2017年06月04日
豪州金融政策「RBA政策金利」発表前後のAUDJPY反応分析(2017年6月6日13:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月6日13:30に豪州金融政策「RBA政策金利」が発表されます。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
但し、上表は金利改定のときも含めています。今回の市場予想は現状維持であり、おそらくその通りになるでしょう。そこで、下表に「市場予想通り現状維持」のときの集計結果を纏めておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
次に指標について、です。
そして、取引のシナリオです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
RBAとはオーストラリア準備銀行(Reserve Bank Of Australia)のことで、日本の日銀に相当します。RBAの金融政策は、金融政策決定理事会で決定されます。金融政策決定理事会は近年1月を除き毎月第1火曜日に実施されます。
金融政策は、物価を適正水準に保つため中央銀行が行う経済政策です。政策には金融緩和か金融引締という施策があって、政策金利もそのひとつと言えます。
現在、主要先進国で為替レートを適正水準に保とうとする行為は、それがその国の通貨を安くする場合に表向き否定されがちです。がしかし、現実問題として金利が動けば、金利差が広がったときに資金は金利の高い方へと移動します。そして、政策金利を動かした国の通貨の為替レートが動きます。
以下の調査分析範囲は、2014年12月分以降前回までの22回分の「市場予想通り現状維持」だったときのデータに基づいています。但し、ローソク足は、「市場予想通り金利改定」「市場予想に反して金利改定」「市場予想に反して現状維持」の場合も含めて表示しています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
図中、2015年2月・2016年5月は、市場予想に反して利下げが行われました。
また、2015年4月・2016年8月は、市場予想通り利下げが行われました。
2015年3月は、市場予想に反して現状維持でした。
5月16日に発表された議事録では「賃金の伸びが低調な時期が続く可能性」に触れたことで、従来より更にネガティブな内容が補足された、と見なされたようです。結果は陽線での反応でした。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは71%、終値同士で反応が伸びたことは65%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直後1分足は、陽線率が73%で、直前1分足との方向一致率が25%(不一致率75%)となっています。つまり、直前1分足が陰線のとき直後1分足が陽線となる可能性が高まります。直前1分足が陽線になりそうなら、取引は控えます。
また、直後11分足の陽線率が81%となっています。
市場予想に反してどうにかなる事例が少ないため、指標一致性分析は省略します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月7日に追記しています。
結果は「市場予想通り現状維持」でした。
以下、今回のRBA政策金利発表時の声明ざっくり版です。ぱっぱと適当に訳して頭を整理するために順序も入れ替えているので、正確な翻訳は別を当たってください。
前月までの声明とほぼ変わりありません。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引できませんでした。
市場予想通り現状維持でした。
取引できませんでしたが、検証しておきます。
直後1分足は、直前1分足が陽線だったので、取引しなかったはずです。
直後11分足は、反応が伸びているので利確できたでしょう。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月6日13:30に豪州金融政策「RBA政策金利」が発表されます。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
但し、上表は金利改定のときも含めています。今回の市場予想は現状維持であり、おそらくその通りになるでしょう。そこで、下表に「市場予想通り現状維持」のときの集計結果を纏めておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
- 「市場予想通り現状維持」とは考えているものの、政策金利発表なので万が一の場合があります。もし、市場予想を裏切った場合、大きく反応するので気を付けましょう。RBAは、市場との対話で信用できる中銀ではありません(信用できない中銀です)。
- 直近で「市場予想に反して金利改定」が行われたのは、2015年2月・2016年5月があります。前者は、発表直前1分足跳幅が60pips強の陰線となっており、明らかに異常な動きです。
また、2015年3月は「市場予想に反して現状維持」でした。このときも発表直前1分足跳幅が50pips強の陽線となっています。
本発表で予想外の結果となるとき、発表直前に不自然な動きを見せたことが過去にありました。このことは覚えておきましょう。 - ここ最近は定時になっても反応が鈍い傾向があります。正確な発表時刻が確認できていないものの、発表が遅れているか、同時発表される声明の解釈に手間取っている可能性があります。
次に指標について、です。
- 市場予想は現状維持です。
確か、前回発表時には、年内の利上げ確率が低下した、との解説記事がありました。
直近8回の発表も「市場予想通り現状維持」です。その8回の反応は陽線が4回・陰線が4回となっており、今回のヒントにはなりません。前回発表時は陽線でした。 - 同時発表される声明では、AUD高への牽制が定番で、現状政策の維持が中銀目標達成に適う、という内容でしょう。
5月16日に発表された前回議事録では「賃金の伸びが低調な時期が続く可能性」に触れたことで、従来より更にネガティブな内容が補足された、と見なされました。議事録公表時の反応は陽線でした。
今回の声明では、米利上げ・FRB資産縮小に向けた動きを、RBAがどう解釈しているかがポイントと思われます。 - 直後1分足と直後11分足との方向一致率は81%です。方向一致時の直後1分足と直後11分足を比較すると、跳値同士で反応が伸びたことは71%、終値同士で反応が伸びたことは65%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。
そして、取引のシナリオです。
