2018年12月14日
豪州雇用指標「ANZ広告求人件数」発表結果の豪州雇用統計への影響
本稿は、過去の本指標結果と豪州雇用統計の関係を分析することによって、本指標での取引でなく、後日発表される豪州雇用統計発表前後のAUDJPY取引に役立つ特徴を見出すことがテーマです。
本指標での取引を狙った分析ではないので、反応分析は行いません。
結論は次の通りです。
ちなみに、過去の新規雇用者数の平均は2.1万、市場予想の平均は1.2万人なので、平均的に発表結果と市場予想の差が0.9万人生じます。一方、失業率の過去平均は5.71%、市場予想の過去平均は5.75%なので、平均的に発表結果と市場予想の差が△0.04%生じます。
上判別式に当てはめると、豪州雇用統計発表直後の反応方向は、圧倒的に新規雇用者数発表値の市場予想との差に影響されていることがわかります。よって、ANZ結果と過去の豪州雇用統計の結果と予想の差の平均値に基づき、新規雇用者数の市場予想の多寡が妥当か否かを当てるのが、豪州雇用統計発表時取引の主題です。
最後は「市場予想が良さそう/悪そう」という勘に頼るにせよ、何に対して良さそう/悪そうなのかをはっきりさせておきましょう。
以上は、2015年1月集計分〜2018年10月集計分の46回の両指標発表結果に基づきます。
以下に、論拠となる分析過程を開示します。
以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
ANZはオーストラリア・ニュージーランド銀行のことです。
同行日本法人は、毎週月曜に「ANZオーストラリア経済ウィークリー(日本語版)」を開示しています。同国経済見通しを論じた解説記事やブログには、ここからの引用が多々見受けられます。
もちろん、このレポートはFXでの短期取引を想定したものではなく、中長期のファンダメンタルの変化中心の内容となっています。けれども、こういうことはできるだけ一次情報に接した方が良いですよね。
毎週このレポートを1・2か月も続けて読んでいれば、豪州経済のファンダメンタルの知ったかぶりができるようになれるでしょう。でも残念ながら、豪州経済のやたら詳しい話を聞いてくれる人は、なかなか周囲に居ないと思います。密かな勉強に留めておきましょう。
さて、本指標は、ANZが新聞とインターネットによる求人広告件数を発表してたものです。一般論として、求人広告が増えれば雇用者数が増えることが期待されます。そして、豪州雇用統計は、AUDJPYの直後1分足跳幅が32pips、事後差異と直後1分足の方向一致率が79%(2015年2月〜2018年11月発表時の平均値)と、大きく素直に反応する指標です。
だから、本指標が豪州雇用統計の先行指標ならば、本指標に注目しておくことも大切になります。
本指標前月比について、2015年以降の推移を下図に示します。下図は定時発表値で、後日の修正値ではありません。
次に、2015年以降の豪州雇用統計の新規雇用者数の推移を下図に示します。
このまま両図を見比べても、両指標の連動・追従の有無はふつうわかりません。わかる訳ありません。
ここで知りたいことは、求人広告件数が増えれば/減れば、新規雇用者数が増える/減るのか、です。そこで、求人広告件数前月比と、新規雇用者数の実態差異(=発表結果ー前月結果)を対比します。
但し、求人広告件数前月比が△0.5%〜+0.5%しか変化しなかった月は、分析に用いません。また、下図横軸は、「求人広告件数前月比が新規雇用者数実態差異より〇か月先行/遅行」と読みます。縦軸は増減方向の一致率です。
図から、ANZ求人広告件数前月比が0.5%を超えて増減した翌月は、新規雇用者数の前月に対する増減方向の一致率が高いことがわかります。よって、本指標は豪州雇用統計の新規雇用者数と時差1か月、方向一致率70%程度の先行指標、と見なせます。
同様に、ANZ求人広告件数前月比が0%超/1.0%超の翌月は、新規雇用者数の前月に対する増減方向の一致率が64%/71%になります。
新規雇用者数の増減だけで豪州雇用統計発表直後の反応方向が決まる訳ではありませんが、こうやってひとつずつパズルを完成させていきましょう。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
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本指標での取引を狙った分析ではないので、反応分析は行いません。
結論は次の通りです。
- ANZ求人広告件数前月比の増減方向は時差1か月先行で、豪州雇用統計の新規雇用者数の前月に対する増減方向との一致率70%程度となります。
- ANZ求人広告件数前月比の増減程度が、0%超/0.5%超/1.0%超、だった集計月にそれぞれ注目します。翌集計月の新規雇用者数は、ANZと同じ集計月の新規雇用者数よりも、64%/69%/71%、の増減方向一致率となります。
