2020年02月05日
課題は山積みだが、駅の改札がQRコードに対応するの? キャッシュレス決済で注目されているQRコード 決済の次は、駅の自動改札機に導入される機運?
駅の改札がQRコードに対応するの?
キャッシュレス決済で注目されているQRコード
決済の次は、駅の自動改札機に導入される機運?
QRコード対応の自動改札機は、日本では沖縄都市モノレール(ゆいレール)が14年から運用(大手の鉄道事業者での導入は進んでいない)
大都市圏の鉄道
従来の磁気乗車券
Suicaを始めとするFeliCa方式の交通系電子マネーのみ対応しているケースがほとんどですが、
最近は、都市部の大手鉄道事業者でQRコード改札を試験的に導入する動きが
JR東日本は
20年春に開業する山手線新駅高輪ゲートウェイ駅と新宿駅でQRコード対応の自動改札機の検証を行う
大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)が自動改札機でQRコードや顔認証を用いる実証実験を19年12月にスタート
阪神電気鉄道(阪神電車)もQRコード改札の実証を3月に開始
JR東日本が試作したタッチしやすい改札機はQRコードの読み取り機能も備えている
自動改札機のメーカーも
QRコード対応機の開発を進めています、Osaka Metroの実証実験では、主要メーカーの4社がそれぞれ1台ずつQRコード・顔認証対応の改札機を試作
東芝インフラシステムズ(TISS)は、クラウド接続型の自動改札機のデモンストレーションを展示会で行っている
東芝インフラシステムズが開発したQRコード対応の自動改札機
NTTドコモの技術展示イベン、DOCOMO Open House 2020の中で5Gの活用例として展示
なぜ今?
JRや首都圏の私鉄の自動改札機が、更新時期に当たっているから?
関西の大手私鉄の阪神電車はQRコード改札の実証実験をする理由として
次世代の出改札システムの導入に向けた検討の一環ですと回答
日本で広く普及している、高速で磁気式の切符を読み取る自動改札機システム
1966年に立石電機(現オムロン)が開発したもの
当初から大都市のラッシュ時に大量の乗客をさばけるように設計されています
都市部のほとんどの駅が自動改札化されるようになったきっかけは、87年の国鉄分割民営化による
JR東日本は90年に首都圏への自動改札システムを導入
首都圏の私鉄・地下鉄への導入も本格化していった
自動改札機の更新時期は
一般に10年程度、Suicaは、JR東日本の首都圏での大規模導入から最初の10年が経過した2000年をターゲットとして開発、実際に翌年の2001年から稼働
首都圏の自動改札機元年から30年
Suicaのサービスインから20年
2020年は次の自動改札機技術の導入を考えるにふさわしい時期であるのです
自動改札機をQRコード対応にする!
2つの理由?
コスト削減と利便性の向上の2つの理由が考えられる
クラウド化でコスト削減!
コストの削減
QRコードから読み取ったデータをクラウド上で処理するシステムに切り替えることで、従来型に比べて処理を簡素化できる可能性がある
現代の自動改札機システムは、改札機自体が1つの高性能なコンピュータであり、複雑な処理を瞬時に行っています
入場駅では
磁気切符やICカードが真正かどうかの判定
入場駅や時刻の書き込み
出場駅では運賃の算出
ICカード残高の更新
改札を開くかどうかの判定
をしています
このように、高度な処理を瞬時にこなす性能をもつため、自動改札機の価格はICカード専用改札で数百万円台からと高額
磁気切符に対応する改札機も1000万円を超える
判定処理をクラウド上で行う改札機システム
全ての駅の改札機をネットワークにつなげる必要はあるが、
機器自体のコストを抑えられ、阪神電車のQR切符実証実験では、クラウド処理まで含めて検証されます
クラウド化だけならQRコードでなくてもいい?
クラウド型自動改札機システムの肝
一連の処理をユーザーを識別できる一意のコードに置き換えるということ
識別コードが別にQRコードである必要はなく、残高情報とひも付けられた電子マネーの識別番号でも良いのです
既存の交通系電子マネーに識別番号だけを備えたシステムへ置き換えられる可能性もある
顔認証などの生体認証がユーザーを確実に識別できる精度になれば、これも一種の識別コードとして活用できる可能性が出てくる
乗客を一意に識別できる情報であれば、顔認証もその選択肢となり、Osaka Metroの実証実験はQRコードの先まで見据えたものです
クラウド型自動改札機システムが大規模な鉄道事業者で採用されることは当面ないでしょう
完全にクラウド前提のシステムに移行するためには、改札機を含めた全ての設備の更新が必要なので、大規模な設備投資が必要であり、クラウド型のシステムへ移行するには、ICカードの処理システムの刷新と同じタイミングで自動改札機を更新することが現実的なのでしょう
MaaSへの対応もQR化の契機に!