- 直後1分足は、陽線率が73%で、直前1分足との方向一致率が25%(不一致率75%)となっています。つまり、直前1分足が陰線のとき直後1分足が陽線となる可能性が高まります。直前1分足が陽線になりそうなら、取引は控えます。
- 初期反応を確認したら追撃し、直後11分足跳値を狙います。但し、直後1分足終値を直後11分足終値が超える確率は、さほど安心できる数字ではありません。追撃ポジションは、発表後に0-2分以内に取って、山・谷を形成することが多い3-5分後に利確するイメージで臨みます。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
RBAとはオーストラリア準備銀行(Reserve Bank Of Australia)のことで、日本の日銀に相当します。RBAの金融政策は、金融政策決定理事会で決定されます。金融政策決定理事会は近年1月を除き毎月第1火曜日に実施されます。
金融政策は、物価を適正水準に保つため中央銀行が行う経済政策です。政策には金融緩和か金融引締という施策があって、政策金利もそのひとつと言えます。
現在、主要先進国で為替レートを適正水準に保とうとする行為は、それがその国の通貨を安くする場合に表向き否定されがちです。がしかし、現実問題として金利が動けば、金利差が広がったときに資金は金利の高い方へと移動します。そして、政策金利を動かした国の通貨の為替レートが動きます。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2014年12月分以降前回までの22回分の「市場予想通り現状維持」だったときのデータに基づいています。但し、ローソク足は、「市場予想通り金利改定」「市場予想に反して金利改定」「市場予想に反して現状維持」の場合も含めて表示しています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
図中、2015年2月・2016年5月は、市場予想に反して利下げが行われました。
また、2015年4月・2016年8月は、市場予想通り利下げが行われました。
2015年3月は、市場予想に反して現状維持でした。
5月16日に発表された議事録では「賃金の伸びが低調な時期が続く可能性」に触れたことで、従来より更にネガティブな内容が補足された、と見なされたようです。結果は陽線での反応でした。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が81%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは71%、終値同士で反応が伸びたことは65%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直後1分足は、陽線率が73%で、直前1分足との方向一致率が25%(不一致率75%)となっています。つまり、直前1分足が陰線のとき直後1分足が陽線となる可能性が高まります。直前1分足が陽線になりそうなら、取引は控えます。
また、直後11分足の陽線率が81%となっています。
(3-3. 指標一致性分析)
市場予想に反してどうにかなる事例が少ないため、指標一致性分析は省略します。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月6日13;30発表
以下は2017年6月7日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
結果は「市場予想通り現状維持」でした。
以下、今回のRBA政策金利発表時の声明ざっくり版です。ぱっぱと適当に訳して頭を整理するために順序も入れ替えているので、正確な翻訳は別を当たってください。
- 政策理事会は政策金利を1.50%に据え置くことを決定した。
- まず、世界経済は引き続き幅広く上向いている。
多くの国で労働市場が一段とタイト化し、経済成長の見通しは昨年から上方修正された。
先進国経済の多くはトレンドを上回るペースでの成長が見込まれる。 - 豪州経済は、1-3月期経済成長率が前年同期比で減速したとみられる。今後数年間の経済成長率は緩やかに上昇し、3%を若干上回る水準に達することが引き続き予想される。
鉱業投資ブーム後の低調な鉱業投資への移行をほぼ完了し、事業環境が改善して設備稼働率も上昇した。特に、鉱業投資の減少の影響を直接的に受けない地域では、企業投資は回復している。
経済の加速に伴いインフレ率は徐々に上昇すると予想される。実質賃金の緩慢な伸びが家計消費の増加を抑制している。今後の見通しは引き続き低水準の金利に支援されている。
2013年以降の通貨安も、鉱業投資ブーム後の移行期の経済を支えている。通貨高はこの調整を複雑にする可能性がある。 - コモディティー価格が1年前に比べて概ね上昇した結果、豪州の国民所得を押し上げた。その一方、ここ数か月は鉄鉱石と石炭の価格が下落しており、これまでの上昇幅の一部を削っている。
過去1年間のインフレ率は、コモディティー価格の上昇によって大半の国で上昇した。但し、コアインフレ率は依然として低水準で、長期債利回りも同様に低水準となっている。 - 労働市場の状態を示す指標は依然としてまちまちだ。
ここ数か月の雇用は堅調に伸びているものの、総労働時間の伸びは依然として鈍い。先行きに関するさまざまな指標は引き続き今後の雇用の継続的な伸びを示している。
賃金の伸びは依然として鈍く、当分はこうした状況が続く可能性がある。 - 住宅市場の状況は地域によってかなりばらつきがある。
一部の地域では価格が大幅に上昇しているが、価格が下落している地域もある。家賃は20年ぶりの緩やかな伸びとなっており、家計の住宅ローン借り入れの増加ペースは、家計所得の鈍い伸びを上回っている。規制当局による最近の措置は、高水準の債務と債務増に伴うリスクへの対応に寄与するだろう。また銀行も投資家向けと、利息のみの返済が可能なローンとを中心に、住宅ローン金利の引き上げを発表した。 - 以上の入手可能な情報を踏まえ、理事会は今回の会合で金融政策スタンスを維持することが、持続可能な経済成長およびインフレ目標の達成と整合的、と判断した。
前月までの声明とほぼ変わりありません。
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(5-2. 取引結果)
取引できませんでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
市場予想通り現状維持でした。
(6-2. シナリオ検証)
取引できませんでしたが、検証しておきます。
直後1分足は、直前1分足が陽線だったので、取引しなかったはずです。
直後11分足は、反応が伸びているので利確できたでしょう。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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