2016年04月29日
ニュース 韓国「ポンコツ」北朝鮮「骨董品」中国「コピー」…ノドから手が出る海自潜水艦「じんりゅう」のスペック
海上自衛隊の潜水艦「じんりゅう」の引き渡し式と自衛艦旗授与式が7日、兵庫県神戸市の三菱重工神戸造船所で行われた。海自最新型「そうりゅう」型の7番艦で、潜水艦の弱点であるシュノーケル(吸排気装置)走行を極限まで減らせるうえ、他艦とネットワークで連携して戦える新世代の潜水艦だ。(岡田敏彦)
キーワードは「静かさ」
米国や英国が第二次大戦以降、原子力を動力とし、大陸間弾道弾を搭載した大型の原子力潜水艦を配備するなか、日本はディーゼルエンジンを積んだ通常動力型の潜水艦を配備してきた。その特徴は静かさだ。
原子力を動力とした場合、タービンの回転音など大きな音が発生する。水中で音波探知を“目”として戦う潜水艦にとって、騒音源を抱えるのは敵に位置を知らせることとなり、大きな欠点となる。米国の原子力潜水艦は高度な技術でこの騒音をかなり減らしているとされる。隠密性が命の潜水艦では、静粛性が重視されるのだ。
一方、ディーゼルエンジンは酸素を必要とするため、シュノーケルを海面に突き出して空気を取り入れ、エンジンを動かして充電し、潜行時は圧倒的に作動音の静かな電気モーターで進む。しかしシュノーケルを海面に突き出すことは、敵対潜哨戒機のレーダー等に発見される危険性を伴う。この問題を解決したのが「そうりゅう型」の非大気依存推進(AIP)システムだ。
AIPは海上自衛隊で1950年代から研究され、燃料電池を使う方式などが検討されたが、そうりゅう型ではスウェーデン海軍が実用化したスターリング機関(高温によるガスの膨張と海水冷却による圧縮を利用)を採用し、国産化して搭載している。スピードは5ノット程度と遅いものの連続航行性能は群を抜く。ディーゼル方式との併用により、これまで数日間だった連続潜水航行機関を3〜4週間にまで伸ばした。
他艦とリンク
もうひとつの特徴は「ネットワーク化」だ。各種センサーや兵装など艦内のシステムを光ファイバーによるLAN(統合通信網)で接続し、情報処理を一元化した。そして、このネットワークを艦外へもつなげるシステムも備え、陸上の司令部との情報統合が可能となった。
かつて第二次大戦でドイツ潜水艦Uボート部隊が繰り広げた、複数の潜水艦を集中運用する「群狼作戦」を想起させる、他艦との連携運用が可能となっている。
この高性能に目をつけたのがオーストラリアだ。
現在運用中の豪製「コリンズ級」が当初計画通りの性能が出ず、不具合が続発していることもあり、次期採用の潜水艦では信頼と実績のある他国の潜水艦を導入することを決めている。その筆頭候補として「そうりゅう型」が上がっている。製造元の三菱重工などが豪州に提案しているのは、AIPに加えリチウム電池を採用した「そうりゅう改型」とも呼べるもので、海上自衛隊でも今後「改」が導入される予定だ。
豪州を含む東南アジア海域の各国では、中国の強引な海洋進出により海軍力増強が課題となっており、「そうりゅう型」は、扱い難く運用経費のかさむ原子力潜水艦を導入できない国にとっては羨望の的でもある。
中韓の事情
韓国でも潜水艦を国産しているが、ドイツの潜水艦「214型」をライセンス生産したものだ。2006年に1番艦「孫元一」が進水、これまでに6隻が完成したとされるが、AIPを装備したとしながら電池の不良で数日しか連続潜水できず、スクリューシャフトから基準値を超える騒音が発生するなど欠陥だらけで、とても作戦に使えるものではないことが明らかになっている。
北朝鮮では旧ソ連のロメオ級などを運用しているがいずれも骨董(こっとう)品レベルだ。3月12日には、全長21メートルの潜水艦が行方不明になったと米CNNテレビ(電子版)が報じている。同テレビでは、米政府高官の話として「先週初め、北朝鮮海軍と当該の潜水艦の交信が途絶え、北朝鮮海軍が大がかりな捜索を行った」と報じており、北潜水艦の“性能”がうかがえる。
また、中国の潜水艦は基本的に旧ソ連の潜水艦を模倣したもので、最初の本格的な原子力潜水艦「漢級」は騒音が酷く静粛性など無いに等しいと低評価だったが、近年量産された「商級」は静粛性も向上しており、これを元にした新型も開発中とされる。また通常動力の潜水艦「元級」ではAIPを装備しており、ディーゼルエンジンはドイツ製を使用。3月中旬にはタイへの売却契約が成立するなど、あなどれない性能を持っているとされる。
