アニメ偉言

変装。
キッドは老若男女問わず完璧に変装できる。
しかし時々は玉に瑕ということもある。

原作のほうでは、世良真純を男子だと思って変装していた。
服装を奪った際にも女子だと気付かなかったらしい。
そりゃコナンに正体バレるわな。

及川武頼「私は怪盗キッドにお願いしたい。
今夜君が奪った青嵐と、
義父（ちち）の命を返してくれと」

キッドは青嵐を盗んでもいないし、武頼の義父・神原晴仁を殺してもいない。
武頼の策略で、あらぬ疑いをかけられたキッドはすでに誰かに変装済み。
濡れ衣を晴らし、武頼の本性を暴くべく、行動を開始していた。

コナンは武頼もキッドも含め、事件の全容を明らかにしようとする。
まずは、キッドが警視庁一課の誰かに化けていると目星をつけた。
高木刑事・千葉刑事・佐藤刑事・目暮警部。
キッドは誰として現場に潜んでいるのか―?



高木「彼は手品師（マジシャン）。魔法と違って、
手品には種も仕掛けもあるんだよね、コナン君?」

ちょっと得意気に語る高木刑事。
言いたいことは分かるが、魔法も手品もともに「マジック」だ。
高度に発達した科学は魔法と区別が付かないともいう。
魔法も古来はれっきとした科学で、種（理論）と仕掛け（実践）があったものだ。

高木刑事がここで言わんとしたことは、キッドの消失には理由がある。
痕跡を残していないように見えても、必ず何かが残っているはずだと。
見えないようで、そこに必ず存在する何かが。
また逆に、「ない」もの「ある」ように見せかけるトリックが…

眠りの小五郎（コナン）「ご覧下さい。
これが青嵐の正体です。
―高木刑事がやった手品と同じですよ」

武頼は、本当は存在しない青嵐を存在するように見せかけていた。
部屋に釣り糸を張り、イーゼルの上に白い布をかぶせることで。
その仕掛けを利用して、キッドに青嵐が盗まれたように見せかけたのだ。
そして、キッドに義父殺しの罪もなすりつけようとした。
武頼はあくまで白（しら）を切ったが、程なく白状することに。

武頼「鬼ですよ。
妻を死に追いやった、風を題材にした作品を、
無理矢理私に描かせようとしたんです」

武頼「知っていますか?　自然の美しさを表す
『雪月花』という別の言葉があるのを」

武頼は妻を竜巻で亡くしていた。いわば風が妻のカタキだ。
なのに義父は、風を題材にした「青嵐」を武頼に描くよう要求した。
花鳥風月の四部作は、元々は雪月花の三部作ですでに完結していたのだ。
だが、雪を鳥に置き換え、新たに風の絵を加えさせようとした鬼…

ではなかった。

義父・晴仁が三部作を四部作に変えたのは、絵を売って娘の治療費を稼ぐため。
（竜巻にあっても武頼の妻はしばらくは生きていた）
風を嫌う武頼が青嵐を描けないことを見越し、自分の手で…
いや、以前の怪我で満足に手が動かない晴仁は、口で絵筆をとって青嵐を描いた。
武頼の作品として世に出すべく、武頼の画風に必死に似せて。

存在しないはずの青嵐が、本当は存在していた。

全ては勘違いとすれ違いが起こした悲劇だった。
武頼は妻を失った悲しみのあまり、
画家としても、人としても目が曇ってしまったのだ。

高木キッド「今回は見逃してほしいね。
俺は濡れ衣を晴らしにきただけ。真っ白なんだから。
その娘の下着のように」

事件解決。
で、キッドが化けていたのは高木刑事だった。
高木キッドはトランプ銃で蘭のスカートを落とそうと狙う。
一同慌てた隙に逃げ出そうという腹だった。

「いや〜ん」

ところが落ちたのは小五郎のズボン。
小五郎の縞々トランクスがあらわになる。
花鳥風月、雪月花には程遠いパン…ラストとなってしまった。

夏の怪盗キッド祭りもこれにて終了。
続きはまた来年?　スパイダーカモ〜ン。



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