2017年04月25日
豪州物価指標「四半期CPI」発表前後のAUDJPY反応分析(2017年4月26日10:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月26日10:30に豪州物価指標「四半期CPI」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
上表において過去の反応分布「平均の2倍」の項が間違っていました。平均の2倍は92pipsで、過去に92pipsを超えて反応したことはありません。
ともあれ、かなり大きく反応する指標だと言えるでしょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
本指標の意義は、RBA(豪中銀)の金融政策に影響を与える点です。RBAが目標とする消費者物価指数は2〜3%ということが公表されています。
本指標は豪州統計局から四半期ごとの翌月下旬に発表されます。
以下の調査分析範囲は、2013年1-3月期分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前期比が0.6%、前年比が2.2%で、いずれも前回結果を上回っています。前期比が小幅改善、前年比が大幅改善と予想されています。
関連指標を見ておきましょう。
まず先に、AUDUSDは、昨年1-3月期が始値0.73・高値0.77・安値0.68・終値0.77、前期10-12月期は始値0.77・高値0.78・安値0.72・終値0.72で、1-3月期の始値0.72・高値0.77・安値0.72・終値0.76です。平均的には、僅かに今期間の方が高いようです。
面倒な為替レートの影響を、今回発表ではあまり考慮しなくて済みそうです。
次に、NAB企業景況感を見ると、今年の1-3月>前年1-3月>昨年10-12月となっています。この順位は、今回の市場予想と一致しています。
RBAは、先週発表された金融政策決定理事会議事録で「CPIの伸び率は2017年に2%を上回り、コアインフレはそれより緩やかになる」と見通しを述べています。今回の市場予想がいきなり2%を超えるのは拙速な気もします。
つまり、今回の発表では、前期比が市場予想以上、前年比は市場予想未満で前回結果より改善、といったところではないでしょうか。予想は陽線ですが、前年比が市場予想を上回らないと考えるので、過去平均よりも小さな反応を予想しています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は、長い上ヒゲが目立ちます。陽線側に振れても追いかけない方が無難です。
逆に、直後11分足にはヒゲがあまり目立ちません。発表後11分を過ぎても、同じ方向に反応が伸びているため、と考えられます。
過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが75%です。反応方向がわかったら追撃ポジションを取りましょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は、陰線率が86%となっています。
また、直後1分足は、直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率75%)となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異は、どの時間足との相関も高くありません。市場予想はアテになりません。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ67%・80%です。だいたい素直に反応する指標です。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年4月28日12:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
指標結果と反応との関係は、こちらの「2-3. 悪い奴らは居なかった」に纏めています。
直後1分足の上ヒゲにやられました。こんなこともあります。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月26日10:30に豪州物価指標「四半期CPI」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
上表において過去の反応分布「平均の2倍」の項が間違っていました。平均の2倍は92pipsで、過去に92pipsを超えて反応したことはありません。
ともあれ、かなり大きく反応する指標だと言えるでしょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標で取引する上での注意点です。
(1) 事前差異は、どのローソク足との相関も高くありません。本指標の市場予想はアテになりません。また、事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ67%・80%です。発表結果に対しては、だいたい素直に反応する指標です。
(2) 直前10-1分足は、長い上ヒゲが目立ちます。だから、もし陽線側に振れてもあわてて連られて追いかけない方が無難です。
(3) 直後11分足にはヒゲがあまり目立ちません。発表後11分を過ぎても、同じ方向に反応が伸びているため、と考えられます。追撃ポジションを取ったら、場合によっては十分注意した上で、ポジション解消を遅らせた方が良いかも知れません。 - 指標については次の通りです。
今回の発表では、前期比が市場予想以上、前年比は市場予想未満で前回結果より改善、といったところではないでしょうか。予想は陽線ですが、前年比が市場予想を上回らないと考えるので、過去平均よりも小さな反応を予想しています。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が86%となっています。
(2) 直後1分足は、反応一致性分析の結果、直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率75%)となっています。大きく反応する指標なので、早くから指標発表前にそれまでのポジション解消が行われがちなのでしょう。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが75%です。反応方向がわかったら追撃ポジションを取りましょう。
T.調査
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
【1. 指標概要】
本指標の意義は、RBA(豪中銀)の金融政策に影響を与える点です。RBAが目標とする消費者物価指数は2〜3%ということが公表されています。
本指標は豪州統計局から四半期ごとの翌月下旬に発表されます。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2013年1-3月期分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は、前期比が0.6%、前年比が2.2%で、いずれも前回結果を上回っています。前期比が小幅改善、前年比が大幅改善と予想されています。
関連指標を見ておきましょう。
まず先に、AUDUSDは、昨年1-3月期が始値0.73・高値0.77・安値0.68・終値0.77、前期10-12月期は始値0.77・高値0.78・安値0.72・終値0.72で、1-3月期の始値0.72・高値0.77・安値0.72・終値0.76です。平均的には、僅かに今期間の方が高いようです。
面倒な為替レートの影響を、今回発表ではあまり考慮しなくて済みそうです。
次に、NAB企業景況感を見ると、今年の1-3月>前年1-3月>昨年10-12月となっています。この順位は、今回の市場予想と一致しています。
RBAは、先週発表された金融政策決定理事会議事録で「CPIの伸び率は2017年に2%を上回り、コアインフレはそれより緩やかになる」と見通しを述べています。今回の市場予想がいきなり2%を超えるのは拙速な気もします。
つまり、今回の発表では、前期比が市場予想以上、前年比は市場予想未満で前回結果より改善、といったところではないでしょうか。予想は陽線ですが、前年比が市場予想を上回らないと考えるので、過去平均よりも小さな反応を予想しています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足は、長い上ヒゲが目立ちます。陽線側に振れても追いかけない方が無難です。
逆に、直後11分足にはヒゲがあまり目立ちません。発表後11分を過ぎても、同じ方向に反応が伸びているため、と考えられます。
U. 分析
過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが75%です。反応方向がわかったら追撃ポジションを取りましょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は、陰線率が86%となっています。
また、直後1分足は、直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率75%)となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異は、どの時間足との相関も高くありません。市場予想はアテになりません。
事後差異は、直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ67%・80%です。だいたい素直に反応する指標です。
【6. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年4月26日10:30発表
以下は2017年4月28日12:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
指標結果と反応との関係は、こちらの「2-3. 悪い奴らは居なかった」に纏めています。
【9. シナリオ検証】
直後1分足の上ヒゲにやられました。こんなこともあります。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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