アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2024年07月19日

令和元年度修了考査 構造設計(4肢択一式)No.11〜 No.20

[ No. 11 ]
木質構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 「耐力壁形式」において壁量計算を適用する場合は、耐力壁よりも先に柱頭・柱脚接合部が破壊しないように設計する必要がある。


2. 壁量規定を適用除外とする集成材等建築物については、構造用集成材や構造用製材等の建築基準関係規定に定める材料を用い、許容応力度等の確認を行う必要がある。


3. 土台のような少量のめり込みが生じても構造上の支障がない箇所においては、長期許容応力度を基準強度の1.5/3倍とすることができる。


4. 軸組構法の標準的な許容応力度計算においては、耐力壁端部の柱の柱脚の引抜き力は、耐力壁の存在応力から算出される。



答え

 4
[ 解答解説 ]
1.◯
「耐力壁形式」では、壁の耐力で水平耐力が決定されているので、壁で壊れる設計となっていなければならない。よって、柱頭・柱脚などの接合部が先に破壊してはならない。
(テキスト第4章 第1節木造 1-4壁の設計と配置)

2.◯
記述の通り。集成材等建築物のルートの場合には、許容応力度の計算は建物規模によらず必ず必要である。


3.◯
記述の通り。(平13国交告第1024号第1)

4.×
引抜力を求める標準的な算出方法は、壁の許容せん断耐力から求められることになっており、存在応力からではないので不適当である。
(テキスト第4章第1節木造1-5接合部)




[ No. 12 ]
鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 限界細長比は、中心圧縮材の弾性曲げ座屈荷重が降伏軸力の0.5倍となる場合の細長比である。


2.水平剛性が小さく、鉛直荷重により柱に大きな圧縮軸力が作用する超高層建築物においては、PΔ効果により水平剛性が低下することがある。


3.純ラーメン架構の多層骨組において、大地震時に特定層に損傷が集中すると、倒壊に至るまでに吸収し得るエネルギーが少なくなる。


4.溶接時の過剰な入熱やパス間温度の上昇は、溶接金属の降伏応力の低下と低靱性化の要因となる。



答え

 1
[ 解答解説 ]
1.×
降伏軸力の0. 6倍となる時なので、不適当である。
(テキスト4章2節 2-2部材の設計)

2.◯
PΔ効果を考慮すると、柱や梁の曲げモーメントが大きくなるため、それに伴い部材の変形も大きくなる。そのため、同じ外力に対してPΔ効果を考慮しない場合に比べて水平変形が大きくなる。すなわち水平剛性が低下することになる。
(テキスト4章2節 2-4P△効果と付加応力)
その他、重心位置の移動により建物全体の転側モーメントが増加するため層の剛性が低下するという側面もある。

3.◯
記述の通り。

4.◯
記述の通り。
(テキスト4章2節 2-3接合部の設計)





[ No. 13 ]
鉄骨構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. H形鋼梁のねじり剛性は、フランジ及びウェブ端部の材軸方向変形(反り)が拘束されると、増大する。


2.構造部材の接合部を高カボルト摩擦接合と溶接接合の併用継手とする場合、高カボルトを締付けた後に溶接を行う場合は、それぞれの許容耐力の和をその接合部の許容耐力とすることができる。


3. H形鋼梁の塑性変形能力を確保する一つの方法として、フランジやウェブの幅厚比の小さい部材を使用することは有効である。


4. 伸び能力のあるアンカーボルトの降伏により終局耐力が決定される露出柱脚の履歴特性は、紡錘型の性状を示す。



答え

 4
[ 解答解説 ]
1.◯
記述の通り。

2.◯
記述の通り。(日本建築学会「鋼構造規準」)

3.◯
記述の通り。

4.×
アンカーボルトに伸び能力があっても、コンクリートとの付着劣化やアンカーボルトの降伏による残留伸びが解消されないため、履歴特性はスリップ型の履歴形状となる。




[ No. 14 ]
鉄筋コンクリート構造の鉄筋とコンクリートの付着に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.柱や梁部材の付着割裂破壊の検討において、割裂面を横切る横補強筋量が多いほど付着強度が上昇するが、横補強筋の降伏点を大きくしても、付着強度の上昇は期待できない。


