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2023年03月28日
『もうこれ以上、苦しまないで! 嫌いな親との離れ方』―5―
いつもありがとうございます。
自分も他人も癒して自由に生きるSAIです。
本日は、私がずっと生きづらさを感じてきた原因の一つである「親子問題」についての素晴らしい本に出会ったので
そのご紹介をさせていただこうと思います。
それはこちらです↓
【表紙】
【裏表紙】
ご説明はかなり私の主観で切り取ったものとなります。また、私自身の気持ちを整理して次に進む為の目的もあるので、偏りがあったり感情的でご不快を与えてしまうこともあるかもしれないことご了承ください。
最初は本1冊全体を1記事にまとめてご紹介しようとしたのですが長文になってしまったので、複数回に記事を分けることにしました。
今回は第5章で終わった前回の記事の続きで、第6章です。
「囲み」をしてある部分は、全て本からの引用になります。
第1章からけっこう重めの内容で、第5章は特に自分にとって重かったのですが、第6章の最後は希望を感じられる内容です。
親との間に境界線を引き、支配や共依存を逃れられたら、まず新しく健全な親子関係を築いていきましょうとのことです。
これまでの親からの支配が強いと、子ども側のあなたは「自分には力はない」と思ってしまうかもしれません。でも著者の川島さんは「大丈夫。あなたは力を持っている」と言ってくださっています。
人に優しくできたり、他人の心の痛みが分かるようになったり、問題のある親の元で生き抜いてきた人には沢山の力があるから、自分の力を信じて親と対等の関係になるのが大切だそうです。
親に「私はこっちのほうが好きだから」とか「それはあなたの考え方で、私の考え方ではない」というスタンスをとって良いというのは、親じゃない対人関係についても言えることのように思いました。
対人関係がギクシャクする場合というのは、互いの立場を尊重できなかったり、領域侵害な言動をしてしまうことが原因にもあるように思います。
そして親に支配されてきた子どもだった人は、遠慮し過ぎて自分を尊重するのが苦手になりやすいような気がします。
やはり親子関係が対人関係の基本になるのだと、改めて思いました。
また「あなたは力を持っている」のと同じように「親も力を持っている」ことを理解しましょうとのことです。これは、親に依存させてきてしまった子ども側の人へのアドバイスになりそうです。
親に依存させるというのは優しさのようにも見えますが、「親には力はない」と思い込み、実は「親を下に置く」行為とも言えるようです。
子どもの時に嫁姑問題の調停の為、よく愚痴の聞き役をしてきた私は「すでにあなたが愚痴を聞くとか慰めるなどの心の世話をしなくなっているなら、親は依存せず、少しずつでも自分の力で生きていることになります」と書かれているのを見て、今の私は物理的にも心理的にも親に距離を取れてきたから依存を逃れているけど、昔は私が依存させていたのかと理解しました。
「言いたいことを聞いてあげて親の気が済むなら」、「嫁と姑で近い距離で毎日暮らしていたら不満が出るのもしょうがない」、そんな気遣いのつもりだったけど。それが私の役に立てる方法、役割かと思っていたけど、ある意味どこかで私は大人を子ども扱いしていたのかもしれません。実際、私はオムツ交換して食事させてもらって成長してきた立場でありながら、子どもの身分で母親を幼稚だと思うこともありました。
「親にも力があるし、その力を伸ばしていけると信じて見守りましょう」というのも、私にとっては対人関係についても言えそうです。
集団の中だと「自分が何とかしなければ」と考えがちで、人に頼んだり頼ったりできない。そうしないと他人任せ、無責任な気がしてしまう。でもそれは、そんなつもりは無かったけど「君は人を信じていない」と言われてしまいました。
ある「人格形成ビジネス」のセミナーに参加した時、「これまでのやり方で上手くいっていないなら、違うやり方にしてみる」というお話を聞いたり、あとはスピリチュアルのお話で「自分がしんどいことは無理にやらない」というのも聞いたり…色々根拠はあるのですが、今、一つ実験をしてみています。
それは、これまでだったら自分がやらなくちゃと行動してきたことを、あえて自分は動かないでみる。人が動いてくださることに頼る、ということです。
それから、私には恋愛感情が無くて、男女関係の心理についても全く分からないし想像がつきません。でも、とてもそのようなことに詳しい方のお話で「男性が女性にプレゼントをして、女性が喜んでそれを受け取る、それが最もお互いに幸せな関係」というものがありました。
私は男女や年齢の上下問わず、例えば食事など奢ってもらうのは申し訳ないと遠慮してしまいます。奢ってもらえるもの、と考えたこともありませんでした。
恋愛上手な女性は、奢られ上手、甘え上手というお話も聞きました。
逆に相手に尽くす女性は、結婚しても男性から「母親」や「家政婦」扱いされて幸せになれないし、男性を自立させられない「下げマン」になるとのことでした。私の思考回路には皆無なお話で、すごく衝撃的でした。
そのようなお話も参考に、私は集団の中で自分が動き過ぎるのはそのグループの自立を阻害してしまうものかもしれないと思うようになり、個々の自立心を信じて見守る努力を始めました。
つまり人が動いてくださるのに頼る、自主性を信じて見守る、それが私の今の人間関係における実験です。「人を信じる」とはどういうことなのか、実践で学んでいます。
「親の自立は子どもの自立より時間がかかる」とのことで、それは何となく予想はできたけど、数年単位、とても早くても1〜1年半もかかるそうです。
親の自立の為、子ども側の人にできることは何か?
