2017年12月05日
豪州経済指標「四半期GDP」発表前後のAUDJPY反応分析(2017年12月6日09:30発表結果検証済)
以下、「T.反応要点」「U.指標要点」を事前投稿し、「V.結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年12月6日09:30に豪州経済指標「四半期GDP」が発表されます。今回発表は2017年7-9月期の集計結果です。
前回結果・市場予想と、以下の分析対象期間と、反応分布は次の通りです。
最も指標結果に素直に反応しがちな直後1分足跳幅は36pipsと、かなり大きく反応しています。そして、平均値を超えて反応したことも50%あります。
但し、最近の3回の反応はあまり伸びていません。それでも20pips以上あるので、発表時刻を跨いでポジションを持つことには慎重であるべきです。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが1を上回っており、平均的には反応が伸びていく指標、と言えます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
豪州経済の特徴は、意外なことにGDPの約70%をサービス業が担っています。農業及び工業セクターはGDPの10%程度しかありません。但し、輸出額の50%以上はこのセクターで稼いでいます。豪州は資源輸出で稼ぐイメージが強いため、この数字を見て意外に思う方も多いようです。
数年前までは、高い成長率の原因として外資流入と中国向け資源輸出が強調されていました。一方、ここ数年は豪州自身よりも中国経済の成長率鈍化の影響で、先行き悪化が強調され過ぎていたように思えます。
こうしたイメージとは異なり、経済実態は小売売上高や消費支出が長期的に拡大傾向と見なされています。
裏付けとしては、豪州が毎年約20万人の移民を受け入れており、2050年までに約40%の人口増加が見込まれていること(何と40%の人口増です)、を挙げることができます。これだけ人口が増えるのなら、それが内需を強く牽引するでしょう。
また、豪州は公的債務残高が非常に低いという特徴があります。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
豪州4-6月期GDP前年比は+1.8%でした。2016年4-6月に+3.3%に達して以降、やや低調です。
当初、この原因は中国経済の失速が挙げられていました。がしかし、2016年11月分貿易収支が2年8か月ぶりに黒字転換し、2017年年初からの貿易黒字はほぼ150億AUDに達しました。それにも関わらず、GDP前年比が伸び悩んでいる原因として、2015年7-9月期〜2016年4-6月期までが高すぎた、と解釈すべきです。
2015年7-9月期〜2016年4-6月期までが高すぎると、翌年2016年7-9月期〜2017年4-6月期は、前年比計算で良い数字が出にくくなります。逆に言えば、次回2017年7-9月期分からは前年比が数値改善となりやすくなります。
RBA見込みでは、2019年〜2020年に成長率が3%に達すると見込んでいます。一方、IMFは2017年の成長率を3.1%、2018年を3.0%と見込んでいます(2017年4月時点の見通し) 。以前(2016年10月時点)は、各0.4%・0.1%と見込んでいたのだから、かなり大幅な上方修正です。
ともあれ、RBA見通しに比べて、IMFは豪州経済の回復を早く見込んでいることになります。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が7pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度17%)あります。
この3回の直後1分足跳幅は43pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均36pipsよりやや大きくなっています。また、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が10pips以上跳ねるときには、直後1分足がやや大きく反応する可能性が高い、と言えます。但し、反応方向を示唆している訳ではありません。
直前1分足を見てください。陽線になったことがありません。だからと言って今回も陰線になるとは限りませんが、指標発表直後に陽線に跳ねると読んでいたとしても、ポジションを持つのはぎりぎりまで待った方が良さそうです。
直前1分足は過去平均跳幅が5pipsです。その跳幅が10pips以上だったことはありません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は10pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率28%)です。直後11分足のそれも10pips(戻り比率24%)です。戻り比率はあまり大きくありません。追撃しやすい指標です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下図に示します。
前回結果と市場予想と発表結果との間に、大小関係で見るべき偏りはありません。
事前差異と直前10-1分足の方向一致率は71%となっています。指標発表前に指標発表結果の良し悪しを予見いているかのようです。
事後差異と直後1分足の方向一致率は94%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応します。
