心筋炎とは何か?
急性心筋炎とは、心臓の筋肉に炎症が起こることにより、心臓の動きが悪くなり心不全を引き起こしたり、危険な不整脈を引き起こします。軽症の場合は、自分でも気づかないうちに発症して自然に治ってしまう人もいます。しかし、重症化した場合には劇症型心筋炎と言って、ショック状態から心停止に至ってしまうことがあります。早期発見が大切なのですが、なかなか気づかないまま見過ごすことも多いようです。
心筋炎発症の特徴
一般的に心筋炎は、普通の風邪症状から始まります。症状は、悪寒・発熱・頭痛・筋肉痛・全身の倦怠感です。また、お腹には悪心・嘔吐・下痢などの症状が出てきます。その後、数時間から数日以降に心臓に異常が起きてきます。風邪のような症状が出たのちに心筋炎の症状が出てくるのが特徴といえるでしょう。
心筋炎の診断
心筋炎の症状は、ほかの病気でも見られるので、胸の痛み、動悸、息苦しさなどの症状があるからと言って必ずしも心筋炎だとは断言できません。ここで一番大事なのは、おかしいなと思ったら病院での診察を受けることです。心筋炎かを診断するためには、心電図やレントゲンで確認、心エコーでの心臓の動きの確認、採血で心筋の傷害がないかを心筋トロポニンを見て診断します。確定診断では、心臓カテーテル検査をすることもあります。
心筋炎の原因
多くの心筋炎は、風邪のウイルスが感染して心臓に炎症を起こすことで発症します。ほとんどの場合、風邪のウイルスが心臓に炎症を起こすことはなく風邪症状で治ってしまいます。稀に、風邪のウイルスが心臓に炎症を起こすことがあり、これが心筋炎の発症につながっています。風邪の症状が強いから発症するわけではなく、軽い風邪でも発症することがあります。
また、風邪以外でも細菌やカビ、自己免疫、薬剤、アレルギー、膠原病(こうげんびょう)が原因で発症することもあります。風邪以外での発症の場合には、風邪の症状が認められなくても心筋炎の発症は起こります。
心筋炎の経過
軽症で自分でも気づかないまま発症、完治になってしまうケースもあります。劇症型や重症な症状の場合でも多くは数週間のうちに炎症が治まり、心臓の動きは回復へと向かいます。稀に炎症が引かず、慢性心筋炎から慢性心不全に移行する人も見られます。また、そのまま心臓の動きが回復せず悪化して命を落としたり、心臓移植をしないと命の保証ができなくなることもあります。
早期発見をするために
心筋炎は子供でもなる病気です。どの世代の人でもなりえるので早期発見が治すためには大切なことです。風邪の症状があった後、動悸、息切れ、胸の痛み、息苦しさがあり、普通ではないと感じるようならすぐに受診しましょう。そのうち治ると思いほっておくことで、治る病気も悪化する恐れがあるので注意が必要です。
米国ファイザー・モデルナ製ワクチン後の心筋炎
米国ファイザー・モデルナ製ワクチン接種後に心筋炎や心膜炎の報告が上がっています。これにより、若年層へのワクチンを禁止する国が出てきています。2020、6月11日時点で3億回投与したうちの1226件に心筋炎の疑いがあるという報告がされています。若年層に多く見られ、そのうち男性の発症が目立っています。
・mRNAワクチン接種後の心筋炎
ワクチン有害事象報告システムによると、2020年6月11日〜2020年12月29日までの期間にmARNワクチン接種後の心筋炎が1226件報告されています。(現在2021年10月時点では件数は増加している)心筋炎を発症した中央値の年齢は26歳です。また、ワクチン接種から心筋炎の症状が発症するまでの中央値日数は3日となっています。
*ワクチン後の心筋炎を発症した年齢の内訳
- 30歳未満・・・687人
- 30歳以上・・・507人
*男女差(1212人の内訳)
・男・・・923人
・女・・・289人
1回目接種よりも2回目接種で心筋炎になった人が76%になっています。
体の異常は早めに受診
どんな病気でもそうなのですが、早期発見が完治への第一歩になります。仕事や日々の忙しさで、自分の体は後回しになっていませんか?自分の体の異常は、自分が一番わかるものです。おかしいなと思ったら病院で受診しましょう。今の時期、コロナで受診しずらくはなっていますが、コロナよりも重い病気はいくらでもあります。コロナだけが病気ではありません。
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