ここまでに、問題を親に指摘するのは逆効果というようなお話がありましたが、子ども側の人にできるのは、自分の在り方を変えることのようです。それは親の支配や依存を受け入れず、自己犠牲をやめ、新しい一歩を踏み出し、自分の感覚を大事にして生きるとのことです。
そうすると結果的に親も自分の人生に向き合い始め、自分の力で幸せになるそうです。
私は今、親の求めに応えていないことに罪悪感をゼロにはできていなくて、でも私が関わっていない今の時間、親が自分と向き合ってくれていたら良いなと思いました。
「どんなに否定されても自分が納得していればいい」の項目のところでは、親から距離をとる選択をしたことを『兄弟姉妹』、『親戚』、『友人や知人』、『パートナー』から否定された場合についてそれぞれ説明されています。
私は人間関係が少ないので、これらについての悩みは少なめです。ただ知人と話の流れで親について話した時、私の言動を否定されたことはありました。
私が「正にこれ」と思った部分を引用いたします。「否定してくる人たちは、『この世に問題を抱えている親が存在している』ということを知らないし、あなたがそんな親から心を傷つけられながら支配や依存を受けてきたということも理解できません」。
兄弟姉妹、パートナー、親戚に比べたら知人には自分の親との利害関係は無いことがほとんどだと思うので、この相手側の“不理解”というのが最も純粋な形で原因になりそうです。
もし親から離れるという選択をしたけど、誰かから否定されて辛かったり、自分の選択に迷いを感じてらっしゃる方は、この部分をお読みいただいたらあなたは間違っていないことを後押ししてもらえると思います。
誰に否定されても、あなたは間違っていない。あなたのように親に苦しみ、距離をとり、それを他人から否定され、でも今は幸せになっている人が沢山居る!
親と距離をとり、親子問題を俯瞰できるくらいになったら、次は「自分を解放しよう」という説明がされています。
自身のこれまでの親子問題を冷静に見られるようになると、親に対して憎しみや怒りが湧いて、許せない気持ちになるかもしれません。許せない自分は心が狭いのではと思ってしまうかもしれませんが、「許さなくてもいい」とのことです。
それは例え許したとしても、親子問題の解決には繋がらないからだそうです。
そこで目指すべきは「赦す(ゆるす)」という、「過去の罪は消えないけど、親を責めることにこだわらないという考え方」だそうです。
親を責め続けるのは、自分から親に執着し続けてしまうことでもあり、自分の人生に向き合えていないことになります。
自分の人生に向き合うには、自分の感覚を信じて好きな方を選んで生きていくとのことです。でも、それはワガママなのではないか、という思いが浮かぶかもしれません。私もよく悩みます。
“ワガママ”と“自立”の違いは「境界線を乗り越えて他人を傷つけず、『自分の力で生きる責任』を果たして」いるかどうかのようです。
これは親子関係に限らず全ての人間関係について言えそうです。
この“ワガママ”と“自立”の違いは、今はSNSが発達して様々なトラブルもあるし、それ以前に社会で生きる前提として、多くの人が義務教育で学んでおくべきくらいの価値もありそうな気がします。
どこが境界線なのか、ケースバイケースになったり、なかなか“正解”を見つけるのは難しいかもしれません。でもこのような知識を多くの人が持っていたら、防げるトラブルもあるかもしれないと思いました。
いざ自分の“好き”を選んで生きて良いと言われても、これまで親に支配されて生きてきた方には難しく感じるかもしれません。
そのような時は小さな事からトレーニングするつもりでやってみると良いそうです。例えば、行きたい場所へ行く、見たいものを見る、食べたいものを食べる、など。