実態差異と直後11分足の方向一致率は100%です。発表結果が前回結果より良ければ、反応は持続しています。
次に、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足の陰線率が100%と、はっきりとした偏りが見受けられます。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が94%と異常に高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
最後に、反応性分析の結果を下図に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は94%です。指標発表直後には、その後も反応が伸び続けると信じるしかありません。94%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは47%です。
本指標は、発表直後の跳ねが大きく、その跳幅を少なくともその後しばらく超えて反応を伸ばしていません。追撃は難しく、指標発表直後1分間の上下動を利用するのがベターだと思われます。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは50%です。これではサイコロを振ってポジションを取るのを同じです。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
シナリオは次の通りです。
といっても、多くの人にとって09:30から前後10分も取引に張り付くことは難しい時間帯ですが。
以下は2017年12月11日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回こそ大きく上回ったものの予想を下回り、結果は陰線でした。
前年比+2.8%という成長率は悪くありません。この数字は前年同期まで悪い数字が続いていたため、前期結果の+1.8%より伸びたものと考えられます。がしかし、内訳で消費と投資が前回を下回り、その結果、市場予想に届かなかったようです。
RBAの見解では、もともと+3%到達をまだ先のことと捉えていますが、今後も一時的に低下しても徐々に成長率は3%に近づくと考えています。
この発表時刻なので、取引はできませんでした。
事前調査分析内容を以下に検証しておきます。
取引はできなかったものの、事前準備していたシナリオを検証しておきます。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
2017年は2回の取引を行い、指標単位で2勝(勝率100%)、シナリオ単位で4勝1敗(勝率80%)でした。取引時間は1指標平均で2分10秒です。追撃に徹するシナリオのため、利確pipsは15pipsで、1回当たり7pipsしか取れていません。発表直後の跳ねが大きいので、これはこれで仕方ないでしょう。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
T.反応要点
2017年12月6日09:30に豪州経済指標「四半期GDP」が発表されます。今回発表は2017年7-9月期の集計結果です。
前回結果・市場予想と、以下の分析対象期間と、反応分布は次の通りです。
最も指標結果に素直に反応しがちな直後1分足跳幅は36pipsと、かなり大きく反応しています。そして、平均値を超えて反応したことも50%あります。
但し、最近の3回の反応はあまり伸びていません。それでも20pips以上あるので、発表時刻を跨いでポジションを持つことには慎重であるべきです。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが1を上回っており、平均的には反応が伸びていく指標、と言えます。
U.指標要点
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
豪州経済の特徴は、意外なことにGDPの約70%をサービス業が担っています。農業及び工業セクターはGDPの10%程度しかありません。但し、輸出額の50%以上はこのセクターで稼いでいます。豪州は資源輸出で稼ぐイメージが強いため、この数字を見て意外に思う方も多いようです。
数年前までは、高い成長率の原因として外資流入と中国向け資源輸出が強調されていました。一方、ここ数年は豪州自身よりも中国経済の成長率鈍化の影響で、先行き悪化が強調され過ぎていたように思えます。
こうしたイメージとは異なり、経済実態は小売売上高や消費支出が長期的に拡大傾向と見なされています。
裏付けとしては、豪州が毎年約20万人の移民を受け入れており、2050年までに約40%の人口増加が見込まれていること(何と40%の人口増です)、を挙げることができます。これだけ人口が増えるのなら、それが内需を強く牽引するでしょう。
また、豪州は公的債務残高が非常に低いという特徴があります。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
豪州4-6月期GDP前年比は+1.8%でした。2016年4-6月に+3.3%に達して以降、やや低調です。
当初、この原因は中国経済の失速が挙げられていました。がしかし、2016年11月分貿易収支が2年8か月ぶりに黒字転換し、2017年年初からの貿易黒字はほぼ150億AUDに達しました。それにも関わらず、GDP前年比が伸び悩んでいる原因として、2015年7-9月期〜2016年4-6月期までが高すぎた、と解釈すべきです。
