2022年11月25日
Wordで美しい文書を作る時の書式の設定例
新しく文書を作る時最初に行うのは、版面の設計です。
用紙サイズ・文字サイズ・組方向・段数・文字数・行数・行送りなど基本的な項目です。
例えば、用紙サイズはA4縦置き・文字サイズは10.5ポイントで横組みの文書を作る時、まず決めなければならないのが、段数・文字数・行数・行送りです。これが決まらないと版面の大きさが決まらないからです。
これらは、文書のデザインであるから基本的には、好きに決めてもよいのですがこれが読みやすい、きれいな文書を作るためには重要な要素なんです。
組版ルールに則った組版に近づけるための設定とその理由を説明していきます。
詳しくは続きをご覧ください。
A4縦置きの用紙サイズは、横210ミリ・縦297ミリですが、このサイズの比率は、横を1としたときに縦が約1.414の大きさなんです。この割合の時に、一番安定してきれいに見えるという黄金比率だと言われています。
この用紙の中に版面を配置するわけですから、版面の大きさもこの黄金比に近づければよいと言う事になります。この事から割り出した理想の版面の大きさは横148.5ミリ縦210ミリと言う事になりますが、横幅は文字サイズの倍数でなければなりませんし、縦は行送りの倍数から行間を引いたものにならなければなりませんので、この近くの値と言う事になります。
この事を考慮してあるためWordでの基本書体でA4サイズの用紙を選ぶと、文字サイズ10.5ポイント・文字数40字・行送り18ポイント36行という設定になっているのです。
しかし、この設定では版面の横幅が文字サイズの倍数になっていないため約1.8ミリ(文字サイズの約半分の5ポイント)も大きく設定されてしまいます。
この事がいろいろな違和感のもととなっているのです。
Wordで版面の横幅を調整するには、左右の余白を調整することになります。しかし、ここで問題になるのは文字サイズはポイント指示なのに、用紙の大きさはミリ指定で、余白指定もミリで指定しなければならない点です。
1ポイントは0.352778ミリと言われていますが、換算には0.353ミリで計算することが多いため、例えば文字サイズ10.5ポイントの文字をで40文字並べると10.5×40で420ポイントですのでミリ換算すると版面の横幅は148.26ミリになります。
この時左右の余白の合計は用紙の横幅(210ミリ)から版面の横幅(148.26ミリ)を引いた61.74ミリになりますので左右の余白は30.87ミリずつ取ればよいことになります。しかし、Wordの場合余白は少数一桁までしか受け付けてくれませんので、右余白30.8ミリ・左余白30.9ミリと設定するとうまくいきます。
現実的な問題として、毎回このような計算を行うもは大変ですので、簡易的な方法ですがWordの機能で簡単に行う方法を紹介します。
「ページレイアウト」→「ページ設定」→「文字数と行数」のタブを開き、「文字数と行数を指定する」と「標準の文字送りを使用する」の項目にチェックを入れる。
次に「余白」のタブを開き左右の余白を確認すると、左余白が30ミリ右余白が31.8ミリと表示されています。
このままでは、版面が用紙の中心にはない状態ですので、左右共に30.9ミリに設定してください。
計算結果だと左右30.9ミリ余白を取ると版面には10.5ポイントの文字は40文字入りきらないはずですが、(0.06ミリ足りない)この設定だとWordは受け入れてくれるようです。
ここで余談ですが、なぜ版面を中心に設定したかというと、もしノンブル(ページ番号)を中心に付けるとした場合、裏のページとノンブルの位置がずれてしまいます。今回のように左右余白が1.8ミリずれた場合、裏表で3.6ミリもずれる結果になってしまいます。
版面の横幅の項目で述べたように縦横比はなるべく黄金比率に近づけるのが良いが、この大きさは、文字サイズ・行送り・行数できまるので、この辺りの数字でこの条件を満たす数字と言う事で、Wordの標準書式では36行と割り出されているようです。
縦幅は、横幅のようにその幅の中に均等に配置されるわけでもないので、厳密に設定しなくてもよいが文字以外のものがはみ出すことのないように目安の意味でも重要であります。
計算式では、行送り×(行数−1)+文字サイズで求められます。
ここでの問題は位置になります。原則ではやはり用紙の中心に配置するとなっていますが、慣例では上余白が下余白よりも大きく設定することが多く、これは実際に見た時にページの上には見出しなど大きな文字がくる場合が多く、用紙の中心に配置すると不安定に見えることから少し下に配置することが多いようです。
標準書式では、上余白35ミリ・下余白30ミリとなっていますが、違和感はないです。
以上が版面の設定(文字数・行数)の決め方です。