この一致率は、ANZが0.5%を超えた翌月の豪州雇用統計結果が前月よりも改善/悪化を予想する一助となります。 - 豪州雇用統計発表直後は、新規雇用者数と失業率と労働参加率が反応方向に影響を与えます。この反応方向は、ー5✕失業率の発表差異と市場予想の差[%]+2✕新規雇用者数の発表結果と市場予想の差[万人]+1✕労働参加率の発表結果と市場予想の差[%]、という判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線と対応)と過去79%一致しています。
ANZがこの結果に影響を与えるのは、新規雇用者数に対してです。
ちなみに、過去の新規雇用者数の平均は2.1万、市場予想の平均は1.2万人なので、平均的に発表結果と市場予想の差が0.9万人生じます。一方、失業率の過去平均は5.71%、市場予想の過去平均は5.75%なので、平均的に発表結果と市場予想の差が△0.04%生じます。
上判別式に当てはめると、豪州雇用統計発表直後の反応方向は、圧倒的に新規雇用者数発表値の市場予想との差に影響されていることがわかります。よって、ANZ結果と過去の豪州雇用統計の結果と予想の差の平均値に基づき、新規雇用者数の市場予想の多寡が妥当か否かを当てるのが、豪州雇用統計発表時取引の主題です。
最後は「市場予想が良さそう/悪そう」という勘に頼るにせよ、何に対して良さそう/悪そうなのかをはっきりさせておきましょう。
以上は、2015年1月集計分〜2018年10月集計分の46回の両指標発表結果に基づきます。
以下に、論拠となる分析過程を開示します。
指標分析
以下、事前差異(=市場予想ー前回結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー前回結果)の関係を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
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ANZはオーストラリア・ニュージーランド銀行のことです。
同行日本法人は、毎週月曜に「ANZオーストラリア経済ウィークリー(日本語版)」を開示しています。同国経済見通しを論じた解説記事やブログには、ここからの引用が多々見受けられます。
もちろん、このレポートはFXでの短期取引を想定したものではなく、中長期のファンダメンタルの変化中心の内容となっています。けれども、こういうことはできるだけ一次情報に接した方が良いですよね。
毎週このレポートを1・2か月も続けて読んでいれば、豪州経済のファンダメンタルの知ったかぶりができるようになれるでしょう。でも残念ながら、豪州経済のやたら詳しい話を聞いてくれる人は、なかなか周囲に居ないと思います。密かな勉強に留めておきましょう。
さて、本指標は、ANZが新聞とインターネットによる求人広告件数を発表してたものです。一般論として、求人広告が増えれば雇用者数が増えることが期待されます。そして、豪州雇用統計は、AUDJPYの直後1分足跳幅が32pips、事後差異と直後1分足の方向一致率が79%(2015年2月〜2018年11月発表時の平均値)と、大きく素直に反応する指標です。
だから、本指標が豪州雇用統計の先行指標ならば、本指標に注目しておくことも大切になります。
本指標前月比について、2015年以降の推移を下図に示します。下図は定時発表値で、後日の修正値ではありません。
次に、2015年以降の豪州雇用統計の新規雇用者数の推移を下図に示します。
このまま両図を見比べても、両指標の連動・追従の有無はふつうわかりません。わかる訳ありません。
ここで知りたいことは、求人広告件数が増えれば/減れば、新規雇用者数が増える/減るのか、です。そこで、求人広告件数前月比と、新規雇用者数の実態差異(=発表結果ー前月結果)を対比します。
但し、求人広告件数前月比が△0.5%〜+0.5%しか変化しなかった月は、分析に用いません。また、下図横軸は、「求人広告件数前月比が新規雇用者数実態差異より〇か月先行/遅行」と読みます。縦軸は増減方向の一致率です。
図から、ANZ求人広告件数前月比が0.5%を超えて増減した翌月は、新規雇用者数の前月に対する増減方向の一致率が高いことがわかります。よって、本指標は豪州雇用統計の新規雇用者数と時差1か月、方向一致率70%程度の先行指標、と見なせます。
同様に、ANZ求人広告件数前月比が0%超/1.0%超の翌月は、新規雇用者数の前月に対する増減方向の一致率が64%/71%になります。
新規雇用者数の増減だけで豪州雇用統計発表直後の反応方向が決まる訳ではありませんが、こうやってひとつずつパズルを完成させていきましょう。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上
FX口座数『国内第1位』(※2017年1月末時点。ファイナンス・マグネイト社調べ2017年1月口座数調査報告書)で、TVCMでも有名です。特徴は、『時事通信社』ニュース配信、取引通信簿(年初来の取引結果の一目瞭然図示)、24時間電話サポート、です。キャッシュバックは口座申込日から3か月以内の500枚売買(1日平均8〜9枚の売買)です。口座開設日からではない点は要注意です。
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