2017年04月25日
米国実態指標「新築住宅販売件数」・景気指標「CB消費者信頼感指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年4月25日23:00発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「V.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月25日23:00に米国実態指標「新築住宅販売件数」・景気指標「CB消費者信頼感指数」が発表されます。今回発表は新築住宅販売件数が同3月分、消費者信頼感指数が2017年4月分の集計結果です。
この2つの指標が直近で同時発表されたのは2016年7月26日です。
このとき、新築住宅販売件数は市場予想56.0万件に対し発表結果59.2万件(差異+3.2万件)、CB消費者信頼感指数は市場予想96.0に対し発表結果97.3(差異+1.3)で、ともに市場予想を上回り、どちらの指標優勢という判別がつきません。
あまり古いデータをあたっても参考にならないので、「過去の同時発表のデータからは有益な情報が得られない」が結論です。無理にこじつけても仕方ないので、以下、両者併記のような形式で話を進めます。
両指標の要点は下表に整理しておきました。上表が新築住宅販売件数、下表がCB消費者信頼感指数です。
両者を見比べてみましょう。
直後1分足跳幅・値幅は新築住宅販売件数の方が大きく、直後11分足跳幅・値幅はCB消費者信頼感指数の方が大きいようです。但し、いずれも大して反応する指標ではありません。例えば、昨夜(4月24日)23:00には(有名な)指標発表が何ひとつなかったにも関わらず、23:00〜23:11の11分足は7pipsの陰線でした。このことから、あまり凝った分析をしても仕方がありません。
念のため、指標発表の影響が最も素直に現れやすい始値基準直後1分足を見比べておきましょう。
上図が新築住宅販売件数、下図がCB消費者信頼感指数です。やはり大したことありません。
では次に、新築住宅販売件数の過去推移を下図に示します。
前回結果59.2万件に対し市場予想58.4万件で、差異△0.8万件となっています。
指標一致性分析の結果、直前10-1分足と事前差異との方向一致率が73%なので、市場予想が前回結果より少ない今回は直前10-1分足が陰線と見込まれます。
そして、直後1分足の事前差異との方向一致率も72%あるので、本指標は事前差異がマイナスのときに市場予想よりも低い発表結果となりがちです。直後1分足は陰線ということです。
市場予想と発表結果との大小関係に応じて素直に反応するか否かは、直後1分足と事後差異との方向一致率が72%なので、ほぼ素直に反応する傾向を示しています。本指標の事後差異は、市場予想ー発表結果で求めています。
指標一致性分析の結果を、下表に示しておきます。なお、この集計は2015年1月分から前回2017年2月分までの26回分のデータに基づいています。
その他、集計表は割愛しますが、他の分析で次のような結果が現れています。
反応一致性分析では、直前1分足の陰線率が74%です。但し、本指標の直前1分足跳幅・値幅はそれぞれ4pips・3pipsです。直前1分足始値がつく頃、ポジションを取得し、陰線側に振れたらすぐに利確しないと間に合いません。
反応性分析では、直後11分足と直後1分足との方向一致率が60%で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値方向に反応を伸ばしたことが47%です。これでは発表後に反応方向を見極めてから、追いかけてポジションを取るのは難しそうです。もし追撃するなら、短期利確か短期損切を覚悟しておかないと、10分後には40%が反転し、もし反転しなくても2回に1回は値幅が小さくなってしまっています。
そして、CB消費者信頼感指数の推移を下図に示します。
現在の状況は、前回結果125.6に対し市場予想123.0で、差異△2.6となっています。
グラフの特徴は、典型的な市場予想後追い形状となっています。つまり、実際には市場予想の方が先に行われているのに、市場予想は発表結果をサポートする移動平均線のように、発表結果の上昇基調を追いかけています。確率的には、市場予想以上の発表結果と予想すれば良い訳です。但し、ここで注意すべき点は、市場予想が後追いのように見える以上、発表結果の上昇基調や下降基調がトレンド転換するときには、市場予想がまるでアテにならない、ということです。
その点をチェックするため、関連指標を確認しておきましょう。
4月の製造業景況感は、軒並み前月より低下しており、非製造業でも3月はISMが大幅に低下しています。但し、消費者関連では4月のUM消費者態度指数速報値が僅かに改善しています。
株価は、3月20 -23日、4月11-13日・18-19日と、以前の右上がりから停滞・下落を心配させることが3度起きています。
