2017年06月14日
豪州雇用指標発表前後のAUDJPY反応分析(2017年6月15日10:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月15日10:30に豪州雇用指標「失業率・新規雇用者数・常勤雇用者数・労働参加率」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
次に指標定型分析の結果は次の通りです。
以上の結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
新規雇用者数の調査は、事業者の給与支払い帳簿を基に集計したものです。指標の良し悪しを見る上で、豪州人口が自然増であることや毎月の離職者も存在することを踏まえると、+1万人ぐらいが中立的な数字ではないでしょうか。同時に、常勤雇用者数・労働参加率・失業率も発表されています。
豪統計局が翌月中旬に発表しています。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
失業率と労働参加率は、典型的な市場予想後追い型の指標です。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いのです。
但し、いずれも2016年8月頃に数値が最小となった、と見なすと、今回は市場予想を発表結果が上回ることになります。
がしかし、失業率の数字が市場予想を上回ることと、労働参加率が市場予想を上回ることは、反応方向としては逆向きになってしまいます。
よって、今回はこの方法で指標結果を見切ることは不適切です。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは52%、終値同士で反応が伸びたことは56%となっています。
この数字を見る限り、指標結果が良ければ素直に反応するものの、追撃がかなり難しそうです。もし追撃するなら、過去平均の反応pipsを頭に入れておき、高値掴み・安値掴みをしないように気を付けないといけませんね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前10-1分足とそれ以降のローソク足との方向一致率は、いずれも50%近辺となっており、指標発表前に発表後の反応方向を読み取れている兆候はありません。
そして、直前1分足の陰線率は88%、直後1分足の陽線率は71%となっています。その結果、直前1分足と直後1分足の方向一致率は23%(不一致率77%)となっています。
また、直後1分足の陽線率が71%で、直後1分足と直後11分足の方向一致率が81%なので、指標発表後に反応方向が反転することはあまり心配しなくて良いようです。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
本指標での事前差異・事後差異・実態差異は、各項目の差異を加えて求めています。但し、失業率には(−1)を掛けており、常勤雇用者数には市場予想がないので影響が実態差異だけに現れます。
項目毎の直後1分足との方向一致率は、新規雇用者数が82%>失業率が73%>労働参加率が64%、の順に寄与しています。この比率は過去28回分のデータから求めています。
事前差異は、各ローソク足との方向一致率に目立った偏りがありません。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各79%・81%となっています。市場予想の多寡に応じて素直に反応しています。
実態差異は、直後1分足との方向一致率が68%になっています。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月15日12時頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
失業率・新規雇用者数・常勤雇用者数がいずれも改善しています。失業率は2013年2月以来の水準に到達し、常勤雇用者の増加も堅調です。
一部記事では「RBAが利上げを急いでいないことを先月のRBA声明で確認できていたので、これで年内利下げという見方も打ち消せたのではないか」という解説もありました。
反応は陽線で、直後1分足・直後11分足の跳値同士・終値同士も反応を伸ばしました。
取引できませんでした。
直前1分足が陰線、直後1分足が陽線で、分析通りです。
直後11分足は直後1分足よりも跳値同士・終値同士で反応を伸ばしており、追撃しやすかったでしょう。
分析通りだったのに取引できず残念です。
問題ありません。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月15日10:30に豪州雇用指標「失業率・新規雇用者数・常勤雇用者数・労働参加率」が発表されます。今回発表は2017年5月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
まず、本指標で取引する上での注意点です。
- 反応は、直後1分足跳幅の過去平均が36pipsと大きく、86%が19pips以上・39%が平均以上の反応となります。18%は50pipsを超えるので、指標発表を跨いでポジションを持つ場合には注意が必要です。
- 各項目毎の直後1分足との方向一致率への寄与は、新規雇用者数>失業率>労働参加率、の順となっています。
過去28回のデータに依れば、寄与度は新規雇用者数が市場予想より1万人多ければ、失業率が0.9%増か、労働参加率0.8%減でキャンセルされます(直後1分足終値が計算上は陽線にも陰線にもならない)。 - 指標発表後の反応は、発表時点から見て同方向に留まりがち(陽線なら陽線のまま)ですが、発表から1分を過ぎて反応が伸びるか否かは予想できない指標です。
次に指標定型分析の結果は次の通りです。
- 反応性分析の結果は次の通りです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは52%、終値同士で反応が伸びたことは56%となっています。
この数字を見る限り、指標結果が良ければ素直に反応するものの、追撃がかなり難しそうです。もし追撃するなら、過去平均の反応pipsを頭に入れておき、高値掴み・安値掴みをしないように気を付けないといけませんね。 - 反応一致性分析の結果は次の通りです。
直前10-1分足とそれ以降のローソク足との方向一致率は、いずれも50%近辺となっており、指標発表前に発表後の反応方向を読み取れている兆候はありません。
