今回は、いつものスゴロク解説でなく、「比べてみたら」になります。
「比べた」のは、主力製品が素材加工型だった
「アイリスオーヤマ・ヨネックス・TDK」です。
「スゴロクで学ぶ」ユーチューブ講座の38回目で「アイリスオーヤマ」
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39回目でバトミントンメーカー「ヨネックス」を取り上げました。
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「アイリスオーヤマ」は、大阪のプラスチック加工の下請け会社でした。
「ヨネックス」は、新潟の小さな木工加工会社でした。
今後ユーチューブで取り上げる予定の「TDK」は
1970〜80年代にカセットテープで黄金時代を築いた会社です。
TDKカセットテープ・マニアックス (双葉社スーパームック) 価格:1,980円 |
素材加工型製品の市場は構造的に不安定です。
新しい素材や技術の登場で、市場が構造的に変化して
市場自体が消滅することもあります。
「アイリス・ヨネックス・TDK」が、市場が消えていくことで
「苦戦な状況を、どのように打開したか」を比べてみました。
「アイリスオーヤマ」は、プラスチック製の
「真珠養殖用のブイ」や農業用で田植機に必要な「育苗箱」などの
製品化で脱下請けに成功します。
しかし、「真珠養殖用のブイ事業」は
「真珠ブームが終わり需要が減退」します。
「育苗箱事業」はオイルショックの影響で大赤字となり
倒産の危機に直面します。
新たな事業として、プラスチックの用途展開をはかり
ホームセンター用の植木鉢など園芸品、ペット用品
透明な収納箱の開発で大成功します。
いくつも成功実績を積み上げ
いまや家電製品を開発、年商8000億円です。
ヨネックスは、「漁網用の木製浮き」で成功します。
しかし、水に強い「プラスチック製浮き」が登場
木製浮き市場は消滅します。
売れる商品を探します。
見つけたのが、木製のバトミントンラケットの生産です。
ラケット生産は得意な事業でしたが
台湾製の低価格商品が登場します。
低価格商品では台湾に勝てないと判断
競技用ラケット生産に事業転換します。
競技用ラケットは金属製でしたが
必死の努力で商品開発を行います。
イギリスの競技用ラケットに関する特許の壁を破り
アルミ製ラケットで成功します。
そして、スポーツメーカーへの展開をはかり、
テニスラケット・ゴルフクラブなどの事業で
いまや年商は1000億円をこえています。
TDKは、磁性材のフェライト開発で誕生した会社です。
オープンリール用の録音テープを制作していました。
1964年、フリップス社がカセットテープを開発、技術を無料で公開します。
1968年 TDKはカセットテープを発売します。
1979年 ウォークマンの発売で、カセット市場は拡大します。
1976年 ビクターがビデオデッキを発売します。
1978年 TDKはビデオテープを発売します。
TDKのテープ事業は、1980年代の初めごろ
売上が毎年20%アップ、営業利益20%超
売上の50%、利益の70%はテープ製品でした。
1984年、売上は3500億円を記録します。
しかし、1982年ソニーとフリップス社が共同開発で
CDプレーヤーを発売します。
テープを使わない新技術の商品です。
CD・DVD用の記録メディアは、テープと異なり
製品差別化が困難で値崩れが起きやすい市場でした。
1990年代に入ると、テープ市場は衰退し
CD・DVD市場は価格競争が激しくなります。
TDKのテープ・CD・DVDディスクなどの売上・収益が低下します。
TDKは、2005年記憶媒体(テープ・CD・DVD)
事業から完全撤退します。
そして、買収戦略による新商品開発で見事に取り組み、成功します。
2023年3月期の売上は、2兆1808億円を達成しています。
価格:1,870円 |
素材加工型の事業は、新素材・新技術の登場で
市場が消え去る危険性があります。
常に、新素材・新技術に注目する必要がありそうです。
今回の「比べてみたら」は、素材加工型企業の盛衰をとりあげました。
素材加工産業で働く人は、参考にしてください。
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