなっていますが、それでも大きく反応する指標であることに変わりありません。
【2.2 個別反応分析】
個別反応分析は、勝率よりも期待値を重視して取引するための分析です。合理的とは言えるものの、例え連敗が続いてもずっと同じやり方で取引を続ける不屈さが必須です。
多くの指標では、事後差異と直後1分足の方向一致率が高くなりがちなことがわかっています。けれども、方向こそ一致しがちでも、事後差異の大きさと直後1分足値幅が比例的になる指標は少ないことがわかっています。
事後差異判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係と、直後1分足終値(横軸)と直後11分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。前者が初期反応、後者がその後の伸びを示します。
事後差異の大きさと直後1分足の大きさとは、平均的にほぼ比例関係があります。そして、直後1分足の方向さえ確認すれば、直後11分足値幅は直後1分足値幅よりも平均的に7%伸びます。
逆に言えば、値幅同士を見比べる限り、本指標でだらだらポジションを持って反応を伸ばすのを待つのは合理的と言えません。本指標は跳幅で稼ぐことを狙うべきです。
【2.3 回数反応分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は指標一致性分析を参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は反応一致性分析を参照願います。
いずれも反応程度を問題にせず、反応方向の一致回数だけを問題にしています。
方向率では、直前1分足の過去陰線率が84%、直後1分足の過去陽線率が74%、直後11分足の過去陽線率が70%、と偏りが目立ちます。
方向一致率では、直前1分足が事後差異や直後1分足との方向一致率30%(不一致率70%)で、結果とその反応を事前示唆しています。事後差異と直後1分足・直後11分足は方向一致率がともに80%弱と、指標結果の良し悪しに素直に応じています。
次に、反応性分析では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%でした。指標発表直後は、過去の実績からせめて数分間ぐらい同じ方向に反応が伸び続けると信じるしかありません。そこで、その83%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%でした。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全体で57%、直後1分足と直後11分足が方向一致時には68%でした。
【2.4 反応分析結論】
- 反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。発表後の反応は伸びがちですが、1分後とその10分後で伸びたpipsは僅かしかありません。指標発表後は順張りで跳ねを狙わないと、反応程度の平均pipsが大きい割に稼げない指標だと言えます。
- 反応方向を事前示唆する材料は、方向率の偏りが長期的に50%収束に向かうと見込まれるのに、直前1分足の過去陰線率が84%、直後1分足の過去陽線率が74%、直後11分足の過去陽線率が70%、と偏りが目立つ点です。
また、直前1分足は、事後差異及び直後1分足との方向一致率が30%(不一致率70%)となっています。方向率よりも、方向一致率の方が信じられます。 - 直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%で、その83%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全体で57%、直後1分足と直後11分足が方向一致時には68%でした。方向一致の回数分析では追撃徹底すべきですが、個別分析では直後1分足終値と直後11分足の値幅の差は僅か3pipsしかありません。
跳ねで稼ぐ指標でポジションを長持ちすべきではありません。
V.取引方針
以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。ここまでの分析結果に基づき、最後に各ローソク足毎の取引方針を導き出します。
【3.1.直前10-1分足】
下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。
2015年と2016年以降とでは、指標発表後の反応程度がまるで違います。がしかし、直前10-1分足を見る限り、この期間の動きが2016年以降に目に見えて小さくなったとは言えません。
直前10-1分足の2016年以降の平均順跳幅は7pips、同値幅は5pipsです。過去陽線率は60%、事前差異との方向一致率は56%で、事前に方向を示唆していると言えるほどアテになるサインはありません。
よって、この期間は取引しません。
【3.2.直前1分足】
次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。
