登山リュックとカジュアルデイパックのデザイン的に最も異なるパーツが
ヒップベルトです。
25リットル以下の小型の場合はテープのタイプですが、
本格的30リットルサイズになると幅広でクッションのついたベルトになります。
最近は減りましたが、時折子のヒップベルトを締めないで辛そうににしているハイカーを見かけます。
今回は、日常では馴染みのないヒップベルトについて解説します。
@ヒップベルトあれこれ
先にお話ししたように、ヒップベルトは登山リュック独特のパーツです。
形状としては、
1.幅2〜3pのベルトタイプ
2.クッション付きの幅10p以上のタイプ
があります。
Aヒップベルトのメリット
1.幅2〜3pベルトタイプ
このタイプは一部スポーツメーカーでも採用されています。 登山リュックでは主に25リットル以下の小型モデルで使用されています。 このベルトが、一般的に存在理由が伝わっていないパーツです。 そのため、 「このベルトいらない」「このベルト邪魔」 といったように邪険に扱われ、一部のモデルでは着脱可能になっています。 しかし、酔狂で取り付けられているわけではありません。ちゃんとした機能があります。 |
その機能とは、
リュックのボトム部が無駄に動かないようにするため腰に密着させる
です。
登山時には、ハイカーはいろいろな体勢になります。
前かがみになったり、左右どちらかに傾いたり。。
その時、ベルトの無い状態では、
リュックが背中で前後にバタついたり、左右に揺れたり、上下に動いて肩を圧迫したりします。
もともと装備自体が軽いので、あまり気にしない方も多いですが、実はこれ
じわじわと体力を奪っています
また、登山道の状況ではバランスを強要される場合があり、その際リュックが動くと上半身の重心がズレるので、思わぬ転倒を引き起こすリスクがあります。
頼りなそうな細いベルトですが、登山時にはしっかり締めましょう。
2.クッション付きの幅10p以上のタイプ
肩の筋肉(主に僧帽筋)は荷物を担ぐための筋肉ではありません。筋繊維は横に走っていてその上にショルダーベルトを食い込ませているのですからダメージがあって当たり前です。
荷物を担ぐためには、背中の脊柱起立筋を使いますが、この筋肉は骨盤の真上にあります。
この脊柱筋をサポートすれば、肩のダメージを和らげることができます。
そして、重い荷物はさらに大きい筋肉で支えれば脊柱起立筋のダメージも回避できます。
その大きな筋肉とは、お尻と太もも(大殿筋と大腿四頭筋)です。
登山リュックは腰(下半身)で背負う
といわれるのはこのためです。
それをサポートするのが、ヒップベルトなのです。
ベルトを強くしっかり締めて骨盤を固定させることで、背負った装備の重量を腰に乗せられるので、リュックの重心が腰より下方へ引っ張られなくなります。重量は下半身全体で支えるようになるので、肩・背中の疲労緩和ができます。
イメージとしては、人をおんぶしたとき、乗った人のお尻が下がると実体重以上に重く感じるので、自分の腰の上に背負い直しますよね。それと同じ理屈です。
また、薄くて細いベルトで強く締めるとわき腹に食い込んでしまい、肌や筋肉を傷めるので、ヒップベルトにクッションが付いています。
Bヒップベルトの正しい締め方
1.幅2〜3pベルトタイプ
バックルがセンター(おへそ辺り)に来るように締めます。
モデルによって、センターバックルから外側へ引っ張るタイプとゆっくのボトムの左右から前方へ占めるタイプがあります。
あまり強く締めずに、リュックの背面パッドが骨盤に密着すればOKです。
2.クッション付きの幅10p以上のタイプ
まず、骨盤上部の一番出っ張ている部分をヒップベルトのクッションの真ん中に合わせます。
バックルをはめてベルトを締めます。タイプは細いタイプと同様センターから締めるタイプとリュックから締めるタイプがあります。
締める強度は重量によりますが、重ければ重いほど強く締めます。パッドがあるので相当強く締めても痛くありません。
10s前後なら片手で締められる限界まででいいと思います。
20s前後になるなら、片手である程度締めてから、両手を使って左右それぞれ締めあげます。
時間が足ると自然に緩んでくるので、重い荷物の場合は強く締めることをおすすめします。
Cまとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
登山リュックにとってヒップベルトは、かなり重要なパーツだということをご理解いただけたでしょうか。
私も始めたころは、「締めるのが面倒」「形だけで機能性ある?」とおもっていましたが、いろいろな山を歩くようになり、装備も重くなっていくうちにヒップベルトの重要性を感じました。
皆さんはどう感じますか?
それでは、安全・装備でクライムオーーーーン