The secret of life is to be interested in one thing profoundly and in a thousand other things well. Hugh Walpole
〔訳〕人生の秘訣は、ある一つのことに深い興味をもち、他の一千ものことに相当の興味をもつことにつきる。
岩田一男『英語・一日一言』祥伝社 58頁
日蓮の法門を研鑽するにしても、分量が多く、御書そのものを通して読むだけでも相当の時間がかかります。一生のうちで、何回読めるのか、大した回数が読めるとも思えません。
編年体の御書で1回、御書全集で1回、通し読みをしましたが、読むだけで一苦労といったところです。
また、読むだけでなく、その内容を把握するとなると、これが大変な作業なのですね。
日蓮の法門の全部を深く把握することは困難とみてよいでしょう。
そうした時に、上記名言にあるように、日蓮の法門の中の一つに深い興味、関心を持つという方法があるように思えます。
私の場合、日蓮の法門の中で注目しているのは、本尊であり、その本尊について明確に示しているのは、「如来滅後五五百歳始観心本尊抄」ですね。
日蓮の著作において、真筆や曾存の著作は、『平成新修日蓮聖人遺文集』でいうと229編であり、この中に「如来滅後五五百歳始観心本尊抄」は含まれています。真筆が現存しており、国宝にも指定されています。
日蓮の法門を研鑽するといっても、偽書を研鑽しているようでは、話になりません。偽書は偽書で興味深いのですが、まずは、日蓮の真筆のある著作を丹念に研鑽することでしょう。
「如来滅後五五百歳始観心本尊抄」であれば、そんなに分量が多いわけでもなく、何度も読み返すことができます。この「如来滅後五五百歳始観心本尊抄」を根本の書として研鑽しながら、他の著作をも研鑽するという行き方が現実的であるように思います。
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