"あーす"を変える 〜エコな暮らしのススメ
人類の排出できる炭素量はどれだけ?
ミャンマーをサイクロンが襲い、大規模な被害が出ています。
5000平方キロメートル、ほぼ福岡県や千葉県に匹敵する広さが浸水し、
支援体制も整っていないため、被害が増え続けているようです。
いくつかのNGOを中心に、支援のための募金活動が始まっています。
豊かな日本人が少しでも手を差し伸べることで多くの人を援助する
ことができます。
■ あーすのために・・人類の排出できる炭素量を知る■
● 森林や海洋の吸収できるCO2量
地球では動植物をはじめ、大気、大地、海洋、森林などがそれぞれ
炭素を吸収したり、保持(固定化)したり、排出したりしています。
大陸では大地や森林がCO2を排出しますが、一方で森林が光合成により
CO2を吸収しますので、合計では18億トン/年程度炭素を吸収しています。
海洋でも同様に、合計で20億トン/年程度炭素を吸収しています。
つまり生態系で吸収できる炭素量は約38億トン/年、CO2に換算すると
139億トン/年ということになります。
一方、現在の人類起源のCO2排出量は265億トン(2004年)。
差し引き 126億トン分は海洋も大陸も吸収してくれずに、大気中に
とどまります。
これが温室効果の原因といわれているのです。
したがって、温室効果を防ぐには、2つの方法があります。
● 温室効果を防ぐ2つの方法
2つの方法とは、
(1) 海洋・大陸での吸収量を増やす 139億トン/年 → 265億トン/年
(2) 人類起源のCO2排出量を減らす 265億トン/年 → 139億トン/年
両方の方法で攻めなければいけませんが、最も重要なのは (2) です。
139÷265=52%。
「2050年までに50%削減」というのは、おそらくここから来ているのです。
● 2050年には森林が減り、人口は増える
しかし2050年には森林伐採がさらに進み、一方で人口は増加が予測
されています。
森林が豊富にある途上国では、森林を開拓し、経済を成長させたいと
いう希望があるからです。
人口の増加が顕著になるのも、現在の途上国です。
139億トン/年の吸収量は、99億トン/年 まで減少するといわれています。
こうなると(2)は、265億トン/年 → 139億トン/年でなく、
265億トン/年 → 99億トン/年 になる必要があります。
50%どころか、60%以上の削減が必要です。
さらに、人口増加の問題があります。
現在の人口は約65億人ですが、2050年には92億人になるといわれています。
● 2050年にCO2排出量をどれだけ減らせばよいのか?
おじいさんから赤ちゃんまでCO2を排出できる平等な権利があるとすると、
一人当たりのCO2排出量は
現在 : 全世界・・・265億トン/年、一人当たり・・・4.1トン/年
2050年: 全世界・・・ 99億トン/年、一人当たり・・・1.1トン/年
全世界一人当たりで考えれば、73%の削減が必要となります。
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では、日本ではどうでしょう?
現在日本人は一人当たり約 10トン/年 のCO2を排出しています。
全世界の人に共通で CO2を排出する権利が与えられるとしたら、
日本人は、10トン/年 ⇒ 1.1トン/年 まで減らすことになりますから、
一人当たり 89% もの削減が必要ということになります。
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まとめると、
全世界の排出目標は2050年に炭素量27億トン(CO2換算99億トン)。
全世界の人が平等な権利を持つなら、一人当たり1.1トン/年。
2か月分の燃料で12ヶ月を過ごせるくらいになるという
非常に野心的な目標が必要なのです。
日本人の生活を維持しながらも、89%の削減を目指す。
これを現代の私たちの価値基準、行動基準にしましょう。
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