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2017年01月31日

アガサ・クリスティから (97) (ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー17)










彼はこうも記していました・・・【五年の間、ぼくはまるで地獄の苦しみを受けていました。せめて立派な死に方をして私の罪を償おうと思っています。】





牧師の話の後、皆は、しいんとなっていた。







「そして彼は立派な死に方をすましたよ。」
とヘンリー卿は言った。






「ペンダー博士、あなたはお話の中では名前を変えていましたね。でもわたしは誰のことだかわかるような気がしますよ。」






「前にも言ったように」
老牧師は続けた。






「私にはどうもこれだけの説明では、あの事実をすっかり言いおえたようには思えません。まだあの森には不吉な力があるような気がしましてな、エリオット・ヘイドンにあのようなことをさせた魔力のようなもの。今になってもまだ、アスターテの祠のことを思うたびに、身震いがするのです。」






***ミス・マープルと13の謎【アスターテの祠】***
***THE END***






そうなのである・・・牧師の配慮で本当の名前は伏せられていたのだった・・・ヘンリー卿は元ロンドン警視庁の警視総監、世間には表向きに出ていない裏事情も分かる立場にあったのだ。

余談だが、この専門家のヘンリー卿こそ、皆がふと軽視してしまう老婦人ミス・マープルの能力を高く評価していたのである。
(*彼女の活躍するこの短編、他の長編も含め、後に改めてミス・マープル特集を組む予定)






次回は、この短編集・第三の謎【金塊】です。











(次号に続く)




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2017年01月27日

アガサ・クリスティから (96) (ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー16)







(ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー16)




すべての目が、牧師であるペンダー博士の方に向けられた。

「この悲劇の5年後に、私は真相を知りました。」
博士は説明し出した。






エリオット・ヘイドンから、牧師であるペンダー博士に手紙が届いたらしい・・・。






彼の話を要約すると、こうである。

・・・その手紙には、牧師があれから、ずっとエリオットを疑っていたと思っていたようだった。
エリオットの手紙には、あの時は魔がさしたんだと、書いてあったとのこと。

そして、その動機は・・・

実はエリオットもダイアナ・アシュレイを愛していた・・・しかし、たかが貧乏な法廷弁護士ではどうにもならなかったのだ。
彼はリチャードを亡き者にして、その称号と財産を相続すれば、素晴らしい将来が自分の前に開けると考えたらしい・・・いとこのそばにひざまずいた時、短剣はベルトからはずれ出ていた・・・その時はもう考えるいとまもなく、いとこをいきなり、それでいとこを刺し、そしてまた皮ベルトに戻したのだった。
彼は疑いを自分からそらせるために、あとで自らわが身を短剣で刺したのだ・・・しかし、そこまでして彼が犯した罪は、予想に反して、彼にとってはなんの得にもならなかった。

彼はそうした内容の手紙を牧師宛てに、南極探検に出発する前夜に書き送ったのだ・・・
再び、生きて帰れない場合を考えて、と彼は書いていた。







「帰ろうというつもりはなかったのだと私は思っています。
彼はこうも記していました・・・【五年の間、ぼくはまるで地獄の苦しみを受けていました。せめて立派な死に方をして私の罪を償おうと思っています。】と書いていました。」






牧師の話の後、皆は、しいんとなっていた。





(次号に続く)




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2017年01月24日

アガサ・クリスティから (95) (ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー15)

(ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー15)






「エリオット・ヘイドン」レイモンドが叫んだ。
「あなたはエリオットが殺したっていうんですか?」






逆にミス・マープルは目を丸くして答えた。

他の人にどうしてそんなことが出来たなんて思えますか?・・・と。

「ペザリックさんが、さっき大変、賢明なことをおっしゃいましたが、あんまり良いものではない異教の女神の雰囲気なんてものに左右されずに、事実だけを取り上げれば、ですよ。エリオットは一番先にリチャードのところに駆け寄り、上に向かせた・・・もちろん、皆にうしろを向けてそうしたのに決まっています。それに山賊の親分に仮装していたんですから、たしかにベルトには何か剣のようなものをさしていたでしょうね・・・。」






