成果のあがらない人は、
第一に、一つの仕事に必要な時間を過小評価する。すべてがうまくいくものと楽観する。だが誰もが知っているように、うまくいくものなど一つもない。予期しないことが常に起こる。しかも予期せぬことはほとんど常に愉快なことではない。したがって成果をあげるには余裕を見なければならない。
第二に、急ごうとする。そのためさらに遅れる。成果をあげる者は時間と競争しない。ゆっくり進む。
第三に、同時にいくつかのことをする。そのため手がけている仕事のどれ一つにもまとまった時間を割けない。いずれか一つが問題にぶつかるとすべてがストップする。
P F ドラッカー. ドラッカー名著集1 経営者の条件 (Kindle の位置No.1792-1797). ダイヤモンド社. Kindle 版.
物事を進めるとき、凡人は、短期間で物事が為せると考えてしまいます。よって、必要な時間を少なく見積もって、短期間で物事が仕上がると夢想するのですね。しかし、ドラッカーが指摘するように、うまくいくことはなく、予想以上に時間が必要になるものです。凡人は、何事も短期間で行うのがよいと短絡的に考えますが、成果を上げる人は、逆に、余裕をもって計画を立てているようです。
また、凡人は、短期間でどうにかしたがるため、急ごうとします。しかし、急いだところで凡人ができることは限られており、予期しないことが起きるわけですから、急ぎながら、結局、遅れるということになります。
そして、凡人は、あれもこれもやろうとします。しかし、あれもこれもですから、集中して一つのことができず、どれもこれも中途半端になります。また、中途半端ですから、何事も為せないままとなります。
凡人は、成果が上げられないわけですね。ドラッカーは、凡人の特徴を3点にまとめてくれています。成果を上げるためには、この凡人の特徴である3点と逆のことをすればよいのですね。
物事を為す必要な時間を多めに見積もり、予備日等も勘定にいれながら、余裕をもった計画を立案することですね。
そして、急ぐことなく、ゆっくり確実に歩を進めるという態度が求められます。慌てない、慌てないと自戒することです。
最後に、物事を為すときは、一つのことに集中することです。あれもこれもでは何事も為せません。