アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2019年03月27日

スタンフォードで未来を考える  No.1



 【管理人より】


 ここに、イノベーションに関わる或る秀逸なレポートをご紹介したいと思います。日本を代表する広告代理店・電通の中堅幹部であろう四之宮壮平氏のアメリカのスタンフォードでの1年間の留学レポートです。筆者は、このレポートの公表の意図を次のように記されています。

 (文中より)・・・会社の海外留学制度を使い、2017年6月末から1年の予定で、アメリカはカリフォルニア州のスタンフォードビジネススクールに留学しています。経営学の最前線で学ぶことで発見したことや気付いたことを少しでもお伝えし、皆さまのお役に立てることを願い、数回にわたってコラムをお届けします・・・とあります。

 この機会に私達も、アメリカの、嫌、世界最先端のビジネスを展開する場での学ぶ様子を確りと見聞したいと思います。尚、文中の写真等は割愛させて頂き本文のみ転載します。ブログ中の写真は管理人選定。

  以上




     3-27-1.jpg スタンフォード大学


 




 スタンフォードで広告会社の未来を考える No.1


 四之宮 壮平氏 2018/04/20 より引用します 

 (四之宮氏のお写真をご紹介したいのですが、探し出せませんでしたので悪しからず)


 




 何故、組織に“多様性”が必要なのか?


 皆さま初めまして、電通の四之宮壮平と申します。社の海外留学制度を使い、2017年6月末から1年の予定で、アメリカはカリフォルニア州のスタンフォードビジネススクールに留学しています。経営学の最前線で学ぶことで発見したことや気付いたことを少しでもお伝えし、皆さまのお役に立てることを願い、数回にわたってコラムをお届けします。

 38の業種業態、28の国の人材が集まるビジネススクール

 スタンフォードはシリコンバレーに隣接し、Googleの創業者を初め多くの起業家達を輩出した学舎です。訪れたことがある方は感じられたかと思いますが、あらゆるアイデア・意見・情熱に対してオープンかつ柔軟であり、コミュニティー全体が起業家精神に溢れ、世界中から文化・職業背景も全く異なる人々が集まり多様性を実現しています。

 私が所属しているのが、Master of Science in Management for Experienced Leaders、通称MSxと云うプログラム。
 社会人経験平均12年以上、管理職経験もあるミッドキャリア向けの1年制経営学修士号で、スタートアップ創業者・大手企業の管理職・公務員・軍人・医師・建築家・エンジニアなど様々な才能が集まっています。38の業種業態✕28の国・地域と云う多種多様な背景を持つ104人のクラスメート(女性は約2割)の中で、広告業界出身は私1人のみ。日本人は私を含む5人しかいません。真に多様性のある組織とは恐らくこう云う状態を指すのだと思います。

 業界が異なれば知識や経験が異なり、出身地・文化が異なれば感じ方や伝え方が異なります。多くの違いが組み合わさり一つの組織を成す。しかし、それでは混沌=カオスにしか為ら無いのではないかと思いますよね? それが違うのです。クラスメートとの学びを通じて、多様性は凄まじいエネルギーを組織にもたらすのだと実感しています。


 


 
 
 多様性を確保することが何故重要なのか?



     3-27-2.jpg アントニオ・ルシオ氏

 組織には多様性が必要であると云うのは今や多くの人が言うことです。先日も授業でGoogle元CEO・アルファベット元会長のエリック・シュミット氏や、ヒューレット・パッカードのCMOであるアントニオ・ルシオ氏が多様性の重要性を強調していたのですが、しかしその実「何故それが重要なのか?」と云う明確な説明は余り聞いたことがありません。

 ルシオ氏に尋ねたところ、リサーチなどを根拠にしている訳では無いけれども・・・と前置きした上で「性別・人種などの多様性の高いチームでは、様々な視点が生まれ議論が活発になる」そして「自社内だけで無く、取引先である広告会社にも社員の多様性の確保を強く要請している」とのこと。企業トップが熱心に語るのは好いのですが、多様性のメリットに関する説明が不足していると云う印象を受けました。

 マッキンゼーの行った366社を対象とした調査結果によると、
 「経営陣における人種の多様性が高い上位25%の組織は、同業の他組織の中央値よりも35%業績が良い」  
 「経営陣における性別の多様性が高い上位25%の組織は、同業の他組織の中央値よりも15%業績が良い」
 
 また、
 「経営陣における人種と性別の多様性が低い下位25%の組織は、同業の平均業績水準に達しない」
 とのことで、多様性が業績に直結する競争優位として働いている可能性を示唆しています。

 出典:www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/why-diversity-matters


 




 又、LGBTマーケティングラボでは、多様性を受け入れることによるプラスの影響を以下の様に紹介しています。 (Scientific American誌の2014年記事から引用)

