2017年03月04日
豪州実態指標「小売売上高」発表前後のAUDJPY反応分析(2017年3月6日09:30発表結果検証済)
2017年3月6日09:30に豪州実態指標「小売売上高」が発表されます。今回発表は2017年1月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
豪州小売売上高は、小売・サービス業の月間売上高をサンプル調査に基づき算出しています。発表は豪連邦統計局(ABS:Australian Bureau of Statistics)が行い、翌々月上旬に月次発表されています。
豪州と言えば資源関連企業に注目が集まります。ところが、資源関連企業の収益は、資源価格が頭打ちとなるにつれて伸び悩んでいます。もともと豪州GDPに占める鉱工業生産高は1割程度しかないのです。その一方、非資源関連企業の収益は、小売売上高が長期的に拡大傾向と見なされており堅調と言えます。
その背景として、豪州は毎年約20万人の移民を受け入れており、2050年までに自然増も含めて約40%の人口増加が見込まれています。豪州は先進国で人口増加率の最も高い国のひとつです。
最近の小売売上高は、この人口増加と低金利と豪ドル安が個人消費を押し上げており、堅調に拡大しています。
注意すべき点として、豪州経済指標が発表される時間帯に前後して、中国経済指標の発表が行われることがあります。その場合、中国指標の影響でAUDJPYが1円以上動くことがあります。また、専門家による市場予想が方向も値もまるで当たらない指標です。
ご注意ください。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
前回発表時は前々回結果0.2%・市場予想が0.3%でしたが、結果は△0.1%と予想を大きく下回りました。反応は、直後1分足・直後11分足ともに陰線でした。
今回は市場予想が0.4%となっており、大きく改善が予想されています。
今回の集計月である1月について関連指標を調べてみましょう。
実態指標の住宅建設許可件数は大幅に改善しています。景気指標はNAB企業景況感指数が大幅に改善しています。国際収支は2016年11月に黒字転換し、発表済1月まで3か月連続で黒字が継続しています。失業率は低下しています。
そして、RBA2月理事会議事要旨では、「経済成長率は年末までに3%に加速すると予想し、昨年第3四半期のマイナス成長は一時的な要因によるもの」と述べられています。
1月集計の指標では悪化が見当たらず、中銀金融政策理事会声明も実態指標改善のコメントが出ている以上、今回は市場予想に近い、あるいはそれ以上の大幅改善となるのではないでしょうか。11月・12月と2か月続けて低い数字だったことが不思議なのです。
それにしても、上のグラフをご覧ください。専門家による予想が方向も値もまるで当たらない指標です。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
上図、直前10-1分足の過去の跳幅平均は7pips・値幅平均は4pipsとなっています。
陽線・陰線への大きな偏りはなく、事前差異が反応方向を示唆してもいません。
上図、直前1分足の過去の跳幅平均は5pips・値幅平均は4pipsとなっています。
反応一致性分析の結果、陰線率が91%と高く、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率も28%(不一致率が72%)と、偏りがあります。陰線と見込まれます。
上図、直後1分足の過去の跳幅平均は17pips・値幅平均は11pipsとなっています。そして、跳幅が平均値の17pips以下だったことが67%と、3回に2回は平均に達していません。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が83%です。今回は前月より0.5ポイントも改善されると予想されていますが、何しろ前月が△0.1%とかなり悪い。事後差異は(2✕発表結果ー市場予想ー前回結果)なので、発表結果が0.2%以上なら、事後差異がプラスとなります。
従って今回は、指標結果が改善によって陽線になると予想しています。
上図、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が83%となっています。がしかし、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは46%と、2回に1回以下となっています。指標発表後の反応を見てから追いかけてポジションを持つことはお薦めできないし、もし直後11分足の跳幅を狙うならポジションは早めに解消することを薦めます。
分析結果は2-2項に記載したため、以下はデータシートのみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月6日11:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
ほぼ、事前調査分析の通りでした。
但し、直後1分足と直後11分足は逆方向となりました。もともと、反応が伸びる確率は低かったので、問題はなかったでしょう。
シナリオには問題ありません。
但し、指標発表直前にポジションを取るつもりが、約定が少し遅れてしまいました。指標発表直前のポジションは約定ミスもあり得ることを踏まえ、せめて10秒前ぐらいにすべきでした。
本ブログ開始以降の本指標での取引結果を下表に示します。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 今回は市場予想が0.4%となっており、大きく改善が予想されています。
1月集計の関連指標は、実態指標の住宅建設許可件数が大幅改善、景気指標のNAB企業景況感指数が大幅改善、国際収支は3か月連続で黒字継続、失業率は低下しています。そして、RBA2月理事会議事要旨では、「経済成長率は年末までに3%に加速すると予想し、昨年第3四半期のマイナス成長は一時的な要因によるもの」と述べられています。
今回は市場予想に近い、あるいはそれ以上の大幅改善となるのではないでしょうか。 - 反応一致性分析の結果、陰線率が91%と高く、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率も28%(不一致率が72%)と、偏りがあります。陰線と見込まれます。
