騎士きどり　knight kidori

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つづきです


上の姪っ子は、私と妹の確執を５歳から見ていて、
もう、ガッツリ「大人の顔色をうかがう子」なのだけど
下の姪っ子は幸い、人見知りもせず、天真爛漫元気爆発娘だ。
父とは、ほとんど同じ家では過ごしていないのだけど、
しっかり「じぃじ、じぃじ」と懐いている。

アパートに入るなりベッドに飛び乗り、
リクライニングの装置をいじってベッドを倒したり起こしたりして大騒ぎ。

「おいおいまた壊してくれるなよー！」と慌てながら父も大はしゃぎ。

お正月に来るかもと、用意していたらしいお年玉袋に、あわてて千円入れて渡していた。
上の姪っ子のは、ほしけりゃ取りに来い〜、なんて笑いながら。

ほしけりゃ取りに来て。
会いに来て。

姪っ子だけじゃなくて、父は、
血の繋がっている娘（妹）にも会いたいよな、と思うと
今まで何度も思い出した「あの日」のことを思い出した。

あの日私が、
両親の離婚を止められていたら。
小学生だった頃、
中学生だった頃、
高校生だった頃、
働き出してからでも、
一升瓶を叩き割ってでも父をお酒から遠ざけられたなら。

一升瓶にこっそり水を入れていた小学生の私が、ひどく稚拙で、
そんなことじゃダメだったんだと自分を責めた。


18時にはママがお迎えに来るから、そろそろ帰ろうねと立ち上がった。
また来るね、また来てね、と言い合ってドアを閉めた。

90分100円の駐車場に停めて、支払いが100円だったから、
父と姪っ子の逢瀬は90分以内だったのだろう。


夜、父からメールがきた。
「 ◯チャン△チャン じぃじぃ 有難うて でんわ き たヨ。写メ有難う 」


勝手に姪っ子を
父に会わせたから、
妹は怒ってないかな？と思っていたので、
その報告は嬉しかった。

夜寝る時に、今日1日のことを思い出して、
なんだか疲れ果てて胸がいっぱいで少し泣いた。

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土曜日なので、姪っ子がやってきた。
でも、今日は二人でじゃなくて
下のチビちゃんだけ。

上の子はそろそろ近所のお友達と遊ぶのも楽しくなってきたみたいだけど
下のチビちゃんは保育園児なので
まだまだおばあちゃんのおうちが大好きなのだ。

お菓子がたくさんあるからね（笑）

すぐに退屈して、
外に連れて行けと暴れ出した（笑）
外に行こう外に行こうとゴネる姪っ子を見ながら、ふと思いついた。
今日、この子を連れて父のアパートに行こうか？
昨日からずっと、淋しいのかなんなのか、父からはメールが来ている。
あまつさえ電話までかかってきて
「たまには声を聞きたいと思って」
などと言われたばかりだ。


しかし、今姪っ子と遊んでいる母にはなんと言おう？

…いや色々考えることはない。
私が父と会っていることは知っているのだし、
ゴチャゴチャ細工をするよりも
母の前で何気なく
「じゃ、じぃじの所に行く？」
と訊けば良いのだ。
それが出来ないから、いつも他人の顔色伺ってハラハラして。
そんなんじゃダメなんだ。
悪いことするんじゃないんだから普通に言えばいい。

……けど
相変わらず私は言えなくて、
コンビニに行くねと言って姪っ子を連れて外に出た。

駐車場から父に電話をした。
父は寝ていた。
「いまからチビちゃん連れて遊びに行っていい？」
大喜びだった。

今度は母にメール。
「ついでに、じぃじの所に寄ってくるねー」
母からは
「りょ」
とだけ返事が来た。

父のアパートに着くと
玄関の鍵は開いていて、窓も開いて換気されていた。


足が悪いのに、
部屋の真ん中につったって、
右の物を左へ、左の物を右へ移動させながら私たちを待っていた。


つづきます

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清原元選手のニュースがたくさん。

見ていて、とても悲しかった。

離婚したことで、息子さんと
なかなか会えなかったんだね。

覚醒剤うんぬんの良い悪いは私にはどうでも良くて、

会いたい人に会えない悲しさだけに
取り込まれてしまった。
（それが覚醒剤使用の原因だ、と擁護するわけではないです）

姪っ子たちが帰ってしまったあと
一人で部屋にいるときの淋しさは分かるから、
「次に会えるのはいついつ」
「今はひとりぼっち」
とブログで呟いてしまう清原氏の気持ちも分かる。