QRコード導入の2つ目の理由の利便性の向上
乗客により便利なサービスを提供できる
QRコードチケットなら、スマートフォン上でチケットを購入して、そのままスマホで表示できる
FeliCa機能に対応していないスマホでも利用できる
訪日外国人にとっては交通系ICカードを持つよりも便利でしょう
近年国交省などが重点的に取り組んでいるMaaS(Mobility as a Service:移動のサービス化)とも相性が良い
MaaSは移動を1つのサービスと捉える概念
鉄道、バス、飛行機、タクシー、カーシェアといった各種の移動手段を、統一運賃で利用できるサービスなど、統一乗車券としてQRコードは都合がいい
QRコード改札は遅い?
ICカードと比較したときのデメリットや課題
QRコード対応改札機の課題としてよく挙げられるのが、QRコードの読み取り処理が遅く、入出場のボトルネックになる?
QRコード対応の改札機がすでに国内で導入されている、沖縄のモノレールゆいレール
ゆいレールの改札機
QRコードが印刷された紙の切符を改札の読み取り機にかざす
かざすのに慣れていないと読み取りに手間取り、改札が開くまでに0.5秒ほかかる
ゆいレールのQRコード切符は偽造防止のためにセキュアQRコードが採用
(.これが読み取りを難しくしている一因?)
スマホでQRコードを表示
時間経過に応じて券面を更新する仕組みなどを取り入れればセキュアQRコードである必要はない
実際の読み取り速度はもう少し高速化できるかも?
従来方式のICカード乗車券と、スマホに表示したQRコード乗車券を比べた場合
QRコードが明確に劣る特徴とは?
QRコードは表示していないと利用できない
ゆいレールのQR乗車券は券面をかざす必要がある(裏表があるのです)
ICカード乗車券はかざすだけで無線通信できる電磁誘導の技術が用いられている
高速に改札を通過できる仕組みです、QRコード乗車券は模様を光学的に読み取るため、表示していければ読み取れない
読み取りをスムーズにできるかという点は、今後QRコード改札の導入を検討する鉄道各社においても、重要な検討課題
阪神電鉄はQRコードを改札機にかざして通過する際のかざしやすさ、読み取り速度や反応の良否といった、使いやすさ
サーバでの処理スピード、ネットワークでの遅延といった性能が評価のポイントになります
新型改札機
タッチしやすい改札の実証実験の一環としてQRコード改札のモニター試験を行う
JR東日本は、今回の試験はQRコードを印刷した紙の切符で改札を通過する際の使い勝手を確認する
地方から導入が進むか?
QRコードの読み取りが遅いという点
都市部の交通事業者特有の課題であり、改札を通る乗客が多くない地方の鉄道であれば、QRコード方式でも問題とはなりにくいかも?
大規模なシステム更新が必要となるJRや大手私鉄よりも、地方の交通事業者の導入が、先行するかもしれないですね
肝心なクラウド処理システムのコストについて
現時点ではクラウド処理のコストがどの程度になるかは算定できないが、
改札機単体での価格は、磁気切符やICカードを処理する改札機よりも安くなると見込めます
乗客の識別のみに活用すれば良いたく、ICカードに対応するとしてもSuicaのような交通系ICカードの仕組みより安く導入できます
QRコード乗車券なら訪日外国人やMaaSへの需要も対応でき、小規模な鉄道事業者ほど、導入するメリットは大きい
都市部の大規模な鉄道事業者では、相互乗り入れしている他の鉄道事業者への対応の必要などがある
磁気券やICカードで取り入れている共通規格の枠を外れることは難しいでしょう
都心部では大量の乗客をさばく分、読み取り速度の性能も高いものが要求されます
訪日外国人やMaaSへの対応!
大規模な鉄道事業者にとってもメリット一日乗車券のみQRコード化したり、MaaS向けの新たなプラットフォームに対応する改札としてQRコード専用改札が用意するのもありかも?
大規模な事業者にとっては、QRコードは既存の交通系IC・磁気改札システムと併用して、鉄道の新たな利用シーンに対応するための鍵となるでしょう
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