そうしていると心の楽しい、嬉しいという感覚が養われて自分の好き嫌いも分かってくるそうです。
例えば「母親だから」や「妻だから」とか、立場で自分を制限してしまって、自分の本当の望みに気づけていない人が多くて、そのような方々がいわゆるその「メンタルブロック」を壊して、本当に自分の望む生き方をするのにも、上と同じく「小さな自分の好き」にまず従って行動するというお話をスピリチュアルの「引き寄せの法則」でよく聞きます。
また「幸せな人は自分の機嫌は自分でとっている」と言われるのも、自分の好きや心地よさを選択することが幸せにつながる、幸せそのものである、ということなのかもしれないと思いました。
自分の好きに従って生きる自信が無い場合は「一人旅」や「一人暮らし」で自分の感覚を知ったり養っていくことが提案されています。
私はHSP気質で、親ばかりではなく他人の気持ちも考え過ぎて自分の本心が分からなくなってしまうので、これらの単独行動は私も大好きで実際にそうしています。本能的に正しいことをしていたようでした。
私はすごく悩んで時間はかかるけど「決断力や行動力がある」とは言ってもらえることがあります。親の反対を押しきって、自分の意思に従った行動も幾つかしてきました。
それで私も思うのですが、自分の好きに従って行動し、その結果が例え望んだものにならなかったとしても、経験は積めたことになります。経験は次の行動の判断材料になります。
経験を重ねると判断材料が増え、経験そのものが財産であり、失敗というものは無いと分かって行動も怖くなくなってくると思います。
行動が苦手な方も、小さなことからで大丈夫ですので、ぜひ好きなことをやってみてください。
第6章のラストに書かれている内容は、親子問題に長く悩んできた自分にとって、未来に明るさを感じられました。またここまでに何回もお伝えしたように私は今、スピリチュアルの「引き寄せの法則」を実践・実験中なのですが、ここでアドバイスされている事はそれとかなり重なる部分がありました。
「自分に愛情を注ごう」というのも、引き寄せの法則で言われている「自分を愛する」「自分を大切にする」と重なります。
また「できていることに目を向ける」というのも「自己否定を止めて自己受容・自己肯定する」に重なります。
親に否定ばかりされて育つと劣等感が強くなって自分は何もできないような気がしてしまうかもしれませんが、そのような時は「過去の自分と現在の自分を比べて、できていることに目を向けましょう」とのことです。
もしこの『嫌いな親との離れ方』の本を読んで気づけたことがあったなら、それもあなたの進歩だし、絶対に何かできるようになったことがあるはずです。
引き寄せの法則では「良いことノート」を作ることが一つの手段として提案されていたりするのですが、上のような「できたこと」や「できるようになったこと」をノートに書いていくのも良いかもしれません。
自分の好きに注意を向け始めると、次は「好きに従って自由に生きている人」に“妬み”や“憧れ”を感じるようになるかもしれないとのことです。
自分が欲しいけどまだそうなれていないのに、それを既に手に入れたり実現している人を見たら、そのような感情が沸くのが自然かもしれません。
そのような時に大事なのは、他人は答えをくれる訳ではなく「あなたの答えは、あなたの心なかにある」という意識を持ち、「自分の気持ちに集中する」ことだそうです。
そのようにして自分の好きに従った生き方が分かるようになる、スピリチュアル的に言うと「自分軸」が分かってきたら、次のステップとして「どのような人たちと生きていくか」について説明されています。
どのような人たちと生きていくか?