そして、

同じ気持ちを味合わせているであろう父のことも考えて
せつなくなった。

父にしろ清原氏にしろ、

わたしにしろ、

自業自得のところがあるのだがそれはおいといて。

この人も、さみしかったんだね。



昨日父からメールがきていた。
新しいベッドが届いたらしい。
前のベッドは、姪っ子が遊びに来たときに飛び乗って
リクライニングが壊れてしまっていたのだ。
福祉と相談し、自費だけど新しいものを買い入れることができた。
「もう、チビたちに飛び乗られんようにせんとね」
と返信すると

「孫たちも あいたいけどね 写メだけだ」

と。


一緒に暮らしていたときも
孫を、ほんとにかわいがっていた父だった。
とくに父と姪っ子は同じ顔をしているので
二人でいるときは同じ顔でおかしかった。


それぞれの家庭に
それぞれの理由がある。

会いたい人に、
会いたいときに
誰もが会えたらいいのに。


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手すりが無事に取り付けられたと聞いて
父のアパートへ見に行ってみた。
なんと、年末のあれから一度も覗いてなかったのだ。

「わー、立派なのを付けてもらったね！あっ、あけましておめでとう〜」
そう言って一通り触る。頑丈だ。税金でつけて頂いたんだよね。ありがとうございます。

近所に駐車場がないから
アパートの下に路駐なので、
ほんとにバタバタ。

家からこっそり持ってきた、母手作りのぜんざいと
昨夜の晩御飯の残りのエビフライを渡して
座る間も無く
「路駐やばいから、またね」
と部屋を出ようとしたら
「今月はほんとお金使いすぎた」
と言った。

「知らんよ、今月は多めにお金もらえたのに。なんで使ったん？」
「あちこち言ったから」
「あーあ大変だね。でも、けっこうなことじゃん、人生楽しんでて」

明るく笑いながら
「じゃ、またくるねー！」
と部屋を出た。

今回は、絶対に
お金は用立てない！
かなりのピンチを味わって学習してもらうしかない。
何度も味わってるはずだけど、
それでも分からないなら、分かるまで繰り返し味わってもらうしかない。
そして、どうすれば良いのかを自分で考えてもらうしかないんだ。

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結局父はガンとして譲らなかった。
昔からそうだけど、
目が合わなくなって、押し問答になる。

「もう知りません。帰るよ」
二人で車に乗り込んで、車内でも説教はつづく。

「自分で管理出来ないから今までも月末に苦しいとかなってたのに、
もう知らないからね。
私がいくら一人で心配してたって、本人がそんなんじゃ意味ないじゃん」
と、私らしく元気に、ガッツリ言ったけど
本人はフンフンと、あらぬ方向を見て頷くばかり。

本気で怒ったあとは、
気分を切り替えて、
「もう知らないからね！おならプーだ！」的な
明るい怒り方をしたけれど
悲しくてたまらなかった。
じゃあね、とアパート前で父を降ろして、そのまま別れた。
アパートの前で降ろして大丈夫なのか…普段なら必ず部屋まで付き添うけど、とてもそんな気にならなかった。
ほんっっとに頭にきていた。
悲しくて悲しくてたまらなかった。

私だって、簡単に色々提案しているわけじゃない。
父だって大人なのだから、他人にお金を管理されて生きたくはないだろうから、どこまで介入していいのか…とか
散々考えて考えて話しているのに、なんで当の本人は！！！！
私の計画通りに生活すれば今月は五万は貯金できるのに！！！！！
生活能力ないんだから、言う通りにすればいいのに！！！！！！！

……と、
それはそれは大変に怒ってしまった。
ほんとにもう知らん、勝手に生きるが良い！と心底思った。


私の怒りが届いたからか、
翌日
『明日 から 仕事 初めだね。頑張って 行こう パパも今年 １人で 頑張る』
というメールがきた。

一人で頑張るときたもんだ！
なんと嫌みたらしい！(￣O￣;)

