2018年03月19日
2018年3月20日18:30発表ー英国2018年2月集計分物価指標(事後検証済)
T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は、こちらの「英国物価指標発表前後のGBPJPY反応分析(2018年改訂版)」に詳述しています。以下に記す今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標には
- CPI前年比は、同月のEURGBPの前年同月との差異と相関がある(GBP安でCPI前年比上昇の期待的中率67%)
- 指標発表直後の反応程度は、過去3年間の直後1分足跳幅の平均値が31PIPSと、かなり大きい
- 指標発表直後の反応方向は、CPI前年比の事後差異>CPI前月比の事後差異>その他の項の事後差異、の順に影響を受ける
という特徴があります。
2018年発表分の指標結果・取引結果は、12月集計分(1月発表)、1月集計分(2月発表)、をクリック頂くと参照できます。
幸いなことに、これまでのところ今年は調子が良いようです。
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今回発表の要点は下表の通りです。
市場予想は3月18日21時頃の値を用いています。指標発表前に予想が修正されていないかは確認しておきましょう。
市場予想は、最も反応方向に影響するCPI前年比の事前差異がマイナスとなっています。がしかし、次に反応方向に影響するCPI前月比の事前差異が、それを上回るプラスとなっています。その結果、今回発表の全体の事前差異はプラスです。
一方、2月のEURGBPはGBP安でした。GBP安はCPI前年比の上昇との方向一致率が過去67%です。ならば、上述のCPI前年比事前差異のマイナスは、今回の市場予想が低いということに帰結します。
同時刻に住宅価格指数も発表されますが、そんなものは無視して構いません。
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さて、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前1分足の過去平均跳幅は8pips、過去平均値幅は6pipsです。陽線側に3〜6pipsの逆ヒゲを形成することが多いようです。また、過去の直前1分足の方向は、陰線率が79%となっています。
よって、直前1分足が陽線側に3pips跳ねたらショートをオーダーし、3〜6pipsを利確の目安に短時間取引を行います。 - 前述の理由によって、指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切します。
但し、直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、指標発表直前のポジションはその跳ねた方向と同じ方向にオーダーすることを優先します。 - 指標発表後の追撃は、反応方向を確認したらなるべき早期に開始し、数pips稼いだら欲張らずに利確します。
予め頭に入れておくことは、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことが34%しかありません。だから、このポジションはできれば1分以内に決済した方が良いでしょう。利確・損切の目安は必然的に小さくすべき(3pipsでも良いぐらい)で、発表後16pips以上跳ねていたら、早期追撃は諦めた方が良いでしょう。 - 上述の通り、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは34%(3回に1回)しかありません。逆に言えば、直後1分足跳幅のピーク付近(30pips付近)か、直後1分足終値が付いてから直後1分足終値を超えて反応を伸ばしているときに逆張りした方が勝率が稼げそうです。
但し、逆張りは短時間取引が基本で、それだけに利確・損切の目安も小さく見込んでおきましょう。利確・損切ともに5pips程度と見込んでおきましょう。
以上
U.事後検証
以下は、2018年3月20日20:30頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
注目のCPIは、前年比・前月比・コア前年比のいずれも市場予想を下回りました。前年比は、CPIもコアCPIも前回結果を下回り、グラフ推移は下降に転じかけているように見えます。物価上昇に一段落ついたなら、BOEは利上げを急ぐ必要がありません。
反応は、今回も事後差異に対して素直で陰線となりました。直後1分足跳幅が30pipsを超えたのは4か月ぶりです。そして今回も、直後11分足終値は直後1分足値幅を削りました。
なお、直後1分足跳幅を決めた安値149.01円は、一目均衡表上の特徴点でなく、単にキリ数(149円ちょうど)以外の意味は見当たりません。
さて、CPI前年比は2017年11月集計分でピーク+3.1%以来、少しずつ下げています。今回2月集計結果+2.7%は、2017年8月集計分+2.9%を下回り、7か月ぶりの水準まで戻しました。
昨日、英国とEUが離脱猶予期間について合意したとの報道がありました。2019年3月末に英国がEUを離脱しても、2020年まで英国企業はEU加盟国と同等の扱いを受ける離脱移行期間を設けるという合意です。この報道によりGBPは、主要通貨(EUR・USD・JPY・AUD)に対して買われました。
今回の反応が陰線となることは、指標結果から過去の傾向通りだったものの、この合意がなければもっと大きな陰線になっても良かったのかも知れません。
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さて、事前分析結果を検証しておきます。
- 直前1分足が陽線側に3pips跳ねたらショートをオーダーし、3〜6pipsを利確の目安に短時間取引を行うつもりでした。
結果は、陽線側への3pipsの跳ねが生じず、直前1分足自体陽線で終わりました。取引は行わずに正解でした。 - 指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切することにしていました。
結果は陰線だったものの、瞬間的に30pips以上跳ねると、すぐに10〜15pipsを戻しました。損切となったものの、陰線側への振れが瞬間的だったのが幸いし、損切は10pips強で済みました。
指標発表直後の瞬間的な跳ねは、指標結果に素直に従ったものです。問題は10秒と経たないうちに半値戻したことです。これは、もし陰線で反応したなら、予めロングが指値で仕込まれていたのではないでしょうか。 - 指標発表後の追撃は、反応方向を確認したらなるべき早期に開始し、数pips稼いだら欲張らずに利確するつもりでした。
結果は前述の半値戻し付近(149.2弱付近)で上下動が暫く続き、指標発表直後の33pipsの陰線側への跳ねに到達することはありませんでした。
追撃ポジションを早めに取ると、損切となった事例も多かったと推察します。この点は分析を外してしまいました。 - 直後1分足跳幅のピーク付近(30pips付近)か、直後1分足終値が付いてから直後1分足終値を超えて反応を伸ばしているときに逆張りした方が勝率が稼げそう、と記していました。
結果は、今回の動きで30pipsでの戻しでロングをオーダーすることは、予め指値で仕込んでいない限り、無理だったと思います。
取引結果を下表に示します。
次回発表は4月18日に予定されています。
本指標での取引の過去成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
タグ:英国,物価指標,CPI
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