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2016年09月23日

雑居ビルの怪




584 本当にあった怖い名無し sage 2006/06/14(水) 03:11:58 ID:6a8j38P20
今からもう14年くらい前の中学2年の時の話です。
日曜日に仲の良い友人達と3人で映画を観に行こうという話になりました。
友人達を仮にAとBとします。

私の住んでる町は小さくて映画がある町まで出るということは、
田舎の中学生の私達にとって大きなイベントでした。
土曜の夜、うきうきしながら家にいるとBから電話がありました。

「ごめん、明日バイオリンのレッスンがあったんだった。
ちょうど映画が終わるくらいの時間にレッスンも終わるから○○町
(映画館がある町の名前)の駅の改札あたりで待ち合わせしよう」
という内容でした。Bは結構なおぼっちゃんだったので、 バイオリンを習っていたのです。

3人そろって楽しく大きな町で映画を観られると思っていたので、少しがっかりしましたが、
映画の後に3人そろって 遊べばいいやと気を取り直してその日は床につきました。

585 本当にあった怖い名無し sage 2006/06/14(水) 03:15:40 ID:6a8j38P20
そんなわけで翌日、僕とA、二人で映画を観に行きました。
映画を観終わって二人で「面白かったねー」と話しながら、駅に向かおうとした時、
Aが「ねえねえ、このビルの3階まで上れば 駅へ続く歩道橋があるよ」と言いました。

そこは大きな町だったので、駅前から複数のデパート等へと続く
歩道橋が3階くらいの高さで広がっていました。
私も信号に捕まりながら歩くよりはいいなと思い、映画館の横にあるビルに入りました。

そのビルは小さな雑貨店がたくさん入っている雑居ビルでした。
私達は階段を見つけ、1階から上って行きました。
3階までつくと、店側に入る扉がありませんでした。
きっとそのフロアは倉庫か何かになってて、この階段からは一般の人が
入れないようになってるのだと思い、 私が「やっぱり1階に戻って、普通に歩いて行こうか」

と言うとAは「いや上ってみよう。4階からお店側に入れるかも しれないから、
そしたら別の階段から3階に降りればいいよ」
と言いました。

しかし4階に上っても扉はありませんでした。
さらに5階へと進みました。しかし扉はありません。
だんだん私達も意地になって、どんどん階段を上って行きました。



588 本当にあった怖い名無し sage 2006/06/14(水) 03:18:59 ID:6a8j38P20
10階位まで上ったでしょうか。
私は少しおかしなことに気づきました。
外からこのビルを見たときは10階もなかったような気がしたのです。
しかしAは「もっと行くぞ」と張り切って進んで行きます。

私達は階段をどんどん上って行きました。
20階くらいまで来て、私は完全におかしいと思いました。

階段も何故か、古くさく、じめじめ した感じになっていました。
ゲームのバイオハザードに出てくる、 苔むした嫌な階段みたいな感じです。

私はこの時点でかなり怖くなっていたのでAに向かって
「ねえ、もう引き返そうよ。絶対変だよ、これ」と言うと
先を行くAは私に背中を向けたまま「ハハハ、変だね」と言います。

何をふざけてるんだと少し、気分を悪くした私は「何笑ってんだよ!
帰ろうって言ってるんだよ!」と少し語気を荒めました。
するとAはまた「ハハハ、変だね」と言います。
私はそのAの言葉にさらにムッとしましたが
階段を上っていくAの姿が少しおかしいことに気づきました。


589 本当にあった怖い名無し sage 2006/06/14(水) 03:21:30 ID:6a8j38P20
姿形はもちろんAなのですが、動作の一つ一つがおかしいのです。
確かに階段を上がる動作なのですが、何かこう、人間が人形を手で
動かしているような、ぎこちない動きでした。
右手、左手、右足、左足、それぞれが独立して動いているような ともかく変な動きでした。

私は足がすくんでその場で立ち止まりました。
するとAが立ち止まりクルッと私の方へ振り返りました。
「ハハハハハハハハハ変だね、変だね、ハハハハハハハ」と笑う
Aの顔を見て私は叫び声をあげました。動作と同じく、顔の表情もぎこちなく、
笑うAの顔。

