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2016年07月21日

マギ 30巻 大高 忍 (※ネタバレ)

さあ!
待ちにまったマギの最新刊、30巻が発売されました。
表紙は、背中に大荷物を背負って旅人のような雰囲気を醸し出し、陽の光を浴びてキラキラと光っている少し大人びたアリババ。

帯には”商人アリババ、新世界を大冒険!!”のコピーが。
29巻は生き返ったアリババがシンドバッドに会い、次に、煌帝国の皇帝になった紅玉に会いに行くというところで終わりました。

戦争のない、金属器のない新世界でどのようなストーリーが進んでいくのか・・・。急ぐ心を整えながらページを捲っていきました。


(読後の感想。ここからネタバレです)


最終章、最後の物語はアリババの旅から始まりました。
まだアラジン、モルジアナの行方は分かりません。暫くは静かにアリババの旅を見守るしかなさそうです。

30巻では、少しずつシンドバッドが築き上げた「平和な新世界」の様子が少しずつ明らかにされていきました。それは煌帝国からの視点であったり、アリババがかつて交流していた人物からの視点であったり、様々です。

何はともあれ「30巻も面白い!」ことは間違いありませんでした!
その中で中心になるトピックや気になった事項に焦点を幾つか当てて、紹介したいと思います。

煌帝国を立て直せ!


煌帝国の弱体化振りは29巻で描かれていたとおりですが、30巻でアリババが紅玉から聞いたのは「煌帝国の破綻秒読み」という現状でした。それを何とかしたいと考えたアリババは、何と、かつての煌帝国軍隊を商会として機能させて、商売で復興するという考えを絞り出します。

その第一歩として、アリババは、シンドバッドに「返済を1年間無条件で引き伸ばして欲しい。利子も凍結して欲しい」との交渉を行い、これを成功させます。

こう来るか!と唸る展開ですが、しかし同時に、

マギってビジネス漫画だったっけ?

と呆気に取られる自分がいました。
これまでは魔法や金属器による戦いで物語が進んでいきましたが、シンドバッドが作り出した平和な世界を舞台に、今後は経済戦争が繰り広げられていくということなんでしょうか?

シンドバッドとアリババが智慧の限りを尽くし、マネーの世界で生きるか死ぬか、生き馬の目を抜く熾烈な戦いを繰り広げる・・・。
いやまあそれはそれで面白いと思いますが、やっぱりマギは30巻の裏表紙に書いているとおり「究極魔導ファンタジー」な訳ですから、魔法や金属器の戦いもやっぱり見たい。

しかしながら暫くは、アリババが煌帝国を商売でどのように立ち直らせるかということを主軸に話が進みそうです。30巻の最後では、その商売のキモとして「転送魔法陣」の仕組みを活用するべく、アリババが各国に交渉の旅に出ます。

まずは、この行方を静かに見守りたいと思います。
でも何か、少し、今の私たちのリアルな世界に似ている感じがしてきましたね…。一つ一つのことが他人事だと思えず、意識に引っ掛かります。

アリババが得た”新しい力”と、アルマトラン時代の魔道士


29巻でその片鱗を見せていました、アリババが得た「新しい力」の正体が冒頭で明かされます。
それは、

一瞬を永遠に感じる超集中力(ユナン談)


です。つまり、もの凄い集中力を発揮することで、まるで自分以外の時間が止まったかのように振る舞うことが出来るという能力です。

これにより、敵の攻撃をたやすく捌くことができたり、膨大な書類の山をとんでもない速度で理解することができたりします。
まるで”JOJOの奇妙な冒険”第三部のザ・ワールドや、スタープラチナのような能力。

欲しい・・・(自分自身の心の呟き)

もとい!

これまでは金属器・魔装の力、バルバッド剣術、マゴイ操作(未熟)を持ちながらもどこか頼りなかった感じのあったアリババ。人間的な魅力は大きいものの、戦闘力に難あり・・・といった印象でしたが、この新しい力により、戦闘においても一気に頼れる存在となった感があります。

アリババの今後の活躍がますます楽しみです。
あ、でも、金属器は封印されているんですよね。

ところで、このアリババの力についてユナンが解説しているシーンの一コマに、アリババにハニワの身体を与えた人物のシルエットが出てきます。

よく見ると、「アルマトラン」の魔道士である、ワヒードセッタだということが分かります。
一人は肩に子供を乗せているのと、目隠しっぽいシルエットがあり、ワヒードだととすぐに分かりました。もう一人はファーラン(ワヒードの妻)かな?とも思いましたが何かシルエットが違う・・・と確信が持てず、22巻を引っ張りだして神杖の形を確認したところセッタでした。

2人の周囲には黒ルフの絵が描かれていますから、

・ソロモンによりルフが白く染められる前に死んだセッタ
・イル・イラーを地上に引き下ろし、自らはイル・イラーに帰っていったワヒード

という事実とも突合できますので、まず間違いないでしょう。


ワヒードは自分の子供であるテスのルフに巡り会えたんですね(肩に乗せてているから)。アルマトランは滅びましたが、テスとワヒード、魔道士唯一の親子が黒いルフの中で巡り会えたことは少しだけ救われたなあという感じがしました。