それは健全な親子関係と同じように、互いに「心が自立している人」として関係を築いていくのが大切とのことです。相手が自立した人ならば、あなたを尊重して認めてくれるという経験も積めて、自信がついてくるかもしれません。
「二度と支配や依存を受けないためには、心が自立した人たちとともに生きていくことです」のアドバイスは、私も人付き合いする上でシビアに見ていきたい点だと思いました。これまでは「来る者拒まず、去る者追わず」なところもありましたが、これからは付き合う人はしっかり選ぶ、また"数"じゃなく"質"を重視するのが心地好い人生の条件の一つになるように思いました。
親が心の問題を抱えていて、あなたを支配したり依存してきて、あなたが付き合い方を正していっても親に変化が見られない。そして「親との関わりを減らした人、実家を出た人、絶縁を選んだ人」など親と距離をとった人たちは、"喪失感"を感じ始める場合が多いようです。
これについては、20歳から実家を出て一人暮らししてきた私も何度か考えたことはありました。「ホームシックになるでしょう?」と色んな人や場面で言われたことがあります。でも正直「ホームシックって何?」という感覚でした。
ずっと「親に心配かけてはいけない」と、真面目に長期連休の度に帰省していたので、物理的な距離は取れていたけど、心理的な距離はあまり取れていなかった、つまり喪失感を感じる程は離れていなかったのもあるのかもしれませんでした。
でも流石に、12年も勤めて約2年前に辞めた会社について、父親から「そもそも、あの会社に就職したのを認めていない」と言われたのは、親に問題があると思えるようになりました。そして、このまま付き合い続けるとモチベーションが削がれて上手くいくこともいかなくなると思うようになりました。やっと心理的な距離をもっととる決意ができました。私が喪失感を理解するのは、これからなのかもしれません。
私は今、アマチュアですがバンド活動が大きな生き甲斐の一つになっています。ずっと苦手意識ばかりでむしろ苦痛でしかなかった「人間関係」にも、音楽をツールとしてなら希望が持てています。
そこで私が感じている希望が、正にここで説明されている「家族=心がつながり合う関係」、「家族だからわかり合えるのではなく、わかり合おうとするから家族になれる」、「家族をつくるのに、血のつながりは無関係」というお話そのものでした。
そして「大切なのは、お互いの違いを認め合い尊重し合える人たちとつながること」というのも、私自身が行き着いた答えと同じでした。
だから普段はあまり行かない本屋さんで、偶然この本『嫌いな親との離れ方』に出会ったのは、実は必然だったのかもしれません。私のこれまでの人生の悩みがすっかり理解できたような、素晴らしい出会いでした。そして、今はこういう状態なんだ、これからはこうしたら良いんだという指針もいただけて、未来に見通しが立ってきて、気持ちも前よりかなり楽になりました。
「あとがき」でも、同じように親子問題で悩んでこられた著者の川島さんから気持ちを受け止めてくださったり、「自分の人生を生きる」後押しのメッセージがあり、今も親子問題で悩んでらっしゃる大人の方々にはとても励みになると思います。
4記事に渡る、しかもかなり長文の、私SAIの主観たっぷりのご紹介となりました。もし心に引っ掛かる何かがあったりご興味を持たれた方は、是非ご自身でも一度読まれてみてください。
一人でも多くの方が悩みや苦しみから解放され、自分らしいキラキラした人生を歩まれることを願っております。
川島さんにも、本当に素晴らしい本をありがとうございました!!
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本日もお付き合いくださいましてありがとうございます!
記事の内容が良さそうと思えましたら
シェアいただけると、とても励みになります↓
もし身近で親子問題に苦しんでらっしゃる方がいらっしゃいましたら、本やブログをご紹介いただいてお役に立てたら幸いです。
それから、川島さんに直接問い合わせたり、カウンセリングの依頼をご検討される方はご参照ください↓
おとなの親子関係相談所 代表
川島崇照メンタル・トレーニングオフィス 代表
1974年生まれ、新潟県出身。
2011年にカウンセラーとして独立。
「おとなの親子関係相談所」https://親子の悩み相談.jp
Twitter⇒@oyako_kankei
自分も他人も癒して自由に生きるSAIです。
本日は、私がずっと生きづらさを感じてきた原因の一つである「親子問題」についての素晴らしい本に出会ったので
そのご紹介をさせていただこうと思います。
それはこちらです↓
【表紙】
【裏表紙】
ご説明はかなり私の主観で切り取ったものとなります。また、私自身の気持ちを整理して次に進む為の目的もあるので、偏りがあったり感情的でご不快を与えてしまうこともあるかもしれないことご了承ください。
最初は本1冊全体を1記事にまとめてご紹介しようとしたのですが長文になってしまったので、複数回に記事を分けることにしました。
今回は第5章で終わった前回の記事の続きで、第6章です。
「囲み」をしてある部分は、全て本からの引用になります。
『もうこれ以上、苦しまないで! 嫌いな親との離れ方』
Meet freedom to live yourself.
