初心者がやってしまうバイアストレードとは:FXはじめました！

「思い出補正」って聞いたことはありませんか？

思い出が美化される というものです。

ギャンブルを経験した方などは、わかると思いますが、
負けたときの記憶より、勝ったときの記憶のほうが強いです。

こんな話を見聞きしたことがある方も
いるのではないでしょうか。

『今は辞めたけど昔はギャンブルをやっていて、
トータル収支は、トントンぐらいで辞めたかな』　なんていう話。

その人が全ての勝敗を帳簿につけていないかぎりは、
トントンではなく、ほんんど負け組で辞めているパターンです。

なぜこんなことを言えるかは、経験があるからなのですが、
私は昔、ギャンブルの勝敗を全て帳簿につけていました。

それで、
トータル収支がトントンになるのは、中々大変なものです。
何連勝かしてくると自分の記憶の中では、もうそろそろ
トータルでプラスになっている気がしてきます。
まして、
大勝ちがあれば、さらにその印象は強いです。
しかし、実際に帳簿を見ると、まだ、トントンには届かず
トータルでマイナスでした。

私は帳簿をつけていたので、現実のトータル収支を
把握していましたが、これが帳簿をつけていなければ、
とんだ誤解をしているところでした。

この「トータルでプラスになっている」という誤解が
バイアスです。勝ったときの思い出ばかりが、
美化され大きくなり、偏りが生じるのです。

もちろん、
FXではしっかりと、利益や損失の表示がされているので、
収支のバイアスはかかりません。

では、どこにかかるのか？

それは、パターンです。

自分の勝ちパターンにバイアスがかかるのです。

人それぞれに、チャート分析や経済指標など、その他
いろいろなものから何かしらのサインをトレードするときの
判断に使うと思いますが、過去の勝ったトレード記憶と
同じようなパターンを見ると、また勝てると思うはずです。

しかも、
それが大勝ちの記憶であると、
その印象も強く自信もあると思いますが、

『その記憶って、バイアスがかかっていませんか？』

と問いたいところです。

似たようなパターンというのは、確かにあります。
ですが、
全く同じパターンというものは存在しません。
過去は過去であり、現在ではありません。
何かしらの違いや誤差はあるのです。

それを、同じパターンと決めつけて、
過去の勝った記憶から過剰な自信を持ち、
大きな勝負をしてしまうと足をすくわれます。

勝ったときのパターンがどれほど優れていたのか、過去の
チャートなり、経済指標なり、自分が判断していた材料で
検証すればわかるはずです。
それが、もし、
過去に十分考えた結果の勝ったパターンであれば、
自信をもって今回もトレードすればいいのです。

しかし、
過去に、たまたま勝てただけのものであるのなら、
自分の勝ちパターンではありません。
たまたま勝てたものを、
バイアスがかかった記憶から勝ちパターンと誤解
しているだけです。
それを、自分の勝ちパターンと認識して、
トレードするのが危険なのです。

勝ったときの思い出が大きくなるのは、
どうしようもないことです。

バイアスがかかるのは仕方のないことなんです。

人がそうできているのですから、

でも、
『あのときの勝った記憶ってバイアスかかっていないか？』
と疑うことはできるはずです。たった一度でも疑うことに
よって、その後の行動も変わってくるのです。

何も、普段の生活において、過去の思い出には補正がかかる
から気をつけようとは言っていません。美化された思い出に
浸って、生きていくための活力を得ることだってあります。

しかし、
FXのトレードにおいては、
過去の思い出に浸ってる場合ではないんです。
そのバイアスが大失敗のタネにだってなりえるのです。

勝って自信をつけるのは、とてもいいことです。

連勝して、

『自分の勝ちパターンが見つかった。』ヽ(・∀・ )ﾉ

と喜ぶこともあると思います。

そこで、

そんなときこそピッタリな、ことわざがあります。

「勝って兜の緒を締めよ」