 私達は、自分とは異なる人々と関わることで、より一層独創的に、寛容に、そして努力家に為れる。長年に渡る科学研究所・心理学者・社会学者・エコノミスト・人口統計学者の研究によって、多様な人々(人種・民族・ジェンダー・ 性的指向など)は均一的な人々より、革新的であることが証明されている。
 非凡で難解な問題解決を行う際、多様な専門知識を持つグループが、均一的な人々しかいないグループよりも優れていることは明らかだと考えられている。社会的な多様性についても専門知識と同じように思われるべきだ。
 しかし、社会的な多様性も同じような利点を持っていることは科学的にも証明されているにも関わらず、一般的には余り知られていない。これは、多様な背景を持つ人々が新しい情報をもたらすからだけでは無い。ただ単純に、異なったグループの人々と関わることが、常識的な枠に捉われ無い視点を養い、意見の一致を得る難しさを乗り越える訓練になるからだ。


 出典:http://lgbt-marketing.jp/2017/03/22/howdiversitymakeyousmart/



 




 スタンフォードで体感した多様性の二つのメリット

 私が多種多様な背景を持つスタンフォードのクラスメートと共同作業をする中で、一人の日本人として実際に感じたことを、或るプロジェクトを通じて紹介します。
 チームメンバーはインド系アメリカ人男性のIT系シリアルアントレプレナー、ドイツ系アメリカ人男性の軍人、インド系アメリカ人女性のコンサルタント、インド系シンガポール人男性の投資銀行マン、日本人男性の広告マン(私)と云う構成でした。
 この5人で、アウトドアブランド「パタゴニア」のイノベーションを課題に取り組んだのですが、その中で二つの気付きがありました。


 





 一つ目に、各人の職業背景が全く異なる為、スキルの引き出し・問題へのアプローチ方法が異なる。それによって、本件の様な正解が無い難しい課題であっても、何処からか突破口が開かれると云う事を度々経験しました。

 例えばIT系シリアルアントレプレナーだったクラスメートが、環境保護を強力に訴えるパタゴニアのサプライチェーンを広くアパレル業界に普及させると云う課題に対して、ソフトウエアのオープンソース開発の手法を応用したらどうかと云うアイデアを出してリードして呉れたことがありました。
 一方で空軍特殊部隊出身のクラスメートはビジネス経験が殆ど無いにも関わらず、状況を適切に把握し「何時までにこれを遣らなくてはダメだ」と強力なリーダーシップを発揮して呉れました。
 仮に行き詰まっても、チームの誰かが他の人には出来ない発想や動きで膠着状態を切り崩すことが出来る。プロジェクトが停滞してしまう時間が殆ど無く、早いスピードで一定のアウトプットに到達出来る事を実感しました。

 二つ目の気付きは、各人の職業及び人種・文化背景が異なる為、共通の認識が少ない点です。それ故に、コミュニケーションを成立させる為には必要なことは全て口に出す必要があります。遠慮無く率直な意見やフィードバックが交わされ、何時しかそれが当たり前に為るのです。

 例えば、私が何か主張して、その直後に「俺はお前の意見に反対だ」と正面からヒックリ返されることや、クラスメートのその様な遣り取りを見ることは日常茶飯事です。こちらも「言いたいけど言え無い」「これを言ったらどう思われるかな」と云う躊躇が次第に無くなって行きます。
 結果的にコミュニケーションが明確で伝達効率が非常に高く、更に本音で話す為本質的な議論に発展し易いと感じています。又ハッキリと言い切ることは、自分の覚悟や立ち位置が周囲に対して明らかに為り、色々な意味で実際の行動に繫げ易く為る事もメリットだと感じます。


 




 多様性が新しいモノを生み出す力になる


 職場の仲間内でチームを組むと同質性が高く為ります。例えば電通で行われるミーティングで最も多いと予想される属性のパターンは「広告業界出身✕日本人✕男性」ではないでしょうか。すると、課題解決の際に、

 「業界の常識などに縛られて、皆が同じ処で引っ掛かって動け無く為ってしまう」
 「皆の保有している経験・スキル・視点が似通っているので、新しい突破口を見い出せない」


 と云ったことに陥る場合があるかも知れません。しかしそこに異業種から転職されて来た方、海外から来られた方、異なる世代の方、その他違う属性の方達が加わったらどう為るでしょうか? そのミーティングの可能性・価値が大きく変わるだろうと思います。

 課題によっては同質性の高いチームが上手く機能することもあるでしょう。しかし正解が無い課題や、全く新しい発想が求められる様な場合は、多様性の高いチームの方が成果を出せる可能性が高いと感じます。組織の中に多様性を保つことは、新しいモノを生み出す力、延いては組織が自分自身を見つめ直し変化させて行く力を与えてくれるかも知れません。

 次回は急速に変化する「アメリカのメディア業界」について触れたいと思います。

 以上


 NO2につづく


     3-27-3.jpg

      アメリカ短期研修  スタンフォー大留学の日本の学生達



 スポンサーの皆さまです・・・


 



 

 

 

 





この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8671923
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2021年04月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。