でもちょっと気になるのは、かつて「アル・サーメン」としてソロモンに敵対したワヒードがなぜアリババに力を貸したのでしょうか?ワヒードとセッタ、アリババの中でどんな話がされたのかがとても気になります。

このあたりも少しずつ明かされていくことだと思います。
楽しみです。

シンドバッドを探る旅・・・


29巻のアリババとシンドバッドとの会談で、シンドバッドは自らがダビデと繋がったことを伝えました。

一方アリババは、死んでいる間に魔道士から「ダビデがシンドバッドと繋がり、イル・イラーを地上に下ろそうとしている」と聞き、それを止めようとしています。
それでいてシンドバッドとのこれまでの関わりから、その話をすぐには受け容れる事ができないため、シンドバッドという人間のことを見定めようとしています。

アリババがそのために取った方法は、シンドバッドを知る人からの話を会って聞いていくこと。煌帝国の商業のための旅と並行して、アリババは「自分が死んでいた間のシンドバッドさんのことを教えて欲しい」と尋ねていきます。

これについて、30巻の中で印象的だった台詞は次の2つです。

・マスルール
「アリババ、シンさんは超人じゃない。だから、あまり追いつめるな。」

・シャルルカン
「俺には・・・・・・国が小さいことだとは思えねぇ。エリオハプトが大事だし、王サマが王様だった頃のシンドリア王国が・・・まぁ・・・大好きだったんだよ。」
※シンドバッドの「国という、小さなことに囚われず生きなさい。」という台詞を受けて。

特にマスルールの言葉が意味深です。言葉少ないキャラということも効いていると思いますが、アリババの話のどこが「シンドバッドのことを追いつめようとしている」のかが、とりあえず分かりません。

きっと後で「あれはそういうことだったのか!」ということになるんでしょうね。楽しみですし、落ち着いて時間が取れたら、じっくりと考察してみたい点です。

番外編:危険な国・煌帝国と紅明


あまり話の本筋とは関係ないと思いますが、ちょっと面白かったので触れておきたいです。

煌帝国復興のために、アリババに連れ戻された紅明が「魔導研究施設」の状況を確認しに行くシーンが出てきます。ここで紅明が幼いころから先見の明を持ち、魔導を研究していたということが明らかにされますが、その中で「乾卦札」というものが出てきます。

これは肉体の腐乱を止める魔法札(キョンシーみたいな感じ)なのですが、「何に使うんだよ」と聞いたアリババに対し、紅明は「死者を蘇らせるのですよ。」と言い放ちます。アリババは激昂して「死んだ人間を弄んでいいと思ってんのかよ・・・!!」と凄みますが、これに対して紅明とその仲間たち(煌帝国)は、いとも涼しい顔で次のように言います。

紅明「弄んでなどいません。彼らは死後も、世界を一つにするために、戦い続ける事ができるのです。」
部下A「すばらしいっ!!この上ない名誉ではありませんかっ!!」
部下B「俺も魂なき後も、煌のために、身体がちぎれるまで戦いたいものだ!!」
部下C「私もだ!!」

コレに対してアリババは呆然と呆れ返って、これ以上何も非難はしませんでした。

なんて危ねー国なんだ・・・と私も空恐ろしく感じましたが、しかし煌帝国に生きる人間にとってはごく当たり前の考えだということなんですよね。アリババもそれ以上言わなかったということは、少なくともこの世界において、「死者を蘇らせて戦わせる」ことが絶対に悪だという普遍的な価値観はないという事になります。

これもまた、漫画「マギ」が示す一つの真理なのかもしれません。
世界には様々な考え方・文化があり、それぞれがそれぞれにおいて存在しているのであり、「絶対的に正しい何か」なんて世界には無いんだというメッセージとも受け取れます。

そういえば、エリオハプトでの「そういう文化なんだよ、慣れろ」という台詞も、その一つかもしれません。

相変わらず考えさせられます。「マギ」。

まとめ


がらっと装いを新たにした新世界を舞台に進められる最終章。
金属器もない、魔法のバトルも繰り広げられない、どこか寂しい感じもしたマギ30巻ですが、活き活きと動く登場人物たちによって進められていく物語は何の翳りも見せない、むしろ「どう進んでいくんだろう?」というワクワクを感じさせるものです。

まだまだ最終章は始まったばかりで、物語が一体どこへ向かおうとしているのかは読み取れません。
そしてまだ姿を見せない、アラジン、モルジアナ。

30巻を読んだばかりでアレですけれど、
31巻が待ち遠しい!!

ということで、30巻の感想でした。
長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

↓↓過去のマギについての記事はこちら

マギ 29巻 大高 忍(※ネタバレ)

マギ 28巻 大高 忍(※少しネタバレ)

マギ 27巻 大高 忍(※少しネタバレ)

マギ 大高 忍 (11〜26巻)

マギ 大高 忍(1〜10巻)
タグ:マギ
posted by 霧島もとみ at 2016年07月21日 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック
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他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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