2017年12月05日
米国景気指標「ISM非製造業・総合景況指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年12月5日24:00発表結果検証済)
以下、「T.反応要点」「U.指標要点」を事前投稿し、「V.結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年12月5日24:00に米国景気指標「ISM非製造業・総合景況指数」が発表されます。今回発表は2017年11月分の集計結果です。
前回結果・市場予想と、以下の分析対象期間と、反応分布は次の通りです。
最も指標結果に素直に反応しがちな直後1分足跳幅は15pipsと、平均的な反応程度です。分布は、平均以下の反応だったことが59%となっています。利確・損切の目安は10pips程度だと思っておけば良いでしょう。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが1を上回っており、平均的には反応が伸びやすい、と言えます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
本指数は、(a) 米国主要経済指標で毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(b) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(c) 一般論として非製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、過去データを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50[ips](Index Points)を上回ると景気拡大・50[ips]を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「事業活動」「新規受注」「雇用」「入荷遅延」の4項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフは、2016年8月分をボトム(底)として、翌9月以降は高い水準で上下動をしながら停滞していました。それが、2017年9月分(59.8)と前回10月分(60.1)とで、2013年7月分(60.3)に次ぐ高水準に達しています。
一般に、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率は高くなります。この方向一致率が高いほど「素直に反応する」指標だと言えます。
事後差異及び実態差異の判別式は、4✕景況指数の差異+2✕事業活動の差異、です。判別式の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、直後1分足・直後11分足の方向一致率は、それぞれ81%・77%となります。
前週に発表された同月集計分のCB消費者信頼感指数と本指標との相関について調べておきました。
調査期間は2015年1月〜2015年10月分までの33回分について、両指標の実態差異(発表結果ー前回結果)の方向一致率は38%しかありません。
よって、同じ非製造業景況指数でも、CBとISMとは指標結果の対前月結果との良し悪しに相関がありません。反応方向に至っては、CBと逆方向にポジションを持った方が良いぐらいです。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が8pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去9回(頻度26%)あります。
この9回の直後1分足跳幅は20pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均15pipsよりやや大きくなっています。また、この9回の直前10-1分足と直後1分足の方向は7回(78%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が10pips以上跳ねるときには、直後1分足がその方向にやや大きく反応する可能性が高い、と言えます。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は5pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去1回(頻度3%)あります。
この1回の直後1分足跳幅は15pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均15pipsと同値です。また、この1回の直前1分足と直後1分足の方向は一致しています。
対象事例が1回しかないものの、前述の直前10-1分足と同様に、指標発表前に大きく動くときは、指標発表後の反応方向を示唆している可能性があります。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は4pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率27%)です。直後11分足のそれは6pips(戻り比率27%)です。戻り比率はあまり大きくありません。追撃しやすい指標です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事前差異のマイナス率が70%で、これは異常な偏りです。市場予想は前回結果よりも低く見込まれがちです。
事前差異と直前1分足の方向一致率は77%です。また、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ81%・77%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しに、素直に反応する指標です。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足の陰線率が83%と、異常な偏りが見受けられます。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が81%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
最後に、反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は81%です。そして、その81%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは88%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは48%です。つまり、そこから反応を伸ばすかどうかわからない、ということです。早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら早めに利確した方が良いということです。
この結果は、巻頭に挙げた相関分布の結論と、一見、矛盾しています。
がしかし、巻頭に挙げた回帰式の係数が1を上回っていることは、平均的に反応を伸ばしていることを示しています。でも、本反応性分析で、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていないのは回数です。
