今回は、《新入社員でテープ事業に配属、社長でテープ事業から撤退》で
主人公はTDK元社長・澤部肇さんです。
『神田のサンマとニューヨークの青空』を参考文献に制作しています。
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ゲームの主な内容は
1入社して玉川事業所に配属、1年余りで本社に異動
2カセットテープ・ビデオテープでTDKの黄金期
3欧州法人トップからヘッド事業・担当役員に就任
4社長に就任、デジタル化ビジョンを策定
5部下の「忖度発言」とデジタル化で社長退任を決意
6参考資料
(1)アメリカの音楽ソフト販売金額の傾向
(2)収益減少商品からの撤退 新電子部品の開発
・・・となります。
TDKの創業時の社名は「東京電気化学工業」で
設立は1935年になります。
磁性材の技術を開発したベンチャー企業でしたので
音声や映像用録音機のオープンリール式磁気テープを製造していました。
TDKの知名度を一挙に高めたのが、「カセットテープ」でした。
「カセットテープ」によりTDKは急成長します。
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1964年 フィリップス社がカセットテープの規格となる
「コンパクトカセット」を開発、この技術を無償で提供
カセットテープ時代が始まります。
1966年 ソニーがカセットテープデッキを発売します。
1966年 国産初のカセットテープが日立マクセルから発売されます。
1968年 TDKは、アメリカで音楽用カセットテープを発売します。
1975年 ソニーがβ方式のビデオデッキ
翌年ビクターがVHS式を発売します。
1979年 ソニーが「ウォークマン」を発売
カセットブームを加速します。
1982年、ソニーなどから世界初のCDプレーヤーと
CDソフトが発売されます。
1996年 統一規格のDVDがIBMの仲介で発売されます。
カセットテープブームを作り出すのに大きく貢献したのが
ソニーのウォークマンです。
録音機能を省き再生機能に限定したウォークマンは
「音楽のモバイル化を実現、自分一人で好きな音楽を聴く」
というリスニングを流行させ、カセット市場も拡大します。
テープといえばTDKのイメージが広がり
1980年代前半TDKの黄金期をむかえます。
ところが、社会はデジタル化の時代を迎えます。
1991年、CDソフトの売上がカセットテープを上回り、
カセットテープ市場が縮小していきます。
1996年、「CD」より高品質の映像データを記録できる
メディア「DVD」が発売されます。
メディアの製造コストも、VHSビデオテープが1本120円程度でしたが
DVDが1枚当たり20円程度と非常に安く、またたくまに普及します。
2004年、DVDデッキの売上がビデオデッキを上回ります。
アナログのテープが市場から消えていきます。
2005年、TDKはカセットテープ、ビデオテープ
CD、DVDなど記録メディ事業から撤退を決定します。
澤部さんがTDKに入社して最初に配属されたのが
「オープンリール式の磁気テープ」を製造していた
川崎市の「玉川事業所」でした。
そして、社長時代の最後の仕事が
「テープやDVDなどの記録媒体事業」からの撤退でした。
1人のサラリーマン人生が
事業の開始から撤退までにからんでいます。
サラリーマン人生は長いようで、短いみたいです。
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