2015年12月26日
ジャージーシティ散策
アメリカみやげばなしI
「ジャージーシティ散策」
旅の前半、
月曜の夜から金曜(ブラックフライデー)の朝まで宿泊したのは、
ニューヨークのハドソン川対岸の港湾都市、
ジャージーシティーのニューポートにあるホテル、
DoubleTree by Hilton Hotel & Suites Jersey City
…なかなか立派なホテル。
で、木曜と金曜の朝、
私は一行の洗濯物を黒くて大きなボストンバッグに詰めて、
散歩がてら、近くのランドロマット(コインランドリー)へ出掛けた。
エレベーターを降りて、ホテルの玄関を出ると、
ハドソン川の方から吹き付ける寒風が、むしろ心地よい。
寝ぼけ眼がしっかりと開く。
ジャージーシティのランドマークは、
マンハッタン側やリバティー島からも良く見えるゴールドマン・サックス・タワー。
言わずと知れた巨大投資銀行のオフィスビル。
2001年のテロ事件を機に、
ニュージャージー側にビジネスの機能を移転しようと建設されたらしいが、
ニュージャージーは貧乏臭く治安が悪いとのイメージが理由で、
ウオール街からの移転が進まず、稼働率はイマイチらしい。
しかし、ニューポート界隈のメインストリート沿いには、
いくつかの巨大なオフィスビルが建設中で、
都市の再開発が進行中のようだ。
私はホテルの駐車場の裏口から出て、
例のショッピングセンターの駐車場を横切る。
駐車場脇の路上では、コーヒーとドーナツの屋台が営業中。
通勤中らしい男が、温かいコーヒーを買っている。
旨そうだな…と横目で見ながら歩を進めると、
レンガ造りの廃工場と、鉄道の引込み線の跡。
この工場から貨車で港まで製品を運び、船に積み込んだのだろう。
港湾都市の歴史を垣間見た気がしたが、
同時に、70年代の治安が悪かった当時を思わせるロケーションでもある。
…ちょっと、剣呑な雰囲気に、思わず足を早める。
廃車置場の壁に、巨大な壁画。
通りに面したシャッターにも、素敵な絵が描かれている。
ウオール街の連中は貧乏臭いというのかもしれないけれど、
住民の活力を感じる、巷の芸術だと思う。
決して上手とは言わないが、大都市でよく見る落書きとは、
比べ物にならないほど、クオリティーが高い。
こんな裏町をしばらく歩くと、古びたビルの1階にお目当ての、
「ランドロマット グローブ」…名前はシェークスピアの劇場みたい(笑)。
中には銀色の業務用洗濯機と乾燥機が並び、
その上方には、これまたペンキで描かれた壁画が。
まあ、子供の絵のような出来栄えだが、
フリーダ・カーロ的な情熱を感じないでもない。
店は、40がらみの女主人が切り盛りしている。
ブロンドの碧眼は、
もしかしたらハイスクール時代はアイドルでした…って感じかもしれないが、
現在はニュージャージーの京塚昌子か(…喩えが古い…苦笑)。
時折娘さんなのか、ちっちゃな女の子の相手をしているが、
もしかしたら、この子が壁画の作者かもしれない。
他に持ち合わせが無いので仕方なく、
両替機に10ドル紙幣を挿入、ジャラジャラと大量の25セント硬貨。
洗濯機に洗濯物と洗剤を投入し、所定の金額の硬貨を入れてスイッチオン。
あとはベンチに座って、スマホをいじったり、ガイドブックに目を通したり…。
店の中は、私と女店主の二人きり。
彼女は、楽しげに電話で話をしている。
洗濯と乾燥で一時間ちょっと。
乾いた洗濯物を、再びボストンバッグに詰める。
出口で店主に「サンキュー」と声をかけると、
電話の送話口を手で押さえながら、満面の笑みで「バイバイ!」。
こちらも笑顔で「バイバイ!」…もう会うことはないだろうけど(笑)。
店を出ると、今度はやって来たのと逆方向に歩を進める。
2〜3階建ての小さな戸建住宅が並んでいる。
通りは並木道になっていて、リスがちょろちょろしている。
…静かだ。
ニューヨークは、新陳代謝が凄まじいというのか
…居るだけで刺激を感じる街だが、
ジャージーシティは、おだやかで心地よい。
…住むならこっちかなと思ってみたり(笑)。
通りの角に柵に囲まれたスペースがあって、
中には金色に塗られた兵士の胸像があった。
おそらくベトナム戦争の慰霊碑だと思う。
…この街から出征して、命を落とした兵士なのだろう。
慰霊碑の脇をリスがまた走り抜ける。
ジャージーシティはまだ、静けさの中だ。
「ジャージーシティ散策」