全般的には、これまで上昇基調だった指数が、そろそろ下降転換しても不思議ではありません。市場予想を下回るという根拠の方が目立ちます。
指標一致性分析の結果を下表に示します。なお、この集計は2016年1月分から前回2017年3月分までの15回分のデータに基づいています。
まず、市場予想ー前回結果を示す事前差異は、反応に対してまるでアテにならないことがわかります。
そして、発表結果ー市場予想を示す事後差異は、直後1分足との方向一致率が87%と高くなっています。
つまり、市場予想がまるでアテにならないのに、市場予想よりも発表結果が大きいか小さいかで、素直に反応しがちです。
その他、集計表は割愛しますが、他の分析で次のような結果が現れています。
反応一致性分析では、直後1分足の陽線率が80%です。この確率の高さは先に挙げた指標発表結果と市場予想の過去推移のグラフから簡単に説明できます。ここ最近は(いつも)市場予想を発表結果が上回っていたから、です。
だから、今回のように指標発表結果の上昇基調に「?」がついている場合、この分析結果はアテになりません。
反応性分析では、直後11分足と直後1分足との方向一致率が67%で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値方向に反応を伸ばしたことが80%です。3回に2回は反応が続き、5回に4回は反応を伸ばしています。これなら、追撃ポジションを安心して取れます。
但し、この結論は、新築住宅販売件数の結論と真逆です。先述の通り、新築住宅販売件数の過去の傾向では、直後11分足と直後1分足との方向一致率が60%で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値方向に反応を伸ばしたことが47%です。10分後には40%が反転し、もし反転しなくても2回に1回は値幅が小さくなってしまっています。
追撃ポジションを取るべきか取らないべきか、どちらの結論を採用すべきでしょう。そんなの決まってます。
両指標ともに市場予想を上回ったり下回ったり、事後差異が同じ方向なら追撃です。両指標の事後差異が食い違ったら、過去の反応が大きな新築住宅販売件数の結果優先です。
纏めます。
以下は2017年4月26日09:00頃に追記しています。
指標結果は、新築住宅販売件数が62.1万件(市場予想58.4万件、差異+3.7万件)、CB消費者信頼感指数が120.3(市場予想122.5、差異△2.2)、でした。
反応は、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陰線、直後1分足が陽線、直後11分足が陽線で、直後11分足は直後1分足よりも反応を伸ばしました。
新築住宅販売件数は8か月ぶりの高水準、CB消費者信頼感指数は前月が2001年12月以来の高水準だったため、今回低下しても非常に高い水準が維持されています。
新築住宅販売件数の結果は、住宅ローン金利が歴史的低水準なこと(30年固定ローン金利平均は約3.97%)と、中古住宅の在庫不足が原因と解説されています。
在庫が1.1%増となり2009年7月以来の高水準に達しているものの、この在庫量は2006年住宅バブル時ピークの半分以下ですから、市場が活況なうちは問題にならないレベルと考えられます。3月単月販売量から求めた在庫回転期間は5.2か月で、2月の5.4か月を下回ったことも、その裏付けとなります。なお、適正在庫回転期間は6か月とされているため、3月は需給均衡期間から供給不足側へと動いたことになります。
こうした在庫不足から住宅価格は上昇中で、2月のCS住宅価格指数は主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数が前年比5.9%上昇しています。
CB消費者信頼感指数は、米政権の政策遂行力への懸念が金融市場で高まっていることが背景、と解説されています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前投稿における指標結果の予想は次の通りでした。
ほぼ上記の通りだったように思います。
但し、22:30にダウ取引開始とともに株価上昇があり、USDJPYが高値を模索したものの、数分後にはUSDJPYは下げ始めていました。この動きを両指標市場予想が低かったため、と解釈し、株価・金利の影響は限定的と見なしました。
そして、23:00に指標発表結果が判明すると、指標毎に良し悪しが分かれたためか、10数秒程度は上下の動きに迷いがあり、僅かずつ陽線側に動きました。直後1分足形成が終わる前には、陽線側優勢となって、これら指標発表時には珍しく20pips超の動きとなった訳です。