直前1分足の2016年以降の平均順跳幅は6pips、同値幅は5pipsです。過去の陰線率は84%と異常な偏りがあり、事前差異との方向一致率は39%です。
また、陽線側へのヒゲが大小ほぼ毎回発生しています。勝率を下げないためには、ふたつ方法があると考えられます。
ひとつは、時刻になったらとにかくショートをもち、過去陰線率の高さをアテにすることです。もうひとつは、この期間に陽線側に跳ねたら逆張りショートすることです。
この期間は、直前10-1分足が陽線ならショートをオーダーし、直前10-1分足が陰線を形成中なら指標発表2分前から陽線側に5pips跳ねるのを待って逆張りショートします。ともに、利確/損切の目安は3・4pipsとしておきましょう。
直前1分足での取引が多少前倒しされたって構やしません。
【3.3.直後1分足】
そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。
直後1分足は2016年以降の平均順跳幅が23pips、同値幅が17pipsです。2015年の反応を見ると、潜在的に極めて大きな反応をしかねないため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことには慎重であるべきです。そして、値幅方向との逆向きのヒゲ(逆ヒゲ)も散見されます。
過去、逆ヒゲが5pips以上だったことは16回(頻度34%)もあります。もし指標発表直後に5pipsもポジションと逆側に跳ねてしまったら、損切せざるを得ません。3回に1回も騙しに遭うようではやってられません。対策は、騙しの逆ヒゲをスルーして順跳幅での利確を狙うしかありません。
その可否を検証しておきます。
逆ヒゲが直後1分足順跳幅の半分(12pips)に達したことは過去12回(頻度19%)です。一方、順跳幅が+1pipsの12pips以上だったことは過去87%に達します。いちいち個別事例をひとつずつ確認していられないので、以下は単純化した計算で求めます。
もし利確/損切設定を一律12pipsで行うことにすると、騙しで損切することは19%以下となり、騙されずに利確できることが87%−19%=68%です。ざっくり毎年12回の取引で、騙しをスルーできることが8.2回、騙しで決済されることが2.3回、直後1分足では決済できないことが1.5回です。
こうした関係を下表に纏めておきます。
この表は、過去の個別事例のチャートを調べた訳でなく、必ず先に騙し(逆ヒゲ)を形成してから順跳幅方向に伸びるという前提でカウントしたものです。よって、実際に利確/損切設定をこの表の通りにしたら、騙しで決済される頻度は減り、騙しをスルーして決済される頻度は増えます。
そういう誤差を踏まえた上で、指標発表直前にポジションをオーダーして予め利確/損切設定をしていたときにどうなるかを表しています。
何pipsを利確/損切設定にするかは、取引スタイル次第です。但し、逆ヒゲ頻度・程度が大きい指標では、利確/損切設定が必要です。
次に、指標発表時刻を跨いだ取引方針です。
本指標に先立って発表されるANZ広告求人件数は、前月比の大きさが0.5%以上のとき、本指標雇用者数増減実態差異の方向を1か月先行して期待的中率69%で先行示唆しています。また、直後1分足の過去陽線率は74%で、直前1分足との方向一致率が30%(不一致率70%)となっています。
よって、前月集計分のANZ広告求人件数前月比の符号と、雇用者数増減の事前差異の符号が異なるとき、ANZ広告求人件数前月比の符号と同じ方向に指標発表直前にオーダーします。また、直前1分足が陰線のとき(陰線で終わりそうなとき)、指標発表直前にロングです。ともに、利確/損切は18pipsとし、ふたつのポジション方向が矛盾して両建てになるなら取引は中止です。
そして、追撃方針です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%で、その83%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、全体で57%、直後1分足と直後11分足が方向一致時には68%でした。方向一致の回数分析では追撃徹底すべきですが、個別分析では直後1分足終値と直後11分足の値幅の差は僅か3pipsしかありません。
跳ねで稼ぐ指標でポジションを長持ちすべきではありません。遅くとも、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺います。
【3.4.直後11分足】
最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
2016年以降、直後11分足は過去平均順跳幅が29pips、同値幅が20pipsです。
直後1分足順跳幅が30pips以上に達したことは過去24回あります。そのうち14回は直後順跳幅が直後1分足順跳幅を超えて反応を伸ばしています。同様に、直後1分足順跳幅が大きくなるほど、こうした関係がどうなっていたか調べておきました。
この表もまた、直後1分足跳幅が何pipsに達すると同時に追撃開始するかを選ばなければいけません。