親との苦しい関係を終わらせ、自分の人生を生きる方法
「親を大切に」という考えを捨てたら自由になりました。
〈本のタイトル、帯より引用〉
Contents
第1章 「親との関係」に悩んでいるのはあなただけじゃない
第2章 子どもを支配し続ける親の心理
第3章 親子関係に「境界線」が必要な理由
第4章 大人の親子関係相談いろいろ
第5章 親と距離をとる方法と注意点
第6章 自分の人生を前向きに生きていくために
第1章からけっこう重めの内容で、第5章は特に自分にとって重かったのですが、第6章の最後は希望を感じられる内容です。
第6章 自分の人生を前向きに生きていくために
健全な親子関係をつくろう
- 大丈夫。あなたは力を持っている
- 大丈夫。親も力を持っている
- 親の自立は子どもの自立よりも時間がかかる
親との間に境界線を引き、支配や共依存を逃れられたら、まず新しく健全な親子関係を築いていきましょうとのことです。
これまでの親からの支配が強いと、子ども側のあなたは「自分には力はない」と思ってしまうかもしれません。でも著者の川島さんは「大丈夫。あなたは力を持っている」と言ってくださっています。
人に優しくできたり、他人の心の痛みが分かるようになったり、問題のある親の元で生き抜いてきた人には沢山の力があるから、自分の力を信じて親と対等の関係になるのが大切だそうです。
親に「私はこっちのほうが好きだから」とか「それはあなたの考え方で、私の考え方ではない」というスタンスをとって良いというのは、親じゃない対人関係についても言えることのように思いました。
対人関係がギクシャクする場合というのは、互いの立場を尊重できなかったり、領域侵害な言動をしてしまうことが原因にもあるように思います。
そして親に支配されてきた子どもだった人は、遠慮し過ぎて自分を尊重するのが苦手になりやすいような気がします。
やはり親子関係が対人関係の基本になるのだと、改めて思いました。
また「あなたは力を持っている」のと同じように「親も力を持っている」ことを理解しましょうとのことです。これは、親に依存させてきてしまった子ども側の人へのアドバイスになりそうです。
親に依存させるというのは優しさのようにも見えますが、「親には力はない」と思い込み、実は「親を下に置く」行為とも言えるようです。
子どもの時に嫁姑問題の調停の為、よく愚痴の聞き役をしてきた私は「すでにあなたが愚痴を聞くとか慰めるなどの心の世話をしなくなっているなら、親は依存せず、少しずつでも自分の力で生きていることになります」と書かれているのを見て、今の私は物理的にも心理的にも親に距離を取れてきたから依存を逃れているけど、昔は私が依存させていたのかと理解しました。
「言いたいことを聞いてあげて親の気が済むなら」、「嫁と姑で近い距離で毎日暮らしていたら不満が出るのもしょうがない」、そんな気遣いのつもりだったけど。それが私の役に立てる方法、役割かと思っていたけど、ある意味どこかで私は大人を子ども扱いしていたのかもしれません。実際、私はオムツ交換して食事させてもらって成長してきた立場でありながら、子どもの身分で母親を幼稚だと思うこともありました。
「親にも力があるし、その力を伸ばしていけると信じて見守りましょう」というのも、私にとっては対人関係についても言えそうです。
集団の中だと「自分が何とかしなければ」と考えがちで、人に頼んだり頼ったりできない。そうしないと他人任せ、無責任な気がしてしまう。でもそれは、そんなつもりは無かったけど「君は人を信じていない」と言われてしまいました。
ある「人格形成ビジネス」のセミナーに参加した時、「これまでのやり方で上手くいっていないなら、違うやり方にしてみる」というお話を聞いたり、あとはスピリチュアルのお話で「自分がしんどいことは無理にやらない」というのも聞いたり…色々根拠はあるのですが、今、一つ実験をしてみています。
それは、これまでだったら自分がやらなくちゃと行動してきたことを、あえて自分は動かないでみる。人が動いてくださることに頼る、ということです。
それから、私には恋愛感情が無くて、男女関係の心理についても全く分からないし想像がつきません。でも、とてもそのようなことに詳しい方のお話で「男性が女性にプレゼントをして、女性が喜んでそれを受け取る、それが最もお互いに幸せな関係」というものがありました。
私は男女や年齢の上下問わず、例えば食事など奢ってもらうのは申し訳ないと遠慮してしまいます。奢ってもらえるもの、と考えたこともありませんでした。
恋愛上手な女性は、奢られ上手、甘え上手というお話も聞きました。
逆に相手に尽くす女性は、結婚しても男性から「母親」や「家政婦」扱いされて幸せになれないし、男性を自立させられない「下げマン」になるとのことでした。私の思考回路には皆無なお話で、すごく衝撃的でした。
そのようなお話も参考に、私は集団の中で自分が動き過ぎるのはそのグループの自立を阻害してしまうものかもしれないと思うようになり、個々の自立心を信じて見守る努力を始めました。
つまり人が動いてくださるのに頼る、自主性を信じて見守る、それが私の今の人間関係における実験です。「人を信じる」とはどういうことなのか、実践で学んでいます。
「親の自立は子どもの自立より時間がかかる」とのことで、それは何となく予想はできたけど、数年単位、とても早くても1〜1年半もかかるそうです。
親の自立の為、子ども側の人にできることは何か?