2.長期の許容付着応力度は、普通コンクリート及び軽量コンクリートともに、引抜試験における付着強度に対して、安全率が概ね3程度となるように定められている。


3. 両端に降伏ヒンジを計画する梁において、全ての主筋が通し配筋される場合の設計用付着応力度は、主筋の降伏強度を2倍したものを、梁の内法長さで除した値から定める。


4. 極めて稀に発生する地震に対して、上部構造の部材に降伏を生じさせない設計とした基礎免震構造であっても、鉄筋とコンクリートの付着の検定は必要である。



答え

 3
[ 解答解説 ]
1.◯
「2015年版建築物の構造関係技術基準解説書」によると、鉄筋コンクリート造のルート3の計算に記載されている付着割裂破壊に対する検討式として記述があるのは日本建築学会の「鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針」となっているが、ここで提案されている式は記述の通り横補強筋の降伏点は付着強度に関係の無い式となっている。

2.◯
平12建告第1450号第1のただし書きに実験で確認した強度の3分の1という記述から、安全率が3であると考えられる。

3.×
設計用付着応力度の算定は、「2015年版建築物の構造関係技術基準解説書」の場合、上述した付着割裂破壊に対する「鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針」と許容応力度に対する「鉄筋コンクリート構造計算規準同解説2010年」の2つの記述があるが、いずれの場合も設計用付着応力度はせん断ひび割れを考慮して有効付着長さを(L-d)( L:梁の内法長さ、d:梁せい)としている。よって不適当である。

4.◯
記述の通り。一般的には許容応力度設計を行うことになるが、その場合でも付着の検定は必要である。




[ No.15 ]
図のような高さHの鉄筋コンクリート柱(円形断面の中央に鉄筋1本が配されたもので、柱の中央には断面を横切る水平ひび割れが1本入っている。)に、圧縮軸力Nを均等に作用させる。以下の条件のもと、Nを零(ゼロ)から増加させたところ、NがN0に達したとき、柱の中央のひび割れが閉じた。圧縮軸力をさらに大きく作用させ、N=3N0となったときの区間U における鉄筋とコンクリートの軸力の負担比率として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱等の自重は考慮しなくてよい。

【条件】
@ 鉄筋とコンクリートは、常に弾性とする。

A 全長にわたって鉄筋の断面積はA、コンクリートの断面積は20Aとする。

B 鉄筋とコンクリートのヤング係数比は、10とする。

C 区間 I においては、鉄筋とコンクリートとの付着は完全であり、両者の材軸方向ひずみは常に等しいものとする。

D 区間 U においては、鉄筋とコンクリートとの間には微小間隙があり、付着が絶縁されている。

E 柱の中央のひび割れが閉じるまでは、区間 U のコンクリートの応力は零(ゼロ)とし、ひび割れが閉じた後は、区間 U の鉄筋とコンクリートの材軸方向ひずみ増分は等しいものとする。

No15_鉄筋コンクリート柱+鉄筋.jpg

1-2_No.15_選択肢.jpg


答え

 4
[ 解答解説 ]
各区間での軸力の値を
区間 I  鉄筋:NIS、コンクリート:NIC
区間 U 鉄筋:NUS、コンクリート:NUC
とする。
柱断面の軸剛性は断面積A及びヤング係数 Eに比例するので、
 鉄筋:コンクリート
の軸力比は
1A•10Ec:20A•1Ec = 1:2
となる。

軸力がN0に達するまでの時点、各部分の軸力は区間 I では軸剛性比、区間 U では全体を鉄筋が負担となるため、下記のとおりとなる。

1-2_No.15_軸力(1).jpg

同様に、軸力が N0 → 3N0に増加する間の2N0分の軸力の負担は、区間 I 、U ともに軸剛性比となるため、下記のとおりとなる。

1-2_No.15_軸力(2).jpg

以上より、軸力が3N0の時点の各区間の軸力は上記を加えたもののため、

1-2_No.15_軸力(3).jpg

よって、
区間U における鉄筋とコンクリートの軸力の負担比率は、
NUS:NUC
= 5/3 × N0: 4/3 × N0 = 5:4




[ No. 16 ]
免震構造•制振構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 免震層に同じ高さで同じせん断弾性係数の積層ゴム支承を配置する場合、免震層の偏心を小さくするためには、積層ゴム支承の長期面圧(=長期軸力/ゴムの水平断面積)のバラツキを少なくすることが効果的である。