矛盾はありません。
では、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたいた回数が少ないのに、平均pipsが伸びていていたことが多いというのはどういうことでしょう。反応を伸ばすときは大きいものの、伸ばさないときの方が多い、ということです。
本指標の特徴は以下の通りです。
以上の本指標特徴を踏まえ、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年12月10日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・予想を下回り、反応は陰線でした。
景況指数のグラフは、前回が60.1とかなり良い数字だったこともあり、今回かなり大きな落ち込みです。その他、事業活動も新規受注も雇用指数も価格指数も、軒並み今回は前回を下回りました。
さて、それらを総合した実態差異は△20.7となっています。本指標の実態差異判別式は、事前分析に示した通り、4✕景況指数の差異+2✕事業活動の差異、でした。この判別式の解が+20を上回るか△20を下回ったことは、今回を除いて過去に14回(頻度41%)あります。そして、この判別式の解が+20を上回るか△20を下回った翌月は、実態差異判別式の解の符号が前月と反転したことが12回(反転率86%)あります。
つまり、来月は本指標実態差異がプラス化する期待的中率が86%となります。
本指標は、そういう意味(実態差異が+20を上回るか△20を下回るかしたこと)で、翌月発表が前月の反動で反転します。覚えておきましょう。
取引結果は次の通りでした。
同じ11月集計分のUM消費者信頼感指数速報値は前回を下回り、CB消費者信頼感指数は前回を上回っていました。相変わらず、それら指標と本指標との実態差異の方向一致率は高くありません。
事前準備していたシナリオには問題ありません。
個々に負けることがあっても、もともと期待的中率70%以上の取引基準を用いているため、連敗が続かない限り、見直す必要はありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
2017年は、本指標でほぼ毎月11回の取引を行いました。結果、指標単位では10勝1敗(勝率91%)、シナリオ単位では25勝8敗(勝率76%)でした。1回の取引で平均7分5秒を要して、年間66pipsを稼いでいます。これは、1回当たり+11pipsで、本指標への反応の過去平均値(直後1分足値幅が11pips、直後11分足値幅が16pips)であることを踏まえると、悪くありません。
2018年も今年と同様の取引方法でやっていきましょう。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
T.反応要点
2017年12月5日24:00に米国景気指標「ISM非製造業・総合景況指数」が発表されます。今回発表は2017年11月分の集計結果です。
前回結果・市場予想と、以下の分析対象期間と、反応分布は次の通りです。
最も指標結果に素直に反応しがちな直後1分足跳幅は15pipsと、平均的な反応程度です。分布は、平均以下の反応だったことが59%となっています。利確・損切の目安は10pips程度だと思っておけば良いでしょう。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが1を上回っており、平均的には反応が伸びやすい、と言えます。
U.指標要点
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
本指数は、(a) 米国主要経済指標で毎月早い時期に発表されること(第3営業日)、(b) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(c) 一般論として非製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、過去データを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50[ips](Index Points)を上回ると景気拡大・50[ips]を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「事業活動」「新規受注」「雇用」「入荷遅延」の4項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフは、2016年8月分をボトム(底)として、翌9月以降は高い水準で上下動をしながら停滞していました。それが、2017年9月分(59.8)と前回10月分(60.1)とで、2013年7月分(60.3)に次ぐ高水準に達しています。
ーーー$€¥ーーー
一般に、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率は高くなります。この方向一致率が高いほど「素直に反応する」指標だと言えます。
事後差異及び実態差異の判別式は、4✕景況指数の差異+2✕事業活動の差異、です。判別式の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、直後1分足・直後11分足の方向一致率は、それぞれ81%・77%となります。
ーーー$€¥ーーー
前週に発表された同月集計分のCB消費者信頼感指数と本指標との相関について調べておきました。
調査期間は2015年1月〜2015年10月分までの33回分について、両指標の実態差異(発表結果ー前回結果)の方向一致率は38%しかありません。
よって、同じ非製造業景況指数でも、CBとISMとは指標結果の対前月結果との良し悪しに相関がありません。反応方向に至っては、CBと逆方向にポジションを持った方が良いぐらいです。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が8pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去9回(頻度26%)あります。
この9回の直後1分足跳幅は20pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均15pipsよりやや大きくなっています。また、この9回の直前10-1分足と直後1分足の方向は7回(78%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が10pips以上跳ねるときには、直後1分足がその方向にやや大きく反応する可能性が高い、と言えます。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は5pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去1回(頻度3%)あります。
この1回の直後1分足跳幅は15pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均15pipsと同値です。また、この1回の直前1分足と直後1分足の方向は一致しています。
