科学雑誌ニュートン(Newton)6月号を購入しました。
これは、ニュートンプレスから刊行されている月刊科学雑誌です。私は1981年の創刊号以来の読者です。
ニュートン((Newton)は1981年に教育社(現在の社名はキョーイクソフト)より、故・竹内均先生(1981年に東京大学教授を退官)を編集長として創刊されました。若い頃米国に留学されていた竹内先生はナショナルジオグラフィックに感銘され、日本でもこのような書物を創刊したいと構想を抱かれていた科学雑誌です。
わかりやすい文章と視覚に訴える豊富なイラストが特徴です。創刊当時の発行部数は40万部といわれ、その後の一般向け科学雑誌ブームの先駆けとなりました。
1997年、ニュートンの営業権は教育社から関連会社のニュートンプレスに移管されました。竹内均先生は2004年4月に死去され、翌2005年から元宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部教授の水谷仁先生が編集長に就任されました。
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ニュートン(Newton )で、特に私が興味を抱いた記事を紹介します。「クロマニヨン人が残した立体芸術 初公開彫刻版ラスコー」です。
これは、フランス南西部のビエンヌ県アングラン川沿いの岩壁に、約1万5000年前の旧石器時代後期の動物や人間が浮き彫りで表現されているもので、ロッコソルシエ遺跡といいます。彫刻版ラスコーとも呼ばれています。1950年に発見された後、保存作業に58年を要し、2008年3月に初めて一般に公開されました。
ロッコソルシエ遺跡は、ほぼ同時代のラスコー洞窟の壁画から100キロほど北方に位置しています。
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私はロッコソルシエ遺跡のことを、最近まで知らなかったのですが、ラスコー洞窟の壁画を22年ほど前に訪れたことがあります。これはドルドーニュ県、ヴエセール峡谷のモンティニャック村の近郊にあります。
ある文化人類学系の博物館の企画・設計でラスコー洞窟を復元することになり、その調査が目的でした。しかし、洞窟内部に入ることができませんでした。
洞窟の近くを散歩中の男性に会いました。偶然なことに、その方は発見者に1人であるマルセルさんでした。少年の頃に他の3名の友達と発見したそうです。そのときの話をマルセルさんから聞くことができました。
ラスコー洞窟は、かつては大勢の観客を洞窟内に受け入れていましたが、観客の吐く二酸化炭素により壁画が急速に劣化したため、1963年以降からは閉鎖されました。現在は壁画修復が進む一方、一日に数名ごとの研究者らに応募させ入場・鑑賞させているほかは、ラスコーの壁画は非公開とされています。
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科学雑誌ニュートン(Newon)は、平易な切り口と分かり易い解説で私に科学への興味や関心を抱かせてくれた書物です。次号(7月号)は80ページの大特集「宇宙論」。5月26日発売です。楽しみです。
ニュートンのホームページは http://www.newtonpress.co.jp/
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