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声が大きいことがとりえで、応援団に入ったつよたかですが、

応援団員はみんな声が大きくて、目立ちませんでした。



声だし練習は、一人だけ前に出て、「金属男児ー意気あるか！！」

と大声で叫び、みんなが「おー」と答えると「もういっちょ！！」と叫び

「おー」に「もういっちょ！！」「おー」という具合に掛け合いで

大声で叫びあうものでした。

「金属男児ー」の金のところを特に大きな声で叫べとか、

だんじーのじーを伸ばせとか５年生から、注文をつけられ、

何回も声だしをさせられました。



つよたかのうぐいすのような声は、枯れて、声が出なくなっていました。

声だし練習の最後に、トーナメント方式で、２人づつ、声だしで対戦させられ

勝てば、練習終わりですが、負けると勝つまで声だしを

しなければなりませんでした。



つよたかは、声が枯れて、何回も負け、これまた声が全くでない

中学の１年先輩のYさんと２人になりました。

Yさんが、５年生に、「声が枯れて、声がでません」と言うと

「貴様、なんば泣き言ば、いいよっとか！腹から声ばださんけんがでらんとたい」

と怒られておりました。

２年のYさんが１年のつよたかに負けたらわかっとろうな！

という５年生のプレッシャーの中

必死のYさんが、先に「金属男児ー意気あるか！」を叫びました。

つよたかの番が来て、Yさんを見ると、Yさんが、つよたかを見る目が

たのむから負けてくれ！という感じでした。

Yさんが、負けたら、どんなめにあうんだろう？とおびえてる感じが

伝わってきて、つよたかは、Yさんより、小さな声で、声だししました。



つよたかの負けで、うさぎとびとか、ランニングの罰をうけました。

練習が終わった後、

Yさんが来て「わざとまけてくれたとやろう？」と言いました。

「そげなこつはなかですよ」と答えましたが、

「ちょっとつきあわんね」と言って、学校近くのラーメン屋で、

ラーメンをおごってくれました。



いつにも増して美味いとんこつラーメンをいただきました。






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