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アメリカ人 VS ウインク

アメリカ人の「ウインク」の話。


長いアメリカ生活のなかで

最後まで慣れなかった習慣・文化がいくつかある。

そのなかのひとつが

「ウインク」だ。

淋しい熱帯魚を歌うほうではなく、片目を瞬きする行為のほうだ。


僕のまわりのアメリカ人だけかもしれないが、

日常生活において彼等は結構な頻度でウインクをする。

対同性、対異性おかまいなしだ。


使い方というと、たとえばこんな具合。


僕の住んでいた大学の寮に突然ピザが届けられた。

寮の誰かしらのお母さんからみんなで食べてねとのことだ。

が、そのとき寮のリビングルームにいたのは僕とルームメイトのトニーのふたりだけ。

お腹をすかせていた僕らはみんなが来る前にそのピザ全部を平らげる。

たべたあとにやってきた、別のルームメイトのクリスが匂いに気付き、

「いいにおいがするんだけど、なにかたべてたでしょ?」と問いただす。

しかし、素知らぬ顔でトニーは答える

「なにもたべてないよ。」

そして、ここ!このタイミングだ。そう答えたあとに間髪いれずに、

そう、ウインクだ。

クリスにはわからないように、僕だけにわかるようにの一瞬の瞬きだ。

「さっきのことはふたりだけの秘密だぜ。」

のウインクだ。

なんだかわからないが、ポッとするわ。



あるいはこんなことがあった。



コーヒー片手に道をあるいていたときのはなし。

寒い冬であったので手袋をしていたせいか、

手がすべりコーヒーを落としそうになった。

が、間一髪キャッチ。

危ない危ないなんて、ほっとしてふと目をあげると、

通りすがりのおばさんと目があった。

そして、ここ!目が合うとほぼ同時のタイミングで

微笑みのウインクだ。

おばさんは一部始終を見ていたと思われる。

「ドジッたわね。てんてこ舞いだったわね。

でも、落とさないでよかったわね。

私しかみてないから大丈夫。

ほほえましかったわ。」

のウインクだ。

そんなウインクに対して僕は。。。

やっぱりポッとするのみだ。


とこのような場面が在米中にたびたびあったのだが

最後までなじめなかった。そんな反省を込めて、

これからはウインクだ。ウインクしまくってやる。

真のアメリカカブレになるためにはウインクを攻略しなくては!

。。。

やっぱ無理。


おしまい。


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