ここまでに、問題を親に指摘するのは逆効果というようなお話がありましたが、子ども側の人にできるのは、自分の在り方を変えることのようです。それは親の支配や依存を受け入れず、自己犠牲をやめ、新しい一歩を踏み出し、自分の感覚を大事にして生きるとのことです。
そうすると結果的に親も自分の人生に向き合い始め、自分の力で幸せになるそうです。
私は今、親の求めに応えていないことに罪悪感をゼロにはできていなくて、でも私が関わっていない今の時間、親が自分と向き合ってくれていたら良いなと思いました。
どんなに否定されても自分が納得していればいい
- 兄弟姉妹が否定してくるとき
- 親戚が否定してくるとき
- 友人や知人が否定してくるとき
- パートナーが否定してくるとき
- あなたのことをわかってくれる人はたくさんいる
「どんなに否定されても自分が納得していればいい」の項目のところでは、親から距離をとる選択をしたことを『兄弟姉妹』、『親戚』、『友人や知人』、『パートナー』から否定された場合についてそれぞれ説明されています。
私は人間関係が少ないので、これらについての悩みは少なめです。ただ知人と話の流れで親について話した時、私の言動を否定されたことはありました。
私が「正にこれ」と思った部分を引用いたします。「否定してくる人たちは、『この世に問題を抱えている親が存在している』ということを知らないし、あなたがそんな親から心を傷つけられながら支配や依存を受けてきたということも理解できません」。
兄弟姉妹、パートナー、親戚に比べたら知人には自分の親との利害関係は無いことがほとんどだと思うので、この相手側の“不理解”というのが最も純粋な形で原因になりそうです。
もし親から離れるという選択をしたけど、誰かから否定されて辛かったり、自分の選択に迷いを感じてらっしゃる方は、この部分をお読みいただいたらあなたは間違っていないことを後押ししてもらえると思います。
誰に否定されても、あなたは間違っていない。あなたのように親に苦しみ、距離をとり、それを他人から否定され、でも今は幸せになっている人が沢山居る!
自分を解放しよう
- 目指すのは親を「赦す(ゆるす)」こと
- 選択の基準は自分の感覚でいい
- 「自分には何もない…」と感じたら
- あなたはいつでも変わることができる!