何より、白目が無くなって眼球いっぱいに広がった黒眼が私に叫び声をあげさせました。

私は踵を返し、全速力で階段を駆け下りました。
途中足が もつれて転びそうになりましたが、それでも無我夢中で駆けました。
気づくと雑居ビルの一階にある薬屋さんにいました。

どうやって階段から 出たか、その時の記憶はないのですが、
パニックになってた私は後ろを 振り返らずに駅まで走りました。


591 本当にあった怖い名無し sage 2006/06/14(水) 03:24:21 ID:6a8j38P20
駅の改札につくと、Bが待ってました。
Bは「遅い。映画が終わってから1時間も経ってるぞ」と怒っていましたが、
Aがいないのに気づくと「Aはどうした?」と聞いてきました。
私はこのまま外にいるとAが後ろからあの奇妙な動きで追ってくるような恐怖に襲われ、
とりあえずBを促して駅に中にあるファーストフード店に入りました。

とりあえず私は起こったことをBに話しました。
うまく整理できずに話したので途中Bに「もう一度詳しく話せ」 と何度も言われました。
最初はBは私がからかっていると思っているような態度でしたが、
だんだんと真剣な顔つきになってきました。
というのはBは霊感が少しあるやつで、私達に起きたことが尋常では無いとピンと来たようです。

Bは「とりあえずそのビルに行ってみよう」と言いました。
私は嫌だと言いましたが「Aをほっとけないだろ」という言葉を聞いて「確かにそうだ。
Aは何かに憑かれたのかもしれない」と思い件のビルまで行きました。

先刻と同じように階段を上ってみると3階にはCD屋さんへと続く扉がありました。
4階に上ってみるとゲームセンターになってて、そこも普通に入れました。
階段はそこで終わり。4階建てのビルでした。
私達は首を横にひねりましたが、その日はとりあえず家に帰ることにしました。

明日、もしかしたらAは普通に学校に来るかもしれないと思ったからです。


593 本当にあった怖い名無し sage 2006/06/14(水) 03:28:45 ID:6a8j38P20
次の日、登校するとAは来ていませんでした。
私より10分ほどあとに来たBが顔を青くしながら今朝変な夢を見たと言いました。
その内容とは、Aが森の中を泣きながら裸足で歩いており、
しきりに「悔しい悔しい」と呟いているというものでした。

Bはあれは単なる夢じゃないと言いました。でもどうしていいか分からないとBは言いました。
それから数日経ってもAは帰って来ず、捜索願いが出されました。
私とBも警察まで行って、その日のことを聞かれましたが、あの不思議なことは話しませんでした。

それから1ヶ月後くらいでしたか、Aが発見されました。それも死体で。
これは直接家族の方に聞いたわけではないのですが、
何故か私の住んでる町から100キロ以上離れている隣県の山の中にある
神社の境内の横で、カラッカラに干涸びて死んでいたそうです。
しかも死後1ヶ月は経っていたそうです。

当時はAが死んでとてつもなく不快な体験でしたが、日が経つにつれて 忘れて行きました。
この間Bに何年かぶりに会って「あれ何だったんだろう」 という話になって思い出した体験談です。

594 本当にあった怖い名無し sage 2006/06/14(水) 03:30:53 ID:6a8j38P20
以上です。

あれからあの映画館に行ってませんが
こんど久しぶりに行ってみようかな。



posted by kowaihanashi6515 at 14:42 | TrackBack(0) | 洒落怖

2016年09月22日

心霊スポットの怪異




これは数年前、私が実際に体験した話です。

蝉が土砂降りのように鳴いていた暑い夏のことでした。
仕事を終え帰宅し翌日は休み。
特に何もすることもなく暇を持て余していた私がスマートフォンを触っていると、
友人Aから連絡がありました。

やり取りを交わす中、その流れで遊ぶことになり近所のA家へ行くことに。
しばらくAの家でゲームをしたりして過ごしていたのですが飽きてしまい、
何となくその辺りにあった旅行雑誌を2人で読みながら雑談をしていました。