ここでは、直後1分足形成中に40pipsに達したら追撃開始とし、仮に直後1分足終値がそれより戻しても気にしません。直後1分足順跳幅から直後1分足終値が10pips以上戻したときは、直後1分足終値でナンピンで追撃ポジションを加えます。最初の追撃ポジションだけでの利確/損切の目安は20pips、ナンピンも加えたときは、ふたつの追撃ポジションで40pipsを利確/損切の目安とします。
抜けたら追う閾値が発表1分以内の40pipsです。
【3.5.取引方針結論】
- 直前1分足は、直前10-1分足が陽線ならショートをオーダーし、直前10-1分足が陰線を形成中なら指標発表2分前から陽線側に5pips跳ねるのを待って逆張りショートします。ともに、利確/損切の目安は3・4pipsとしておきましょう。
- 前月集計分のANZ広告求人件数前月比の符号と、雇用者数増減の事前差異の符号が異なるとき、ANZ広告求人件数前月比の符号と同じ方向に指標発表直前にオーダーします。また、直前1分足が陰線のとき(陰線で終わりそうなとき)、指標発表直前にロングです。ともに、利確/損切は18pipsとし、ふたつのポジション方向が矛盾して両建てになるなら取引は中止です。
- 指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。そして、遅くとも指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺います。
- 直後1分足形成中に40pipsに達したら追撃開始とし、仮に直後1分足終値がそれより戻しても気にしません。直後1分足順跳幅から直後1分足終値が10pips以上戻したときは、直後1分足終値でナンピンで追撃ポジションを加えます。最初の追撃ポジションだけでの利確/損切の目安は20pips、ナンピンも加えたときは、ふたつの追撃ポジションで40pipsを利確/損切の目安とします。
抜けたら追う閾値が発表1分以内の40pipsです。
W.分析結論
本指標の特徴は以下の通りです。
これら特徴を踏まえた取引を行うか、その日の値動きが異常なら取引を止めるかがベターな選択と考えています。少なくとも過去の傾向に反した取引方法は、長い目で見ると勝率をさげてしまいがちです。
- 雇用者数増減の翌月反動には、おもしろいクセがあります。
2015年以降発表の雇用者数増減の平均値は2.14万人ですが、上下のブレがかなり大きいという特徴があります。一方、市場予想はほぼ一定です。その結果、発表結果と市場予想の差が小さかった翌月に、発表結果と市場予想の大小関係が逆転しがちです。発表結果と市場予想の差が大きかった翌月は、大きすぎて反動を起こしても市場予想まで戻りきれません。
本指標の特徴は、雇用者数増減の過大反動が、前月に大きすぎたり小さすぎたりしないときに起きがちなことです。 - 失業率は長期的な改善トレンド途中です。2015年以降、失業率が前月より改善したことは19回、前月より悪化したことは12回、です(失業率に変化があったときの改善頻度は61%)。そして、失業率が前月より改善(陽線に対応)/悪化(陰線に対応)したとき、直後11分足との方向一致率は過去70%です。
なお、今後の見通しは、RBA公表議事要旨によれば、11月20日に「雇用は予測より強く、失業率が2020年半ばまでには4.75%へ低下」、12月18日に「数四半期は雇用状況が改善し続ける」との見解が示されています。よって、失業率は当面、改善傾向継続と見なせます。 - 反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに素直です。発表後の反応は伸びがちですが、1分後とその10分後で伸びたpipsは僅かしかありません。指標発表後は順張りで跳ねを狙わないと、反応程度の平均pipsが大きい割に稼げない指標だと言えます。
X.取引成績
取引成績は、この分析に記載方針に沿って実際に取引を行った結果だけを纏めています。実際に取引した結果以外は、例え事前方針が妥当だったとしてもここには含みません。また、事前方針に挙げていない取引(方針外取引)の成績は含めません。
実際の取引は、例え結果的に陽線だったとしても終値1秒前まで長い陰線側へのヒゲをずっと形成していたりします。そういった場合、事前のその期間の取引方針がロングが正解かショートが正解かわかりません。実際の取引で利確できたか損切せざるを得なかったかだけが公平な判定基準だと言えます。そして、方針外取引をここに含めると、事前分析の有効性が後日検証できなくなってしまいます。
取引方針の記述を、勝ちやすく・分析結果を誤解しにくく・自己裁量部分がわかるように、進歩・改善していくしかありません。記述はがんじがらめ過ぎても取引がうまくいきません。その兼ね合いが難しいので、試行錯誤しています。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
FX口座数『国内第1位』(※2017年1月末時点。ファイナンス・マグネイト社調べ2017年1月口座数調査報告書)で、TVCMでも有名です。特徴は、『時事通信社』ニュース配信、取引通信簿(年初来の取引結果の一目瞭然図示)、24時間電話サポート、です。キャッシュバックは口座申込日から3か月以内の500枚売買(1日平均8〜9枚の売買)です。口座開設日からではない点は要注意です。
広告以上