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用紙サイズ・文字サイズ・組方向・段数・文字数・行数・行送りなど基本的な項目です。
例えば、用紙サイズはA4縦置き・文字サイズは10.5ポイントで横組みの文書を作る時、まず決めなければならないのが、段数・文字数・行数・行送りです。これが決まらないと版面の大きさが決まらないからです。
これらは、文書のデザインであるから基本的には、好きに決めてもよいのですがこれが読みやすい、きれいな文書を作るためには重要な要素なんです。
組版ルールに則った組版に近づけるための設定とその理由を説明していきます。
詳しくは続きをご覧ください。
版面の横幅と位置を決める
A4縦置きの用紙サイズは、横210ミリ・縦297ミリですが、このサイズの比率は、横を1としたときに縦が約1.414の大きさなんです。この割合の時に、一番安定してきれいに見えるという黄金比率だと言われています。
この用紙の中に版面を配置するわけですから、版面の大きさもこの黄金比に近づければよいと言う事になります。この事から割り出した理想の版面の大きさは横148.5ミリ縦210ミリと言う事になりますが、横幅は文字サイズの倍数でなければなりませんし、縦は行送りの倍数から行間を引いたものにならなければなりませんので、この近くの値と言う事になります。
この事を考慮してあるためWordでの基本書体でA4サイズの用紙を選ぶと、文字サイズ10.5ポイント・文字数40字・行送り18ポイント36行という設定になっているのです。
しかし、この設定では版面の横幅が文字サイズの倍数になっていないため約1.8ミリ(文字サイズの約半分の5ポイント)も大きく設定されてしまいます。
この事がいろいろな違和感のもととなっているのです。
Wordで版面の横幅を調整するには、左右の余白を調整することになります。しかし、ここで問題になるのは文字サイズはポイント指示なのに、用紙の大きさはミリ指定で、余白指定もミリで指定しなければならない点です。
1ポイントは0.352778ミリと言われていますが、換算には0.353ミリで計算することが多いため、例えば文字サイズ10.5ポイントの文字をで40文字並べると10.5×40で420ポイントですのでミリ換算すると版面の横幅は148.26ミリになります。
この時左右の余白の合計は用紙の横幅(210ミリ)から版面の横幅(148.26ミリ)を引いた61.74ミリになりますので左右の余白は30.87ミリずつ取ればよいことになります。しかし、Wordの場合余白は少数一桁までしか受け付けてくれませんので、右余白30.8ミリ・左余白30.9ミリと設定するとうまくいきます。
現実的な問題として、毎回このような計算を行うもは大変ですので、簡易的な方法ですがWordの機能で簡単に行う方法を紹介します。
「ページレイアウト」→「ページ設定」→「文字数と行数」のタブを開き、「文字数と行数を指定する」と「標準の文字送りを使用する」の項目にチェックを入れる。
次に「余白」のタブを開き左右の余白を確認すると、左余白が30ミリ右余白が31.8ミリと表示されています。
このままでは、版面が用紙の中心にはない状態ですので、左右共に30.9ミリに設定してください。
計算結果だと左右30.9ミリ余白を取ると版面には10.5ポイントの文字は40文字入りきらないはずですが、(0.06ミリ足りない)この設定だとWordは受け入れてくれるようです。
ここで余談ですが、なぜ版面を中心に設定したかというと、もしノンブル(ページ番号)を中心に付けるとした場合、裏のページとノンブルの位置がずれてしまいます。今回のように左右余白が1.8ミリずれた場合、裏表で3.6ミリもずれる結果になってしまいます。
版面の縦幅と位置を決める
版面の横幅の項目で述べたように縦横比はなるべく黄金比率に近づけるのが良いが、この大きさは、文字サイズ・行送り・行数できまるので、この辺りの数字でこの条件を満たす数字と言う事で、Wordの標準書式では36行と割り出されているようです。
縦幅は、横幅のようにその幅の中に均等に配置されるわけでもないので、厳密に設定しなくてもよいが文字以外のものがはみ出すことのないように目安の意味でも重要であります。
計算式では、行送り×(行数−1)+文字サイズで求められます。
ここでの問題は位置になります。原則ではやはり用紙の中心に配置するとなっていますが、慣例では上余白が下余白よりも大きく設定することが多く、これは実際に見た時にページの上には見出しなど大きな文字がくる場合が多く、用紙の中心に配置すると不安定に見えることから少し下に配置することが多いようです。
標準書式では、上余白35ミリ・下余白30ミリとなっていますが、違和感はないです。
以上が版面の設定(文字数・行数)の決め方です。
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