旅の前半、
月曜の夜から金曜(ブラックフライデー)の朝まで宿泊したのは、
ニューヨークのハドソン川対岸の港湾都市、
ジャージーシティーのニューポートにあるホテル、
DoubleTree by Hilton Hotel & Suites Jersey City
…なかなか立派なホテル。
で、木曜と金曜の朝、
私は一行の洗濯物を黒くて大きなボストンバッグに詰めて、
散歩がてら、近くのランドロマット(コインランドリー)へ出掛けた。
エレベーターを降りて、ホテルの玄関を出ると、
ハドソン川の方から吹き付ける寒風が、むしろ心地よい。
寝ぼけ眼がしっかりと開く。
ジャージーシティのランドマークは、
マンハッタン側やリバティー島からも良く見えるゴールドマン・サックス・タワー。
言わずと知れた巨大投資銀行のオフィスビル。
2001年のテロ事件を機に、
ニュージャージー側にビジネスの機能を移転しようと建設されたらしいが、
ニュージャージーは貧乏臭く治安が悪いとのイメージが理由で、
ウオール街からの移転が進まず、稼働率はイマイチらしい。
しかし、ニューポート界隈のメインストリート沿いには、
いくつかの巨大なオフィスビルが建設中で、
都市の再開発が進行中のようだ。
私はホテルの駐車場の裏口から出て、
例のショッピングセンターの駐車場を横切る。
駐車場脇の路上では、コーヒーとドーナツの屋台が営業中。
通勤中らしい男が、温かいコーヒーを買っている。
旨そうだな…と横目で見ながら歩を進めると、
レンガ造りの廃工場と、鉄道の引込み線の跡。
この工場から貨車で港まで製品を運び、船に積み込んだのだろう。
港湾都市の歴史を垣間見た気がしたが、
同時に、70年代の治安が悪かった当時を思わせるロケーションでもある。
…ちょっと、剣呑な雰囲気に、思わず足を早める。
廃車置場の壁に、巨大な壁画。
通りに面したシャッターにも、素敵な絵が描かれている。
ウオール街の連中は貧乏臭いというのかもしれないけれど、
住民の活力を感じる、巷の芸術だと思う。
決して上手とは言わないが、大都市でよく見る落書きとは、
比べ物にならないほど、クオリティーが高い。
こんな裏町をしばらく歩くと、古びたビルの1階にお目当ての、
「ランドロマット グローブ」…名前はシェークスピアの劇場みたい(笑)。
中には銀色の業務用洗濯機と乾燥機が並び、
その上方には、これまたペンキで描かれた壁画が。
まあ、子供の絵のような出来栄えだが、
フリーダ・カーロ的な情熱を感じないでもない。
店は、40がらみの女主人が切り盛りしている。
ブロンドの碧眼は、
もしかしたらハイスクール時代はアイドルでした…って感じかもしれないが、
現在はニュージャージーの京塚昌子か(…喩えが古い…苦笑)。
時折娘さんなのか、ちっちゃな女の子の相手をしているが、
もしかしたら、この子が壁画の作者かもしれない。
他に持ち合わせが無いので仕方なく、
両替機に10ドル紙幣を挿入、ジャラジャラと大量の25セント硬貨。
洗濯機に洗濯物と洗剤を投入し、所定の金額の硬貨を入れてスイッチオン。
あとはベンチに座って、スマホをいじったり、ガイドブックに目を通したり…。
店の中は、私と女店主の二人きり。
彼女は、楽しげに電話で話をしている。
洗濯と乾燥で一時間ちょっと。
乾いた洗濯物を、再びボストンバッグに詰める。
出口で店主に「サンキュー」と声をかけると、
電話の送話口を手で押さえながら、満面の笑みで「バイバイ!」。
こちらも笑顔で「バイバイ!」…もう会うことはないだろうけど(笑)。
店を出ると、今度はやって来たのと逆方向に歩を進める。
2〜3階建ての小さな戸建住宅が並んでいる。
通りは並木道になっていて、リスがちょろちょろしている。
…静かだ。
ニューヨークは、新陳代謝が凄まじいというのか
…居るだけで刺激を感じる街だが、
ジャージーシティは、おだやかで心地よい。
…住むならこっちかなと思ってみたり(笑)。
通りの角に柵に囲まれたスペースがあって、
中には金色に塗られた兵士の胸像があった。
おそらくベトナム戦争の慰霊碑だと思う。
…この街から出征して、命を落とした兵士なのだろう。
慰霊碑の脇をリスがまた走り抜ける。
ジャージーシティはまだ、静けさの中だ。
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