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アメリカ人とジョーク

これは、アメリカで社会人になってから気づいたことなのだが、

アメリカ人はジョークが好きだ。そうとう好きだ。

しかも瞬発的なものではなくて長いジョークのほう。

日本でいう落語の小噺みたいなやつのほう。


打合前に場を和ませるためのボスのジョーク。

夕方、仕事に区切りがつき、ブレイクタイムというときに、

誰かしらがはじめるジョーク。

会社関係のパーティーにて、パーティーの中だるみを打破するために
ジョーク。そしてジョーク合戦へ。。


社会人生活に入ってからというもの、ジョークのオンパレードだ。

これはもう、単なるエンターテイメントに納まらず、

一種のビジネスツールといっても過言ではないと思う。


アンディガルシア似の同僚の彼なんか、

「just in case」 

なんつって、暇さえあれば、

必死になってネットでジョークを収集しちゃってる始末。


それではそのジョークの内容はというと、社会、文化を風刺したものから

シモネタに近いものまでと様々だ。

共通して言えるのは、すべて頓知がきいているということ。

聞いてるほうは、ちょっと頭を働かさなければ、オチがわからない。

そう、まさに落語だ。


社会風刺的なものなんかは、英語だし、みんなほどアメリカ情勢に精通していないし、

僕にはほぼ理解不能。(笑うタイミングは誰よりも絶妙だが。※参照アーカイブ記事

それでも何百回と彼等のジョークを聞いているので、いくつかはいまだ覚えている。

これはシモネタに近い系のものだが、例えばこんなジョーク。(ちょっとだけ日本風にアレンジ。)

_______________________________

ある街に酒とギャンブルに溺れた中年の女がいた。

毎日酒とギャンブルの生活続きでとうとう、親の残した財産にも

底がつき、ついには借金まみれとなった。

しかしそんな女に働く口などあるわけがない。

そこで女が選んだ道は売春婦。

「酒にやられたぼろぼろのお前みたいな中年の女をだれが

欲しがるんだ?」なんて酒仲間は笑いとばした。

が、しかし女の残された道はそれしかなかった。

女は必死で働いた。そしてようやく借金を返済できるまでの

お金がたまった。

酒仲間:「お前みたいなやつが、よくやったなぁ。そんで結局


     いくらたまったんだ?」

女:   「3,000,500円よ」

酒仲間:「おお、やったな、おまえすごいじゃねえか。みなおしたぞ。

     ところでその、500円っていう中途半端な金を払ったやつは

     いったいどんなやつだ?」

女:  「みんなよ。」

_______________________________
    

とまあこんな話。意味分かるかしら。

相手にされない中年女は値段設定を500円にした。つまり、

3百万5百円÷5百円で6千人ちかくのおとこを相手にしたっていうオチ。


みんなの反応はというと、

「うぇ Gross!」

とか

「Ew!汚らわしいっ!」

とかで笑うとかそんなんじゃない。ケタケタ笑っているのは、

その話をした当の本人のみ。


アメリカの会社ではこんなジョークが年がら年中とびかっているのだ。

(いまのようなシモネタ的なのはたまにだけどね。)


そして時には飛び火となって僕ら日本人にもふりかかる。

「you もなんかジョーク話してよ。」

なんて突然言ってくる。なので1個か2個か覚えとくとよいと思う。

僕もそんな時のためにひとつ用意していたジョークがあったが

いざ話せという場面になった時はビビッて、パニくって結局言えずじまい。

ヘタレな僕は直前になって

「ほんとに通じんのか?」

「ちゃんと最後まで話せるのか」

なんて不安になってただただマゴマゴモゴモゴ。

なので覚えるだけでなく、何回か誰か親しい人に予め試してみたほうがよい。

でも、そんな場面で、ジョークを言わずに一回は切り抜けられる言い返し方も見つけた。

「japanese don't joke」

と言うのだ。

これは、日本にはそういう文化はないんだよと、言う意味をこめて

言ったのだが、ウケタ。アメリカ人たちは深読みしたみたい。

「that's nice one」なんていってくれる。

ただ、やっぱり一回こっきりしか通用しないので、

ジョークを用意するのは必須だ。(ウソ。必須ではない。)


とにもかくにも、ジョークはアメリカ社会においてここまで根付いちゃってる。

なのでジョークをサラッと言えるようになれば、

そりゃもう、英語マスターだ。アメリカ人の仲間入りだ。

トフル、トーイックの勉強の合間にでもひとつジョークを

みつけてみてはいかがかしら。


おしまい。


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