じんりゅうが広島県の呉基地に配備されることで、海上自衛隊の潜水艦戦力は17隻態勢に増強される。防衛省は2021度末までに22隻態勢とする計画だ。(3月17日掲載)
産経新聞から
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米国や英国が第二次大戦以降、原子力を動力とし、大陸間弾道弾を搭載した大型の原子力潜水艦を配備するなか、日本はディーゼルエンジンを積んだ通常動力型の潜水艦を配備してきた。その特徴は静かさだ。
原子力を動力とした場合、タービンの回転音など大きな音が発生する。水中で音波探知を“目”として戦う潜水艦にとって、騒音源を抱えるのは敵に位置を知らせることとなり、大きな欠点となる。米国の原子力潜水艦は高度な技術でこの騒音をかなり減らしているとされる。隠密性が命の潜水艦では、静粛性が重視されるのだ。
一方、ディーゼルエンジンは酸素を必要とするため、シュノーケルを海面に突き出して空気を取り入れ、エンジンを動かして充電し、潜行時は圧倒的に作動音の静かな電気モーターで進む。しかしシュノーケルを海面に突き出すことは、敵対潜哨戒機のレーダー等に発見される危険性を伴う。この問題を解決したのが「そうりゅう型」の非大気依存推進(AIP)システムだ。
AIPは海上自衛隊で1950年代から研究され、燃料電池を使う方式などが検討されたが、そうりゅう型ではスウェーデン海軍が実用化したスターリング機関(高温によるガスの膨張と海水冷却による圧縮を利用)を採用し、国産化して搭載している。スピードは5ノット程度と遅いものの連続航行性能は群を抜く。ディーゼル方式との併用により、これまで数日間だった連続潜水航行機関を3〜4週間にまで伸ばした。
他艦とリンク
もうひとつの特徴は「ネットワーク化」だ。各種センサーや兵装など艦内のシステムを光ファイバーによるLAN(統合通信網)で接続し、情報処理を一元化した。そして、このネットワークを艦外へもつなげるシステムも備え、陸上の司令部との情報統合が可能となった。
かつて第二次大戦でドイツ潜水艦Uボート部隊が繰り広げた、複数の潜水艦を集中運用する「群狼作戦」を想起させる、他艦との連携運用が可能となっている。
この高性能に目をつけたのがオーストラリアだ。
現在運用中の豪製「コリンズ級」が当初計画通りの性能が出ず、不具合が続発していることもあり、次期採用の潜水艦では信頼と実績のある他国の潜水艦を導入することを決めている。その筆頭候補として「そうりゅう型」が上がっている。製造元の三菱重工などが豪州に提案しているのは、AIPに加えリチウム電池を採用した「そうりゅう改型」とも呼べるもので、海上自衛隊でも今後「改」が導入される予定だ。
豪州を含む東南アジア海域の各国では、中国の強引な海洋進出により海軍力増強が課題となっており、「そうりゅう型」は、扱い難く運用経費のかさむ原子力潜水艦を導入できない国にとっては羨望の的でもある。
中韓の事情
韓国でも潜水艦を国産しているが、ドイツの潜水艦「214型」をライセンス生産したものだ。2006年に1番艦「孫元一」が進水、これまでに6隻が完成したとされるが、AIPを装備したとしながら電池の不良で数日しか連続潜水できず、スクリューシャフトから基準値を超える騒音が発生するなど欠陥だらけで、とても作戦に使えるものではないことが明らかになっている。
北朝鮮では旧ソ連のロメオ級などを運用しているがいずれも骨董(こっとう)品レベルだ。3月12日には、全長21メートルの潜水艦が行方不明になったと米CNNテレビ(電子版)が報じている。同テレビでは、米政府高官の話として「先週初め、北朝鮮海軍と当該の潜水艦の交信が途絶え、北朝鮮海軍が大がかりな捜索を行った」と報じており、北潜水艦の“性能”がうかがえる。
また、中国の潜水艦は基本的に旧ソ連の潜水艦を模倣したもので、最初の本格的な原子力潜水艦「漢級」は騒音が酷く静粛性など無いに等しいと低評価だったが、近年量産された「商級」は静粛性も向上しており、これを元にした新型も開発中とされる。また通常動力の潜水艦「元級」ではAIPを装備しており、ディーゼルエンジンはドイツ製を使用。3月中旬にはタイへの売却契約が成立するなど、あなどれない性能を持っているとされる。
じんりゅうが広島県の呉基地に配備されることで、海上自衛隊の潜水艦戦力は17隻態勢に増強される。防衛省は2021度末までに22隻態勢とする計画だ。(3月17日掲載)
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