但し、直前1分足の過去の跳幅平均は5pips・値幅平均は4pipsしかありません。AUDJPYは比較的スプレッドが大きい通貨ペアですから、ポジションを持つなら注意しましょう。 - 直後1分足は、事後差異との方向一致率が83%です。今回は前月より0.5ポイント(絶対値は0.4%)も改善されると予想されていますが、何しろ前月が△0.1%とかなり悪い。事後差異は(2✕発表結果ー市場予想ー前回結果)なので、発表結果が0.2%以上なら、事後差異がプラスとなります。
従って今回は、指標結果が改善によって陽線になると予想しています。
なお、直後1分足の過去の跳幅平均は17pips・値幅平均は11pipsとなっています。がしかし、跳幅が平均値の17pips以下だったことが67%と、3回に2回は平均に達していません。 - 直後11分足は、直後1分足との方向一致率が83%となっています。がしかし、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは46%と、2回に1回以下となっています。指標発表後の反応を見てから追いかけてポジションを持つことはお薦めできないし、もし直後11分足の跳幅を狙うならポジションは早めに解消することを薦めます。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
豪州小売売上高は、小売・サービス業の月間売上高をサンプル調査に基づき算出しています。発表は豪連邦統計局(ABS:Australian Bureau of Statistics)が行い、翌々月上旬に月次発表されています。
豪州と言えば資源関連企業に注目が集まります。ところが、資源関連企業の収益は、資源価格が頭打ちとなるにつれて伸び悩んでいます。もともと豪州GDPに占める鉱工業生産高は1割程度しかないのです。その一方、非資源関連企業の収益は、小売売上高が長期的に拡大傾向と見なされており堅調と言えます。
その背景として、豪州は毎年約20万人の移民を受け入れており、2050年までに自然増も含めて約40%の人口増加が見込まれています。豪州は先進国で人口増加率の最も高い国のひとつです。
最近の小売売上高は、この人口増加と低金利と豪ドル安が個人消費を押し上げており、堅調に拡大しています。
注意すべき点として、豪州経済指標が発表される時間帯に前後して、中国経済指標の発表が行われることがあります。その場合、中国指標の影響でAUDJPYが1円以上動くことがあります。また、専門家による市場予想が方向も値もまるで当たらない指標です。
ご注意ください。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
前回発表時は前々回結果0.2%・市場予想が0.3%でしたが、結果は△0.1%と予想を大きく下回りました。反応は、直後1分足・直後11分足ともに陰線でした。
今回は市場予想が0.4%となっており、大きく改善が予想されています。
今回の集計月である1月について関連指標を調べてみましょう。
実態指標の住宅建設許可件数は大幅に改善しています。景気指標はNAB企業景況感指数が大幅に改善しています。国際収支は2016年11月に黒字転換し、発表済1月まで3か月連続で黒字が継続しています。失業率は低下しています。
そして、RBA2月理事会議事要旨では、「経済成長率は年末までに3%に加速すると予想し、昨年第3四半期のマイナス成長は一時的な要因によるもの」と述べられています。
1月集計の指標では悪化が見当たらず、中銀金融政策理事会声明も実態指標改善のコメントが出ている以上、今回は市場予想に近い、あるいはそれ以上の大幅改善となるのではないでしょうか。11月・12月と2か月続けて低い数字だったことが不思議なのです。
それにしても、上のグラフをご覧ください。専門家による予想が方向も値もまるで当たらない指標です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
上図、直前10-1分足の過去の跳幅平均は7pips・値幅平均は4pipsとなっています。
陽線・陰線への大きな偏りはなく、事前差異が反応方向を示唆してもいません。
上図、直前1分足の過去の跳幅平均は5pips・値幅平均は4pipsとなっています。
反応一致性分析の結果、陰線率が91%と高く、指標一致性分析の結果、事前差異との方向一致率も28%(不一致率が72%)と、偏りがあります。陰線と見込まれます。
上図、直後1分足の過去の跳幅平均は17pips・値幅平均は11pipsとなっています。そして、跳幅が平均値の17pips以下だったことが67%と、3回に2回は平均に達していません。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が83%です。今回は前月より0.5ポイントも改善されると予想されていますが、何しろ前月が△0.1%とかなり悪い。事後差異は(2✕発表結果ー市場予想ー前回結果)なので、発表結果が0.2%以上なら、事後差異がプラスとなります。
従って今回は、指標結果が改善によって陽線になると予想しています。
上図、直後11分足は、直後1分足との方向一致率が83%となっています。がしかし、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは46%と、2回に1回以下となっています。指標発表後の反応を見てから追いかけてポジションを持つことはお薦めできないし、もし直後11分足の跳幅を狙うならポジションは早めに解消することを薦めます。
U. 分析
分析結果は2-2項に記載したため、以下はデータシートのみを示します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017年3月6日09:30発表
以下は2017年3月6日11:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
ほぼ、事前調査分析の通りでした。
但し、直後1分足と直後11分足は逆方向となりました。もともと、反応が伸びる確率は低かったので、問題はなかったでしょう。
【9. シナリオ検証】
シナリオには問題ありません。
但し、指標発表直前にポジションを取るつもりが、約定が少し遅れてしまいました。指標発表直前のポジションは約定ミスもあり得ることを踏まえ、せめて10秒前ぐらいにすべきでした。
本ブログ開始以降の本指標での取引結果を下表に示します。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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