2. 一般に、免震層の水平剛性を小さくすれば、免震建築物としての周期が長くなり、上部構造の応答加速度は低減できるが、免震層の層間変位は増大する。


3. 制振構造の建築物の設計において、V字形ブレースの先端に水平に取り付けられたオイルダンパーは、建築物の層間変形角が最大時に反力が零(ゼロ)になるため、V字形ブレースの剛性が小さくても十分な応答低減効果を発揮する。


4. 高層建築物のフレーム内にせん断型制振ダンパーを配置する場合、ダンパーが取り付く柱の地震時の軸変形により、一般に、上層階においてはダンパーの応答低減効果は小さくなる。



答え

 3
[ 解答解説 ]
1.◯
記述の通り。

2.◯
記述の通り。

3.×
オイルダンパーは速度依存で効果を発揮するため、層間変形角が最大時に反力が 0 というのは正しい。しかし、V字型ブレースの剛性が小さいと、層間変形に対してオイルダンパーに生じる変形が小さくなり、速度も小さくなり、応答低減効果が小さくなるため、不適当である。

4.◯
記述の通り。




[ No. 17 ]
地盤・基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.基礎の設計においては、地盤の支持力の検討のみでは不十分であり、基礎の沈下及び変形についても検討し、相対沈下が基礎梁等の構造部材に障害を生じさせないことを確認する必要がある。


2. 粘性土地盤の圧密沈下の検討においては、一般に、対象地盤の圧密降伏応力が基礎の載荷による増加応力を加味した地中応力よりも大きい場合には、過圧密状態であるので、大きな圧密沈下は生じないと考えてよい。


3. 杭の種類には大別すると場所打ちコンクリート杭と既製杭とがあり、場所打ちコンクリート杭の一つの工法として、杭先端部付近を掘削時に杭径以上に拡大して、セメントミルクと土砂を撹拌混合する工法がある。


4. 杭の鉛直支持力は、周面摩擦抵抗力と先端支持力との加算によって求められるが、場所打ちコンクリート杭の場合、周面摩擦抵抗力は比較的小さな沈下の範囲で極限に達するのに対して、先端支持力は比較的大きな沈下の範囲まで増加する傾向にある。



答え

 3
[ 解答解説 ]
1.◯
記述の通り。

2.◯
記述の通り。

3.×
「杭先端部付近を掘削時に杭径以上に拡大して、セメントミルクと土砂を攪拌混合する工法」は、既製杭の工法であるため、不適当。

4.◯
記述の通り。




[ No. 18 ]
地盤・基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.敷地内に切土地盤と盛土地盤とが混在する地盤においては、基礎の不同沈下に注意する。


2. 砂地盤の強度や剛性は一軸圧縮試験により推定し、粘土地盤の強度や剛性は標準貫入試験のN値から推定する。


3. 液状化判定の対象とすべき地盤は、一般に、地表から20m以浅の飽和砂地盤で、細粒分含有率が35%以下、粘土分含有率が10%以下の沖積層又は埋立て地盤である。


4. 擁壁や地下外壁の設計においては、長期的に作用する土圧に対する検討のほか、地下水位以下の部位には水圧が作用するので、その影響も検討する。



答え

 2
[ 解答解説 ]
1.◯
記述の通り。

2.×
一軸圧縮試験は自立する供試体に対して拘束圧が作用しない状態で圧縮する試験で、一般的には砂地盤で行うことが困難であり、不適当。また、粘性土では一軸圧縮試験その他の物理試験を行うのは容易であるので、N値からの推定ではなく、実際の試験で強度や剛性を調査したほうがよい。現在では砂地盤であっても3軸圧縮試験などを行う技術もあるので、必要に応じて実施したほうがよい。
(テキスト4章7節 7-2地盤に関する基礎知識)

3.◯
記述の通り。
(テキスト4章7節 7-2地盤に関する基礎知識)

