登山の三種の神器の一つ「レインウェア」ですが、
結構持っていない人が多いようです。
「レインウェアなくても大丈夫
レインウェアは買うだけ無駄」
なんていう人もいるようです。
ホントにレインウェアは必要??
ということで、登山におけるレインウェアの必要性について解説します。
@登山におけるレインウェアとは
なぜ、レインウェアが登山の三種の神器の一つに選ばれているのか?
それは、レインウェアが登山者の命を守るアイテムだからです。
登山中の死亡事故は、崖や谷への滑落や落石による大けがが思いつくと思いますが、
意外と多いのが「低体温症による死亡事故」です。
しかも、冬季ではなく春から秋にかけて発生します。
原因としては何かしらの理由で体を濡らしてしまい、そのまま体温を奪われて衰弱してしまうパターンです。
この時レインウェアを携帯していれば、濡れることによる体温低下のリスクを回避できます。
レインウェアと一言で言っても、いろいろ種類があります。
レインコート、レインスーツ、レインポンチョ、レインジャケットなど
その中で登山におけるレインウェアとは、
レインスーツ
を指します。
レインスーツはジャケットとパンツのツーピースで、一般的には同素材で作られていて、
上下セットを1つの収納袋でまとめてリュックに携帯します。
そのため、以前は上下同サイズがセットで販売されていましたが、最近はカラーやサイズが上下別に選べるようにバラで販売されています。
なぜ登山ではスーツ(上下セット)なのか?というと
ポンチョやレインコートなど上着タイプでは、雨量によっては下半身がずぶぬれになり、さらに靴の中まで雨が溜まってしまうからです。
登山中に雨で濡れてしまったら、晴れない限り乾かすことはほぼ無理です
雨が当たらない岩場で雨宿りしても、避難小屋に駆け込もうと、濡れた衣服をすぐに乾かすことはできません。靴は絶望的です。
濡れてしまうと、乾いているときの7倍の速度で体温が奪われていきます。
したがって、登山中に体を濡らしてしまうリスクのあるレインコートやポンチョは避けるべきでしょう。
Aレインウェアを携帯するメリット・デメリット
レインウェアの必要性は@でお話したことがメインになりますが、
「雨の日には登らないから必要ない」
と思う初心者の方も多いと思います。
だが、しかし
レインウェアの有用性は雨だけではありません。
レインウェアを携帯する本質は、「防寒」です。
雨濡れによる冷え以外にも、風による冷えにも有効です。
雨を通さないから、ウィンドブレーカーとして優秀です。
登山中のリスクで一番ヤバいのは「雨&風」です。
雪や崖などは見るからにわかりやすいリスクのため、事前準備は入念にしますが、
雨や風は日常生活にあるため軽視しがちです。
しかし、登山中の雨と風は体温を奪う最大リスクです。雨に濡れた体が山中の風に当てられたら急速に体温は奪われ、それ以上に体感温度は下がります。
体感温度が下がれば、体温を回復しようとして体内で発熱活動します。寒くて体が震えるのがそうです。
これはかなりカロリーを消費しますので、次第に体力も奪われていきます。
これで回復しないと低体温症が発症します。
このようなリスク回避のためにもレインウェアの携帯はメリットがあります。
したがって「荷物になる」といったデメリットは生命リスクに比べたら無きに等しいです。
Bレインウェアを選ぶ3つのポイント
それでは、レインウェアを選ぶポイントを3つ挙げます。
〈その1〉耐水性と透湿性
簡単に言うと「水を通さない力」と「衣服内の湿気を逃がす力」のことです。
耐水性、透湿性は数値化されていて、それを目安に自分の登山スタイルにマッチしたウェアを選びましょう。
・日常生活や観光地ハイキングなら耐水性5000〜10000o、透湿性10000gまで
・登山なら耐水性20000o以上、透湿性6000g以上
がおすすめです。
〈その2〉運動性の良い型紙
レインウェアを選ぶ際は必ず試着しましょう。そこで、「サイズ・肩回りの可動域、上着のすその余裕、パンツの腰回りと膝の可動域」をチェックしましょう。
・サイズ;基本はジャストサイズ。大き目という人もいますが、一定レベルのアウトドアブランドのレインウェアなら、中に防寒ウェアを着込むことも想定したつくりになっているので、必要以上の上のサイズを選ぶ必要はありません。
・肩回りの可動域;ジャケットを着て、袖のベルクロを締めた状態で、バンザイ・前へならえをしてみてください。その時、肩が突っ張る、袖が引っ張られる、袖が短くなって手首が出てしまう。
その場合は、サイズが合わないか、登山に向いていないウェアです。
・上着のすその余裕;バンザイをした際に上着のすそが持ち上げっていないかを見ましょう。持ち上がるようなら、サイズが合っていないか登山に向いていないウェアです。
・パンツの腰回りと膝の可動域;パンツをはいているズボンの上から重ね履きした状態で、膝の屈伸運動と腿上げ運動をしてください。腰回りが突っ張る、膝が上げにくい場合は、サイズが合っていないか、登山に向いていないウェアです。
登山向きのレインウェアは、登山中に着用することを想定しているので、リュックを背負っても腕がストレスなく動くか、いろいろ跨いでも歩けるように縫製されています。
〈その3〉選んではいけないレインウェア
登山に向いていないレインウェアを携帯することは逆に余計な荷物となるので、登山におススメできないレインウェアを挙げておきます。
・ビニールレインウェア;半透明のビニール製の合羽です。上下スーツタイプもあります。
メリット…安価
デメリット…耐久性が無い、非常に蒸れる、ウェア内で結露する、外気温から守れない(防寒能力が低い)
・ポンチョ;頭からかぶるタイプが多く、ケープ状のレインウェア
メリット…被るだけなので簡単、リュックも同時に雨から守れる、下が開いているので通気性が良く蒸れない
デメリット…ポンチョ単体では下半身が濡れるリスクがある、風にあおられて行動不能になる(風でめくれることがある)、裾などが木の枝などに引っかけてしまう、風通しが良いので防寒能力無し
Cまとめ
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
私は、かなり雨男属性らしく登山中によく降られます。最初のころ、短時間だし晴れているからとレインウェアを持たずに登山したことがあります。その当時はお天気アプリなどありませんでしたから、前日と当日の天気予報でしか確認できませんでした。
夏だったので、下山中に予報に無かった夕立(今のゲリラ豪雨)に遭い全身ずぶぬれになり、濡れたまま運転して帰った思い出があります。
着替えもなかったので、もし公共交通機関できていたらと思うとゾッとします。
そんな経験から、レインウェアは必ず携帯するようになりました。
確かに、レインウェアはそこそこのものでも高額です。その際、品質レベルを下げるよりはレンタルするという選択も今はあります。便利な時代になりました。
それでは、安心安全装備でクライムオーーーーン