おそらく、直後1分足形成前に陽線側に大きく動きだしたのは、新築住宅販売件数結果>CB消費者信頼感指数の力関係よりも、この日のダウ・金利が上昇基調だったため、その影響だと思われます。よって、指標の影響時間は僅か20-30秒しかなかった、というのが実情でしょう。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
発表直後10秒程度は、まちまちの発表結果に対し動きに迷いがあって大きな損切とならずにすみました。
直後11分足での追撃は、指標の結果というより、この日の株価・金利を見ていたので、そちらを根拠をしたポジションでした。
下表に、本ブログを始めてからの新築住宅販売件数発表前後のシナリオで取引の成績を纏めておきます。
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
T.調査・分析
2017年4月25日23:00に米国実態指標「新築住宅販売件数」・景気指標「CB消費者信頼感指数」が発表されます。今回発表は新築住宅販売件数が同3月分、消費者信頼感指数が2017年4月分の集計結果です。
この2つの指標が直近で同時発表されたのは2016年7月26日です。
このとき、新築住宅販売件数は市場予想56.0万件に対し発表結果59.2万件(差異+3.2万件)、CB消費者信頼感指数は市場予想96.0に対し発表結果97.3(差異+1.3)で、ともに市場予想を上回り、どちらの指標優勢という判別がつきません。
あまり古いデータをあたっても参考にならないので、「過去の同時発表のデータからは有益な情報が得られない」が結論です。無理にこじつけても仕方ないので、以下、両者併記のような形式で話を進めます。
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両指標の要点は下表に整理しておきました。上表が新築住宅販売件数、下表がCB消費者信頼感指数です。
両者を見比べてみましょう。
直後1分足跳幅・値幅は新築住宅販売件数の方が大きく、直後11分足跳幅・値幅はCB消費者信頼感指数の方が大きいようです。但し、いずれも大して反応する指標ではありません。例えば、昨夜(4月24日)23:00には(有名な)指標発表が何ひとつなかったにも関わらず、23:00〜23:11の11分足は7pipsの陰線でした。このことから、あまり凝った分析をしても仕方がありません。
念のため、指標発表の影響が最も素直に現れやすい始値基準直後1分足を見比べておきましょう。
上図が新築住宅販売件数、下図がCB消費者信頼感指数です。やはり大したことありません。
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では次に、新築住宅販売件数の過去推移を下図に示します。
前回結果59.2万件に対し市場予想58.4万件で、差異△0.8万件となっています。
指標一致性分析の結果、直前10-1分足と事前差異との方向一致率が73%なので、市場予想が前回結果より少ない今回は直前10-1分足が陰線と見込まれます。
そして、直後1分足の事前差異との方向一致率も72%あるので、本指標は事前差異がマイナスのときに市場予想よりも低い発表結果となりがちです。直後1分足は陰線ということです。
市場予想と発表結果との大小関係に応じて素直に反応するか否かは、直後1分足と事後差異との方向一致率が72%なので、ほぼ素直に反応する傾向を示しています。本指標の事後差異は、市場予想ー発表結果で求めています。
指標一致性分析の結果を、下表に示しておきます。なお、この集計は2015年1月分から前回2017年2月分までの26回分のデータに基づいています。
その他、集計表は割愛しますが、他の分析で次のような結果が現れています。
反応一致性分析では、直前1分足の陰線率が74%です。但し、本指標の直前1分足跳幅・値幅はそれぞれ4pips・3pipsです。直前1分足始値がつく頃、ポジションを取得し、陰線側に振れたらすぐに利確しないと間に合いません。
反応性分析では、直後11分足と直後1分足との方向一致率が60%で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値方向に反応を伸ばしたことが47%です。これでは発表後に反応方向を見極めてから、追いかけてポジションを取るのは難しそうです。もし追撃するなら、短期利確か短期損切を覚悟しておかないと、10分後には40%が反転し、もし反転しなくても2回に1回は値幅が小さくなってしまっています。
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そして、CB消費者信頼感指数の推移を下図に示します。
現在の状況は、前回結果125.6に対し市場予想123.0で、差異△2.6となっています。
グラフの特徴は、典型的な市場予想後追い形状となっています。つまり、実際には市場予想の方が先に行われているのに、市場予想は発表結果をサポートする移動平均線のように、発表結果の上昇基調を追いかけています。確率的には、市場予想以上の発表結果と予想すれば良い訳です。但し、ここで注意すべき点は、市場予想が後追いのように見える以上、発表結果の上昇基調や下降基調がトレンド転換するときには、市場予想がまるでアテにならない、ということです。