すると載っていたとある山を見て、Aが何かを思いついたように言い出しました。

「そうだ!あそこのトンネル行ってみないか?暇だしさ。」

私自身も興味があったので、すぐにその場所へ向かうことになりました。
そんなに遠くもないし、何かしらの刺激を求めていた私達はすぐ車に乗り込みました。

Aが言うトンネルは大きな山の中腹辺りにあるトンネルで、
昔から怪しい噂がついて回っている場所でした。

1時間ほどで着くような近さでしたが、時間は既に真夜中。
Aのテンションはトンネルが近づくにつれて上がるばかりで、
私もそんなAのテンションと同調するように気持ちが跳ね上がって行きました。

山に着いて中腹まで向かう道中、
フロントガラスに水滴が付くようになりました。ジトっと張り付くように降る霧雨の中、
対向車もないまま山を登りました。

車内にはBGMとしてAの好きなバンドの曲を流していました。

その曲は音楽に詳しくない私でも聞き覚えのある有名なものでしたが、
所々にか細い女性の声が入っていました。

はっきりとした感じではなく「ファー」とか「アァー」といった感じの声です。
その時の私は、そういう曲で女性がコーラスをしているのだろうと聞き流していました。
相変わらず弱くも強くもならない雨が降り続く中、もうそろそろトンネルに着く頃合いだったと思います。
Aが言いました。

「この曲、さっきから変な声が聞こえない?」

Aが言うには何度も聞いている曲だったので違和感にはすぐに気付いたらしいのですが、
私を怖がらせるわけにはいかないと思い黙っていたようです。

ところがその変な声が入る部分が、トンネルに近づくにつれ徐々に増えてきていたのです。

Aにそう言われると確かにおかしい。声が増えてきているのもあるし、
微妙にですがその声のボリュームも上がってきているような…?

肌が粟立つ感覚を覚えながらも車は止まることなく走り続けます。
「あの道を曲がるとトンネルがあるらしい」
とAが言ったその直後、唐突にブレーキが踏まれ思わず前へとつんのめります。

「どうしたんだよ?!危ないだろ!」
と言うとAは
「今、誰かに足を掴まれた…。」
と無表情で私に言いました。

これは危ないと思った私達はすぐさまに下山しました。
目的地はすぐそこでしたが到着する前からこんな状態では絶対に良くないことが起きる。
帰りの車内ではBGMはかけませんでした。

下山してすぐ近くにあったコンビニへ車を停めました。
そのまま帰ることも出来たのですが、
それらしい体験は2人とも初めてのことだったので動揺してしまい、
明るくなるぐらいまではコンビニでちょっとゆっくりすることにしたのです。

気が昂ぶっていたからか、車を降りる時には気付かなかったのですが、
車内に戻った時。Aが「うわあ!」と叫びました。

なんだよと駆け寄ると運転席、Aの足元に置かれているシートがぐっしょりと濡れていました。
助手席側、後部座席のシートは無事です。

何故かAの座っていた席のシートだけが濡れていました。

私は
「なんか漏らしたんじゃないの?」
などと気を紛らわせようと冗談を言ったのですが、A自身になにも変化はありません。
座席は濡れてはおらず、ただシートだけが濡れていたのです。
Aは濡れたシートをジッと見つめたまま無言でした。

とりあえずそのシートはボンネットの上に置いて、朝になるまでその場で待機していました。
特にこれといった会話もなく、Aも黙りがちになっていたので私も無理に話しかけたりはしませんでした。

そうしてやっと朝になり、これでもう大丈夫だろう、
さぁ帰ろうかとどこかで安堵した気持ちになった私達は、
駐車場を出て信号待ちをしていました。

私達には一瞬何が起きたか分かりませんでした。
ただ強い衝撃が後ろから来て、私達は前へ打ち付けられていました。
Aはエアバックに埋もれていたと思います。

衝撃の正体は、後ろから来た軽自動車による追突事故でした。
私はそれが原因で腰を痛めヘルニアになり、Aは無事だったのですが乗っていた車は廃車になりました。
どうして見通しの良い朝の交差点でそんな追突事故が起きたのか検討もつきません。
軽自動車の運転手は、ボーッとしていて気づいたら追突していたと言います。

あれから一切そういった場所に行くことは無くなりました。
Aとは今でも連絡を取っていますが、あの当時のことは話しません。
posted by kowaihanashi6515 at 21:49 | TrackBack(0) | 実話系