4.◯
記述の通り。
(テキスト4章7節 7-2地盤に関する基礎知識)




[ No. 19 ]
吊り天井に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 天井自体の面内剛性が高く、しっかりと構造躯体に取り付けられている場合、吊り天井の地震時最大応答加速度は、取り付く構造躯体の最大応答加速度と同等とみなすことができる。


2. JIS規格に準じたハンガーやクリップ等による接合方法を用いた吊り天井は、接合部の力学的特性を鋼構造部材の接合部とほぼ同等とみなすことができることから、接合部の解析上のモデル化は、鋼構造に準じて行う。


3. 質量が2 kg/m2未満の軽量の吊り天井は、現行の建築基準関係規定においては落下防止対策については規定されていない。


4. 圧縮力に抵抗できない吊りボルトを用いた天井の地震動による揺れ防止用ブレースは、引張力だけでなく圧縮力にも抵抗できるものでなくてはならない。



答え

 2
[ 解答解説 ]
1.◯
記述の通り。
(テキスト4章9節 9-3(1)慣性力の評価方法)

2.×
JIS規格に準じたハンガーやクリップによる接合の場合、ハンガー・野縁受け間、野縁受け・クリップ間または野縁・クリップ間の力の伝達はそれぞれの接触面における接触力および摩擦力によってなされている。また、接合部には偏芯が存在するため、二次的な曲げ・ねじりモーメントなどが発生する。そのため、鋼構造部材の接合部の様な剛接合、ピン接合のような接合条件とはならないため、モデル化の方法にも特に注意が必要なため、不適当である。
(テキスト4章9節 9-3(2)吊り天井の構成と特徴)

3.◯
記述の通り。(平25国交告第771号)

4.◯
吊ボルトが圧縮力に抵抗できない場合、天井内の部材でトラス架構を成立させるためにはブレース部材が圧縮力に抵抗できる必要がある。




[ No.20 ]
既存建築物の耐震診断•耐震補強に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.耐震補強計画に当たっては、施工性も考慮しつつ、最も補強効果の期待できる耐震補強要素の位置を選定することが重要である。


2. 鋼構造建築物の耐震補強計画に当たっては、製作方法や施工状況により大きな影響を受ける接合部の耐力を正確に評価することが重要である。


3. 木造住宅の精密診断法の一つである保有耐力診断法は、剛性率による低減係数や偏心率と床の仕様による低減係数を考慮して、上部構造の保有耐力を算定する診断法である。


4. 「RC耐震診断基準」には、第1次診断から第3次診断までの3種の診断レベルがあり、どの診断レベルも、梁の強度を考慮して耐震性能を評価する診断法である。



答え

 4
[ 解答解説 ]
1.◯
記述の通り。
(テキスト5章1節 1-4診断•補強を進めるにあたっての留意点)

2.◯
記述の通り。
(テキスト5章3節 鋼構造の耐震診断•耐震補強)

3.◯
記述の通り。
(テキスト5章4節 木造住宅の耐震診断•耐震補強)

4.×
「RC耐震診断基準」における診断のうち、梁の強度を考慮するのは3次診断のみであるので、不適当である。



この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/12626044
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
構造設計一級建築士
スケジュール
・講習日程
 札幌市 9/25・26
 仙台市 9/10・11
 東京都 9/26・27
 名古屋 9/19・20
 大阪府 9/12・13
 広島市 9/19・20
 福岡市 9/30・10/1

 オンライン 9/11〜10/1

・合格発表 1/24(金)まで
     
重要ポイント
構造コメンタール
 1.1 力とつり合い
 1,2 静定構造物
 1.3 断面の性質と応力度
 1.4 部材の変形
 1.5 不静定構造物
 1.6 座 屈
 1.7 振 動
 1.8 骨組の塑性解析

 2.1 構造設計の基礎
 2.2 構造計画等
 2.3 鉄骨構造
 2.4 鉄筋コンクリート構造
 2.5 鉄骨鉄筋コンクリート構造
 2.6 壁構造
 2.7 木構造
 2.8 基礎構造
 2.9 その他の構造等

建築材料
 1. 木 材
 2. コンクリート
 3. 鋼 材
 4. アルミニウム
 5. その他の材料
カテゴリーアーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。