2015年7-9月期〜2016年4-6月期までが高すぎると、翌年2016年7-9月期〜2017年4-6月期は、前年比計算で良い数字が出にくくなります。逆に言えば、次回2017年7-9月期分からは前年比が数値改善となりやすくなります。
RBA見込みでは、2019年〜2020年に成長率が3%に達すると見込んでいます。一方、IMFは2017年の成長率を3.1%、2018年を3.0%と見込んでいます(2017年4月時点の見通し) 。以前(2016年10月時点)は、各0.4%・0.1%と見込んでいたのだから、かなり大幅な上方修正です。
ともあれ、RBA見通しに比べて、IMFは豪州経済の回復を早く見込んでいることになります。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が7pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去3回(頻度17%)あります。
この3回の直後1分足跳幅は43pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均36pipsよりやや大きくなっています。また、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が10pips以上跳ねるときには、直後1分足がやや大きく反応する可能性が高い、と言えます。但し、反応方向を示唆している訳ではありません。
直前1分足を見てください。陽線になったことがありません。だからと言って今回も陰線になるとは限りませんが、指標発表直後に陽線に跳ねると読んでいたとしても、ポジションを持つのはぎりぎりまで待った方が良さそうです。
直前1分足は過去平均跳幅が5pipsです。その跳幅が10pips以上だったことはありません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は10pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率28%)です。直後11分足のそれも10pips(戻り比率24%)です。戻り比率はあまり大きくありません。追撃しやすい指標です。
【3. 定型分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下図に示します。
前回結果と市場予想と発表結果との間に、大小関係で見るべき偏りはありません。
事前差異と直前10-1分足の方向一致率は71%となっています。指標発表前に指標発表結果の良し悪しを予見いているかのようです。
事後差異と直後1分足の方向一致率は94%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応します。
実態差異と直後11分足の方向一致率は100%です。発表結果が前回結果より良ければ、反応は持続しています。
次に、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直前1分足の陰線率が100%と、はっきりとした偏りが見受けられます。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が94%と異常に高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
最後に、反応性分析の結果を下図に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は94%です。指標発表直後には、その後も反応が伸び続けると信じるしかありません。94%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは47%です。
本指標は、発表直後の跳ねが大きく、その跳幅を少なくともその後しばらく超えて反応を伸ばしていません。追撃は難しく、指標発表直後1分間の上下動を利用するのがベターだと思われます。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは50%です。これではサイコロを振ってポジションを取るのを同じです。
【4. シナリオ作成】
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 事後差異と直後1分足の方向一致率は94%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応します。
実態差異と直後11分足の方向一致率は100%です。発表結果が前回結果より良ければ、反応は持続しています。 - 指標発表前からご注意ください。
事前差異と直前10-1分足の方向一致率は71%となっています。指標発表前に指標発表結果の良し悪しを予見いているかのようです。但し、その直前10-1分足と直後1分足の方向一致率は59%と高くありません。
直前1分足は、調査期間において陽線になったことがありません。だからと言って今回も陰線になるとは限りませんが、陰線と見込むか、この期間に取引しないかが選択肢です。陽線と見込むには、本指標の実績にあまりに反しています。
これら直前10-1分足や直前1分足が10pips以上動くことがあっても、過去の実績では指標発表後の反応方向を示唆している訳ではありません。釣られて痛い目に遭わないように気を付けましょう。 - 指標発表の影響が最も顕著に現れる直後1分足跳足は、平均36pipsとなっています。過去18回の発表でこの平均値を超えたことが50%となっています。がしかし、過去平均の2倍(71pips)を超えたことはありません。平均の1.5倍跳ねたことも、過去11%しかありません。
