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2017年03月22日
アダム・スミス『国富論』(1776)
「各人が社会全体の利益のために努力しようと考えているわけではないし、自分の努力がどれほど社会のためになっているかを知っているわけでもない」のに、「見えざる手に導かれて」人々の自由な振る舞いは市場のメカニズムによって適切に調整される。妙な政策によって歪められずに自然な状態におかれれば、市場経済は物的な豊かさを最大限の引き出すことができる、というのが本書の中心的な主張。
しかしスミスは本書後半の「自然な資本投下の順序」という考え方で、利益率が同じであるなら、まず資本は土地の農業の投じられ、次に都市の製造業へ、そして貿易は後回しにするべきだと述べている。名著として広く知られていながら、このようなスミスの考えに注目が集まることは少ない。彼は自由貿易を唱えてはいたが、人々は当たり前のようにコミュニティの経済や国民経済を優先するはずだ、という前提を信じてもいたのだ。
しかしスミスは本書後半の「自然な資本投下の順序」という考え方で、利益率が同じであるなら、まず資本は土地の農業の投じられ、次に都市の製造業へ、そして貿易は後回しにするべきだと述べている。名著として広く知られていながら、このようなスミスの考えに注目が集まることは少ない。彼は自由貿易を唱えてはいたが、人々は当たり前のようにコミュニティの経済や国民経済を優先するはずだ、という前提を信じてもいたのだ。