親と距離をとり、親子問題を俯瞰できるくらいになったら、次は「自分を解放しよう」という説明がされています。
自身のこれまでの親子問題を冷静に見られるようになると、親に対して憎しみや怒りが湧いて、許せない気持ちになるかもしれません。許せない自分は心が狭いのではと思ってしまうかもしれませんが、「許さなくてもいい」とのことです。
それは例え許したとしても、親子問題の解決には繋がらないからだそうです。
そこで目指すべきは「赦す(ゆるす)」という、「過去の罪は消えないけど、親を責めることにこだわらないという考え方」だそうです。
親を責め続けるのは、自分から親に執着し続けてしまうことでもあり、自分の人生に向き合えていないことになります。
自分の人生に向き合うには、自分の感覚を信じて好きな方を選んで生きていくとのことです。でも、それはワガママなのではないか、という思いが浮かぶかもしれません。私もよく悩みます。
“ワガママ”と“自立”の違いは「境界線を乗り越えて他人を傷つけず、『自分の力で生きる責任』を果たして」いるかどうかのようです。
これは親子関係に限らず全ての人間関係について言えそうです。
この“ワガママ”と“自立”の違いは、今はSNSが発達して様々なトラブルもあるし、それ以前に社会で生きる前提として、多くの人が義務教育で学んでおくべきくらいの価値もありそうな気がします。
どこが境界線なのか、ケースバイケースになったり、なかなか“正解”を見つけるのは難しいかもしれません。でもこのような知識を多くの人が持っていたら、防げるトラブルもあるかもしれないと思いました。
いざ自分の“好き”を選んで生きて良いと言われても、これまで親に支配されて生きてきた方には難しく感じるかもしれません。
そのような時は小さな事からトレーニングするつもりでやってみると良いそうです。例えば、行きたい場所へ行く、見たいものを見る、食べたいものを食べる、など。
そうしていると心の楽しい、嬉しいという感覚が養われて自分の好き嫌いも分かってくるそうです。
例えば「母親だから」や「妻だから」とか、立場で自分を制限してしまって、自分の本当の望みに気づけていない人が多くて、そのような方々がいわゆるその「メンタルブロック」を壊して、本当に自分の望む生き方をするのにも、上と同じく「小さな自分の好き」にまず従って行動するというお話をスピリチュアルの「引き寄せの法則」でよく聞きます。
また「幸せな人は自分の機嫌は自分でとっている」と言われるのも、自分の好きや心地よさを選択することが幸せにつながる、幸せそのものである、ということなのかもしれないと思いました。
自分の好きに従って生きる自信が無い場合は「一人旅」や「一人暮らし」で自分の感覚を知ったり養っていくことが提案されています。
私はHSP気質で、親ばかりではなく他人の気持ちも考え過ぎて自分の本心が分からなくなってしまうので、これらの単独行動は私も大好きで実際にそうしています。本能的に正しいことをしていたようでした。
私はすごく悩んで時間はかかるけど「決断力や行動力がある」とは言ってもらえることがあります。親の反対を押しきって、自分の意思に従った行動も幾つかしてきました。
それで私も思うのですが、自分の好きに従って行動し、その結果が例え望んだものにならなかったとしても、経験は積めたことになります。経験は次の行動の判断材料になります。
経験を重ねると判断材料が増え、経験そのものが財産であり、失敗というものは無いと分かって行動も怖くなくなってくると思います。
行動が苦手な方も、小さなことからで大丈夫ですので、ぜひ好きなことをやってみてください。
自分に愛情を注ごう
- できていることに目を向ける
- 自分の気持ちに集中する
- 心が自立した人と一緒に生きる
- 心がつながり合う人となら「本当の家族」になれる
第6章のラストに書かれている内容は、親子問題に長く悩んできた自分にとって、未来に明るさを感じられました。またここまでに何回もお伝えしたように私は今、スピリチュアルの「引き寄せの法則」を実践・実験中なのですが、ここでアドバイスされている事はそれとかなり重なる部分がありました。
「自分に愛情を注ごう」というのも、引き寄せの法則で言われている「自分を愛する」「自分を大切にする」と重なります。
また「できていることに目を向ける」というのも「自己否定を止めて自己受容・自己肯定する」に重なります。
親に否定ばかりされて育つと劣等感が強くなって自分は何もできないような気がしてしまうかもしれませんが、そのような時は「過去の自分と現在の自分を比べて、できていることに目を向けましょう」とのことです。
もしこの『嫌いな親との離れ方』の本を読んで気づけたことがあったなら、それもあなたの進歩だし、絶対に何かできるようになったことがあるはずです。
引き寄せの法則では「良いことノート」を作ることが一つの手段として提案されていたりするのですが、上のような「できたこと」や「できるようになったこと」をノートに書いていくのも良いかもしれません。
自分の好きに注意を向け始めると、次は「好きに従って自由に生きている人」に“妬み”や“憧れ”を感じるようになるかもしれないとのことです。
自分が欲しいけどまだそうなれていないのに、それを既に手に入れたり実現している人を見たら、そのような感情が沸くのが自然かもしれません。
そのような時に大事なのは、他人は答えをくれる訳ではなく「あなたの答えは、あなたの心なかにある」という意識を持ち、「自分の気持ちに集中する」ことだそうです。
そのようにして自分の好きに従った生き方が分かるようになる、スピリチュアル的に言うと「自分軸」が分かってきたら、次のステップとして「どのような人たちと生きていくか」について説明されています。
どのような人たちと生きていくか?
