2014年05月29日
クライマーズハイ 横山秀夫
何度観ても面白い映画に出会うのはなかなか難しい。
ストーリーはわかってるし、オチまで知ってる。
それでもまた観たいと思える作品のひとつだ。
作品は1985年8月12日に実際に起きた日本航空機123便ジャンボジェット墜落事故を題材にした、地元の新聞社の話で、その社内での人間関係、対立、嫉妬、信頼を回想していきながら現在のストーリーも進んでいく。
悠木(堤真一)が上司と喧嘩したり、挫折したりしながら信念を貫き通そうと奮闘していく姿は何度観てもかっこいい。
その悠木に失望させられたりする部下もいるが最終的には信頼関係が生まれていく。
特に、自分達が寸前の所まで詰めていた事故原因のネタを毎日新聞に抜かれた後の玉置(尾野真千子)のセリフが印象に残る。
悠木
「すまん。おれがデスクじゃなかったら佐山(堺雅人)や玉置はスター記者だったかもな」
玉置
「悠木さんの判断は間違ってなかった。そう思っています。そのことだけ伝えたくて、それだけは誰よりも早く抜きたくて走って来ました。」
ひとつの仕事に突き進んでいく人間の精神状態を山登りになぞり、興奮して感覚が麻痺していく「クライマーズハイ」を制しながら「チェック。ダブルチェック」と葛藤していく姿に、職人みたいな哲学を感じる。
この映画に影響を新聞記者を志した人もいると思う。
そして新聞や報道に携わる人には、社の意向やスポンサーに左右される事もあると思うが、そんな時はこの悠木の「新聞記者のプライド」を何度でも観てほしい。
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