と、またカンカンな私（笑）


一体私は何様なんだ。
人間一人を変えられると思っている。
父は大人なのだ。こんなに介入されるのは嫌に決まっている。
私は何様なんだ。
騎士きどりはやめようと、やめられますようにと願って
このブログまで書いて反省してるのに
本体はやはり変わってない。

全部父が選んだことなのだ。
そう思う横から
「でもでも、父はこんな性格でおばかだから
仕方なかったんだよね」
と思ってしまう。
ループ。

これからこの人をどうしたらいいのか分からなくて、

私一人で抱え込まなくていいのに
心配で心配で心配でたまらなくて、
一人で生きていかなくてはいけない父が不憫で不憫で不憫でたまらなくて、

たまらなくて、
せつなくて
悲しくて。
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父に付き添って病院へ。
受付で書類を受け取った。
部屋や浴室に、手すりなどの補助具が必要ですよという医師の意見書だった。
これで、部屋に何本かの手すりがつけてもらえるらしい。
嬉しい。


今日は、早急にやりたいことがあった。
父の、郵便局口座を、ネットから扱えるようにするための手続き。
それから、いくらかのお金を父から預かること。

これには理由があって…

先日役所から通達があって、
父の生活保護費が三万くらい上がったのだ。

今までは11万くらいいただいていた。
それでちゃんと暮らせていたのだし、
私と母と祖母の三人家族でさえ12万くらいで暮らしているのだから
増えた部分はまるごと私が預かって貯金してあげても問題はないねと
話していた。

病院について、
事務の受付まで杖をつきつき移動する。
わずかな距離なのに息が上がって大変。
少し歩いては椅子に倒れこんで休憩する姿に、
ああ本格的に介護生活に入る日も遠くないぞこりゃ、と感じた。

書類をもらって、
早速郵便局のカードを預かってATMに入れてみたら
残高が12000ちょいしかなかった。

「なんで？来月分の保護費、入金されたよね？」
と聞くと「おろした」と言う。

「なんで？！持ち歩いてんの？！」
「家においとる」
「前に、友達に盗まれて、危ないから口座に入れておこうって話したじゃん！」
「今月は必要だからおろしてる」
「何に必要？」
「……」

また、言えないことに必要らしい。
まさかと思うけど、年末は大きな競馬の行事があるみたいだし、
間違いなく買ってるし、
友達に借金でもしてるのかも？！

「友達に借金とかしてないよね？！」
「してないよ、貸してはいるけど」
「なんで貸すの？！そんな人達、返してくれるわけないじゃん！！」

ATMの前で言い争いになった。


すみません、更新しなきゃしなきゃと思いながら
やはりタイムアップです、
つづきます

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あれからしばらく
父のバタバタが続いた。

退院後、初めての外来。
病院自体の外来受付に診察券を通し、
受付票を持って脳神経外科の受付へ。
そこでまた伝票をもらって放射線科の受付へ。
そこでまた伝票をもらってCTの窓口へ。
CTを撮り終えたらまた放射線科の受付へ戻り、
脳神経外科の受付へ戻り、
会計へ。

私が一緒にいれば、父を最低限しか動かさずに回れるけど
一人だとこりゃおおごとだ。
11時の予約で、終わったの14時半だよ。
次はまた来週だってさ。
私は勤務の都合で付き合えない。


心配しても仕方ない。
ひとりでも、なんとか回ってくれるだろう。
最悪、院内で転んでも、
きっと一番安全な場所だろう。

全部私ひとりで守ろうなんて
考えちゃダメだ。

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今日は朝から父のアパートへ。

本来65歳からしか受けられない介護保険制度だが、
今回父の頭に硬膜下血腫が見つかったことで
早めに介護保険制度を利用できるかもしれないそうで
認定員の方が聞き取り調査に来たのだ。


めちゃめちゃお喋り好きな父だから
デイケアとか行けるようになると
良いと思うけど、
本人は年寄りだらけで嫌だと言う。
そりゃそうですね。
でもスタッフさんとかと話せたらいいと思うけど。


