2022年11月19日
Microsoft Wordでプロ並みの、きれいな日本語組版を目指す。元
最近のMicrosoft Wordはバージョンアップのたびに日本語組版ルールに則ったものに進化しています。しかし、本来英語版の組版ソフトであるため、根本的な日本語の組版には、どうしても違和感のあるものになってしまいます。
今回は一般的な2段組みの文章を基本書式のままで組み上げてみた時の違和感をあげてみました。一見きれいな日本語組版に見えますが、細かなところを見ていくと幾つか違和感のある個所が見受けられます。
この状態で何ページもの文書を読んでいくと、どうしても疲労感を感じてしまうのではないでしょうか。
そこで、今回は少しでも、きれいな日本語組版がWordでもできないかと考え工夫をしてみました。
この機会に、美しい日本語組版に挑戦してみてください。
興味ある方は続きをご覧ください
きれいな日本語組版とは
WordとはMicrosoftのワープロソフトですが、ほとんどのパソコンに入っているソフトの一つです。ほとんどの人は、文書を打つ時に何の疑問もなしにこのソフトを使っていると思います。
また出来栄えも、バージョンアップを重ねるごとに進化して簡単な文書を作る時には、基本書式のままで入力しても何の問題も感じさせない素晴らしいものが出来上がります。
しかし、ページ数の多い冊子を手掛けるプロの目から見ると、随所に日本語組版ルールに適合していない箇所が見受けられます。日本語組版には多くの人々が日本語の文書を作る時にいかにきれいで読みやすいものにするかを研究し、それを規則(JIS X 4051)としてまとめ上げたものです。今までは印刷屋などの組版のプロが守ってきてくれたものですが、パソコンなどで簡単に誰でも文書が組み上げられるようになった今では、ワープロソフトにゆだねられるようになってしまいました。
時には、自分の作った文章が組版ルールに則ったものかを振り返ってほしいものです。
Wordと日本語組版ソフトの違い
一番の違いは、版面(はんづらと読み用紙の中の文字が入る範囲の事)の決め方です。
日本語専用組版ソフトの場合、用紙との関係で1行を何文字にするかを決めて、その文字数と文字サイズから横幅を決めます。例えば10ポイントの文字を40字並べると決めたら10×40ポイントで400ポイントとなるわけです。これを用紙の横幅から引いた残りを左右の余白にするのです。
その理由として日本語の文字は一文字ずつ正方形の外枠を持っていてその中に1回り小さな文字が入っているもので、文字サイズとはこの外枠の大きさの事です。文章を組む時は隣の文字と隙間なく並べます。つまり、文字サイズと字送りは同じと言う事です。この時に一番美しく見えるように文字がデザインされているのです。
このことから、版面の横幅を決めるには、文字サイズと文字数で決めます。用紙の幅から版面の幅を引いた残りが左右の余白になるのです。
これに対して、Wordの場合は用紙が決まると、左右の余白を決めて残りが版面の横幅になるのです。これには、アルファベット特有の特徴があるからです。半角のアルファベットにはそれぞれに決まったピッチ(字送り)があり、いくつかが集まって単語になります。単語と単語の間はスペースで区切られます。
英語の文章が入力されて、版面に入りきれなくなった時、一つの単語ごと追い出されて、次の行に行きます。この時に改行が入っていなければ、1行の中の単語はスペースで調整され版面いっぱいに均等に配置されます。単語間のスペースは入力時は半角のスペースを入力しますが、結果は行により違った広さになることになります。
このような仕様の、Wordで組み上げた日本語文書でも、版面に入りきらなかった文字は次の行に押し出され、1行に入った文字全体が版面の横幅に均等に割り付けられます。つまり、文字は改行を入れない限り字送りと関係なく並ぶことになります。
Wordでどこまで日本語組版ルールに従えるか。
ここでは、いくつかの例を挙げてなるべく日本語組版ルールに沿った形に修正を加えてみたいと思います。
◎Wordの基本書式の問題点(版面編)
@字送りが広くなる
A隣のページや段と行位置が合わない
Bぶら下がり設定にしない方法
Cアルファベットの書体が日本語書体より太い
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