竹林で【怖い話】




小学校の頃によくある噂話。
そして子供達のステータスである「勇気のある奴」
[勇気]の称号を得る為にある噂話の現場へ肝試しへ出かけた。

うーん……。

さすがにネットに書き込むのはどうかと思ったんですがネタをみんな欲しがってるようなので。
オカ板新参者です。長いしおもしろくなくてもごめんね。

小学校の頃の話です。

おいらが行ってた小学校の側に竹林があって、
そこには怪しい人が出るから行っちゃ駄目ですって言われてたのね。

俺は結局行かずじまいやったんやけど結構周りは行ってる人が多くて、

みんな

「変な小屋があって浮浪者が住んでる」とか

「小屋があって扉がどうしても開かない」とか

まあ要は木造の古い小屋が一つぽつんとあるってみんな共通して言ってました。

何時の間にかその小屋に行った、という事実は

「勇気のある奴」のステータスみたいな感じになって悪ガキ連中は
みんな行こうとしてた記憶があるっす。

んである日、Oって奴とUって奴が二人で「行こう」って話になったらしいのね。
両方一応友達だったんだけど。

まあ行く奴はもうみんな行ってて、
今更行くのは言わば遅れ馳せながらって感じやったんやけど。

放課後やったかなぁ?記憶あいまいでスマン。
とにかく放課後二人して行ったらしいです。つーか行きました。

この辺は後で人づてに聞いた話と俺の想像。

とにかく小屋に向かった二人は、深い竹林の中を例の小屋捜して歩きます。
遠目には小さい竹林やったのに、ちょっと入ったらすごい暗かった記憶があります。
あれは不思議やった。

そんで二人、小屋は例のごとく発見したらしいです。

んですぐ入ってみようって話になったんやと。

木造の扉を開けて中に入ったんですが、
先に入ったUが「うわ、やべ!」って思ったらしいです。

中で人が首吊って死んでたんやと。

そんでどうしよとか思ってたら、突然後から入ってきたOがすごい声で叫び出したらしいです。

「お母さん!!」って。

叫び続けるOを置いてUはダッシュで逃げたらしいです。

そん時俺は学校のグラウンドでみんなとドッチボールか何かやってて、
そこへUがダッシュでやって来たんすよ。

グラウンド越しに見える竹林の方角から。
めっちゃでかい声で「Oのおかんが死んでる!」って言いながら。

あん時は凍りました。

その日はすごい騒ぎになったと思いますがよく覚えてないっす。

とにかくOはその日から学校来なくなって
そんで結局一度も顔出さないまま転校していきました。

ここまでは記憶の限りマジ話。多少の間違いはあると思うけど。
問題はここから。

ありがちな話っす。
「あの小屋に幽霊が出る」って話になるんすよ。

その自殺以来本当に行く奴はめっきり減って、
みんな行きもしないのにキャーキャー言ってました。

まあ俺もそうか…。

当時物知りの方だった俺は首吊り死体がすさまじい状態になるって何かで知ってたので
それを詳しくみんなに話してました。おもしろ半分に。

みんなまたそれを聞いて騒ぐわけですよ。

「首吊り女の霊が出る」って。
そんである日、また別の友人Sに誘われたんすよ。

「お前、そんなに霊に詳しいんやったら見に行かん?」て。

俺はビビリだったんで速攻断ったんですが、
後で話を聞かせてもらう約束はしました。

Sは結構仲間内でも悪い方で、奴なら本当に行くと思ったので。
そんで何人かで本当に放課後例の小屋を見に行ったらしいです。

次の日

学校に行った頃には俺はもうそんな話すっかり忘れてたんですが、
Sがその日すんげー暗かったのね。いつも騒いでばかりの問題児が。

それで俺も昨日の事思い出して「本当に行ったの?」って聞いたんすよ。
そしたら「うん」ってそれだけ。

いつもなら自分から、がーって喋るはずのSがすごい大人しかったんで

「これはマジで出たか!?」って思ってその日一日Sにべったりくっついて
根掘り葉掘り聞いてたんですよ。

「昨日小屋で何があったか」を。

今考えると嫌なガキだな(W
ところが何聞いても教えてくれない。

「何か見たの?」には「うん」って言うけど
「何を見たの?」は答えてくれない。

例えハッタリでも

「すごい顔した女の幽霊見た」とか言うじゃないですか?

