2017年06月04日
豪州経済指標「四半期GDP」発表前後のAUDJPY反応分析(2017年6月7日10:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月7日10:30に豪州経済指標「四半期GDP」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
次に指標について、です。
シナリオは次の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
以下はマクロ視点での豪州経済への私見です。一読したらきっぱり忘れてもらって結構です。
豪州経済の特徴は、意外なことにGDPの約70%をサービス業が担っています。農業及び工業セクターはGDPの10%程度しかありません。但し、輸出額の50%以上はこのセクターで稼いでいます。豪州は資源輸出で稼ぐイメージが強いため、この数字を見て意外に思う方も多いようです。
数年前までは、高い成長率の原因として外資流入と中国向け資源輸出が強調されていました。一方、ここ数年は豪州自身よりも中国経済の成長率鈍化の影響で、先行き悪化が強調され過ぎていたように思えます。
こうしたイメージとは異なり、経済実態は小売売上高や消費支出が長期的に拡大傾向と見なされています。
裏付けとしては、豪州が毎年約20万人の移民を受け入れており、2050年までに約40%の人口増加が見込まれていること(何と40%の人口増です)、を挙げることができます。これだけ人口が増えるのなら、それが内需を強く牽引するでしょう。
また、豪州は公的債務残高が非常に低いという特徴があります。
でもまぁ、マクロ視点はこのブログで取り上げているような個々の取引に役立たないのですが。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が94%です。つまり、過去実績から言えばほぼ反転しません。
そして、方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士を比べると反応が伸びたことは53%、終値同士を比べて反応が伸びたことは60%です。この数字では発表後に反応を見てから追撃ポジションと取るのが難しい、と言えるでしょう。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足を見てください。陽線になったことがない。だからと言って今回も陰線になるとは限りませんが、指標発表直後に陽線に跳ねると読んでいたとしても、ポジションを持つのはぎりぎりまで待った方が良さそうです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは%、終値同士で反応が伸びたことは%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が100%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
また、本指標での各差異は、前年比の差異と前月比の差異を加えて求めています。
事前差異は、各ローソク足と70%以上ないしは30%未満となる関係がありません。ただ、70%には未達なものの、事前差異と直前10-1分足との方向一致率が67%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直前10-1分足は陰線の可能性が高い、ということになります。
事後差異・実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が極めて高くなっています。反応は非常に素直です。
特に、発表結果が前回結果を上回れば(下回れば)直後11分足は陽線(陰線)となったことが、調査期間において100%です。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月7日12:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は、前期比・前年比ともに前回結果を下回り、市場予想を上回りました。
前期比については、前日RBA政策金利発表時の声明で触れられていたように、下振れとなっています。がしかし、確かに前回結果を下回ったものの、市場予想を上回った訳ですから、取引を行う人にとってはノイズでした。
内訳は、消費・物価・雇用のいずれも前回結果を下回っていました。
反応は、直前1分足が陰線、直後1分足・直後11分足が陽線でした。市場予想を上回る結果なので、この反応には違和感はありません。
取引結果は次の通りでした。
問題ありません。
反応は、直前1分足は陰線、直後1分足と直後11分足が発表結果に対し素直な陽線となりました。直後1分足と直後11分足は方向一致の上、跳値同士・終値同士を比べて反応が伸びませんでした。
問題ありません。
これも問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月7日10:30に豪州経済指標「四半期GDP」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。
- 指標発表の影響が最も顕著に現れる直後1分足跳足は、平均37pipsとなっています。過去16回の発表でこの平均値を超えたことが50%となっています。がしかし、過去平均の1.5倍(56pips)を超えたことはありません。直後1分足跳幅が最大だったときは57pips(前回2016年7-9月期)です。
つまり、安定して反応が大きな指標であり、それだけにポジションを持つには注意が必要です。 - 後掲する直前1分足を見てください。調査期間において陽線になったことがありません。だからと言って今回も陰線になるとは限りませんが、指標発表直後に陽線に跳ねると読んでいるなら、ポジションを持つのは指標発表直前まで待った方が良さそうです。
- 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が94%です。つまり、過去実績から言えばほぼ反転しません。
がしかし、方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士を比べると反応が伸びたことは53%、終値同士を比べて反応が伸びたことは60%です。
つまり、この数字から言って、発表後に反応を見てから追撃ポジションを取るのが難しい指標です。
次に指標について、です。
