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電話応対 in アメリカ

アメリカの会社で働いてた時の電話応対の話。


会社の下っ端の役目のひとつに電話応対がある。日本でもそうだが、

アメリカでも大抵そうだ。(でっかい企業で受付などがいる場合は別だけど)

アメリカで僕が働いてた会社もそうだった。いや、そうしろと言われたわけ

ではないのだけど、暗黙の了解というか。。。

ヘタレな僕は何を隠そう、電話応対が大の苦手なのだ。日本語でも苦手なのに、

英語だなんて。しかも会社だしさ、僕あてにかかってくる電話なんて

働き始めの当初なんてほぼゼロに近いのに、どうせ、ほかの人に代わるのに、

なんで。なんで。いやだよぉう!こわいよぉ!


てなことで、働き始めた当初、僕は電話が鳴るたびに忙しい振りをしてみたり、

急にお腹が痛くなりトイレに駆け込んでみたりしたのだが、

そんなことは長くは続かず、だんだんみんなに不審に思われ、同僚から

「みんなも忙しいんだからyouも電話にでなきゃだめよぉ。」なんて

ご指摘を受けた。バレたか。

でも外国人なんだから大目にみてくれたっていいのにさ。けち。

しかし、まあいずれこの日が来るのはわかっていたわけで、

僕だって、ただ逃げまどっていたわけではない。みんなの応対を

耳をダンボにして盗耳し、電話応対お決まりフレーズは入手済みだ。

僕が働いていた建築事務所だけに通用するものかもしれないが。。。


ともかく、お決まりのフレーズの流れはこうだ。


その1。受話器をとってすぐに会社名を叫ぶ。

     たとえば僕の場合はこう。

    
     「○○architects」  (訳:○○建築事務所)

    
     と言うのです。this is とかないの。いきなりの会社名。ただの固有名詞。

     最初は違和感あったが慣れると楽だ。ポイントはちょっと疑問系っぽく

     ってことかしら「○○アーテクツ?」てな具合にね。


その2。「may i help you?」とか、「how can i help you?」 


     とかいったり、いわなかったりする。

     言おう言うまいが、相手は、くい気味に

     「ボスいるか?」 とか 「誰々いるか?」

     とかぶっきらぼうに聞いてくる。そしたらこうだ。


その3。 「may i ask you who's calling ?」 (訳:あなたのお名前なんですかぁ)

     
     まあこう聞いたからといって、最初はホボ聞き取れない。

     とくに初めての人。そんな場合、勇敢たるものなら、

     もう一度聞き直したり、さらには、スペルまで聞いたりして、確実に電話を

     取り次ぐ。ただ、そんなことしたら、たいていの場合、相手は苛立つもんだ。

     「なんだこの外人は。めんどくせぇ。」的な態度が、受話器越しから

     ひしひしと伝わってくる。

     かといって、「誰だかわからないけど、電話だよ」

     なんていったら、こんどは会社の人にイライラされる。

     じゃあどうするか。

その4。 「he's not here」 (訳:いま彼はいません。)


     もういないって言っちゃう。勝手に居留守。そんでもって

     この電話もなかったことに。。。

     「今の電話だれだった?」

     と会社の人にきかれても、

     「なんか勧誘の電話」

     とか言って完全にしらばっくれちゃうのだ。

そんなことを繰り返していくうちに、誰から誰宛に頻繁に電話がかかってくるのか。とかが

段々とわかってくるようになって、そうなってくるにつれ、電話応対もスムーズになっていった

ものだ。調子にのってきて、「今いないけど、なにか伝言伝える?」とかまで言えちゃったり

するようになるもんだ。でもその伝言が聞き取れなかった場合はやっぱり、伝言は

なかったことにしちゃうのでした。


おしまい。

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