「歯の自由診療は健康保険が使えないので医療費控除の対象にならない」と決め込んでおられませんか?
医師から薦められた治療の中で、材質をセラミックにすると「保険が使えない」と言われたが、前歯なので「自由診療費」でお願いすることにした。
こういうことは、今日ではよくあることだと思います。
保険診療の場合、材質等が限られていたりで、金属アレルギーがある場合や、歯並びの状況、歯の状態等にあまり適合しなかったりする場合があり、現在の歯科技術・材質等の向上により自由診療であれば自分にあったものが選択できる機会が多くなっています。
従って、少々無理しても、自由診療費で治療される方が非常に多くなっているようです。
しかし、大勢の方は、自由診療=「医療費控除」の対象にならないと思い込んでおられるのではないでしょうか?
しかし、どうせ治療するなら、綺麗な材質のものや見栄えのいいものにしたいですよね!
目 次
・保険適用外でも、治療目的の歯の自由診療費には税優遇「医療費控除」が適用されます ・治療の一環であれば、歯の自由診療費は「医療費控除」の対象となります ・国税庁は、「一般的水準を著しく超える特殊なもの」を除いて医療費控除の対象になる」と指針で示しています ・歯の自由診療費は、「医療費控除」の対象として確定申告しましょう! ・最後に |
保険適用外でも、治療目的の歯の自由診療費には税優遇「医療費控除」が適用されます
保険適用の治療でも十分な場合が多いですが、「前歯など目立つところ」や「歯並などの加減」、「金属アレルギーなどの体質」等で、少しでも良い材質や良い治療法がある場合などは保険がきかず費用が高くつくと言われても、毎日の生活に欠かせないものだから自由診療の方を選ばれる方が多いのではないでしょうか?
実は、歯の自由診療費は、美容目的でなく治療目的ならば「医療費控除」の対象になるのが一般的です。
治療の一環であれば、歯の自由診療費は「医療費控除」の対象となります
美容目的でなく、治療の一環として行われる自由診療は、ほとんど、「医療費控除」の対象になります。
国税庁のホームページには、歯の自由診療費が、医療費控除の対象となるかどうかの判断基準を、「金やポーセレンを使用した歯の治療費」や「No.1128医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」といったテーマでQ&A形式で示しています。
<国税庁ホームページ>
歯の自由診療事例 | 医療費控除適用の指針 |
「金やポーセレンを使用した歯の治療費」 | 金やポーセレンなどの材料は、歯の治療材料として一般的に使用されている現状にあることから、これらを使用した歯の治療費は医療費控除の対象となります。 |
「No.1128医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」 | 現在、金やポーセレンは歯の治療材料として一般的に使用されているといえますから、これらを使った治療の対価は、医療費控除の対象になります。 |
発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります |
国税庁は、「一般的水準を著しく超える特殊なもの」を除いて医療費控除の対象になる」と指針で示しています
つまり、国税庁は、
「歯の治療については、保険のきかないいわゆる自由診療によるものや、高価な材料を使用する場合などがあり治療代がかなり高額になることがあります。
このような場合、一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なものは医療費控除の対象になりません。
現在、金やポーセレンは歯の治療材料として一般的に使用されているといえますから、これらを使った治療の対価は、医療費控除の対象になります。」
といった言い回しで曖昧な表現で指針を示しています。
国税庁は、「一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なもの」の具体的内容を示しておらず、かなりの幅のある指針となっています。
これは、美容目的でなく、治療目的で、虫歯や歯が欠けた、歯槽膿漏やぐらつき等治療で今日的に進んだ歯科治療を相当の費用で受ける自由診療には、保険は適用されないが、医療費控除で税制上支援する(認める)という考え方だと思われます。
(補足)
歯の自由診療が、ほとんどが「医療費控除」の対象になるという紹介記事が沢山見受けられます。気になる方は、検索してみてください! おすすめ記事⇒「治療費・医療費控除/保険診療と自由診療の違い」
歯の自由診療費は、「医療費控除」の対象として確定申告しましょう!
自由診療は保険がきかない為、医療費控除の対象にならないと諦めていた方は、是非、自由診療費を医療費控除に含めて確定申告されることをおすすめします。
なお、「医療費控除」は、その年度の所得の節税のための「所得控除」の一つにあります。
このため、過去に確定申告したことがない年度において医療費控除による還付金の見込みがあれば、還付請求は、5年間に遡って申告が可能です。
最後に
歯の自由診療費は、治療行為の一環であれば、「医療費控除」の対象になります。
少しでも、確定申告で、所得税の節税ができれば、住民税や、住民税をもとに算定される介護保険や地域行政サービス費の負担軽減に繋がります。
是非、e-Taxを利用して、還付金請求の可否を試算してみてください。
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