2019年11月09日
キューバ代表ミゲル・ボロート監督 プレミア12総括インタビュー ラインナップを変えたら結果が出たとは思わない
ミゲル・ボロート監督
Juventud Rebelde、2019年11月9日、Norland Rosendo記者
今回のプレミア12のキューバ代表チームのパフォーマンスについて長い間語られるかどうかは知らない。最近のいくつかの国際大会とは違う何か言うべきことが残っているかどうかは知らない。これほどまでに打てなかったことはこれまでなかったかもしれない。あるいはベンチの選手がこれほど多くベンチのままであったこともこれまでなかったかもしれない。しかし他の点については同じことの繰り返しだった。その敗北と試合は、ここキューバから韓国までの距離と同じだけ、世界最高レベルの野球からかけ離れたものだった。
キューバが用意したチームにとって非常に要求の高い大会であることはつねにわかっていた。専門家たちから提供されたデータは、「グループラウンドでの2勝はその能力を超えたものであろう」というわれわれの大会前の予想を裏付けていた。
最終戦が終わって、ミゲル・ボロート監督は一人ひとりの選手を抱擁し、祝福した。その監督の姿に、海外記者団でさえ、不思議がる者がいた。キューバリーグや海外プロリーグで経験を積んだベテランの野球人ボロートは、献身に対する顕彰を選んだ。結局のところ、スーパーラウンドに進出することはたとえ選手たちが能力の150%発揮してプレーするにしても真剣な予想ではなく感情的な目標である、ということが彼には明らかだった。
われわれはSNSでキューバ代表監督と対話した。韓国戦最後のアウトからしばらくしてのことである。
- 代表チームの結果をどう評価しますか。
一次ラウンドが3試合だけで、全試合が48時間以内におこなわれるという非常に短期で厳しい大会だった。この種の大会ではラインナップを安定させなければならない。カナダは最近の各試合でキューバに勝っている。オーストラリアは決して二番手ではないチームを連れてきたし、韓国は前回王者のチームだ。
投手陣は予定していたとおりに動かした。しかし打撃がこれほど低調では、得点するための戦略を行使しようがなかった。より好調なスポーツフォームを持つ選手たちで打撃と守備を調和したラインナップを目指した。
韓国だけは平均打率が.200を超えており、投手陣はひじょうに支配的だった。あのカナダの投手はふたたびわがチームの打撃陣の壁となった。カンナムリーグでも代打のセサル・プリエトによる1安打だけだった。
- ひじょうに低調な打撃。2試合完封負けで、ほぼ28イニングで3得点でした。
サモンをのぞいて誰も打たなかった。誰を起用しようが結果が別のものになったとは私は思わない。というのはベンチにいた選手たちは、中華台北での遠征ではさらに打てなかった選手たちなのだから。
- それだからベンチをもっと動かさなかったのですか。
オーストラリアに勝ったあとにラインナップを変えてチームを分散させたくなかった。監督というものは冷静さを持たなければならない。チームの首脳陣であらゆる選択肢を綿密に検討して、ベストと考えるラインナップを起用した。
- サアベードラについては。
しかしどのポジションに彼を起用できたろうか。一塁なら今大会最も打てているサモンがいた。パベル(ケサダ)は中華台北での遠征では不調だったし、(アレクサンデル)アヤラはあのポジションでとてもうまくやってくれた。
- グラシアルとデスパイネもその本来の実力や日本で残した働きを下回りました。ある野球の偉大な識者が私に語ったのは、彼らは一週間以上プレーしておらずリズムの外にあったのは当然で、日本シリーズで勝ったあとテンションも下がっており、それがプレミア12でのパフォーマンスに影響した、ということでした。
その意見に反対はしない。しかし彼らを招集して以降、彼らがそのリーグでやってきていたことからみて、こんな短期の大会で3番と4番から移動させるということは一度も考えなかった。私は実績のある選手たちを尊重するし、あの2人はそういう選手たちだ。彼らを招集したのはプレーさせるためだったが、もしかしたらあの状態では召集しないほうが賢明だったのかもしれない。
- チームがなしたことに不満ですか。
韓国戦で別のラインナップで負けていれば不満だったろう。そうすれば私はみなに何と言われただろうか。もし不規律や無気力があったのなら、もし選手たちが勝利のために全力を出し切らなかったのなら、私は不満だったに違いない。
今回の結果は、われわれの野球の、キューバ野球リーグの反映である。われわれの投手陣は可能性を持っている。しかしそのレベルは他のチームが示したものより劣っている。他のチームは、その国内リーグのひじょうにすぐれたプロ選手たちと、米大リーグのマイナーで契約している選手や、メジャー経験のある選手たちとで構成されている。
最初の2試合でわれわれはチームのなかで最もすぐれた投手たちを使わざるをえなかった。そしてそれが最終戦に影響し、同グループで点差の開いた唯一の試合となった。
わがチームは最終戦ではスーパーラウンド進出の可能性を失っていなかった。カナダはもっとも近いところにいたし、われわれは得点が何点か多いか、または失点が2点少なかったとしたら、タイブレークのシステムの恩恵を受けていただろう。
大会での成績から見ると、一次ラウンドを勝ち抜くことができなかった。しかし私は選手たちには満足している。集団における規律、相互理解があった。決して勝利を目指すことをあきらめなかった。彼らはそれぞれの敗北を我がものとして苦しんだ。彼らと一緒になってわれわれはそれぞれの決断を検討した。彼らの意見を考慮もして、ラインナップを決めた。だからこそ私は選手一人ひとりを抱擁したんだ。よりすぐれた相手チームを前に自分たちができる貢献を選手たちがやめたとは私は思わない。
- チームの再建が国際大会での結果を改善する解決法だと思いますか。
さまざまな理由で海外リーグにいる選手たちのアプローチを支持してなされるすべてのことが、ひじょうに重要だろう。それらの選手たちは、基礎的な物資不足にもかかわらず、わが国のコーチ陣によって教育された。彼らが一緒にトレーニングするという前提をもとに代表チームに加わるよう促進しなければならない。そうすればあらゆる大会で相手チームと条件を同じくして戦えることを確信している。
野球は単なる志だけでなくしっかり準備のできた選手たちのスポーツだ。いかなる監督であっても、勝利を達成するためのより良い環境にないチームに勝利をもたらせる魔術師にはなれない。
プレミア12の自グループの他チームと比較した、キューバチームの試合の投球ごとの傾向の分析
打撃
忍耐力:
1打席平均の投球数が最少(3.72球)
投球全体に対するスイングの割合が最多(53%)
初級に対するスイングの割合が最多(36%)
規律:
ストライクゾーン以外の投球全体に対してなされたスイングの割合が最多(36.1%)
見逃した投球全体に対するボール判定の割合が最小(32%)
打球の質:
ゴロの割合が最多(60%)
要約:これらの傾向は、三振を喫する可能性を増やし、四球を獲得する可能性を減らし、安打または長打の可能性が減少している。そのために、得点がさらに困難となっている。
投手:
投球数が最多(1打者平均3.91球、1試合平均155球)
制球:
投球全体におけるボールの割合が最多(43%)
初球のボールの割合が最多(50%)
初球を打たれる割合が最少(わずか21%)
打球の質:
許したライナーの割合が最小(24%)
許したゴロの割合が最高(37%)
以上は、アルフレド・リオス・フエンテス先生と、野球研究グループ(GIIB)の協力者たちで開発されたソフトウェア「ストライク・ゾーン」を用いて収集した統計。
Ningún director es mago
http://www.juventudrebelde.cu/deportes/2019-11-09/ningun-director-es-mago
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