いつものミス・マープルらしく、彼女が村の中で経験した話を持ち出した。

若い頃に山賊の親分に仮装した男の人とパーティーか何かで踊ったことがあるらしい。

「ナイフや短剣を五つもつけているもんですから、とても奇妙なものでしたわ。お相手役をしているのがつらくって。」






すべての目が、牧師であるペンダー博士の方に向けられた。

「この悲劇の5年後に、私は真相を知りました。」
博士は説明し出した。






(次号に続く)




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2017年01月21日

アガサ・クリスティから (94) (ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー14)






(ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー14)









「あなたはサー・リチャードが刺殺されたといううらに、ただ一つのやり方しかないとおっしゃるのですな、ミス・マープル。」







牧師はミス・マープルを不思議なものを見るようにみつめた。






「たいへん、悲しいことで、わたしもそう思いたくないんですけどねぇ。その人は右利きだったんでしょう、そうじゃございませんか?自分で自分の左肩をさしたんですからね・・・。」


ミス・マープルは知人のジャックの話を持ち出していた・・・彼女は小さな村からあまり出たことのない老婦人であったが、村人の様々な人間模様を深く洞察しており、それを元に人間関係の謎を解こうとしていた・・・そして、それは驚くほどに的確に的を得ていたのだった。
この火曜クラブでも同様なのだった。

彼女の知人のジャック・ベインズの戦争のおりの話を気の毒に思っていると、ミス・マープルは話し出した。

「・・・ご存じでしょう?あのアラスの激しい戦で、ジャックは負傷したと見せかけて、自分で足を打ったんですよ。わたしが病院にお見舞いに行ったときに、そのことをわたくしに恥じていましたがね・・・その気の毒な男、エリオット・ヘイドンもあんな悪意ある罪を犯して得をしたなどと思えないですわ。」






「エリオット・ヘイドン」レイモンドが叫んだ。
「あなたはエリオットが殺したっていうんですか?」







(次号に続く)




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2017年01月03日

アガサ・クリスティから (93) (ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー13)







(ミス・マープルと十三の謎*アスターテの祠ー13)






「そうですな。一つだけは確かにはっきりしていると思うんです。彼が殺された時にはだれも近くにはいなかった。だから、彼を刺殺すことの出来る唯一の人物は彼自身だった。つまり自殺ですな。」

弁護士は自説を展開した。






「だけど、一体全体なぜ自殺する気になんかなったんでしょうね?」
小説家でもあるレイモンドは信じられない面持ちで尋ねた。






弁護士は一度、咳ばらいをした。

彼は言った。
それは理論の問題の繰り返しであると。
理論については今、討論するべきことではないが、超自然的神秘というものを一度も信じなかったことを彼は言った。

彼の推理によると・・・皆が感じていた超自然的神秘というものを除けば、自殺の可能性だけが残るのだった。
リチャードは自分を刺殺した。そして倒れた拍子に、リチャードの腕が泳いで、傷口から短剣をもぎ取り、ずっと遠い茂みに投げてしまった。・・・ちょっとありえそうもないことだが、起こりうることだと思うと。







「はっきりしているとは言いたくないんですが・・・。」とミス・マープルは口をはさんだ。

「随分、妙な話ですっかり面食らいました。」






ミス・マープルはなおも話を続けていた。

でも不思議なことはあるものだと・・・去年のレディ・シャプレイの園遊会でクロック・ゴルフの支度をしていた人が番号の札につまずいて転んで・・・気を失ってしまった・・・5分間ぐらい意識不明であったという。






「わかりました、伯母さん。でもその人は刺殺されたんじゃないんでしょう?」
レイモンドがおだやかに言った。






「そりゃそうですとも。それを言いたいんですよ。もちろん、お気の毒にサー・リチャードが刺殺されたっていうのには、なにかたった一つのやり方があったのでしょうね。でもね、まず第一になぜ倒れたかということがわかったらなあ、と思いますのよ。きっと木の根っこがあったんでしょうね。サー・リチャードはその娘ばかり見ていたんでしょうし、月夜の晩には、よくつまづくものですよ。」






「あなたはサー・リチャードが刺殺されたといううらに、ただ一つのやり方しかないとおっしゃるのですな、ミス・マープル。」







牧師はミス・マープルを不思議なものを見るようにみつめた。







(次号に続く)




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