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2017年03月28日

カール・マルクス『資本論』(1867)

『資本論』についてはあまりにも多くのことが語られてきたが、現代から振り返っての経済学的な核心は二つ。一つは、貨幣はどんな商品とも交換できるのに、商品は貨幣と交換されるとは限らないこと。「命がけの宙返り」が果たされ、貨幣が商品から「流動性」という万能の価値を持つようになる。「欲望の二重一致」は偶然にしか起きないから、手持ちの商品と自分の欲する商品を交換するための手段として貨幣が導入されたというフィクションが生まれたが、商品を売って貨幣を得ることと貨幣で商品を買うことは根本的に非対称であり、マルクスはその謎を解明する。二つ目は「投下労働価値説」と言われるもの。これはリカードも唱えていたが、マルクスはただの商品だけにではなく、「労働力という商品」にも労働価値説を適用した。



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