そして、直前1分足の陰線率は88%、直後1分足の陽線率は71%となっています。その結果、直前1分足と直後1分足の方向一致率は23%(不一致率77%)となっています。
また、直後1分足の陽線率が71%で、直後1分足と直後11分足の方向一致率が81%なので、指標発表後に反応方向が反転することはあまり心配しなくて良いようです。 - 指標一致性分析の結果は次の通りです。
事前差異は、各ローソク足との方向一致率に目立った偏りがありません。指標発表前に発表後の反応方向を参加者が掴んでいる兆候はありません。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各79%・81%となっています。市場予想の多寡に応じて素直に反応しています。
実態差異は、直後1分足との方向一致率が68%になっています。
以上の結果に基づき以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前1分足は陰線と見込みます。
- 直後1分足は陽線と見込みます。
但し、直前1分足が陽線で終わりそうな場合、一部分析に矛盾が生じているので、ポジション取得を諦めます。 - 追撃は反応方向確認次第、短時間とします。
再度・再々度の追撃は、高値(安値)掴みに気を付けて、慎重に行う必要があります。高値(安値)掴みとは、指標発表直前から27pips(直後1分足の値幅平均値)離れた点と見なしておきます。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
新規雇用者数の調査は、事業者の給与支払い帳簿を基に集計したものです。指標の良し悪しを見る上で、豪州人口が自然増であることや毎月の離職者も存在することを踏まえると、+1万人ぐらいが中立的な数字ではないでしょうか。同時に、常勤雇用者数・労働参加率・失業率も発表されています。
豪統計局が翌月中旬に発表しています。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの28回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
失業率と労働参加率は、典型的な市場予想後追い型の指標です。
市場予想後追い型とは、実際には市場予想の方が発表結果よりも先に公表されているにも関わらず、後からそれらをプロットしたグラフを見ると、いかにも市場予想の方が発表結果を追従しているように見える指標です。こうした指標では、直近の指標発表結果が上昇・下降しているとき、市場予想をオーバーシュートした発表結果となることが多いのです。
但し、いずれも2016年8月頃に数値が最小となった、と見なすと、今回は市場予想を発表結果が上回ることになります。
がしかし、失業率の数字が市場予想を上回ることと、労働参加率が市場予想を上回ることは、反応方向としては逆向きになってしまいます。
よって、今回はこの方法で指標結果を見切ることは不適切です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは52%、終値同士で反応が伸びたことは56%となっています。
この数字を見る限り、指標結果が良ければ素直に反応するものの、追撃がかなり難しそうです。もし追撃するなら、過去平均の反応pipsを頭に入れておき、高値掴み・安値掴みをしないように気を付けないといけませんね。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前10-1分足とそれ以降のローソク足との方向一致率は、いずれも50%近辺となっており、指標発表前に発表後の反応方向を読み取れている兆候はありません。
そして、直前1分足の陰線率は88%、直後1分足の陽線率は71%となっています。その結果、直前1分足と直後1分足の方向一致率は23%(不一致率77%)となっています。
また、直後1分足の陽線率が71%で、直後1分足と直後11分足の方向一致率が81%なので、指標発表後に反応方向が反転することはあまり心配しなくて良いようです。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
本指標での事前差異・事後差異・実態差異は、各項目の差異を加えて求めています。但し、失業率には(−1)を掛けており、常勤雇用者数には市場予想がないので影響が実態差異だけに現れます。
項目毎の直後1分足との方向一致率は、新規雇用者数が82%>失業率が73%>労働参加率が64%、の順に寄与しています。この比率は過去28回分のデータから求めています。
事前差異は、各ローソク足との方向一致率に目立った偏りがありません。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が各79%・81%となっています。市場予想の多寡に応じて素直に反応しています。
実態差異は、直後1分足との方向一致率が68%になっています。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月15日10:30発表
以下は2017年6月15日12時頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
失業率・新規雇用者数・常勤雇用者数がいずれも改善しています。失業率は2013年2月以来の水準に到達し、常勤雇用者の増加も堅調です。
一部記事では「RBAが利上げを急いでいないことを先月のRBA声明で確認できていたので、これで年内利下げという見方も打ち消せたのではないか」という解説もありました。
反応は陽線で、直後1分足・直後11分足の跳値同士・終値同士も反応を伸ばしました。
(5-2. 取引結果)
取引できませんでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
直前1分足が陰線、直後1分足が陽線で、分析通りです。
直後11分足は直後1分足よりも跳値同士・終値同士で反応を伸ばしており、追撃しやすかったでしょう。
分析通りだったのに取引できず残念です。
(6-2. シナリオ検証)
問題ありません。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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