その点をチェックするため、関連指標を確認しておきましょう。
4月の製造業景況感は、軒並み前月より低下しており、非製造業でも3月はISMが大幅に低下しています。但し、消費者関連では4月のUM消費者態度指数速報値が僅かに改善しています。
株価は、3月20 -23日、4月11-13日・18-19日と、以前の右上がりから停滞・下落を心配させることが3度起きています。
全般的には、これまで上昇基調だった指数が、そろそろ下降転換しても不思議ではありません。市場予想を下回るという根拠の方が目立ちます。
指標一致性分析の結果を下表に示します。なお、この集計は2016年1月分から前回2017年3月分までの15回分のデータに基づいています。
まず、市場予想ー前回結果を示す事前差異は、反応に対してまるでアテにならないことがわかります。
そして、発表結果ー市場予想を示す事後差異は、直後1分足との方向一致率が87%と高くなっています。
つまり、市場予想がまるでアテにならないのに、市場予想よりも発表結果が大きいか小さいかで、素直に反応しがちです。
その他、集計表は割愛しますが、他の分析で次のような結果が現れています。
反応一致性分析では、直後1分足の陽線率が80%です。この確率の高さは先に挙げた指標発表結果と市場予想の過去推移のグラフから簡単に説明できます。ここ最近は(いつも)市場予想を発表結果が上回っていたから、です。
だから、今回のように指標発表結果の上昇基調に「?」がついている場合、この分析結果はアテになりません。
反応性分析では、直後11分足と直後1分足との方向一致率が67%で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値方向に反応を伸ばしたことが80%です。3回に2回は反応が続き、5回に4回は反応を伸ばしています。これなら、追撃ポジションを安心して取れます。
但し、この結論は、新築住宅販売件数の結論と真逆です。先述の通り、新築住宅販売件数の過去の傾向では、直後11分足と直後1分足との方向一致率が60%で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値方向に反応を伸ばしたことが47%です。10分後には40%が反転し、もし反転しなくても2回に1回は値幅が小さくなってしまっています。
追撃ポジションを取るべきか取らないべきか、どちらの結論を採用すべきでしょう。そんなの決まってます。
両指標ともに市場予想を上回ったり下回ったり、事後差異が同じ方向なら追撃です。両指標の事後差異が食い違ったら、過去の反応が大きな新築住宅販売件数の結果優先です。
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纏めます。
- まず、本指標で取引する上での注意点です。
ふたつの指標ともに大して反応する指標ではありません。23:00という発表時刻を考えると、下手をすればその日の株式市場のテーマによって指標の影響なんか関係なくなります。ダウの値動きをインターネットで見ておいた方が良いでしょう(米株式市場は22:30から)。株価が大きく動いて為替に強いトレンドが形成されているようならば、これら指標への反応なんてほんの一瞬で終わります。 - 指標については次の通りです。
両指標ともに、市場予想は前回結果を下回っています。特に、新築住宅販売件数は、事前差異と直前10-1分足の反応方向との相関が強いので、陰線側に振れるかを確認しておきましょう。陰線側への振れが強すぎたり、逆に陽線側に動くようなら、上述のダウの影響が大きいと思われます。
株価の影響が大きく、指標の影響が見込めないのなら、無理をして取引するような指標ではありません。今回は、発表結果の良し悪しが割れる可能性があるので、取引が難しいと思います。 - シナリオは次の通りです。
(1) 直前10-1分足は、新築住宅販売件数の指標一致性分析の結果、陰線率73%です。
(2) 直前1分足は、新築住宅販売件数の結果、陰線率74%です。
(3) 直後1分足は、新築住宅販売件数の指標一致性分析結果が陰線率72%で、CB消費者信頼感指数の反応一致性分析の結果が陽線率80%と、矛盾した結果になっています。大して反応しない指標ですから、もしどうしてもポジションを持ちたいなら、新築住宅販売件数での分析結果を推します。
(4) 直後11分足も、追撃可否について新築住宅販売件数は不可、CB消費者信頼感指数は可、と矛盾しています。両指標ともに市場予想を上回ったり下回ったり、事後差異が2つの指標で同じ方向なら追撃で、両指標の事後差異が食い違ったら、過去の反応が大きな新築住宅販売件数の結果優先です(追撃しない)。
2017年4月25日23:00発表
