2019年01月20日
前週備忘、及び、1月21日〜25日経済指標
【前週備忘】
WSJは17日、米政権当局者らが金融市場の沈静化のため、対中関税を引き下げる措置を検討していると報じました。ブルームバーグは18日、中国側が今後6年間に1兆ドルの米製品を輸入し、貿易不均衡を無くす方針が報道されました。米側は、今後2年間に貿易不均衡解消を求めていましたが、このところの流れは休戦に向けてのリークが増えてきているように思えます。
予想外に米中貿易摩擦が早期一旦解決の可能性が生まれたことで、困るのはこれから貿易交渉に入る日本です。昨年と同じくUSD買・JPY買の継続です。但し、21日日本時間・欧州時間は歓迎(USD買)のムードが少し広がるのではないでしょうか。
ECB総裁は15日「最近の経済指標が以前の想定より弱く、かなりの刺激が今なお必要」と発言しました。独経済には陰りが見えており、英国離脱時期も延期の可能性も高まったことで、ECBの利上げはかなり先延ばしされる、と見なせます。
今週のECB金融政策発表では、EUR買材料よりEUR売材料の方が出そうな気がします。
英国は、EU離脱案が大差で否決されたものの、野党の首相不信任案は否決されました。これら結論に対し、ともにGBPは売が瞬間に留まり買で反応しました。離脱期限延期を先読みしたため、との解説が目立ちます。
日本では、幕末・維新〜日露戦争の時代小説の影響もあって、英国に悪いイメージが少ないようです。そんなことは関係ない米国や、かつてアヘンの被害にあった国々はそれほど英国に同情的でもありません。北アイルランド問題に至っては、香港返還で中国には1国2制度を求めたクセに、とシンガポールの個人(?)のHPで指摘されていました。
なるほど。
豪州では、AUDの年始クラッシュから先々週まで買い戻しが起きていました。がしかし、日足チャートでAUDUSDが雲下端に達したことで先週は売優勢でした。AUDJPYの上昇はUSDJPYの上昇に依るものです。
ロイターは15日、中国経済の失速懸念からAUDの上昇が抑えられているが、中国の資源輸入量は減っていないことを挙げていました(輸入額は減少していても、最近の資源価格が下がっていることから数量ベースで中国経済を見るべきだ、との見方を紹介)。
AUDの下落懸念が的外れで、USDの買材料が多ければ、AUDJPYはもう少し勢いよく上昇しても良いハズです。
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前週成績集計は、次週に纏めて行います。
【今週指標】
太字は詳細分析記事にリンクしています。
週明けは20日4時の米大統領が事前予告していた重大発表が肩すかしだったことと、中国GDPを睨んだ展開で始まります。
週全体では、24日の豪州雇用統計ぐらいしか、大きく動く発表がありません。独国PMI速報値は大きく動くものの、同じ日にECB金融政策の発表があるため、今回は反応がいつもよりやや小さくなる可能性があります。
1月21日(月)米国休場
11:00 10-12月期集計分中国GDP
1月22日(火)
18:30 11月・12月集計分英国雇用統計
19:00 1月集計分独国ZEW景況感調査
24:00 12月集計分米国中古住宅販売件数
1月23日(水)
08:50 12月集計分日本通関ベース貿易統計
15:30 日銀総裁、金融政策決定会合後定例会見
1月24日(木)
09:30 12月集計分豪州雇用統計
17:30 1月集計分独国PMI速報値
21:45 ECB金融政策発表
22:30 ECB総裁会見
1月25日(金)
08:30 1月集計分日本東京都区部CPI
18:00 1月集計分独国Ifo企業景況感指数
以上
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