- 事前差異は、各ローソク足と70%以上ないしは30%未満となる関係がありません。
ただ、70%には未達なものの、事前差異と直前10-1分足との方向一致率が67%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直前10-1分足は陰線の可能性が高い、ということになります(今回のような事前差異ならば3回に2回は陰線)。ご参考までに記しましたが、本ブログでのポジション取得基準に達しないため、この期間は取引しません。 - 事後差異・実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が極めて高くなっています。
本指標は発表結果の良し悪しに対して非常に素直に反応します。
特に直後11分足は、実態差異との方向一致率が調査期間において100%です。
シナリオは次の通りです。
- 直前1分足は、調査期間において陽線になったことがありません。ただ、過去平均跳幅は5pipsしかないので、利確できるときにしておきましょう。
- 反応方向を確認後、反発して押し目を形成するようなら、追撃ポジションを取り、短期利確を狙います。
直後1分足と直後11分足を比較し、跳値が伸びたことも終値が伸びたことも、ほぼ2回に1回しかありません。高値(安値)掴みをしないように気をつけてください。
大きく反応する指標ではあっても、追撃が難しく稼ぎにくい指標ですね。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
以下はマクロ視点での豪州経済への私見です。一読したらきっぱり忘れてもらって結構です。
豪州経済の特徴は、意外なことにGDPの約70%をサービス業が担っています。農業及び工業セクターはGDPの10%程度しかありません。但し、輸出額の50%以上はこのセクターで稼いでいます。豪州は資源輸出で稼ぐイメージが強いため、この数字を見て意外に思う方も多いようです。
数年前までは、高い成長率の原因として外資流入と中国向け資源輸出が強調されていました。一方、ここ数年は豪州自身よりも中国経済の成長率鈍化の影響で、先行き悪化が強調され過ぎていたように思えます。
こうしたイメージとは異なり、経済実態は小売売上高や消費支出が長期的に拡大傾向と見なされています。
裏付けとしては、豪州が毎年約20万人の移民を受け入れており、2050年までに約40%の人口増加が見込まれていること(何と40%の人口増です)、を挙げることができます。これだけ人口が増えるのなら、それが内需を強く牽引するでしょう。
また、豪州は公的債務残高が非常に低いという特徴があります。
でもまぁ、マクロ視点はこのブログで取り上げているような個々の取引に役立たないのですが。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が94%です。つまり、過去実績から言えばほぼ反転しません。
そして、方向一致時に直後1分足と直後11分足の跳値同士を比べると反応が伸びたことは53%、終値同士を比べて反応が伸びたことは60%です。この数字では発表後に反応を見てから追撃ポジションと取るのが難しい、と言えるでしょう。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足を見てください。陽線になったことがない。だからと言って今回も陰線になるとは限りませんが、指標発表直後に陽線に跳ねると読んでいたとしても、ポジションを持つのはぎりぎりまで待った方が良さそうです。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは%、終値同士で反応が伸びたことは%となっています。
つまり、確率的には反応方向が確認でき次第、追撃ポジションを取得して直後11分足跳値を狙うのに適した数値となっています。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前1分足は陰線率が100%です。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
また、本指標での各差異は、前年比の差異と前月比の差異を加えて求めています。
事前差異は、各ローソク足と70%以上ないしは30%未満となる関係がありません。ただ、70%には未達なものの、事前差異と直前10-1分足との方向一致率が67%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直前10-1分足は陰線の可能性が高い、ということになります。
事後差異・実態差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率が極めて高くなっています。反応は非常に素直です。
特に、発表結果が前回結果を上回れば(下回れば)直後11分足は陽線(陰線)となったことが、調査期間において100%です。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年6月7日10:30発表
以下は2017年6月7日12:00頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は、前期比・前年比ともに前回結果を下回り、市場予想を上回りました。
前期比については、前日RBA政策金利発表時の声明で触れられていたように、下振れとなっています。がしかし、確かに前回結果を下回ったものの、市場予想を上回った訳ですから、取引を行う人にとってはノイズでした。
内訳は、消費・物価・雇用のいずれも前回結果を下回っていました。
反応は、直前1分足が陰線、直後1分足・直後11分足が陽線でした。市場予想を上回る結果なので、この反応には違和感はありません。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
問題ありません。
反応は、直前1分足は陰線、直後1分足と直後11分足が発表結果に対し素直な陽線となりました。直後1分足と直後11分足は方向一致の上、跳値同士・終値同士を比べて反応が伸びませんでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
問題ありません。
(6-2. シナリオ検証)
これも問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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