以下は2017年4月26日09:00頃に追記しています。
V. 結果・検証
【7. 発表結果】
指標結果は、新築住宅販売件数が62.1万件(市場予想58.4万件、差異+3.7万件)、CB消費者信頼感指数が120.3(市場予想122.5、差異△2.2)、でした。
反応は、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陰線、直後1分足が陽線、直後11分足が陽線で、直後11分足は直後1分足よりも反応を伸ばしました。
新築住宅販売件数は8か月ぶりの高水準、CB消費者信頼感指数は前月が2001年12月以来の高水準だったため、今回低下しても非常に高い水準が維持されています。
新築住宅販売件数の結果は、住宅ローン金利が歴史的低水準なこと(30年固定ローン金利平均は約3.97%)と、中古住宅の在庫不足が原因と解説されています。
在庫が1.1%増となり2009年7月以来の高水準に達しているものの、この在庫量は2006年住宅バブル時ピークの半分以下ですから、市場が活況なうちは問題にならないレベルと考えられます。3月単月販売量から求めた在庫回転期間は5.2か月で、2月の5.4か月を下回ったことも、その裏付けとなります。なお、適正在庫回転期間は6か月とされているため、3月は需給均衡期間から供給不足側へと動いたことになります。
こうした在庫不足から住宅価格は上昇中で、2月のCS住宅価格指数は主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数が前年比5.9%上昇しています。
CB消費者信頼感指数は、米政権の政策遂行力への懸念が金融市場で高まっていることが背景、と解説されています。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前投稿における指標結果の予想は次の通りでした。
- 両指標ともに、市場予想は前回結果を下回っています。特に、新築住宅販売件数は、事前差異と直前10-1分足の反応方向との相関が強いので、陰線側に振れるかを確認しておきましょう。陰線側への振れが強すぎたり、逆に陽線側に動くようなら、上述のダウの影響が大きいと思われます。
株価の影響が大きく、指標の影響が見込めないのなら、無理をして取引するような指標ではありません。今回は、発表結果の良し悪しが割れる可能性があるので、取引が難しいと思います。
ほぼ上記の通りだったように思います。
但し、22:30にダウ取引開始とともに株価上昇があり、USDJPYが高値を模索したものの、数分後にはUSDJPYは下げ始めていました。この動きを両指標市場予想が低かったため、と解釈し、株価・金利の影響は限定的と見なしました。
そして、23:00に指標発表結果が判明すると、指標毎に良し悪しが分かれたためか、10数秒程度は上下の動きに迷いがあり、僅かずつ陽線側に動きました。直後1分足形成が終わる前には、陽線側優勢となって、これら指標発表時には珍しく20pips超の動きとなった訳です。
おそらく、直後1分足形成前に陽線側に大きく動きだしたのは、新築住宅販売件数結果>CB消費者信頼感指数の力関係よりも、この日のダウ・金利が上昇基調だったため、その影響だと思われます。よって、指標の影響時間は僅か20-30秒しかなかった、というのが実情でしょう。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- シナリオは次の通りです。
(1) 直前10-1分足は、新築住宅販売件数の指標一致性分析の結果、陰線率73%です。
(2) 直前1分足は、新築住宅販売件数の結果、陰線率74%です。
(3) 直後1分足は、新築住宅販売件数の指標一致性分析結果が陰線率72%で、CB消費者信頼感指数の反応一致性分析の結果が陽線率80%と、矛盾した結果になっています。大して反応しない指標ですから、もしどうしてもポジションを持ちたいなら、新築住宅販売件数での分析結果を推します。
(4) 直後11分足も、追撃可否について新築住宅販売件数は不可、CB消費者信頼感指数は可、と矛盾しています。両指標ともに市場予想を上回ったり下回ったり、事後差異が2つの指標で同じ方向なら追撃で、両指標の事後差異が食い違ったら、過去の反応が大きな新築住宅販売件数の結果優先です(追撃しない)。
発表直後10秒程度は、まちまちの発表結果に対し動きに迷いがあって大きな損切とならずにすみました。
直後11分足での追撃は、指標の結果というより、この日の株価・金利を見ていたので、そちらを根拠をしたポジションでした。
下表に、本ブログを始めてからの新築住宅販売件数発表前後のシナリオで取引の成績を纏めておきます。
以上
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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