2018年11月10日
フレデリク・セペダ ロング・インタビュー 私はキューバ代表になるためではなく、野球への愛でプレーしている
フレデリク・セペダ
Juventud Rebelde、2018年11月10日、Norland Rosendo記者
フレデリク・セペダは、打撃ですぐれた結果を残すために大事なことは、打席での規律と忍耐であると語る。
フレデリク・セペダは日本プロリーグでプレーするずいぶん前、野球の練習における日本の驚異的な特徴を、自身驚きながら、語っていた。セペダは、その打席での忍耐強さと規律によって、キューバ国内および国際大会においてもっとも恐れられる打者の一人になった。
セペダは左右の打席でバットを合わせ、投手のひとつひとつの動きを観察し、ささいなことからも情報を得て、各打席で描く戦術的計画を成し遂げることを目指す。即興的に行動する者は、往々にして投手の戦略の犠牲者になり、ただ投手が正確な一連の投球をしないか、配球をあやまることで救われる、ということをセペダはわかっている。
「野球でもっとも難しいのが打撃だ。10打席のうち3本安打を打てば満足できる」、とキューバにおける最高の打撃成績を持つ選手の一人は話す。(打率.332は史上15位、OBP.478は史上2位、長打率.562は史上9位、OPS1.040は史上4位)
セペダは打席に立ち、もっともしっくるくる投球や、待っているゾーンにやってくる投球をしっかりミートする。これに匹敵するのはキューバではラス・トゥナスのダネル・カストロら数少ない。「いつも達成されるわけではない。投手は別の考えを持っていて、私を混乱させ、裏をかき、思いもよらないところに投げてくるが、しっかり準備していれば、投手との対決に成功し、出塁することができる」
ひとはキャリアを通して毎日学んでいくもので、決してそのすべてを知ることはない。打つためには集中がとんでもなく重要である。正確なタイミングで正しく行動をおこなえるように実際の試合により近い練習やトレーニングでの運動をしなければならない。
「心理的トレーニングは重要だ。いつもリラックスした試合ばかりではないからだ。緊迫した状況のなかで、もし精神的に準備ができていなかったら、しっかり対処することができず、投手に抑えられる可能性が増える。」
キューバリーグの打者は往々にして打席を早くすませがちである。投手陣の投球はそれほどすごい制球を持たないにも関わらず、打者はその投球をほとんど見ない。海外での大会で大きな反響があるこのテーマについて、セペダは、時の流れはわが国の野球の多くを変えてきたが、この点については相変わらず攻撃性を失ったままである、と認める。
「また、これまでは20歳未満の若い投手の多くが、県の主要チームの投手陣スタッフに加わらなければならないが、その年齢ではまだ、より経験のある打者と対戦するために必要なすべてを学んでいない。その変化球や直球は、もっとも打者の弱いコースをつくことができずに、素早いスイングをされることにつながる。いい当たりをされるのはほとんどつねに、投手が何度も間違ったからだ。」
しかし、第一球目と、ストライクゾーン外への投球に対して、スイングの高い割合がある。この点についてセペダは、それが精神的問題と戦術的問題であることに同意する。「打者だけがわかっていることがある。あるいは、その球を待っていなかった場合がある。結果がよいときは、いい打席だったといわれる。もしよくなかった場合は悪かったと批判される。しかし打撃過程の複雑さを知るには、その数秒間のあいだ、そこにいなければならない。」
WBCに4度出場した唯一のキューバ選手であるセペダは、打席に向かうたびに、投球をミートするよう集中している。ラインナップでの自身の責任は、彼にとってまったく容易なものではないことを知っている。そのために彼はしっかり準備し、球場の全方向に向けて打撃を放つよう心がけている。
チームは必要なすべての情報をまだ準備できていない、とセペダは認める。「相手チームの研究がほとんどない。以前は1日前に投手陣が発表されるのが共通だった。私にとってそれは問題ではない。なぜなら私は20年間やってきて、新人以外のほとんどすべての投手陣を知っているからだ。それぞれがどんな球を投げ、どんな制球を持っているかといったデータは、打者が打席でよい結果を出すための大きな助けになる。」
「準備期間にはできるだけ、相手投手陣のビデオを見たり、以前の対戦を思い出すことにしている。試合の状況によって戦略は決まる。得点差があるときに打席に向かうのと、接戦のときに向かうのとでは、同じではない。」
たとえばサンクティ・スピリトゥスは先週水曜日、15残塁を喫した。セペダは、打点を狙うチームメイトの不安のほかに、フランク・ルイス・メディーナ投手の仕事について熟考すべきだと考えている。メディーナは走者をかかえながら、自分の望む投球をおこなった。ストライクゾーンぎりぎりのボール球、外に流れる変化球、つねにコースをつき、打者のベストの可能性を無効化した。
インドゥストゥリアレスとの対戦でセペダは13回打席に入り、10度出塁し、アウトは三振によって取られただけだった。その忍耐力も自身の気質によって決まっていると彼は言う。「私は落ち着きのある人間で、そうやってグラウンドで行動し、絶望することなく、ボールをうまくミートするためにトレーニングする。」
セペダは今年、メキシカンリーグのトロス・デ・ティフアナでレギュラーラウンド19試合と、その後のプレーオフでプレーした。その打撃成績は打率.274、OBP.345、長打率.479、73打数20安打、3本塁打だった。わが国のリーグよりも明らかにすぐれたリーグであるかということについては、「野球は同じだ。ただわが国のリーグはキューバ人だけがプレーしていて、キューバで唯一のリーグだ。一方、向こうではレベルを上げるために外国人選手が契約している。だから比較するのは妥当ではない。」
セペダはいまサンクティ・スピリトゥスがプレーオフに進出するための力になるよう集中している。チームはプレーオフに進出できると彼は考えている。
最後に引退についてはどうか。「何年も前から同じ質問をされるが、いつも同じことを答えている。それについては考えたことがない。キューバ代表に選ばれない日がきても、グラウンドでプレーを続ける。選ばれないと不公平に思えて嫌気がさして辞める人がいるが、それは私のケースではない。私はキューバ代表に選ばれるためにプレーするのではなく、このスポーツに対して私が持っている愛のためにプレーしている。私は、ファンや、私を野球選手にしてくれた父、いつも私を見守ってくれている母、私の妻や子どもたちのためにプレーする。」
Yo juego por amor al béisbol, no para hacer equipo Cuba
http://www.juventudrebelde.cu/deportes/2018-11-10/yo-juego-por-amor-al-beisbol-no-para-hacer-equipo-cuba
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