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2021年10月01日

『男性の育児休業制度』と『ヒトの共同繁殖』から考える子どもへの向き合い方@

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ヒトは共同繁殖

最近読んだある生態学系の本に「動物の子育て」に関する興味深いことが書かれていました

哺乳類の95%は母親のみが世話をし、父親である雄は子育てにかかわらないとのこと。(父親が誰であるかもわからない場合がほとんど)

残り5%は両親がともに世話をするもので、日本ではお馴染みのキツネやタヌキ、他にもマングース、カリフォルニアノネズミ、マーモセット、タマリンなどがそれにあたるそうです

さらに両親だけが子育てをするのではない種類もいて、両親以外の個体が何らかの形で子育てに参加するもので、それを

『共同繁殖』といいます

どういう形かというと、前年に生まれた子が次に生まれた子の世話をするつまり兄や姉が妹弟の世話をする形、又はヘルパーと呼ばれる血縁関係のない個体が外から家族の中に入ってきて子の世話をする形などです

我々ヒトはというと、すでにお気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、ヒトも共同繁殖をする動物です

しかし、ヒトは社会集団を作り他の家族や仲間と密接な関係を保ちながら連携しながら社会の中で暮らしいてます

子育てには両親以外の多くの人がかかわるという共同繁殖になります

ヒトの子育てを手伝うものは血縁者、非血縁者、また男性女性を問いません。自分も子育てをしながら他人の子育てにかかわるという形もあります


おばあさん仮説

またヒトには、他のサル類には見られない重要な特徴があるそうで、それが

おじいちゃん、おばあちゃんの存在です

お年寄りの存在について進化的な説明がいくつかあるそうですが、ヒトの子育てがあまりにも負担の大きい仕事なので、もう子どもを産まない存在となったお年寄りが、次の世代の子育てを支援するという「おばあさん仮説」というものが有力なのだそうです

「孫を可愛がるだけ」とみられることもあるようですが、ヒトの子育てにとってその存在はとても大きいということについては、おそらく異論はないかと思われます


児童虐待死について

この本の中では、子育てがうまくいかない深刻な場合として児童虐待死についても取りあげています

著者は最近の日本の例と、これまでの諸外国での例を分析しており、次の五つのリスク要因をあげています

⑴未婚、離婚、死別などによる1人親
⑵継父、継母、内縁関係など、血のつながりのない保護者
⑶非常に若い親、保護者
⑷生活苦、無職など貧困
⑸社会とのつながりのない孤立家族

このことについて著者は
『ヒトは1回の子育てに実に多大な労力がかかり、そこにこれら五つの要因があると子育ては非常に難しい。人類学、進化生物学の観点から見ると、親ばかりでなく、子どもを取り巻く社会のネットワークがうまく機能し、健全な共同繁殖の成り立つ社会づくりをすることが非常に大切である』
と述べています

このことから、ヒトの子育てはとてもとても大変だから、親以外の支援や協力が不可欠ですよ、という事なのだと思います

しかし、現在の家庭を取り巻く環境をみると、必ずしもおじいちゃん、おばあちゃんが近くにいて子育てを支援してくれる状態とは限らず、親以外の人が子育てに深くかかわっている状況が必ずあるとは限りません

そこで、男性の育児休業制度がとても大きな役割を果たすことなるのではないか?と思い、それについて次回の記事で書いていきたいと思います



『参考引用書籍』










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