2014年08月03日
大人も子供も読んでほしい本
今日は、大人も子供も一度は読んで欲しい本をご紹介します。
「ぼくと戦争の物語」 漆原智良 作 山中桃子 絵 (フレーベル館)
もうすぐ終戦記念日がやってくる
日本に大きな影響を及ぼした太平洋戦争
戦争を知らない世代のかたは、歴史の中のことのように感じるかもしれないが
あなたのお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさんは、現実にこの中で生きていたのです。
この物語は、作者である漆原先生の実体験をお書きになっています。
主人公の心平は東京の下町で暮らしていた。
戦火が激しくなり、都会に住む子供達は地方へ疎開することになる。
お父さんの実家へたったひとりで疎開することになった心平。
「がまんすることだな」
『わずか一分の停車時間。父は「わかるな」とうような目つきで、何度も顔を上下にふってちいさくわらった。』(本文中より)
たったひとり残ることになった心平の心細さ
いつ何が起こるかわからないこの時、小学生のわが子を、たったひとり、残して帰らなければいけなかったお父さんの心
読んでいて胸がしめつけられるようでした。
疎開先の会津の小学校では毎日のように農作業や竹ヤリ訓練が行われた。
慣れない事ばかり。
黒潮小島から疎開してきた親戚で同級生の洋太は、島では海の20メートル深いところまでももぐって獲物をとってくるたくましい子だ。
『だが心平は先生にほめられても、わら人形がかわいそうで、なぜか勝ちほこったような気持にはなれなかった。
隊列にもどったとき、洋太がぽつりとささやいた。
「魚をつくのとは、わけがちがう」』(本文中より)
純粋で優しい子供たちが、人の形をしたわら人形を突く練習をしなければならなかった戦争
心平は辛い思いのなかでも、理不尽な厳しさを示す大人に、戦争のためにそうせざるをえないのかもしれない、と思いをめぐらせます。
家族に会いたい、一緒に暮らしたい、その思いは叶うのでしょうか
最後まで目が離せません。
この作品は戦争のなかで子供たちが心を傷めながらも歯を食いしばって生きてきた
本当にあったことが生き生きと描かれています。
読みながら何度も涙で文字が見えなくなりました。
この作品を読んで、ぜひ、戦争の悲しみを知ってください。
もう二度と戦争を起こさせてはなりません。
心に深く残る大切な作品です
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