俺はもう「Sは本当に幽霊を見たんだ」って思って興奮して

「どんな幽霊か、どんな感じしたのか」って結局放課後までずっと聞いてました。

そしたら遂にSが「誰にも言うなよ、そんであそこには絶対行くな」って言い出しまして。
そん時俺がどんなに嬉しかったかはわかると思います。

Sが言ったのは一言だけです。

「扉開けたら中にすげー声で叫んでるOがいた」って。

オチらしいオチはありません。

Sはその後二度とその話はしてくれないし、
俺もおもしろ半分で人に怖い話をする事は減りました。

小屋のあった竹林は潰されて今は筆ペンを作る工場が建ってます。
転校していったOがその後どうしてるかは誰も知らないし、
俺は一回だけ見せてもらったOの妹の顔を時々思い出すだけです。

これが俺が小学校の時あった洒落にならない怖い話です。
多少脚色は入ってますが、大体事実です。

何か怖い話を求めてたみなさん少しは満足されましたか?お気に入り詳細を見る



竹林で【後日談】


「竹林で」を投稿した者です。随分お久しぶり…です。

あの話、大筋は実体験込みの実話であると述べましたが
今回ちょっとマジでシャレにならない経験をしたので
あわせて投稿します。誰か嘘だと突っ込んでくれ。

先々週末、お酒を随分飲んで帰る機会がありまして、
その日普段と違う帰り道を夜中べろんべろんに酔って
一人で歩いて帰ったんですよ。

あ、どっかで「竹林で」の話は読んでおいて下さい。
これは後日談ですので…。

その道は僕が通っていた小学校の裏道に当たり、
もうかなり長い間使った事が無かったんですよ。
川を挟んだ向こうには工場が建っていました。

あの竹林の跡地に…。

工場が目に入った瞬間、ちょっとぶるっと来ました。

何しろあの忌まわしい事件の顛末を事もあろうに
2ちゃんねるに書き込んだという前科が自分にはあったので。

考えないようにしていたのですが何の気まぐれか
もう絶対通らないと決めていた道を通ってしまったんですよね。

もうすっかり暗くなって工場の外灯の薄暗い光しか見えない。
そこで僕は見てしまったんですよ、あの竹林が潰されずに残っているのを…。

十数年前のあの事件以来、友人の忠告通り竹林には行かず傍を通る事すら無かったんですよ。
それでどうやら記憶が勝手にねじまげられていたようです。
竹林は無くなってなどいなかった…。

普通の状態なら速攻ダッシュで逃げてたんでしょうけど何しろ酔ってましたから。
変な使命感もあったんでしょうなぁ、馬鹿だ。

向こう岸に渡れる古いコンクリートの橋があって
何を考えたか渡ってしまったんですよ、竹林に行くために。

小学校のときみんなが肝試しに使っていた竹林。

僕自身は初めて来ます。

あの事件の前にちょっと遠目に見た事があるくらいでした。
大人になった今、外から見ると随分小さく見えました。

竹林を囲むようにびっしりと緑色の壁が覆っているように見えていて、
近くまで寄ってそれが周囲に配置されたフェンスに
群生するシダのような物だとわかりました。

足はふらふらでしたが、僕はフェンスをさっくり乗り越え竹林の中に入りました。

何かに魅入られていたとしか思えないっす。

やたら草が茂っていて中は真っ暗でした。
それでとりあえず工場の外灯に向かって進みました。
するとすぐ傍に、小屋がありました。外からはまったく見えないのに…。

さすがに足は止まりました。

本当にあるとは。そしてまだ残っているとは。
ここでOの母親が…。無意識のうちに手を合わせました。

そして止せばいいのに小屋に入ろうと思ってしまったのですよ。
あの話を不特定手数の人に話した(書いた?)、
最早まったくの部外者とは言えない、

すっきりするためにも自分は中を確認する必要がある。
そう思って…多分。いや酔っ払いはそこまで考えないですか。

扉は横引きの木戸で、
鍵はかかってない(そもそも本当に小屋がボロい)のに妙に重かったです。
一気に引いて中を覗き込みました。

小屋の中は真っ暗で最初何も見えない。

僕は小屋の中に入り、すぐに何かにつまずきました。
倒れこそしなかったものの、よろよろとそのまま小屋の中奥深くにまで
進んでしまいました。あちこちで何か硬い物が足に当たります。

しばらく何も見えなかったんですが、目が慣れるに従って僕は…

小屋の中そこかしこにびっしりと林立する異常に大量の
地蔵がある事に気がつきました。

地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵
地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵
地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵地蔵!!!