つまり、もし大きな反応が起きても、平均値の36pipsを超えて反応を伸ばしたら利確すべきです。 - 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が94%です。つまり、過去実績から言えばほぼ反転しません。がしかし、方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士を比べると反応が伸びたことは47%、終値同士を比べて反応が伸びたことは53%です。
つまり、この数字から言って、発表後に反応を見てから追撃ポジションを取るのが難しい指標です。発表直後の跳ねを、その後しばらくは超えられないことが多いのです。
シナリオは次の通りです。
- 直前1分足は陰線と見込みます。
論拠は、調査期間において陽線になったことがないためです。ただ、過去平均跳幅は5pipsしかないので、利確できるときにしておきましょう。特に今回は、久しぶりに前回結果よりもかなり高い市場予想となっています。狙いは、それまでに陽線側に伸びすぎているときに、指標発表直前にひとまず利確の売りが増えることです。それが、早めに既に起きていた場合、この期間の取引は見送った方が良いかも知れません。 - 最初の追撃は、反応が20pips以下しか伸びていないときにポジションを取ります。そして、1分以内に利確・損切とします。
本指標の長跳幅は、指標発表から1分以内に形成されることが多いためです。もしポジションが取れなければ、上下動をじっくり見極めて高値(安値)掴みをしないように気を付けましょう。反応が大きく、しかも少なくとも暫くは反応を伸ばさないことが多いようです。一旦、戻しを待ってポジションを取ることの方が、発表から10分で取引を終えることよりも優先すべきです。
といっても、多くの人にとって09:30から前後10分も取引に張り付くことは難しい時間帯ですが。
以上
2017年12月6日09:30発表
以下は2017年12月11日に追記しています。
V.結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回こそ大きく上回ったものの予想を下回り、結果は陰線でした。
前年比+2.8%という成長率は悪くありません。この数字は前年同期まで悪い数字が続いていたため、前期結果の+1.8%より伸びたものと考えられます。がしかし、内訳で消費と投資が前回を下回り、その結果、市場予想に届かなかったようです。
RBAの見解では、もともと+3%到達をまだ先のことと捉えていますが、今後も一時的に低下しても徐々に成長率は3%に近づくと考えています。
(5-2. 取引結果)
この発表時刻なので、取引はできませんでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を以下に検証しておきます。
- 事後差異と直後1分足の方向一致率は94%となっていました。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応しました。
実態差異と直後11分足の方向一致率は100%でした。がしかし、今回は発表結果が前回結果より良かったにも関わらず、反応は陰線のままでした。 - 指標発表前からご注意ください。
事前差異と直前10-1分足の方向一致率は71%となっていました。がしかし、今回は直前10-1分足がほぼ同値となり、事前差異と方向一致したとは言えません。但し、このブログでのルールにより、同値は集計に含めません。
直前1分足は、調査期間において陽線になったことがありません。今回も陰線でした。 - 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が94%です。つまり、過去実績から言えばほぼ反転しません。がしかし、方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士を比べると反応が伸びたことは47%、終値同士を比べて反応が伸びたことは53%です。つまり、この数字から言って、発表後に反応を見てから追撃ポジションを取るのが難しい指標です。発表直後の跳ねを、その後しばらくは超えられないことが多いのです。
ほぼその通りの動きとなりました。
(6-2. シナリオ検証)
取引はできなかったものの、事前準備していたシナリオを検証しておきます。
- 直前1分足は陰線と見込みました。結果は陰線でした。
- 最初の追撃は、反応が20pips以下しか伸びていないときにポジションを取り、1分以内に利確・損切のつもりでした。
発表時点でのチャートの実際の動きを見ていないものの、後からチャートを見る限りでは、上ヒゲに騙されなければ利確できたようです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
2017年は2回の取引を行い、指標単位で2勝(勝率100%)、シナリオ単位で4勝1敗(勝率80%)でした。取引時間は1指標平均で2分10秒です。追撃に徹するシナリオのため、利確pipsは15pipsで、1回当たり7pipsしか取れていません。発表直後の跳ねが大きいので、これはこれで仕方ないでしょう。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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