祖母の時に見ていて
大体知ってたけど、
まだ若い父が
「今日は何日ですか」
「下のお名前を教えてください」
「さっき見せた３つの物は、傘とメガネと、何だったでしょう」
とかやられているのを見るのは
なかなか辛かった。

身体に筋肉がまったくないからか、
やたら寒がって、
もう暖房を欲しがった。
「まだエアコン入れずに頑張ってるけどね」
と言いながらも、
私の手首くらいしかない細い足も寒そう。

だけど、
足の感覚がないから、
モコモコ靴下とか履かせられないんだ。
転んじゃうからね。
お医者さんからは、スリッパや靴下も危ないからって止められてる。

動くときだけ脱いでくれればいいんだけど、
そんなことしてくれないしね。

なんとか、いろいろうまくいといいなぁ。
とりあえず、自分の仕事に行ってくるよ。

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全然スマホいじる暇がない(^_^;)

更新できない間も、
覗きにきてくださったり
応援ポチをしてくださって
ありがとうございます。

先日父が退院できました。
転んでできた傷がキレイにくっついたとのことで
退院になったけど、
頭にできた硬膜下血腫はそのままで…娘としては怖いかぎり。
でも、もう、今できた血腫ではないから
外来で定期的にCTを撮って経過観察していくそうです。

取り急ぎ、ご報告でした。
報告しなきゃ報告しなきゃと
気ばかり焦って、
遅くなってすみません。

明日は父のアパートに
市の介護福祉の係の人が来るそうで
「何を説明されても分からんから、立ち会ってほしい」
と父に切望されたので
仕事に行く前にその席に立ち会ってきます。

気持ちでいっぱいいっぱいにならないように、
できることだけ！をがんばります。

久々の更新になってしまった。
相変わらず、仕事と父のお見舞いでてんてこ舞いしている。
書きたいことが毎日あって
でも隙を見つけてスマホを開いても
すぐにLINEとかにつかまって
返信返すので精一杯。


職場と犬の散歩と病院と走り回りながら
ふと妹のことを思う。
主婦でパートも頑張っている妹が
もしこの入院を知れば
お見舞いに顔を出すのもどれほど大変なことか。

…ドライな妹のことだから
「ごめん今日は無理！行けるときにいくわー！」
とテキパキこなすかな（笑）


私はといえば、

今日は泊まりのある勤務だったので
昨日から泊まってて、
朝6時から仕事がスタートし、
4時前に職場を出てそのまま病院へ。
今日は母が所用で不在なので
30分だけお見舞いして
ダッシュで帰宅して洗濯物を取り込み
風呂と夕食を用意して祖母の面倒をみて
それから犬を散歩に連れて行き
自分もご飯を食べてお風呂に入って
その頃他県に出かけている母がバスで帰り着くから
バス停まで迎えに行って……

そんな予定をたてていた。

たてていたけど、

病院につくと
父が一時間半、マシンガンのように喋り続けた。

今日はあれをしたこれをした
具合はどうだこうだ
ご飯はあれを食べたもう飽きた
新しい杖を買ったんだよ先端がこうなっててね……

喋り倒して
「カラ子ちゃんはこのあと帰ってまた散歩？」
と聞いてきた。
「うん、今日はおかんがいないから
晩ご飯して洗濯物してそれからね」
「ひゃー朝から本当にフル稼働やねぇ」
「うん、だからそろそろ帰るわー」
「そうだね。じゃこれ持って帰り〜。明日はリハビリがあってね…」

……と
いつまでたっても帰れない。
駐車場料金が、30分ごと100円なので
キリよく帰ろうとするのに、
結局一時間半、
おいて帰ることが出来なかった。

そして、ギリギリまでいて、
よし走って駐車場までいけば間に合う！
と思ったのに、
娘大好きな父は、杖をつきつき、
駐車場まで見送るとついてくる。

結局、一時間と、31分という
一番もったいない時間分の駐車場 料金を払った
(^_^;)

でもね、
この100円を高いとは思わないんだ。
私、貧乏だけど。

ごめんね、パパ。
連れて帰ってやれなくて、ごめん。
明日もこれたら来るからね。

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