2012年08月10日
チーズの栄養・健康学
チーズの栄養・健康学
チーズ100グラムで牛乳6本分のパワー牛乳に含まれているすべての有効成分が脱水し固形したチーズには、わずか100グラムに牛乳6本分と同じカルシウムが含まれています。 またチーズは発酵という過程を経ていますので、タンパク質がアミノ酸に分解されていたり、あるいはミネラルがイオン化していて非常に体内に吸収されやすい状態になっており、カルシウムも体内への吸収率が小魚の2倍と大変効率的です。 骨は常に作り変えられるので、カルシウムは一生を通じて取らなければなりません。
しかも都合がいいことに、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロして、その揚げ句、下痢をしてしまうというような経験をされた方も多いかと思われますが、チーズではこのようなことは起こりません。 こうした事態が発生するのは、牛乳に含まれている乳糖の“イタズラ”によるものです。 ところがチーズをつくる際、牛乳の液体部分である乳清(ホエー)を取り除く段階で、牛乳に入っている乳糖が除かれるため、チーズではこうしたおなかのゴロゴロ状態は発生しません。
チーズの美容効果
チーズはビタミンB2が豊富な食べ物です。 ビタミンB2は摂取した脂肪を燃焼させ、体内に蓄積させない役割を持っていますので、ビタミンB2を含有するチーズはダイエットにピッタリです。 よく、チーズを食べている人は、食べていない人に比べてずっとスリムだといわれるのは、脂肪の分解がスムーズに行われているからなのです。 他に美容と健康に欠かすことのできないビタミンAが、含有量が多いといわれる緑黄色野菜よりも多く含まれています。 このビタミンAは体に抵抗力つけて免疫力を高め、われわれの体を病気から守り皮膚や粘膜の健康を保つ役割りをもっているため、若さと美しさを保つためには非常に大切な栄養素です。
このようにチーズはカルシウムをはじめ、ミネラル類、ビタミン類、タンパク質、脂肪など、人間が体をつくり、生命を維持するうえで欠くことのできない栄養素のほどんどすべてを含む「完全栄養食品」です。
骨粗しょう症の予防に効果
骨や歯をつくるために非常に大切な栄養素がカルシウムですが、われわれ日本人はこのカルシウムが慢性的に不足しています。 その結果、骨の内部が軽石のようにカスカスになる「骨粗しょう症」の人が非常に多く、今では国民病ともいわれるほどに深刻な問題になっています。 この骨粗しょう症を予防するにも、カルシウムを多く含み体への吸収率が非常に高いチーズは最適な食べ物です。
また、チーズは虫歯予防にも優れた効力があるといわれ、チーズを食べている人は食べていない人に比べ、虫歯になる確率が全然低いといった研究成果も見受けられます。 虫歯はデンプンや糖を含む食べ物を食べたあと、その食べカスが発酵して酸性のノリのような物質をつくり出し、それが歯の表面に歯垢となって付着することがそもそものはじまりです。
この酸性の物質で歯のエナメル質が溶けると、歯垢のなかにいる虫歯菌が歯の内部で増殖し、さらに歯の奥まで侵すようになるのですが、チーズのカルシウムで歯のエナメル質が強化されるため虫歯になりにくいのです。
アルコールを分解二日酔いを予防
チーズの中に含まれている必須アミノ酸のメチオニンは肝臓の働きを助け、アルコールの分解を促します。 二日酔いの薬にメチオニンが成分として含まれていることからも、肝臓への効能がわかります。 このメチオニンを多く含有するアミノ酸がチーズには非常にたくさん含まれているため、肝臓を害さないばかりでなく、肝機能を強めていくのでアルコールに対して強くなり二日酔い防止にも効果があるのです。 お酒を飲む時には、チーズを一緒に食べられることをお勧めします。
チーズはワインの最良の友
ワインとともにチーズを口へ運ぶとき、このときこそチーズがもっともおいしく食べられるときであり、また逆にこのチーズこそ、ワインの味を最大限に引き出してくれます。 また、マリアージュと形容されるワインとチーズの相性のよさは味覚の点だけからではなく、健康面でも抜群の補完関係にあります。 今まで述べてきましたようにチーズにはいろいろなビタミン類が含まれていますが、ただ一つ足りないのがビタミンC、ところが赤ワインにはこのビタミンCが豊富に含まれているのです。 動脈硬化を予防する抗酸化物質のポリフェノールを多く含む赤ワインの薬効とチーズの薬効を、錠剤等の薬や補助食品としてではなく、自然食品として自然の風味をおいしくいただきながら取りいれることが医食同源の本質ではないでしょうか。
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