それは健全な親子関係と同じように、互いに「心が自立している人」として関係を築いていくのが大切とのことです。相手が自立した人ならば、あなたを尊重して認めてくれるという経験も積めて、自信がついてくるかもしれません。
「二度と支配や依存を受けないためには、心が自立した人たちとともに生きていくことです」のアドバイスは、私も人付き合いする上でシビアに見ていきたい点だと思いました。これまでは「来る者拒まず、去る者追わず」なところもありましたが、これからは付き合う人はしっかり選ぶ、また"数"じゃなく"質"を重視するのが心地好い人生の条件の一つになるように思いました。
親が心の問題を抱えていて、あなたを支配したり依存してきて、あなたが付き合い方を正していっても親に変化が見られない。そして「親との関わりを減らした人、実家を出た人、絶縁を選んだ人」など親と距離をとった人たちは、"喪失感"を感じ始める場合が多いようです。
これについては、20歳から実家を出て一人暮らししてきた私も何度か考えたことはありました。「ホームシックになるでしょう?」と色んな人や場面で言われたことがあります。でも正直「ホームシックって何?」という感覚でした。
ずっと「親に心配かけてはいけない」と、真面目に長期連休の度に帰省していたので、物理的な距離は取れていたけど、心理的な距離はあまり取れていなかった、つまり喪失感を感じる程は離れていなかったのもあるのかもしれませんでした。
でも流石に、12年も勤めて約2年前に辞めた会社について、父親から「そもそも、あの会社に就職したのを認めていない」と言われたのは、親に問題があると思えるようになりました。そして、このまま付き合い続けるとモチベーションが削がれて上手くいくこともいかなくなると思うようになりました。やっと心理的な距離をもっととる決意ができました。私が喪失感を理解するのは、これからなのかもしれません。
私は今、アマチュアですがバンド活動が大きな生き甲斐の一つになっています。ずっと苦手意識ばかりでむしろ苦痛でしかなかった「人間関係」にも、音楽をツールとしてなら希望が持てています。
そこで私が感じている希望が、正にここで説明されている「家族=心がつながり合う関係」、「家族だからわかり合えるのではなく、わかり合おうとするから家族になれる」、「家族をつくるのに、血のつながりは無関係」というお話そのものでした。
そして「大切なのは、お互いの違いを認め合い尊重し合える人たちとつながること」というのも、私自身が行き着いた答えと同じでした。
だから普段はあまり行かない本屋さんで、偶然この本『嫌いな親との離れ方』に出会ったのは、実は必然だったのかもしれません。私のこれまでの人生の悩みがすっかり理解できたような、素晴らしい出会いでした。そして、今はこういう状態なんだ、これからはこうしたら良いんだという指針もいただけて、未来に見通しが立ってきて、気持ちも前よりかなり楽になりました。
「あとがき」でも、同じように親子問題で悩んでこられた著者の川島さんから気持ちを受け止めてくださったり、「自分の人生を生きる」後押しのメッセージがあり、今も親子問題で悩んでらっしゃる大人の方々にはとても励みになると思います。
4記事に渡る、しかもかなり長文の、私SAIの主観たっぷりのご紹介となりました。もし心に引っ掛かる何かがあったりご興味を持たれた方は、是非ご自身でも一度読まれてみてください。
一人でも多くの方が悩みや苦しみから解放され、自分らしいキラキラした人生を歩まれることを願っております。
川島さんにも、本当に素晴らしい本をありがとうございました!!
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本日もお付き合いくださいましてありがとうございます!
記事の内容が良さそうと思えましたら
シェアいただけると、とても励みになります↓
もし身近で親子問題に苦しんでらっしゃる方がいらっしゃいましたら、本やブログをご紹介いただいてお役に立てたら幸いです。
それから、川島さんに直接問い合わせたり、カウンセリングの依頼をご検討される方はご参照ください↓
著者:川島崇照(たかあき)さんのプロフィール
おとなの親子関係相談所 代表
川島崇照メンタル・トレーニングオフィス 代表
1974年生まれ、新潟県出身。
2011年にカウンセラーとして独立。
「おとなの親子関係相談所」https://親子の悩み相談.jp
Twitter⇒@oyako_kankei