心臓が止まりそうになりました。

一瞬地蔵が全部こちらを見ている!

と思って腰を抜かしそうになったのですが、
彼らの視線は小屋の中の違う一点で結ばれていました。

何がある!?と思いそちらを見ましたがその空間には何もありません。

ただその空間の上方。

少し目を向けるとそこに小屋を貫くようにまっすぐの長い梁が存在し、
それは人一人くらい簡単にぶら下げられそうなくらい太く、

僕はそこに「何があったのか」を容易に想像する事が出来て…!

酔いと悪寒で吐き気が込み上げ、口元を抑える僕の耳に
はっきりと「おかあさん?」という小さな声が聞こえました。

思わず振り向くと小屋の入り口、入ってすぐの所に立っているのは
紛れも無く当時と変わらぬ姿のO、その人!!

Oはまん丸の目をキュッと音が聞こえそうなくらいはっきりと歪め、
そして…理解できたのです。

彼が(「すげー声で叫んでるOが」)
次の瞬間に叫び出そうとしているのが!

竹林からどのように抜け出たかはよく覚えていません。

気がついたら吐きながらいつもの帰り道を全力で駆けていました。
それが二週間前?の事です。腕とか傷だらけっす。

だいぶ悩みましたが多分勘違いか夢だろうと思ったので
ここに投稿して全部無しって事にする事にしました。

南無…もう忘れます。誰か理性的な突っ込みを下さい。
本当泣きそうでした、ここ最近…。じゃ。

ごめんなさい、本当ごめんなさい。
posted by kowaihanashi6515 at 21:16 | TrackBack(0) | 洒落怖

これから伺います「何言ってるの?その電話はどこにも繋がってないよ」 【田舎にまつわる怖い話】




死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?239
725: 本当にあった怖い名無し 2010/04/09(金) 20:34:30 ID:s+FrQ3Tt0
ずっと入院していた義母が他界したので、
義弟夫婦と夫の四人で義実家の整理に行った。

隣の家まで歩いて10分と言う土田舎。

電気も水道も止めて貰ってたので、色々手続きが面倒だった。

私と義妹で家の片付け、夫と義弟がご近所さんへの挨拶回り。

昔庄屋だった義実家は、
戦前は何人も奉公人が住み込んでいただけあり部屋数も多く、
とにかく広い。

「うちでは管理しきれないわ」
「うちも無理だわ、遠いし」
「処分するしかないわね」
「でも主人達にとっては生家だし、なんて言うかしら」
「そうね〜」

等と言いながら、
とにかく家中の雨戸と窓を開けていると電話がなった。

昔ながらの黒電話だ。

出てみると聞き覚えの無い声で
「お戻りだったのですね。お待ちしておりました。これから伺います」
と言われた。

どなた様でしょう?と聞いたのですが
相手は答えず電話を切ってしまった。

夜には帰るつもりだったので、
義妹と慌てていると夫達が帰ってきた。

電話の事を話して、心当たりを尋ねると義弟が笑って言った

「義姉さん。真面目な顔で何言ってるの?
 その電話はどこにも繋がってないよ」

10年前に子機付きの新しい電話機に換えた時に、
線も引き直したんだよ、ほら、と

黒電話のコードをたぐり寄せた。

電話線は途中で切れていた。

凍り付く義妹と私の前で、その黒電話が鳴り出した。
今度は四人とも凍り付く。

「来るって言ったのか?」

と夫が言った。

義妹が泣き出し、四人で戸締まりもそこそこに車に飛び乗った。

それ以来、義実家には帰っていない。処分は業者に頼んだ。


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