対象事例が1回しかないものの、前述の直前10-1分足と同様に、指標発表前に大きく動くときは、指標発表後の反応方向を示唆している可能性があります。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は4pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率27%)です。直後11分足のそれは6pips(戻り比率27%)です。戻り比率はあまり大きくありません。追撃しやすい指標です。
【3. 定型分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事前差異のマイナス率が70%で、これは異常な偏りです。市場予想は前回結果よりも低く見込まれがちです。
事前差異と直前1分足の方向一致率は77%です。また、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ81%・77%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しに、素直に反応する指標です。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足の陰線率が83%と、異常な偏りが見受けられます。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が81%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
最後に、反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は81%です。そして、その81%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは88%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは48%です。つまり、そこから反応を伸ばすかどうかわからない、ということです。早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら早めに利確した方が良いということです。
この結果は、巻頭に挙げた相関分布の結論と、一見、矛盾しています。
がしかし、巻頭に挙げた回帰式の係数が1を上回っていることは、平均的に反応を伸ばしていることを示しています。でも、本反応性分析で、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていないのは回数です。
矛盾はありません。
では、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたいた回数が少ないのに、平均pipsが伸びていていたことが多いというのはどういうことでしょう。反応を伸ばすときは大きいものの、伸ばさないときの方が多い、ということです。
【4. シナリオ作成】
本指標の特徴は以下の通りです。
- 本指標には妙な特徴があります。
市場予想が前回結果より低めになりがち(70%)です。がしかし、実際の発表結果が前回結果を下回ったことは41%です。
こうした特徴を持った指標はあまり見当たりません。市場予想がアテにならない指標だと言っても良いでしょう。 - 過去の傾向では、反応方向が素直なものの、反応程度があまり大きくありません。本指標発表後は、反応を伸ばすときこそ大きく伸ばすものの、伸ばさないときの方が多くなっています。
利確や損切の目安は10pips程度と見込み、反応を伸ばしそうなときは短期取引を繰り返した方が良さそうです。直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは48%です。 - 本指標に先立って同月集計分が発表されているUM消費者信頼感指数速報値やCB消費者信頼感指数との実態差異方向一致率は高くありません。
特に、前週に発表された同月集計分のCB消費者信頼感指数と本指標との方向一致率は38%しかありません。
以上の本指標特徴を踏まえ、以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前1分足は陰線と見込みます。
論拠は過去の陰線率が86%もあるため、です。 - 直後1分足は陽線と見込みます。但し、直前10-1分足か直前1分足が10pips以上跳ねた場合は、その跳ねた方向に直後1分足も跳ねると見込みます。
本指標は市場予想が低めになりがちで、発表結果が市場予想を上回れば陽線で反応しがちです。期待値の点で、有利な方に見込む訳です。 - 指標発表後の追撃は、順張り早期開始して、さっさと利確します。複数回の追撃を行う場合も短期取引の繰り返しで行います。
以上
2017年12月5日24:00発表
以下は2017年12月10日に追記しています。
V.発表結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・予想を下回り、反応は陰線でした。
景況指数のグラフは、前回が60.1とかなり良い数字だったこともあり、今回かなり大きな落ち込みです。その他、事業活動も新規受注も雇用指数も価格指数も、軒並み今回は前回を下回りました。
さて、それらを総合した実態差異は△20.7となっています。本指標の実態差異判別式は、事前分析に示した通り、4✕景況指数の差異+2✕事業活動の差異、でした。この判別式の解が+20を上回るか△20を下回ったことは、今回を除いて過去に14回(頻度41%)あります。そして、この判別式の解が+20を上回るか△20を下回った翌月は、実態差異判別式の解の符号が前月と反転したことが12回(反転率86%)あります。
つまり、来月は本指標実態差異がプラス化する期待的中率が86%となります。
本指標は、そういう意味(実態差異が+20を上回るか△20を下回るかしたこと)で、翌月発表が前月の反動で反転します。覚えておきましょう。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
同じ11月集計分のUM消費者信頼感指数速報値は前回を下回り、CB消費者信頼感指数は前回を上回っていました。相変わらず、それら指標と本指標との実態差異の方向一致率は高くありません。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオには問題ありません。
個々に負けることがあっても、もともと期待的中率70%以上の取引基準を用いているため、連敗が続かない限り、見直す必要はありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
2017年は、本指標でほぼ毎月11回の取引を行いました。結果、指標単位では10勝1敗(勝率91%)、シナリオ単位では25勝8敗(勝率76%)でした。1回の取引で平均7分5秒を要して、年間66pipsを稼いでいます。これは、1回当たり+11pipsで、本指標への反応の過去平均値(直後1分足値幅が11pips、直後11分足値幅が16pips)であることを踏まえると、悪くありません。
2018年も今年と同様の取引方法でやっていきましょう。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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